お金のない親の老後をどう支える?2026年改定への対策と公的支援

【2026年問題】親の介護費用が2倍?貧困老後を回避する秘策

親に貯金がほとんどなく、年金だけで今後の生活や介護費用をまかなえるのか不安に感じていませんか。特に2026年度には介護報酬改定が予定されており、一部の方で自己負担が2割へ引き上げられるなど、家計への負担増が懸念されています。

しかし、過度に恐れる必要はありません。正しい知識を持ち、今のうちから対策を講じることでリスクを最小限に抑えることは可能です。この記事では、お金のない親の老後を支えるために必須の公的制度や、2026年改定のポイント、そして子供自身の生活を守るための具体的な方法を解説します。一人で抱え込まず、使える制度を賢く活用して共倒れを防ぎましょう。

目次

お金のない親の老後を襲う「2026年問題」と費用の実態

親の高齢化に伴い、避けて通れないのが介護のお金の問題です。特に現在注目されているのが、2026年に予定されている制度の変更です。ここでは、具体的にどのような負担増が予想されるのか、そして介護には実際どれくらいの費用がかかるのかという現実について見ていきましょう。

介護報酬改定2026で何が変わる?自己負担2割への引き上げ

2026年度の介護報酬改定において、厚生労働省は介護保険サービスの利用料自己負担が2割となる対象者を拡大する方向で検討を進めています。これまでは一定以上の所得がある上位20%層が対象でしたが、この基準を引き下げて、上位30%程度の層まで広げる案が出ています。これにより、これまで1割負担で済んでいた世帯でも、新たに2割負担となる可能性が出てきました。

具体的には、単身世帯で「年金収入+その他の合計所得金額」が280万円以上の人が2割負担の対象とされてきましたが、この基準が厳しくなることが予想されます。もし対象が拡大された場合、最大で約35万人もの高齢者が新たに負担増の影響を受けると試算されています。ただし、急激な負担増を避けるため、施行から一定期間は負担増加額に月額7,000円の上限を設けるなどの配慮措置もあわせて検討されています。

項目現行制度(参考)2026年改定案の方向性
2割負担の対象上位約20%の所得層上位約30%へ拡大を検討
影響人数最大約35万人が新たに2割負担へ
配慮措置負担増に対し月額7,000円の上限設定案あり

このように制度は刻々と変化しており、親の年金収入や資産状況によっては、想定していたよりも介護費用の負担が重くなるリスクがあります。最新の情報をキャッチアップし、早めに備えておくことが大切です。

介護にかかる平均費用と一人っ子が抱える経済的プレッシャー

実際に介護が始まった場合、どのくらいのお金が必要になるのでしょうか。生命保険文化センターの調査によると、介護費用の月額平均は約8.3万円、住宅改修や介護用ベッドの購入などの一時的な費用は約74万円かかると言われています。もちろん、在宅介護か施設入居かによって金額は大きく異なりますが、年金だけで賄えない部分は子供が補填しなければならないケースも少なくありません。

特に兄弟姉妹がいない一人っ子の場合、精神的・肉体的な負担だけでなく、経済的なプレッシャーも一人に集中してしまいます。親のお金がないからといって、自分の老後資金や教育費を削ってまで援助を続けると、結果として親子共倒れになってしまう危険性があります。まずは親の預貯金や年金額を正確に把握し、今の資産でどの程度のサービスが受けられるのかを冷静に計算することから始めましょう。

親のお金がない時に必ず確認すべき公的支援制度

親の貯蓄が少なくても、日本の公的制度をフル活用すれば、介護費用を大幅に抑えることができます。多くの人が「知らなかった」と後悔する制度も存在するため、申請漏れがないように仕組みを理解しておくことが重要です。ここでは、特に経済的な助けとなる主要な制度を紹介します。

高額介護サービス費制度で月々の支払いに上限を設ける

介護保険サービスを利用して、1ヶ月に支払った自己負担額の合計が一定の上限を超えた場合、その超過分が払い戻される「高額介護サービス費」という制度があります。これは医療費における高額療養費制度の介護版ともいえる仕組みで、所得に応じて上限額が設定されています。例えば、一般的な所得世帯(年収約383万円未満)であれば、月額の上限は44,400円です。

さらに、住民税非課税世帯などの低所得世帯であれば、上限額はさらに低く設定されており、月額15,000円や24,600円に抑えられるケースもあります。この制度を活用すれば、仮に重度の介護が必要になりサービスの利用量が増えたとしても、際限なく支払いが増えることはありません。自治体から申請書が届くのが一般的ですが、見落とさないように注意し、必ず手続きを行いましょう。

施設入居を検討するなら「特定入所者介護サービス費(補足給付)」

特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの介護保険施設に入居する場合、介護サービス費の1〜3割負担に加えて、食費と居住費(滞在費)は原則として全額自己負担となります。しかし、所得や資産が一定以下の人に対しては、この食費と居住費の負担を軽減する「特定入所者介護サービス費(補足給付)」という制度が用意されています。これにより、費用の支払いが困難な方でも施設を利用しやすくなります。

ただし、この制度も2024年の改定に続き、今後の見直しで基準費用額(食費)の引き上げが予定されています。2026年8月からは、利用者の負担能力に応じた区分ごとに、日額ベースで数十円程度の引き上げが検討されています。わずかな金額に見えるかもしれませんが、月額に換算すると数千円の負担増になるため、以下の表で目安を確認しておきましょう。

利用者負担段階対象者の目安2026年8月からの食費引き上げ案(日額)
第1段階老齢福祉年金受給者など据え置き(0円増)
第2段階年金収入等80万円以下+30円程度
第3段階(1)年金収入等80万〜120万円以下+60円程度
第3段階(2)年金収入等120万円超+60円程度

このように負担額は段階的に変わるため、親がどの区分に該当するかを確認し、ケアマネジャーや施設の相談員と連携して計画を立てることが大切です。

医療費控除と自治体独自の助成制度の活用

年末調整や確定申告で利用できる「医療費控除」も、介護費用を抑えるための有効な手段です。病院での治療費だけでなく、訪問看護や訪問リハビリテーションなどの介護保険サービス費の一部、さらには医師が治療上必要と認めた場合の紙おむつ代なども控除の対象になります。領収書は捨てずに保管し、毎年しっかりと申告することで税金の還付を受けられる可能性があります。

また、国の制度だけでなく、お住まいの自治体が独自に行っている助成制度も見逃せません。例えば、要介護者を在宅で介護している家族に対し、年額数万円から10万円程度を支給する「家族介護慰労金」や、紙おむつなどの介護用品を現物支給するサービスを実施している地域があります。こうした情報は自治体の広報誌やホームページ、または地域包括支援センターで確認できますので、利用できるものは全て活用して家計の負担を減らしていきましょう。

生活保護の申請と「扶養照会」への不安を解消する

親の年金が少なく、貯蓄も底をついてしまった場合、最終的なセーフティネットとして「生活保護」の利用が視野に入ります。しかし、「親族に連絡が行くのが恥ずかしい」「子供である自分が面倒を見るべきでは」という心理的なハードルから、申請を躊躇するケースが後を絶ちません。

ここでは、生活保護の正しい知識と、多くの人が恐れる「扶養照会」の実情について解説します。制度は国民の権利ですので、正しい理解を持って検討することが大切です。

生活保護の受給要件と「扶養義務」の本当の意味

生活保護を受けるための要件は、世帯の収入が厚生労働省の定める「最低生活費」を下回っていること、そして預貯金や不動産などの資産を活用しても生活が成り立たないことです。ここで多くの子供世代がプレッシャーに感じるのが民法上の「扶養義務」ですが、この言葉の重さに押しつぶされる必要はありません。

扶養義務とは、あくまで「自分の生活に余裕がある範囲で援助をする」ものであり、自分の生活を犠牲にしてまで親を養う義務ではないからです。福祉事務所も、子供自身の生活が苦しい場合に無理な仕送りを強制することはありません。親の生活を支えようとして無理を重ね、共倒れになってしまうことこそが最も避けるべき事態です。自分の生活を守ることは、決して親不孝ではないと心得てください。

扶養照会は拒否できる?通知が行かないケースとは

生活保護の申請時、福祉事務所が親族に対して「援助が可能か」を確認する連絡を「扶養照会」と言います。これが家族間のトラブルの種になることを恐れて申請を諦める人がいますが、近年の運用見直しにより、必ずしも全員に通知が行くわけではなくなりました。

現在では、親族と長期間(概ね10年以上)音信不通である場合や、過去に虐待やDV(ドメスティック・バイオレンス)があった場合など、特別な事情があれば照会を控える運用がなされています。もし親との関係性に問題がある場合は、申請の相談をする際に窓口で正直にその事情を伝えてください。事情を汲んでもらえれば、親族に知られずに保護を開始できる可能性があります。

子供が共倒れしないための「仕事と介護の両立」戦略

親にお金がない場合、子供が労働時間を増やして収入を補填しようとしたり、逆に介護のために仕事を辞めてしまったりするケースが見られます。しかし、これは非常に危険な選択です。介護はいつ終わるか予測がつかず、長期戦になることが多いため、自分のキャリアと収入源を確保し続けることが何よりの防衛策となります。

介護離職は絶対に避ける!「介護休業給付金」の活用

「親の介護が忙しくなったから仕事を辞める」という決断は、経済的な破綻への入り口になりかねません。一度離職すると、年齢によっては再就職が難しく、将来的に自分自身の老後資金まで失うことになるからです。限界を感じる前に、まずは国の制度である「介護休業給付金」の活用を検討しましょう。

この制度を利用すれば、介護のために仕事を休んでも、休業開始時賃金日額の67%が支給されます。

  • 対象家族1人につき通算93日まで取得可能
  • 3回まで分割して取得できる
  • 休業中も社会保険料の免除が受けられる場合がある

この93日間は「自分で介護をする期間」ではなく、「介護体制を整えるための準備期間」として使うのが賢い方法です。この間に地域のサービスを手配し、自分が働き続けられる環境を構築しましょう。

プロの手を借りる!地域包括支援センターとケアマネへの相談

介護の負担を一人で抱え込まないためには、プロフェッショナルであるケアマネジャーや地域包括支援センターを頼ることが不可欠です。彼らは介護保険制度のスペシャリストであり、費用を抑えながら利用できるサービスを熟知しています。相談する際は見栄を張らず、「親にお金がなく、これ以上は出せない」とはっきり伝えることが重要です。

予算に応じたケアプランを作成してくれますし、特別養護老人ホームなどの施設入居や、ショートステイの活用など、具体的な解決策を提案してくれます。

親の介護を一人で背負うことは、荒れ狂う海で一人でボートを漕ぎ続けるようなものです。公的制度や専門家という「救命ボート」や「寄港地」を頼らなければ、あなた自身が先に力尽きてしまいます。まずは助けを求める信号を地域包括支援センターに送ることから始めましょう。


コラム:ひろゆき流「親を施設に預ける罪悪感」の捨て方

「親を施設に入れるなんて冷たいのでは?」と自分を責めてしまう人がいます。しかし、実業家のひろゆき氏などが提唱するように、「疲弊した家族がイライラしながら世話をするより、プロの介護スタッフが笑顔で接してくれる方が、結果的に親にとっても幸せ」という考え方もあります。

自分の人生を犠牲にしてまで尽くすことが、必ずしも正解ではありません。物理的な距離を取ることで、かえって心の余裕が生まれ、面会時に優しく接することができるようになるケースも多いのです。


親が認知症になる前にすべきことチェックリスト

親の判断能力がしっかりしているうちに準備をしておかないと、いざという時に親の預金が下ろせなくなるなどのトラブルが発生します。以下のリストを確認し、早めに行動しましょう。

  • [ ] 資産状況の把握(通帳の場所、年金額、保険証書の確認)
  • [ ] 任意後見制度の検討(判断能力が低下した後の財産管理を誰にするか決める)
  • [ ] 金融機関の代理人届(家族が代理で取引できるように手続きする)
  • [ ] エンディングノートの作成(延命治療や葬儀の希望を聞いておく)

まとめ:制度をフル活用して「自分の人生」を守り抜こう

お金のない親の老後問題は、子供だけで解決しようとすると必ず限界が訪れます。特に2026年の介護報酬改定など、社会情勢の変化によって負担が増す可能性もありますが、それに対抗するための公的支援も数多く存在します。

重要なのは、以下の3点です。

  1. 高額介護サービス費や軽減制度を使い倒す
  2. 生活保護や扶養照会への過度な恐れを捨てる
  3. 介護離職はせず、プロを頼って共倒れを防ぐ

親を大切に思う気持ちは素晴らしいですが、それによってあなたの生活が崩壊してしまっては元も子もありません。使える制度はすべて使い、堂々とプロの手を借りてください。それが、長く穏やかに親を見守り続けるための唯一の方法です。

まずは今日、お住まいの地域の「地域包括支援センター」の電話番号を調べ、相談の予約を入れるところから始めてみませんか?その一本の電話が、あなたの肩の荷を軽くする大きな一歩になります。

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