【2026】栃木市長選の結果!保守分裂の背景と投票率を解説

栃木市の選挙結果に驚愕!保守分裂と圧勝の裏側を解説

2026年4月19日に投開票が行われた栃木市長選挙は、前県議の琴寄昌男氏が初当選を果たすという結果になりました。なぜこの選挙に注目が集まったのかというと、自民党の県連推薦をめぐって保守分裂が起き、新人同士の一騎打ちという異例の構図になったためです。実際に、琴寄氏は38,898票を獲得して松本喜一氏に2万票以上の大差をつけた一方、投票率は46.17%と前回から約6ポイントも低下しました。この記事では、選挙結果の詳細や投票率低下の背景に加え、両陣営の本当の支持母体や公開討論会で語られた政策の違いまで、わかりやすく深掘りしていきます。

目次

2026年栃木市長選挙の結果と投票率

2026年4月12日に告示され、4月19日に投開票が行われた栃木市長選挙。現職の大川秀子市長が3選に出馬せず引退を表明したことで、今回は1市5町の合併後初めてとなる新人同士の一騎打ちが実現しました。

いずれも無所属で立候補した前県議の琴寄昌男氏と前市議の松本喜一氏が、栃木市の未来をかけて激しい選挙戦を繰り広げました。結果としては、自民県連推薦を受けた琴寄氏が圧勝し、3度目の挑戦で悲願の初当選を成し遂げています。

琴寄昌男氏が初当選!両候補の得票数

開票の結果、琴寄昌男氏が松本喜一氏を2万票以上の大差で破り、栃木市の新たなリーダーに選ばれました。以下が両候補の最終的な得票数です。

候補者名得票数年齢肩書
琴寄昌男(当選)38,898票64歳前栃木県議(4期)
松本喜一16,718票70歳前栃木市議(7期)

琴寄氏は県議として4期14年の経験を持ち、財政再建を最優先課題に掲げて選挙戦を展開しました。一方の松本氏は市議として7期27年という長いキャリアを武器に、産業団地の整備や企業誘致を訴えましたが、及びませんでした。

注目すべきは、琴寄氏にとって栃木市長選が3度目の挑戦だったという点です。2014年の選挙では37,929票を獲得しながらも現職に敗れており、今回ようやく念願の当選を果たした形になります。得票数だけを見ても、琴寄氏への支持がいかに厚かったかがよく分かるでしょう。

前回を下回った投票率(46.17%)の背景

今回の栃木市長選の投票率は46.17%で、2022年の前回選挙(52.14%)と比べて約6ポイントもダウンしました。この数字は1市5町が合併して以降、最も低い投票率となっています。

投票率が低下した背景には、いくつかの要因が考えられます。まず、両候補ともに無所属の保守系新人であったため、政策の対立軸が有権者にとって見えにくかったという指摘があります。与野党対決のような分かりやすい構図がなく、争点がぼやけてしまった面は否定できないでしょう。

また、投票日当日の天候も影響した可能性があります。選挙への関心そのものが薄れていたことに加え、雨模様の空が有権者の足を投票所から遠ざけたとも言われています。人口減少が進む栃木市において、市民の政治参加をどう促すかという課題は、新市長にとっても大きな宿題となりそうです。

なぜ保守分裂に?自民県連推薦と「本当の支持母体」

今回の栃木市長選で最大の注目ポイントだったのは、自民党内で候補者の一本化ができず、保守分裂のまま選挙戦に突入したことです。ここでは、その複雑な政治的背景をひも解いていきます。

新人同士の一騎打ち!松本喜一氏と琴寄昌男氏の構図

今回の選挙がなぜ新人同士の一騎打ちになったのか。その発端は、現職の大川秀子市長が3選への不出馬を正式に表明したことにあります。大川市長は後継者を明確に指名しなかったため、市長の座をめぐってベテラン政治家2人が名乗りを上げる展開となりました。

一人は旧栃木市の市議から数えて通算7期27年の議員経験を持つ松本喜一氏(70歳)。もう一人は旧栃木市議を経て県議を4期14年務めた琴寄昌男氏(64歳)です。どちらも自民党籍を持つ保守系の政治家であり、長年にわたって地域の政治に深く関わってきた人物です。

後継指名がなかったことで、いわば「椅子取りゲーム」の様相を呈したこの選挙。有権者にとっては同じ保守陣営の中からどちらを選ぶのか、判断が難しい選挙だったと言えるでしょう。

自民県連推薦は琴寄氏へ!保守分裂の経緯

選挙前、自民党の地元支部では候補者を一本化しようとする動きがありました。しかし、松本氏と琴寄氏のどちらも出馬の意志を曲げず、党内での調整は最終的に不調に終わっています。

その結果、自民党栃木県連は琴寄氏に対して推薦を出すことを決定しました。松本氏は自民党籍を持ちながらも党の推薦を得られないまま、無所属で選挙戦に臨むことになったのです。同じ政党に所属する者同士が対立する、いわゆる保守分裂の構図がここに生まれました。

保守分裂とは、同じ保守系の政党や勢力から複数の候補者が出馬し、支持層が割れてしまう現象のことです。地方選挙ではときどき見られますが、それだけ今回の栃木市長選では両陣営の思惑が複雑に絡み合っていたと言えます。

両陣営の「本当の支持母体」とは?

保守分裂した今回の選挙では、両候補の支持基盤に大きな違いがありました。その差は出陣式の規模にも如実に表れています。

琴寄氏の出陣式には、地元選出の国会議員をはじめ現職の大川秀子市長も駆けつけ、約400人の支援者が集結しました。県議として培った広域的な人脈と、自民県連推薦という看板が組織的な選挙戦を可能にしたのです。国会議員クラスの応援も含め、いわゆる「組織戦」を展開できた点が琴寄陣営の強みだったと言えるでしょう。

対する松本氏の出陣式には約80人の支援者が参加。市議として7期27年にわたって地域に密着してきた草の根の支援者が中心で、地元住民とのつながりを軸にした戦いを繰り広げました。松本氏自身も「市のことをよく知っている」という地元密着の実績を強調しています。

出陣式の動員数だけで選挙の全てが決まるわけではありませんが、400人対80人という差は、組織力や支持母体の規模の違いを端的に示していたと言えます。この「組織力の差」が、最終的な2万票以上の大差にもつながった要因の一つと見られています。

公開討論会でみえた争点と両氏の政策比較

選挙戦の告示に先立ち、栃木青年会議所が主催する公開討論会が開かれました。この討論会は、有権者が両候補の政策を直接比較できる貴重な機会となっています。少子化対策や人口減少への対応、企業誘致による経済活性化など、栃木市が抱える課題に対し、琴寄氏と松本氏はそれぞれ異なるアプローチを示しました。

ここでは、両氏が公開討論会や出陣式で掲げた主な政策を整理して比較していきます。

琴寄昌男氏の主張:暮らしやすさ日本一と企業誘致

琴寄氏が選挙戦で一貫して掲げたスローガンは「暮らしやすさ日本一を目指す」というものでした。県議4期14年の経験を生かし、10項目27のプロジェクトからなる包括的な政策パッケージを提示しています。主な政策は以下の通りです。

  • 居住・医療・教育をトータルで支援する仕組みづくり
  • 半導体関連をはじめとする成長産業の企業誘致
  • 蔵の街など地域資源を活かした観光戦略の推進
  • 財政再建を最優先課題として位置付けた行政改革
  • 少子化対策としての子育て支援体制の充実

琴寄氏の政策の特徴は、個別のバラマキ型支援よりも、市全体の「暮らしやすさ」を底上げする構造的な取り組みに重点を置いている点にあります。県議時代に築いた県や国とのパイプを活用し、広域的な視点から栃木市の課題解決に取り組む姿勢を強調していたのが印象的でした。

松本喜一氏の主張:給付金と財政再建

一方の松本氏は「変えるのは、今。」をキャッチフレーズに、より具体的で市民に身近な経済支援策を前面に打ち出しました。市議7期27年の経験から生まれた現場感覚を武器に、以下のような政策を訴えています。

  • 第1子誕生時の給付金支給
  • 小中学校卒業時に10万円の祝い金を給付
  • 中小企業や農家を対象とした融資の金利補填
  • 産業団地の整備を通じた積極的な企業誘致
  • 財政再建による持続可能な市政運営

松本氏の政策は、市民が日常生活で実感できる直接的な支援に力点を置いていた点が特徴です。市議として長年にわたって市民の声を聞いてきた経験から、「このままでは10年後には市が破綻してしまう」と危機感を示し、産業団地の整備による税収増と歳出削減の両立を訴えました。

両氏の政策を比較すると、企業誘致や財政再建といった大きな方向性には共通点が多い一方で、そこに至るアプローチに違いがあったことがわかります。琴寄氏が広域的な視点での構造改革を志向したのに対し、松本氏は即効性のある市民向け支援策を重視する傾向が見られました。

新市長の課題!市政の混乱(百条委員会等)への対応

琴寄新市長は華々しい初当選を飾りましたが、就任早々から多くの難問が待ち構えています。栃木市はここ数年、議会や行政をめぐる複数のトラブルを抱えており、市政への不信感が高まっている状態です。新市長にとって、まず取り組むべきは市政の信頼回復と言っても過言ではないでしょう。

百条委員会とハラスメント問題

栃木市議会では、学校法人陽光学園が運営していた「ひまわり学童クラブ」への補助金交付をめぐって、百条委員会が設置されました。百条委員会とは、地方議会が強い調査権限を持って不正や疑惑を解明するために設ける特別な委員会のことです。証人喚問を行う権限もあり、正当な理由なく出頭を拒否した場合は刑事告発の対象にもなります。

この問題では、補助金交付の手続きに関わった当時の市職員が証人喚問で「手続きに甘さがあった」と証言するなど、行政のチェック体制に不備があったことが明らかになりつつあります。元理事長が出頭を拒否する姿勢を見せるなど、真相究明にはまだ時間がかかりそうな状況です。

さらに、栃木市議会ではハラスメント問題も表面化しており、議会としてハラスメント防止ロードマップを策定するなど、信頼回復に向けた取り組みが始まっています。こうした市政の混乱が、今回の選挙における投票率低下の一因になったという見方もあります。市民の間に「どうせ何も変わらない」という諦めのムードが広がっていたとすれば、それは非常に深刻な問題です。

栃木シティFCの損害賠償訴訟問題

もう一つ、新市長が対応を迫られる大きな案件があります。サッカーJ3の栃木シティFCに関連する損害賠償訴訟です。

この問題の経緯を簡単に説明すると、栃木シティFCのスポンサー企業である日本理化工業所が、栃木市の岩舟総合運動公園内にホームスタジアムを建設しました。その際、市との間で固定資産税と公園使用料を10年間免除するという覚書を交わしていたのですが、市民が「免除は違法だ」として住民訴訟を起こし、市側が敗訴。覚書通りの免除ができなくなったことから、日本理化工業所が市に対して約1億6800万円の損害賠償を求めて提訴したのです。

宇都宮地方裁判所栃木支部で審理が進んでおり、市は請求の棄却を求めて争う姿勢を示しています。この訴訟の行方は、栃木市の財政に直接影響するだけでなく、地域スポーツの振興策にも大きく関わってきます。新市長としてどのような方針で臨むのか、その手腕が注目されるところです。

まとめ:新市長誕生で栃木市はどう変わる?

2026年の栃木市長選挙は、琴寄昌男氏の圧勝という結果で幕を閉じました。しかし、合併後最低の投票率が示すように、市民の政治への関心は決して高いとは言えません。百条委員会や栃木シティFCの訴訟問題など、前市政から引き継いだ課題は山積みです。琴寄新市長に求められるのは、まず市政の透明性を高め、市民との信頼関係を取り戻すこと。そのうえで、人口減少や少子化対策といった構造的な課題にスピード感を持って取り組む姿勢ではないでしょうか。

新しいリーダーが「暮らしやすさ日本一」の公約をどこまで実現できるのか。栃木市の未来を左右する新市政のスタートを、私たちはしっかりと見守っていく必要があります。今後の栃木市の動きに引き続き注目していきましょう。

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