2025年から2026年の年末年始、久しぶりの帰省や旅行で高速道路を利用する計画を立てている方も多いでしょう。しかし、NEXCO各社からの発表によると、今回の年末年始は特定の日に激しい渋滞が予測されています。
特に上り線・下り線ともに年明けの1月2日・3日に混雑が集中する見込みです。結論として、快適な移動を実現するには「ピークの把握」と「時間の分散」が欠かせません。
本記事では、全国の主要路線の渋滞ピーク予測から、渋滞を避けるための具体的なテクニック、さらには期間中に注意が必要なETC休日割引の適用外ルールまで徹底解説します。出発前にこの記事をチェックして、快適で安全なドライブ計画を立てましょう。
【2025-2026】年末年始の高速道路渋滞ピークはいつ?
今年の年末年始(2025年12月26日〜2026年1月4日)は、曜日配列の影響で混雑する日が明確に分かれています。
結論から言えば、最も警戒すべきは年明けの2日間です。
NEXCOなどの渋滞予測によると、1月2日と1月3日に交通量が最大となり、激しい渋滞が発生すると見込まれています。
昨年度(2024-2025)と比較しても、10km以上の渋滞発生回数は増加傾向にあり、2025-2026シーズンはより慎重な計画が必要です。
下り線は1月2日、上り線は1月2日・3日が混雑の山
渋滞の波を方向別に詳しく見ていきましょう。
通常、年末に集中しやすい下り線(地方方面へ向かう流れ)ですが、今回は年明けの1月2日にもピークが来ると予測されています。
一方、上り線(都市部へ戻る流れ)は、Uターンラッシュと行楽帰りの車が重なる1月2日と1月3日が混雑の山場です。
つまり、1月2日は上下線ともに身動きが取りづらくなる「特異日」と言えます。
この期間に移動する場合は、深夜や早朝への時間変更といったピーク回避策が必須となるでしょう。
10km以上の渋滞は全国で計210回発生する予測
期間中、全国の高速道路でどれくらいの頻度で渋滞が起きるのでしょうか。
NEXCO各社のデータを集計すると、10km以上の渋滞は合計で約210回発生する見込みです。
特に30kmを超えるようなNEXCO管内での大規模渋滞に巻き込まれると、通過に1時間以上を要することも珍しくありません。
【渋滞規模別の発生予測回数】
| 渋滞の長さ | 発生予測回数 | 備考 |
| 30km以上 | 14回 | 通過に1時間〜数時間の遅れが発生 |
| 20km以上 | 57回 | 大幅な速度低下、ノロノロ運転 |
| 10km以上 | 210回 | 全国各地で頻発するレベル |
このデータからも分かるように、「どこかで渋滞にはまる」ことを前提とした準備が必要です。
【路線別】特に注意すべき主要道路の渋滞予測ポイント
ここからは、実際にどのルートで激しい混雑が予想されているのか、具体的なポイントを解説します。
東名、新東名、東北道などの主要幹線道路を利用予定の方は、以下の予測情報を必ず頭に入れておいてください。
事前にボトルネックとなる場所と時間を知っておくことで、渋滞情報を見ながらルートを変更するなどの対策が可能になります。
東名・新東名高速道路|綾瀬スマートIC付近の連日渋滞
首都圏エリアで最も注意が必要なのが、東名高速道路の綾瀬SIC(スマートインターチェンジ)付近です。
この区間は「サグ部」と呼ばれる下り坂から上り坂に変わる地形で、無意識の速度低下が原因となり、深刻な渋滞が発生します。
特に上り線では、1月2日から1月4日にかけて、連日30km以上の渋滞が予測されています。
状況によっては新東名への迂回も検討すべきですが、合流地点での混雑も考慮し、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
東北・関越自動車道|30km超の大規模渋滞に警戒
北関東や東北方面への帰省ラッシュ・Uターンでも、長い車列が発生する見込みです。
東北道や関越自動車道では、交通量が許容量を大きく超え、通過に多大な時間がかかるピークが発生します。
特に警戒すべき「30km超え」の予測地点は以下の通りです。
- 東北道(上り): 加須IC付近(1月2日・3日 夕方〜夜)…最大約35km
- 関越道(上り): 高坂SA付近(1月2日・3日 午後〜夜)…最大約30km
- 東北道(下り): 羽生PA付近(1月2日 午前中)…最大約20km以上
最新の交通情報をこまめにチェックし、これらのポイントを通過する時間をずらす工夫が求められます。
名神・中国・九州道など西日本エリアの予測状況
西日本エリアにおいても、都市部周辺を中心に激しい混雑が予想されます。
名神高速道路や九州道では、Uターンラッシュとなる1月2日・3日の午後に上り線(大阪・福岡方面)で渋滞が多発するでしょう。
例えば、名神高速の旧一宮IC付近や、中国道の宝塚トンネル付近などは、慢性的な渋滞の名所です。
少しでもスムーズに走るためには、混雑する日中を避け、早朝や夜間の分散利用を心がけることが最も効果的です。
渋滞を賢く回避するための「3つの鉄則」
渋滞は運だけで決まるものではありません。ドライバーの心がけ一つで、巻き込まれる確率や滞在時間を大幅に減らすことができます。
ここでは、渋滞予測データを活用し、少しでも早く目的地に到着するための「3つの鉄則」を紹介します。
特にサグ部などの地形要因を理解し、賢い分散利用を実践することが、快適なドライブへの近道です。
出発時間をずらす「分散利用」の効果とは?
最も確実な回避方法は、やはり時間をずらすことです。
多くの車が集中する時間帯を避け、分散利用を意識するだけで、所要時間は劇的に変わります。
例えば、静岡ICから東京ICへ向かう場合、ピーク時を避けて出発時間を数時間ずらすだけで、所要時間が1時間以上短縮されるケースも珍しくありません。
「昼食を食べてから出発」ではなく、「早朝に出発して現地で朝食」といった柔軟な計画が、渋滞回避の鍵を握ります。
上り坂(サグ部)での速度低下に注意する
高速道路の渋滞原因の多くは、実は事故ではなく自然渋滞です。
特に、下り坂から上り坂に変わる「サグ部」では、無意識のうちに速度低下が起き、後続車がブレーキを踏むことで渋滞が発生します。
東名や中央道などの主要路線には、「速度回復」を促す看板が設置されています。
上り坂に差し掛かったら、意識してアクセルを踏み足し、一定の速度を保つよう心がけましょう。
不要な車線変更を控え、一定速度を維持する
「少しでも前へ」と頻繁に車線変更を行うのは、実は逆効果です。
車線変更は後続車にブレーキを踏ませる原因となり、結果として全体の流れを悪くしてしまいます。
高速道路全体のスムーズな流れを作るためにも、追越車線に居座り続けず、走行車線を一定速度で走ることが大切です。
「急がば回れ」の精神で、車列の乱れを防ぐ運転が、結果的に自身の到着も早めます。
【重要】2025-2026年末年始はETC休日割引が「適用外」
今回の年末年始で特に注意が必要なのが、ETC割引制度の変更点です。
「土日祝日は3割引」という休日割引の感覚でいると、想定よりも高い料金がかかってしまう可能性があります。
2025年から2026年にかけての年末年始は、繁忙期の交通分散を図るため、割引が適用されない期間が設定されています。
料金所での混乱を避けるためにも、事前に適用外ルールを把握しておきましょう。
休日割引が適用されない期間(12/27~1/4)を確認
具体的に、休日割引が適用されない期間は以下の通りです。
- 適用外期間:2025年12月27日(土)~2026年1月4日(日)
この期間中は、土日や祝日(1月2日、3日を含む)であっても、通常料金が請求されます。
これはNEXCO各社共通の措置であり、全国の対象道路で実施されるため注意が必要です。
帰省や旅行の予算を立てる際は、通常料金で計算することをおすすめします。
深夜割引を活用してお得に移動するコツ
休日割引はありませんが、深夜割引(30%OFF)は期間中も適用されます。
対象となるのは、毎日午前0時から午前4時の間に高速道路を走行する場合です。
交通量の少ない夜間に移動することで、渋滞回避とお得な料金の両方を享受できるメリットがあります。
ただし、夜間運転は視界が悪く、眠気も襲いやすいため、十分な休憩を取りながら無理のない計画で利用しましょう。
冬の高速道路ならではの注意点:雪道対策と交通情報
年末年始のドライブでは、渋滞だけでなく「雪」への備えも欠かせません。
冬の天気は変わりやすく、晴れていても急な降雪で路面状況が一変することがあります。
雪道でのトラブルは、自分だけでなく周囲の交通を長時間麻痺させる原因になります。
最新の交通情報やリアルタイムの気象データを確認し、万全の装備で出発しましょう。
日本海側や西日本の平地でも大雪・積雪の可能性
「自分は雪国に行かないから大丈夫」という油断は禁物です。
強い寒波が到来すれば、日本海側だけでなく、西日本の平地や太平洋側の山間部でも積雪や凍結のリスクがあります。
ノーマルタイヤでの雪道走行は法令違反であり、何より命に関わる危険な行為です。
スタッドレスタイヤの装着やタイヤチェーンの携行など、冬用装備はマナーと考え、必ず準備してください。
【冬道運転の「三種の神器」チェックリスト】
出発前に以下のアイテムが車に積んであるか確認しましょう。
- [ ] タイヤチェーン・冬用タイヤ(突然の規制に備えて)
- [ ] 防寒着・毛布・携帯トイレ(立ち往生時の生命維持に)
- [ ] 解氷スプレー・スノーブラシ(視界確保のために)
出発前に必ずチェック!最新の交通情報確認ツール
刻一刻と変わる道路状況を把握するには、NEXCOなどが提供するWebサイトやアプリが便利です。
カーナビの情報はタイムラグがある場合があるため、スマホでリアルタイム情報を得るのが確実です。
以下のツールを活用し、出発直前や休憩中に最新の渋滞情報を確認しましょう。
- ドラとら(ドライブトラフィック): 全国および各エリアの渋滞・規制情報を地図で確認可能
- iHighway(アイハイウェイ): NEXCO西日本管内を中心とした通行止め・渋滞情報
- 日本道路交通情報センター(JARTIC): 事故や規制の速報値を網羅
まとめ:年末年始の高速道路は「巨大な生き物」
2025-2026年の年末年始、高速道路の渋滞攻略について解説しました。
最後にイメージしていただきたいのは、高速道路は**「巨大な生き物」**のようなものだということです。
全員が一斉に同じ方向に動こうとすれば、血管が詰まるように動きが止まってしまいます。
しかし、一人ひとりが少しずつ時間をずらし、上り坂で足を止めないように意識することで、生き物は再びスムーズに流れ始めます。
- 1月2日・3日のピークを避ける、または時間をずらす。
- サグ部での速度低下に気をつける。
- 雪道対策と情報収集を怠らない。
この3点を意識するだけで、あなたのドライブは格段に快適になります。
さあ、まずはスマホで「ドラとら」をブックマークし、タイヤのチェックから始めましょう。
準備万端で、安全で楽しい年末年始のドライブをお楽しみください。
