2026年が幕を開け、ここワシントン州では私たちの生活に関わる多くの制度や環境が変化しています。
過去最高水準となった最低賃金の引き上げや、日系スーパー「宇和島屋」のタコマ再進出といった明るいニュースがある一方で、Meta(メタ)社による大規模な解雇や、第二次トランプ政権発足に伴う抗議デモの発生など、経済・治安面での不安要素も混在しているのが現状です。
本記事では、2026年1月時点でのワシントン州・シアトル周辺の重要ニュースを総まとめしました。法改正から企業の動向、最新の治安情勢まで、現地生活に必須の情報を分かりやすく解説します。
【経済・雇用】2026年の最低賃金引き上げとテック企業の動向
ワシントン州とシアトル市の最低賃金が過去最高額へ
2026年1月1日より、ワシントン州およびシアトル市の最低賃金が改定され、いずれも全米で最も高い水準となりました。ワシントン州全体では時給17.13ドル、シアトル市内では時給21.30ドルへと引き上げられています。
この賃上げは、消費者物価指数(CPI-W)と呼ばれる「物価がどれくらい上がったか」を示すデータに基づいて計算されています。つまり、日々の買い物や家賃などの生活費が高騰している現状を反映した結果といえます。
また、今回は一般の労働者だけでなく、UberやLyftといったライドシェアサービスの運転手に対する報酬基準も引き上げられました。働く側にとっては収入増のチャンスですが、利用者にとってはサービス価格の上昇につながる可能性もあり、生活コスト全体の管理がいっそう重要になりそうです。
Meta社がシアトル地域で331人を解雇・経済への影響
賃金上昇というニュースの一方で、地元の経済に大きな影響力を持つテック業界では厳しい調整局面が続いています。Facebookなどを運営するMeta(メタ)社は、シアトル地域で働く従業員331人を解雇すると発表しました。
対象となっているのは、シアトル、ベルビュー、レドモンドの拠点で勤務するエンジニアなどの職種です。この解雇(レイオフ)は2026年3月20日付けで実施される予定となっており、Reality Labs部門などでの人員削減が含まれていると報じられています。
最低賃金が上がり景気が良く見える側面もありますが、主要産業であるIT企業では依然として雇用の流動化が続いています。テック業界にお勤めの方だけでなく、地域経済全体に関わるニュースとして今後の動向を注視していく必要があります。
有給家族・医療休暇(PFML)の保険料率変更
私たちが病気や家族の介護などで仕事を休む際に利用できる「有給家族・医療休暇(PFML)」についても、1月から制度の一部が変更されました。主な変更点は以下の通りです。
- 保険料率の変更: 従業員の給与から天引きされる保険料率が、従来の率から1.13%に変更されました。給与明細を確認する際は注意が必要です。
- 復職保護の拡大: 休暇取得後に元の職場に戻れる権利(復職保護)が、従業員数25名以上の企業で働く人々にも適用されるようになりました。
これまで中小企業で働いているために制度を利用しづらかった方にとって、これは安心材料となる改正です。ご自身の勤務先が対象かどうか、一度確認してみることをおすすめします。
【生活・ニュース】宇和島屋のタコマ進出と暮らしの新ルール
創業の地へ100年ぶり!宇和島屋が2027年にタコマ出店
現地で暮らす日本人にとって嬉しいビッグニュースが飛び込んできました。日系スーパーマーケットの宇和島屋が、2027年にタコマのプロクター地区へ新店舗をオープンする計画を発表しました。
実はタコマは、宇和島屋が創業されたゆかりの地でもあります。約100年の時を経て創業の地へ再進出するというストーリーは、地域の日系コミュニティでも話題となっています。
現在はシアトルやレントンまで買い出しに行っているタコマ周辺やサウスサウンドにお住まいの方にとっては、日本の食材やお惣菜がぐっと身近になり、生活の利便性が大きく向上することが期待されます。
運転免許証や買い物袋など身近な制度変更まとめ
2026年からは、毎日の買い物や身分証明書に関する細かいルールもいくつか変わっています。知らずに利用して戸惑うことがないよう、生活に直結する主な変更点をリストにまとめました。
| 項目 | 変更内容 | ポイント |
| プラスチックバッグ | 厚手袋の手数料変更 | お店で提供される再利用可能な厚手のプラスチック袋の料金が、1枚あたり16セントに変更されました。マイバッグの持参がより節約につながります。 |
| 運転免許証 | 血液型の記載(任意) | 新規発行や更新の際、希望すれば運転免許証に血液型を記載できるようになりました(有料オプション)。万が一の事故の際に役立つ可能性があります。 |
| 映画館 | 字幕(キャプション)対応 | ワシントン州内の映画館で、字幕付きの上映回を設けることが義務化されました。英語の聞き取りに不安がある方でも映画を楽しみやすくなります。 |
特に買い物袋の料金変更は、日々の積み重ねで家計に響いてくる部分です。車やカバンにエコバッグを常備する習慣を、改めて見直してみると良いかもしれません。
2026年ワシントン州議会の焦点は「予算」と「住宅」
1月にはワシントン州議会が開幕し、私たちの生活に関わる法律や予算の審議が始まっています。今年のオリンピアでの最大の争点は、数十億ドル規模に膨らんだ財政赤字への対応です。
就任したボブ・ファーガソン知事は、この予算問題に取り組みつつ、州内の深刻な住宅不足を解消するための法案に力を入れています。具体的には、より多くの住宅を建設できるように土地の利用区分(ゾーニング)を見直すことや、医療関連の支援などが議論されています。
予算のバランスを取るために新たな税負担が発生するのか、あるいは行政サービスが見直されるのか。議会の決定は私たちの税金や公共サービスに直結するため、決定事項には引き続き注目が必要です。
【治安・政治】トランプ政権への抗議活動と地域の安全
シアトル・オリンピアでの反トランプ政権デモの状況
2026年1月20日、第二次トランプ政権の発足からちょうど1年を迎え、ワシントン州各地でその政策に反対する抗議デモが行われました。
特にシアトルや州都オリンピアでは、「Free America Walkout」と銘打たれた活動が展開されました。Women’s March(ウィメンズマーチ)などの団体が主導し、数百人規模の人々が通りを行進して声を上げています。
幸い大きな混乱や暴動には発展しませんでしたが、多くの人が集まる場所では突発的なトラブルが起きる可能性もゼロではありません。デモが予定されている日は、ダウンタウンなどの中心部へのお出かけには十分な注意が必要です。現地のニュースや交通情報をこまめに確認し、治安の変化に敏感になっておくことをおすすめします。
ICE活動報告による学校の「校内待機」措置
デモと同じ1月20日、シアトル市内の学校に通う保護者の間に緊張が走りました。連邦政府の移民税関捜査局(ICE)が活動しているとの報告を受け、一部の学校で「校内待機(シェルター・イン・プレイス)」の措置が取られたのです。
これは、外部の脅威から生徒を守るための予防的なロックダウンに近い対応です。結果として、実際にICEの捜査員が学校周辺で活動していた事実は確認されませんでしたが、地域全体が移民政策に対して神経質になっている現状が浮き彫りになりました。
ワシントン州は移民に対して寛容な姿勢をとっていますが、連邦政府の方針とは対立する場面も多く見られます。今後もこうした政治的な対立が、私たちの身近な生活圏や子供たちの学校生活に影響を及ぼす可能性があることは、頭の片隅に置いておくべきでしょう。
I-5多重事故など交通安全の注意喚起
政治的な動きだけでなく、日々の移動における安全管理も欠かせません。先日、タコマ近郊のファイフ付近を通るI-5(州間高速道路5号線)で、車両21台が絡む大規模な多重事故が発生しました。
冬場のワシントン州は雨が多く、路面が滑りやすくなっているため、普段通い慣れた道でも思わぬ事故に巻き込まれるリスクがあります。特に通勤時間帯や週末の移動では、車間距離を十分に空け、早めの行動を心がけることが大切です。
また、空の旅でも新しいルールが始まっています。空港の保安検査(TSA)では、デジタルID確認システム「ConfirmID」の導入が進んでいます。便利な反面、慣れるまでは手続きに時間がかかることも予想されるため、空港へは余裕を持って到着するようにしましょう。
2026年1月のワシントン州情勢まとめ
2026年のワシントン州は、最低賃金の引き上げや宇和島屋の再進出といった生活を豊かにするニュースで幕を開けました。しかしその裏では、テック業界での雇用不安や、政治的な緊張感の高まりといった課題も同時進行しています。
物価や人件費が上がる中で、どのように家計を守り、安全な生活を維持していくか。今年はこれまで以上に「情報のアップデート」が、快適な海外生活のカギを握ることになりそうです。
本記事で紹介した変更点や注意点を参考に、ぜひ安全で充実した2026年のスタートを切ってください。今後も州の公式サイトや現地の信頼できるニュースソースを定期的にチェックし、変化の激しい時代を賢く乗り切っていきましょう。
