坂本花織がSP首位！0.1点差の激闘と全日本5連覇・五輪内定への条件

2025年12月21日

2025年12月19日、全日本フィギュアスケート選手権が開幕しました。

女子SPで首位に立ったのは、大会5連覇を狙う絶対女王・坂本花織選手です。

しかし、2位の島田麻央選手との差はわずか「0.1点」。今季限りの引退を表明している坂本選手が、非公認ながら今季世界最高得点を叩き出し、五輪内定へ王手をかけました。歴史的な激戦の舞台裏と、ミラノ・コルティナ五輪への道のりを詳しく解説します。

坂本花織がSP首位！女王の貫禄で見せた今季世界最高「79.43点」

坂本花織選手は、今季のSP曲「Time To Say Goodbye」に乗せて、完璧な演技を披露しました。冒頭のダブルアクセルから、彼女の代名詞であるダイナミックなジャンプが次々と決まります。

全ての要素で高い加点（GOE）を引き出し、シスメックス所属の女王らしい力強さと気品を表現しました。中野園子コーチが見守る中、リンクにはファンの愛が詰まったオレンジのバナータオルが揺れ、会場は熱狂に包まれました。

今回の得点「79.43点」は、国内大会のため非公認ではあるものの、今季のフィギュアスケート界における今季世界最高を上回る驚異的なスコアです。

坂本選手がこれほどの高得点をマークできた理由は、スピードに乗ったジャンプに加え、スピンやステップ全てで最高評価のレベル4を獲得したからです。代々木第一体育館の氷を支配するような滑りは、まさに5連覇を目指す者にふさわしいものでした。

2位につけたのは、若き才能・島田麻央選手です。彼女は冒頭で大技のトリプルアクセル（3回転半ジャンプ）を完璧に成功させました。

得点は79.33点。首位の坂本選手とは、わずか0.1点差という歴史的な僅差です。世代を超えたこの激突は、どちらが勝ってもおかしくないハイレベルな争いとなりました。

坂本選手は試合後、僅差での首位発進について「コワ！」と素直な緊張を口にしました。しかし、その表情には充実感が漂っています。現在の彼女の心理状態は、以下のような絶妙なバランスにあるようです。

この「わずかな楽しみ」こそが、彼女を逆転不可能な高みへと押し上げる原動力となります。

今回の全日本選手権2025は、坂本選手にとって特別な意味を持ちます。彼女は今季限りの引退表明をしており、これが最後の全日本となります。

最大の目標は、ミラノ・コルティナ五輪への出場です。選考基準は明確で、「全日本優勝」を果たせば、その場で代表内定が勝ち取れます。現役最後のシーズンを五輪で締めくくるため、彼女はこの一戦に全てを懸けています。

坂本選手の応援席には、彼女自身が初めて制作に関わったひまわり柄のバナータオルが咲き誇っています。

オレンジ色は彼女のパーソナルカラーであり、ファンの温かい声援を可視化したものです。リンクに投げ込まれる多くのプレゼントと共に、この「オレンジの海」が、孤独な氷上に立つ女王の背中を力強く押しています。

上位陣は極めて僅差であり、フリーでの演技構成が勝敗を分けます。