2026年1月、世界が注目したFOMCと日銀の金融政策決定会合が相次いで開催されました。結論からお伝えすると、日米ともに政策金利を据え置く結果となりましたが、今後の見通しについては強気と弱気が複雑に絡み合っています。
現在は米国の利下げがいったん足踏みする一方で、日本が追加利上げのタイミングを慎重に探るという重要な局面です。この記事では、会合の結果詳細と155円という重要な水準を巡る今後のドル円相場について、専門知識を噛み砕いて解説します。
2026年1月 FOMC・日銀会合の結果速報
2026年最初の関門となった1月の会合では、日本とアメリカの両中央銀行がそろって現状維持を選択しました。まずは、投資家が最も注目していた決定内容を整理して見ていきましょう。
| 項目 | 米国(FOMC) | 日本(日銀) |
| 政策金利の結果 | 3.50%〜3.75%(据え置き) | 0.75%(据え置き) |
| 主な判断理由 | インフレの粘着性と雇用の底堅さ | 物価見通しの精査と経済の様子見 |
| 今後のスタンス | データ次第で追加利下げを検討 | 経済が想定通りなら追加利上げ |
米国の連邦準備制度理事会(FRB)は、2025年後半から続けてきた利下げを4会合ぶりに停止しました。これは、アメリカの景気が予想以上に強く、物価上昇が再び勢いづくことを警戒した結果と言えます。
対する日本銀行も、0.75%という金利水準を維持することを決めました。植田総裁は、これまでの利上げによる経済への影響を慎重に見極める姿勢を崩していません。日米の金利差は以前に比べれば縮小していますが、依然として大きな差があることが再確認された形です。
米国:FOMCは据え置き決定、2026年の利下げシナリオは?
今回のFOMCでFRBが利下げを見送った背景には、労働市場の意外なタフさがあります。景気が冷え込んで失業者が増えるどころか、安定した雇用が維持されているため、急いで金利を下げる必要がなくなったのです。
パウエル議長は記者会見で、インフレが再び目標から遠ざかるリスクについて何度も言及しました。そのため、市場が期待していた「2026年中の連続利下げ」というシナリオには黄色信号が灯っています。
現在は、物価が十分に下がるのを待つための様子見期間に入ったと捉えるのが自然でしょう。今後の政策判断は、毎月発表される雇用統計などの経済指標に強く依存することになり、市場のボラティリティが高まりやすい状況が続きそうです。
ドットチャートが示す2026年の金利見通し
FOMC参加者が予測する将来の金利水準を点グラフにしたドットチャートを見ると、2026年を通じて緩やかに金利を下げていきたいという意向は感じられます。しかし、その意見は驚くほどバラバラに割れているのが現状です。
一部のメンバーはさらなる利下げを主張していますが、トランプ政権による新しい関税政策が物価を押し上げることを懸念し、高い金利を維持すべきだと考えるメンバーも少なくありません。
この意見の対立は、今後のドル円レートに大きな影響を与えます。もし利下げのペースが予想よりも遅くなれば、ドルが売られにくい展開となり、円安圧力が再び強まる可能性も否定できません。
トランプ政権とFRB議長人事の影響
2026年の米国金融政策を語る上で避けて通れないのが、政治による不確実性です。特にパウエル議長が2026年5月に任期満了を迎えるため、次期議長に誰が指名されるかに世界中の視線が集まっています。
トランプ大統領は過去にFRBの判断を厳しく批判した経緯もあり、より政権の意向を汲み取りやすい人物が選ばれるのではないかという観測が絶えません。もし中央銀行の独立性が揺らぐような事態になれば、ドルの信頼性そのものが問われることになります。
また、政権が掲げる関税の引き上げは、輸入品の価格上昇を通じてインフレを再燃させる恐れがあります。このような政治的なパワーゲームが、経済のセオリーを超えた急激なレート変動を引き起こすリスクとして潜んでいます。
日本:日銀は現状維持、次の利上げはいつ?
一方の日本国内に目を向けると、日銀は1月の会合で金利を据え置いたものの、決して弱気になったわけではありません。植田総裁は、日本の経済や物価が日銀の描いたシナリオ通りに推移すれば、今後も金利を引き上げていくスタンスを明確にしています。
市場関係者の多くは、春闘での賃上げ結果が確認され、経済の底打ちが見えてくる7月頃に追加利上げが行われると予想しています。現在の0.75%から1.0%の大台に乗せるかどうかが、2026年における日本経済の大きな節目となるでしょう。
日銀としては、急激な金利上昇によって企業の資金繰りや住宅ローン金利が悪化することを避けたい考えです。そのため、一歩ずつ慎重に階段を上るような、極めて緩やかな利上げペースが維持される見込みです。
植田総裁発言と円安への警戒感
最近の円安進行について、日銀は以前よりも強い警戒感を示しています。輸入コストの上昇が家計を圧迫し、ようやく上向き始めた個人消費に水を差すことを恐れているからです。
植田総裁の発言の中には、為替の動きが物価に与える影響を無視できないというニュアンスが色濃く反映されています。また、長期金利が上昇しすぎないよう調整するオペレーションについても、市場との対話を通じてバランスを保とうと腐心している様子が伺えます。
今後、もし1ドル=155円を超えるような円安が定着してしまった場合、日銀は利上げのスケジュールを前倒しにするなどの対抗策を迫られるかもしれません。円安を放置できないという日銀の本音と、実際の経済データとの間で、非常に難しい舵取りが続いています。
2026年のドル円予想|155円の壁と今後のチャート分析
ここからは、多くの投資家が意識している1ドル=155円という水準に焦点を当てます。この155円というレートは、単なる数字以上の意味を持っています。
過去には、このラインを超えた付近で政府・日銀によるレートチェックや円買い介入が噂されました。そのため、155円に近づくと市場には強い緊張感が走り、ボラティリティが急激に高まる傾向があります。
今後の相場を左右するのは、日米の金利差が縮まるスピードです。2026年は米国の利下げが緩やかである一方、日本の利上げも慎重なため、金利差は劇的には縮まりません。
この「じりじりとした金利差の縮小」が、円高への進行を限定的なものにしています。チャート上では155円が強力な抵抗線となり、これを明確に超えられない限りはレンジ内での推移が続くと予想されます。
シナリオA(円高進行):米国経済の急減速
もし米国経済が予想外の急減速に見舞われた場合、FRBは利下げのペースを加速させるでしょう。これに日銀の7月利上げが重なれば、日米金利差は一気に縮小へと向かいます。
このシナリオでは、これまでドルを支えていた実質金利の優位性が失われます。その結果、ドル円は150円の節目を割り込み、140円台まで円高が進む可能性も十分に考えられます。
シナリオB(レンジ相場):米国ソフトランディング
米国経済が大きな混乱なく着地するソフトランディングに成功した場合、ドル円は底堅い動きを見せるでしょう。FRBが慎重に利下げを行い、日銀も様子見を続ければ、金利差は依然として残ります。
この場合、為替レートは150円から160円の間で推移するボックス相場となります。大きなトレンドが出にくいため、逆張りのトレードが機能しやすい展開が予想されます。
まとめ:2026年のドル円は「金利差」と「政治」がカギ
2026年のドル円相場は、従来の経済指標だけでなく、政治的なイベントが大きなスパイスとなります。今回の1月会合の結果から見えてきた、今後の注目ポイントを整理しましょう。
- 日米の政策金利: 両国ともに現在は据え置きですが、今後の方向性は対照的です。
- 米国の政治リスク: パウエル議長の任期満了とトランプ政権の政策が最大の不透明要因です。
- 155円の防衛線: 介入への警戒感とテクニカル的な節目が重なる、最重要レートです。
2026年は、インフレの再燃や関税政策など、突発的なニュースでチャートが大きく振れる年になるでしょう。投資家は常に最新のデータをチェックし、柔軟に戦略を練り直す必要があります。
まずは、次回の米雇用統計や日銀の展望レポートを確認することから始めてみませんか。相場の転換点を見逃さないよう、日々のレートチェックを習慣化して、チャンスに備えましょう。
2026年の激動するドル円相場で利益を狙うなら、まずは信頼できるFX口座で最新の分析レポートをチェックすることをおすすめします。
