2026年1月、ついにその時が訪れました。金小売価格が1グラムあたり3万円の大台を突破するという、歴史的な瞬間を私たちは目の当たりにしています。トランプ政権によるグリーンランド購入問題やFRBへの介入懸念など、かつてないほど複雑な地政学・金融リスクが、金相場を強力に押し上げているのです。
「この高騰は一体いつまで続くのだろう?」「今が売るべき最高値なのだろうか?」ニュースを見て、そのように心を揺さぶられている方も多いのではないでしょうか。本記事では、田中貴金属などの最新データを基に、金価格3万円突破の背景と、専門家による2026年以降の展望、そして賢い売買のタイミングについて詳しく解説します。
【速報】金価格が1g 3万円を突破!2026年1月の最新相場
ついに恐れていた、いえ、投資家にとっては待ち望んだ瞬間が到来しました。大手地金商の発表によると、2026年1月29日時点で、金の小売価格がついに3万円を超えました。
田中貴金属工業などの公表価格を見ると、小売価格は30,248円、買取価格も30,002円に達しています。これまで「いつかは行くかもしれない」と言われていた夢の数字が、現実のものとなったのです。これは単なる一時的な高騰ではなく、過去の相場と比較しても明らかに異次元の領域に入ったことを示しています。
以下の表は、直近の価格推移をまとめたものです。
| 日付 | 金小売価格(円/g) | 前日比 | 備考 |
| 2026/01/29 | 30,248 | +450 | 史上最高値更新 |
| 2026/01/28 | 29,798 | +120 | 3万円台目前 |
| 2026/01/25 | 29,450 | +85 | 上昇トレンド継続 |
この高騰の波は、資産用のインゴット(延べ棒)である24金(K24)だけにとどまりません。アクセサリーとして馴染み深い18金(K18)の買取相場も連れ高となっており、かつて購入した指輪やネックレスの価値が、購入時より大幅に跳ね上がっているケースも珍しくありません。
もしご自宅に眠っている貴金属があるなら、今は一度その価値を確認してみる価値が十分にあります。市場は今、かつてないほどの熱気に包まれているのです。
なぜここまで上がった?金相場高騰の3つの要因
「なぜ急にここまで金が上がったのか?」その理由は一つではありません。2026年に入り、世界中で複数の不安要素が同時に重なり合ったことが、投資家たちを「安全資産」である金へと走らせています。
特に影響が大きいのが、「トランプ政権の動き」「FRBへの政治介入」「中東情勢」の3点です。これらがどのように絡み合って価格を押し上げているのか、専門用語を避けながらわかりやすく紐解いていきましょう。
要因1:トランプ大統領のグリーンランド購入構想と欧州との対立
再選を果たしたトランプ大統領による「グリーンランド購入」への執着が、予想以上に大きな波紋を呼んでいます。単なる不動産取引の話ではなく、これは北極圏の資源や航路をめぐる覇権争いそのものだからです。
米国が強硬な姿勢を見せたことで、デンマークをはじめとする欧州諸国との関係が悪化し、新たな関税措置の応酬に発展する懸念が高まりました。世界経済がブロック化し、貿易が滞ることへの警戒感から、投資家はリスクの高い株式などから資金を引き揚げ、金へと避難させているのです。
要因2:FRBパウエル議長への捜査とドルの信認低下
2つ目の大きな要因は、アメリカの中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)への政治的圧力です。トランプ大統領がパウエル議長に対して強い不満を示し、捜査の手を伸ばそうとしているという報道が、市場に激震を走らせました。
通常、中央銀行は政治から独立して経済をコントロールするものです。しかし、その独立性が脅かされ、「政治家の都合でドルが刷られるかもしれない」という疑念が生まれると、ドルの価値(信用)は下がります。
「ドルを持っていても大丈夫か?」という不安が広がった結果、ドルの代わりに、どの国でも価値が変わらない「無国籍通貨」である金を買う動き(ドル安・金高)が加速したのです。
要因3:イラン情勢と中東リスク
忘れてはならないのが、再び緊迫度を増しているイラン情勢です。中東地域での軍事的な衝突リスクが高まると、原油価格の上昇とともに、「有事の金」買いが起こります。
地政学リスクが高まった際、現金や証券は紙屑になるリスクがゼロではありませんが、金そのものの価値は消滅しません。世界情勢が不安定になればなるほど、人々は心の平穏と資産の保全を求めて、輝く金属へと手を伸ばすのです。
2026年の金価格は今後どうなる?5,000ドル到達のシナリオ
3万円という価格はゴールなのでしょうか、それとも通過点に過ぎないのでしょうか。
多くの専門家や大手金融機関の間でも、2026年の見通しは「強気」と「弱気」で大きく割れています。
強気派のシナリオでは、海外の金価格(NY金先物)が1トロイオンスあたり5,000ドルに到達するという予測も出ています。
その背景にあるのが、新興国を中心とした「ドル離れ」の動きです。
特に注目されているのが、BRICS諸国が検討を進めている新たな貿易通貨「Unit(ユニット)」の存在です。
これは金を裏付け資産とする構想で、もし実現すれば、世界的な金需要は底なしに拡大することになります。
中央銀行が外貨準備として金を買い続ける限り、価格の下支えは強固なものとなるでしょう。
一方で、弱気なシナリオも無視できません。
もしトランプ政権の「リフレ政策」が成功し、アメリカ経済だけが一人勝ちする状況になれば、話は変わります。
景気が良くなり金利(実質金利)が上昇すれば、金利のつかない金を持つ魅力は薄れます。
その場合、資金が再び株式やドルへと還流し、金相場が調整局面に入るリスクも十分にあり得るのです。
【コラム:BRICSの貿易通貨「Unit」とは?】
「Unit」は、ドルへの依存を減らすためにブラジルやロシアなどが提唱している共通通貨構想です。この通貨の価値を担保するために「金(ゴールド)」が使われる可能性が高く、実現すればドルの覇権を脅かすと同時に、金価格を長期的に押し上げる最大の要因になると言われています。
金価格3万円は「売り時」か「買い時」か?
「これだけ上がったのだから売りたい」
「お金の価値が下がるなら持っていたい」
この二つの感情の間で揺れ動くのが、投資家の心理というものです。
今の3万円という価格をどう捉えるべきか、目的別に整理してみましょう。
利益確定を優先するなら「絶好の売り時」
もし、あなたが数年〜数十年前に購入した金をお持ちなら、現在は間違いなく「売り時」と言えます。
購入時とは比べ物にならない高値がついているため、まとまった現金が必要な方や、リフォーム資金などに充てたい方にとっては、これ以上ない売却のチャンスです。
ただし、売却益が出た場合には「譲渡所得」として税金がかかる可能性があります。
売却を検討する際は、税金の計算についても事前に確認しておくと安心です。
資産を守るなら「継続保有・買い増し」
一方で、資産防衛(インフレ対策)を目的にしているなら、慌てて手放す必要はありません。
今後、通貨の価値が毀損(デベースメント)していくリスクを考えると、金は依然として最強の守り神です。
特に長期的な視点では、NISA(少額投資非課税制度)の成長投資枠などを活用し、時間を分散して積み立てていく手法が有効です。
「高値掴み」を避けるためにも、一度に大量購入するのではなく、コツコツと買い増す姿勢が重要になります。
実物だけじゃない!注目される金ETFと関連銘柄
「金投資を始めたいけれど、3万円は高すぎて手が出ない……」
そう感じる方におすすめなのが、現物を持たずに投資できる「金ETF(上場投資信託)」や投資信託です。
これらは数千円単位から購入可能で、保管場所や盗難のリスクを気にする必要もありません。
株式と同じようにリアルタイムで売買できるため、短期的な値動きを狙いたい方にも適しています。
【SPDRゴールド・シェア(1326)】
【純金上場信託(金の果実)(1540)】
また、金価格の高騰につられて、割安感のあるプラチナ相場や銀相場にも資金が流入しています。
金に比べて市場規模が小さいため値動きは激しいですが、工業用需要の回復とともに大きなリターンを狙える可能性があります。
これら貴金属のバスケット投資も、リスク分散の一つとして検討してみる価値は大いにあるでしょう。
まとめ:3万円突破は通過点か天井か
2026年1月の金価格3万円突破は、単なるニュースではなく、世界経済の構造変化を象徴する出来事です。
トランプ政権による地政学リスクの高まりや、各国の財政悪化を背景に、金の輝きは増すばかりです。
しかし、相場に「絶対」はありません。
- 現金化が必要なら: 迷わず利益確定を検討するタイミングです。
- 資産防衛なら: 一喜一憂せず、長期目線でホールドまたは積立を継続しましょう。
重要なのは、周りの熱狂に流されず、ご自身のライフプランに合わせて冷静に判断することです。
まずは、お手持ちの貴金属がいま現在いくらになるのか、最新の相場をチェックすることから始めてみてはいかがでしょうか。
