名古屋大学の研究現場では、高度な実験に伴う爆発や火災のリスクが常に隣り合わせです。
2025年12月23日には、トランスフォーマティブ生命分子研究所（ITbM）で薬品爆発が発生し、3名が負傷する事案が起きました。安全な研究環境を守るには、最新の事故例から教訓を学び、大学が定める「安全の手引」を遵守することが不可欠です。本記事では、名大の事故概要と緊急時の連絡体制、そして具体的な事故防止策を詳しく解説します。
名古屋大学の爆発事故（最新ニュースと過去の事例）
名古屋大学では、最先端の研究が行われる一方で、薬品や装置の扱いによる事故が報告されています。研究現場には常に潜在的なリスクがあることを再認識しなければなりません。
ITbMでの薬品爆発事故の概要
2025年12月23日、学内のITbM（トランスフォーマティブ生命分子研究所）の実験室で爆発が発生しました。この事故により、学生ら3名が火傷などのけがを負い、消防が出動する事態となりました。原因は実験中に使用していた薬品の予期せぬ反応と見られ、現在詳細な調査が進められています。
大学で頻発する破裂・爆発の具体的事例
過去には、掃除中の不注意による化学物質の接触や、装置の異常加圧による破裂事故も起きています。特にリチウムイオン電池の過充電や、劣化したボンベの破損は重大な事故に直結します。こうした事故の多くは、事前のリスクマネジメント不足や、手順の省略が引き金となっています。
名古屋大学 爆発を防ぐための実験安全指針
事故を未然に防ぐため、名古屋大学では「安全の手引」を策定しています。すべての研究者はこれに従う義務があります。
化学薬品・高圧ガスの取扱いとリスクアセスメント
実験前には必ずSDS（安全データシート）を確認し、化学物質の危険性を把握してください。高圧ガスを使用する際は、ボンベを確実に固定し、転倒を防止します。また、GHSピクトグラム（化学品の危険性を示す世界共通の図記号）を正しく理解しておく必要があります。
| ピクトグラム | 意味 | 対策の例 |
| 炎 | 引火性 | 火気を近づけない、換気の徹底 |
| 爆弾の爆発 | 爆発性 | 衝撃を避ける、混合禁止の確認 |
| 円上の炎 | 酸化性 | 可燃物との接触を避ける |
実験廃棄物の適切な分別とリサイクルルール
実験後の廃棄物は、液性に応じて細かく分別しなければなりません。異なる廃液を混ぜると、容器内で化学反応が起きて破裂する恐れがあるからです。大学のルールに従い、指定のポリタンクへ正しく回収し、適切なラベル表示を徹底しましょう。
名大 爆発・事故発生時の緊急対応マニュアル
万が一事故が発生した際、迅速な行動が被害の拡大を食い止めます。
緊急連絡体制と119番通報の判断基準
爆発や激しい火災を確認した場合は、迷わず119番通報を行ってください。同時に、学内の監視室や指導教員への報告も並行して進めます。避難経路を確保し、周囲に大きな声で危険を知らせることが最優先です。
火災発生時の初期消火5ステップ
- 大声で周囲に知らせる（「火事だ！」と叫ぶ）
- 119番通報と火災報知器の作動
- 消火器の確保（黄色いピンを抜く）
- 火の根元を狙って放射（天井に届く前まで）
- 無理なら即座に避難する
負傷時の応急処置と救急車の誘導方法
薬品を浴びたり火傷を負ったりした場合は、直ちに大量の流水で20分以上冷却する応急手当を行います。救急隊が到着する際は、正門や建物入口で誘導員を配置し、最短ルートで現場へ案内してください。
| 学部・拠点 | 緊急連絡先（内線） | 備考 |
| 工学部・工学研究科 | 052-789-XXXX | 守衛室直通 |
| 理学部・理学研究科 | 052-789-YYYY | 事務部安全担当 |
| ITbM | 052-789-ZZZZ | 拠点管理室 |
リチウムイオン電池の消火装置（名大の独自研究）
名古屋大学では、事故を防ぐだけでなく、発生時の被害を最小限にする研究も盛んです。その一つが、リチウムイオン電池専用の自動消火装置です。この装置は、電池の熱暴走を検知すると特殊な消火剤を瞬時に散布し、爆発を未然に防ぎます。こうした学内の最新技術は、将来のより安全な実験環境の構築に貢献しています。
実験の安全は、一人ひとりの「かもしれない」という意識から始まります。本日の実験を始める前に、もう一度安全対策と避難経路を確認しましょう。もし不安な点があれば、すぐに指導教員や安全管理者に相談してください。あなたの行動が、自分と仲間の命を守ります。
さあ、安全の手引を再確認して、確実なリスクアセスメントから今日の研究を始めましょう。
