メリーマート逮捕!催眠商法の手口と社長・食べる抗がん剤の実態

【メリーマート】40年続いた催眠商法の全貌と逮捕の裏側

「食べる抗がん剤」というあまりにも衝撃的な言葉で高齢者を騙し、高額なサプリメントを売りつけていたニュースに驚かれた方も多いのではないでしょうか。大阪府箕面市の健康食品販売会社「メリーマート」の社長ら3人が、医薬品医療機器法違反(薬機法違反)の疑いで逮捕されました。

このような事件が後を絶たない理由は、今回用いられた「催眠商法(SF商法)」という手口の巧妙さにあります。彼らはパンや日用品を格安の100円で販売して人を集め、熱狂的な雰囲気の中で正常な判断力を奪い、高額商品を契約させてしまうのです。

本記事では、今回の逮捕ニュースの概要を整理しつつ、メリーマートが行っていた具体的な勧誘手口や販売されていた商品の実態について詳しく解説します。ご自身のご家族が同様の被害に遭っていないかを確認し、今後の対策に役立てていただければ幸いです。

目次

メリーマート社長ら3人が逮捕!「食べる抗がん剤」と偽る

大阪府警生活環境課などの合同捜査本部は、医薬品として承認されていないサプリメントを、あたかもがん治療に効果があるかのように宣伝・販売したとして、メリーマートの社長である五条俊明容疑者ら男女3人を逮捕しました。彼らは高齢者を集めた会場で、「これを飲めば細胞が増える」「食べる抗がん剤だ」といった虚偽の説明を繰り返していた疑いが持たれています。

本来、サプリメントはあくまで食品の一種であり、病気の治療や予防効果をうたって販売することは法律で厳しく禁止されています。これは薬機法(旧薬事法)という法律で定められており、消費者が誤った情報を信じて適切な医療を受ける機会を逃さないようにするための重要なルールです。

しかし、五条容疑者らは巧みな話術で参加者を信じ込ませ、本来であれば病院で治療を受けるべき深刻な悩みを持つ高齢者の心につけ込んでいました。今回の逮捕は、長年にわたり繰り返されてきた悪質な販売行為に対する大きな一石を投じるものと言えるでしょう。

逮捕容疑となった「催眠商法(SF商法)」の悪質な手口

今回問題視されている「催眠商法」は、別名「SF商法」とも呼ばれ、昔からある悪徳商法の代表的な手口の一つです。SFとは「新製品普及会(Shinseihin Fukyuukai)」の頭文字に由来すると言われていますが、その実態は会場の雰囲気を熱狂させ、まるで催眠状態のようにして高額商品を買わせる点に特徴があります。

メリーマートが行っていた具体的な手口の流れは、以下の通りです。

  1. 集客(餌まき):「パン1斤100円」「卵や日用品が格安」といったチラシを配り、お得感を前面に出して地域住民を店舗(会場)へ誘い込みます。
  2. 会場の空気作り:窓や出入り口を締め切った閉鎖的な空間(空き店舗など)に客を閉じ込め、健康に関するクイズや寸劇を行います。「はい!はい!」と手を挙げさせたり、拍手を繰り返させたりして、集団としての一体感と高揚感を作り出します。
  3. 判断力の麻痺:最初は安価な商品を競うように買わせ、「手に入れないと損だ」という心理を植え付けます。集団心理によって冷静な判断力を奪い、司会者の言葉を疑わない状態を作り上げます。
  4. クロージング(高額販売):会場の熱気が最高潮に達したタイミングで、最後に本命である高額なサプリメントを提示します。「特別価格」「会員限定」などと煽り、正常な判断ができない状態で契約へと持ち込みます。

このように、参加者を楽しませるイベントのような形式をとっているため、被害者が「騙されている」と気づきにくいのがこの商法の怖いところです。通っている本人は「親切にしてくれている」「楽しい場所だ」と思い込んでいるケースも多く、家族が説得しても聞く耳を持たないことが少なくありません。

販売されていた商品「瞬芽ブドウ種子iGS」と被害金額

今回の事件で実際に販売されていた商品は、ブドウの種子から抽出した成分を含むとされるサプリメントでした。容疑者らはこの商品について、科学的な根拠が一切ないにもかかわらず「がんが治る」「医者が処方する薬よりも効く」などと説明し、参加者の不安や藁にもすがる思いを悪用していました。

【瞬芽ブドウ種子iGS】

被害の実態も深刻で、ある被害者はこのサプリメントを「13箱で約26万円」という高額で購入させられていました。1箱あたり2万円近い価格設定であり、一般的な健康食品の相場と比べても明らかに高額です。さらに悪質なことに、支払能力に不安がある高齢者に対しては、年金の支給日を狙って代金を回収したり、ツケ払いを認めたりして、老後の大切な資金を搾取し続けていました。

こうした高額な契約は、会場の熱狂的な雰囲気の中で行われるため、帰宅して冷静になった後に「なぜあんな高いものを買ってしまったのか」と後悔する人が後を絶ちません。しかし、業者側もその心理を熟知しており、クーリングオフ(無条件解約)期間を過ぎるように仕向けたり、次々と新しい商品を勧めたりして、被害を拡大させていたのです。

なぜ長期間発覚しなかった?メリーマートの隠蔽工作と会社実態

今回の事件で多くの人が疑問に思うのは、なぜこれほど大規模な不正が長年にわたって見過ごされてきたのかという点でしょう。メリーマートは1984年の創業以来、なんと40年近くも営業を続け、売上高は11億円を超えていました。

警察の捜査の手から逃れ続けてきた背景には、非常に計算高い隠蔽工作がありました。彼らは、家族や本人からクレームが入ると、即座に「返金」に応じることでトラブルを表面化させないようにしていたのです。騒ぎが大きくなり、警察や行政に通報されるリスクを避けるための、狡猾な口封じと言えます。

また、店舗の展開方法にも特徴がありました。彼らは空き店舗を利用して「期間限定店舗」を構え、2〜3ヶ月という短い期間で場所を次々と移動していました。地域で悪評が広まる前に撤収してしまうため、行政が実態を掴みにくかったのです。

このような「逃げ得」を許さないためにも、まずはこの会社の概要と手口の特徴を整理しておきましょう。

項目詳細内容
会社名株式会社メリーマート
代表者五条俊明 容疑者(他、取締役の丹治芳治 容疑者らも逮捕)
所在地大阪府箕面市
創業1984年(昭和59年)
手口の特徴「パン100円」等で集客し、閉鎖空間で高揚感を煽る催眠商法。クレームには即返金し発覚を防ぐ。

このように、組織的に法の網をくぐり抜けてきた実態が明らかになっています。大阪府警による今回の摘発は、同様の手口を行う業者への強い警告となるはずです。

高齢者の家族が注意すべき「被害のサイン」と対策

今回の逮捕のきっかけとなったのは、ある金融機関の職員による機転でした。高齢の女性が窓口で多額の現金を下ろそうとした際、不審に思った職員が警察に通報したことで事件が発覚したのです。

しかし、すべての被害者が銀行で止められるわけではありません。被害を未然に防ぐ、あるいは早期に発見するためには、ご家族が日頃から高齢者の小さな変化に気づくことが重要です。

以下のような様子が見られたら、すでに催眠商法の会場に出入りしている可能性があります。

  • 家に大量の格安日用品がある:食べきれないほどのパン、大量のティッシュや洗剤、卵などがキッチンやリビングに積まれていませんか。
  • 外出の頻度が急に増えた:「健康のためになる話を聞きに行く」「すごく親切な人たちがいる」と言って、毎日のように出かけるようになったら要注意です。
  • まとまったお金を動かそうとする:銀行での高額出金や、定期預金の解約を申し出たり、「友人に貸す」など曖昧な理由でお金を用意しようとしたりします。

もし、これらのサインに気づいても、頭ごなしに叱るのは逆効果になることがあります。被害者は会場で「家族には内緒にするように」と口止めされていたり、販売員を信頼しきっていたりする場合が多いからです。

まずは「最近どんなところに行っているの?」と優しく話を聞き出し、商品名や契約書を確認してください。少しでも怪しいと感じたら、すぐに局番なしの「188(いやや)」で消費者センターへ相談するか、クーリング・オフの手続きを検討しましょう。

まとめ:うまい話には裏がある!怪しい会場には近づかない

今回のメリーマート事件は、「食べる抗がん剤」というありもしない効能で、病気に悩む人々の弱みに付け込む卑劣な犯行でした。しかし、同様の手口で高齢者を狙う業者は、残念ながらまだ全国に存在します。

「タダより高いものはない」という言葉通り、格安や無料で商品を配る背景には、必ず「高額商品を売りたい」という目的が隠されています。閉鎖された空間で熱狂的な雰囲気に飲み込まれてしまうと、誰であっても冷静な判断を保つのは難しいものです。

大切なご家族や資産を守るために、ぜひ今日、離れて暮らす親御さんや祖父母の方に電話をかけてみてください。「最近、安売りのお店に行っていない?」「変な健康食品の話には気をつけてね」と声をかけるだけでも、大きな抑止力になります。あなたのその一本の電話が、被害を防ぐための最も強力な対策になるのです。

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