【2026年最新】待機児童の現状と原因!隠れ待機児童の実態も

「待機児童は減っているって聞くけれど、本当にうちの子は保育園に入れるの?」そんな不安を抱えている保護者の方は多いのではないでしょうか。結論からお伝えすると、全国の待機児童数は過去最少を更新し、8年連続で減少しています。その理由は、保育所の受け皿拡大と少子化による就学前人口の減少です。たとえば、2025年4月時点の待機児童数は2,254人で、ピーク時の2017年(26,081人)と比べると10分の1以下にまで減りました。ただし、公式にカウントされない隠れ待機児童が約6.4万人存在し、保育士不足も深刻です。本記事では、2026年最新の待機児童の現状から隠れ待機児童の実態まで、わかりやすく解説します。
【2026年最新】待機児童の現状とは?過去最少を更新
2025年の全国待機児童数は2,254人
こども家庭庁が公表した最新の調査によると、2025年(令和7年)4月1日時点での全国の待機児童数は2,254人でした。前年の2,567人から313人減少し、8年連続で過去最少を更新しています。
待機児童数がもっとも多かったのは2017年の26,081人で、当時は「保育園落ちた」という言葉が社会問題として大きく取り上げられました。あれから8年が経ち、保育所の新設や認定こども園の増加といった受け皿拡大が進んだ結果、待機児童数はピーク時の10分の1以下になっています。加えて、少子化による就学前児童数そのものの減少も、この流れを後押ししています。
全国1,741の市区町村のうち、87.9%にあたる1,530の自治体が待機児童ゼロを達成しました。数字だけ見ると問題は大きく改善しているように映りますが、この数字には注意すべき点があります。それについては後ほど詳しく触れていきましょう。
待機児童の約8割は「1・2歳児」に集中
待機児童を年齢別に見ると、特定の年齢層に大きく偏っていることがわかります。以下の表をご覧ください。
| 年齢区分 | 待機児童数 | 割合 |
|---|---|---|
| 0歳児 | 164人 | 7.3% |
| 1・2歳児 | 1,877人 | 83.3% |
| 3歳以上児 | 213人 | 9.4% |
3歳未満の子どもが全体の90.6%を占め、なかでも1・2歳児だけで83.3%という圧倒的な割合になっています。この背景には、育休明けの1歳前後で職場復帰を希望する保護者が多いことがあります。0歳児は育児休業を取得中の家庭が多く、3歳以上になると幼稚園という選択肢も出てくるため、保育園の需要は1・2歳児に集中しやすいのです。
つまり、全体の待機児童数が減っていても、1・2歳での入園を考えている保護者にとっては、依然として厳しい状況が続いているといえるでしょう。
都市部と過疎地域で二極化する地域格差
待機児童のもう一つの特徴は、地域によって状況がまったく異なることです。待機児童がいる211自治体のうち、63.0%(1,419人)は首都圏や近畿圏などの都市部に集中しています。
2025年4月時点で待機児童数が最も多かったのは滋賀県大津市の132人で、全国で唯一100人を超えました。大津市は京都や大阪へ通勤可能なベッドタウンとして若い子育て世帯が流入しており、保育ニーズの急増に施設整備が追いつかない状況が続いています。
一方、過疎地域ではまったく逆の問題が起きています。定員充足率(実際に保育園を利用している子どもの数が定員に対してどのくらいかを示す割合)は、都市部の91.3%に対し、過疎地域では74.6%まで低下しています。つまり、地方では定員が埋まらず、保育園の運営自体が難しくなっている地域もあるのです。都市部では「入りたくても入れない」、過疎地域では「子どもが集まらず園の維持が困難」という二極化が進んでおり、全国一律の待機児童対策だけでは対応しきれない現実が浮かび上がっています。
待機児童ゼロは嘘?約6.4万人の「隠れ待機児童」の実態
待機児童に含まれない「除外4類型」とは
「うちの自治体は待機児童ゼロと発表しているのに、実際には保育園に入れなかった」という声を耳にしたことはないでしょうか。これは国の待機児童の数え方に理由があります。
こども家庭庁の調査では、認可保育園に入れなかった子どもでも、以下の4つのケースに該当する場合は待機児童にカウントされません。これを除外4類型と呼びます。
- 保護者が育児休業中で、保育園に入れたら復職するという確認が取れない場合
- 特定の保育園だけを希望していて、他の空きのある園を利用していない場合
- 保護者が求職活動を休止している場合
- 自治体が独自に運営する保育サービス(地方単独事業)を利用している場合
たとえば「通勤経路にある園だけを希望している」「きょうだいが通っている園でなければ送り迎えが回らない」といった切実な事情があっても、他に空きのある園がある限り、その子どもは待機児童にはカウントされません。制度上の定義と保護者の実感には、大きなギャップがあるのです。
希望の保育園に入れない「保留児童」の現状
こうした除外4類型に当てはまる子どもたちは、保留児童あるいは隠れ待機児童と呼ばれています。2025年4月時点での隠れ待機児童は64,489人にのぼり、前年からは6,543人減ったものの依然として高い水準にとどまっています。
公式の待機児童2,254人と合わせると、実質的に保育園を利用できていない子どもは約6.7万人に達する計算です。待機児童ゼロを達成したとされる自治体であっても、多くの保留児童が存在しているケースは珍しくありません。
なかには、育児休業の給付金を長く受け取るために、あえて人気の園に申し込んで「落選」を狙うケースも問題視されています。こうした事例が保留児童の数を押し上げている側面もありますが、大多数の保護者は本当に困っているという現実を見落とすわけにはいきません。家から遠い園では毎日の送り迎えが難しかったり、きょうだいが別々の園になると負担が大きくなったりと、「どこでもいいから入れればよい」とは簡単にいかない事情を抱えた家庭がほとんどです。
保護者としては、自治体が発表する待機児童数の数字だけを見て安心するのではなく、保留児童を含めた実態を把握したうえで保活の計画を立てることが大切になってきます。
待機児童がなくならない3つの原因
深刻な保育士不足と受け入れ枠の制限
待機児童が減り続けているにもかかわらず、完全には解消されない最大の原因は保育士不足です。こども家庭庁が待機児童のいる自治体に行ったアンケートでは、解消できなかった要因として「保育人材の確保が困難」と回答した割合が44.1%にのぼりました。
保育園という建物があっても、そこで働く保育士がいなければ子どもを受け入れることはできません。実際に、保育士を採用できなかったために利用定員を減らしたり、定員いっぱいまで受け入れられなかったりする自治体が数多く報告されています。全国最多の待機児童を抱える大津市も、保育人材の確保が困難だったことが主な原因だと説明しています。
保育士不足の背景には、給与水準の低さや業務負担の大きさがあります。命を預かる責任の重さに対して処遇が見合っていないと感じ、資格を持っていても保育の現場に就かない「潜在保育士」が全国に数十万人いるとされています。施設を増やすだけでは解決しないこの構造的な問題が、待機児童解消の大きな壁になっているのです。
共働き世帯の増加による保育ニーズの高止まり
少子化で子どもの数自体は減っていますが、保育園を必要とする家庭の割合はむしろ高まっています。その大きな要因が、共働き世帯の増加です。
2024年時点の女性就業率(25〜44歳)は81.9%に達し、年々上昇を続けています。共働き世帯の割合も77.3%まで増えており、かつてのように「母親が家で子どもを見る」という家庭の形は少数派になりつつあります。保育所等の利用率も全体で55.7%、1・2歳児に限れば60.9%と、就学前の子どもの過半数が保育サービスを利用する時代に入りました。
こうした社会構造の変化により、子どもの数が減っても保育ニーズは簡単には下がりません。特に都市部では、女性就業率の上昇と人口流入が重なり、保育園への申込者数が自治体の想定を上回るケースも少なくありません。少子化だから待機児童は自然に解消されるだろうという見方は、現状を正しくとらえていないといえるでしょう。
特定の保育園への希望集中
3つ目の原因は、保護者の希望が特定の認可保育園に集中してしまうことです。たとえ地域全体では定員に空きがあっても、人気のある園には申込みが殺到し、一方で空きが埋まらない園も存在するという「ミスマッチ」が起きています。
保護者が特定の園を希望する理由は、決してわがままではありません。
- 自宅や職場からの距離が近く、毎日の送迎に無理がない
- きょうだいが同じ園に通えなければ、朝夕の送り迎えが物理的に成り立たない
- 園の保育方針や環境が子どもに合っている
こうした事情は共働き家庭にとって切実であり、「空いている園ならどこでもよい」とはいかないのが実情です。自治体の中には広域での利用調整や入園予約制を導入して、こうしたミスマッチの解消に取り組んでいるところもあります。それでも、通える範囲に選択肢が少ない地域では、希望集中の問題は根強く残っています。
2026年開始「こども誰でも通園制度」の影響と国の対策
「こども誰でも通園制度」でどう変わる?
2026年度から全国で本格的に始まるのが、こども誰でも通園制度です。これは、親が働いているかどうかにかかわらず、生後6か月から3歳未満の子どもなら誰でも保育園などを利用できるという新しい仕組みです。利用時間の上限は月10時間と設定されています。
これまで認可保育園を利用するには、就労や病気などの「保育の必要性」が認められる必要がありました。そのため、専業主婦(主夫)の家庭や求職活動をしていない保護者は、基本的に認可保育園を利用できませんでした。こども誰でも通園制度はこの壁を取り払い、すべての子どもに保育の場を開くことを目指しています。
子育ての孤立化が社会問題となるなか、親がリフレッシュしたり用事を済ませたりする間に子どもを安心して預けられる一時預かりの選択肢が広がることは、大きな前進といえるでしょう。
保育士不足で制度を実施できない自治体も存在
ただし、この制度には見落とせない課題があります。保育士不足を理由に、制度の実施を見送ったり規模を縮小したりする自治体が出ているのです。
たとえば三重県四日市市や滋賀県近江八幡市などでは、現在の保育体制で新たな受け入れ枠を確保する余裕がなく、2026年度からの全面実施が難しいと報告されています。既存の在園児の保育に手一杯で、追加の子どもを受け入れる人手がないというのが実態です。
制度そのものは全国一律にスタートしますが、住んでいる地域によって実際に利用できるかどうかに差が出る可能性があります。特に保育士確保が難しい地方や、すでに待機児童を抱えている都市部では、制度はあっても利用枠が極端に少ないという事態も考えられます。お住まいの自治体がどのような対応をしているか、事前に確認しておくことをおすすめします。
保育士の給与引き上げなど国の改善策
国もこうした課題を放置しているわけではありません。保育士不足の根本的な解決に向けて、処遇改善の取り組みが進められています。
具体的には、2024年度に保育士の給与を5.3%引き上げる改善が実施されました。過去数年にわたって段階的に引き上げが行われており、他の職種との賃金格差を縮めることで、保育の仕事に人材を呼び戻す狙いがあります。また、保育士の業務負担を減らすためのICTシステム導入支援や、潜在保育士の復職を後押しする研修プログラムなども展開されています。
さらに、こども家庭庁は2025年度から、保育ニーズの減少が見込まれる地域に対して保育所の統廃合や多機能化を支援する補助金の補助率を引き上げました。待機児童の解消と過疎地域の保育機能維持という二つの課題に同時に取り組む方向へ、国の政策が転換しつつあります。
とはいえ、給与改善の効果が現場に行き渡るまでには時間がかかります。制度設計だけでなく、保育士一人ひとりが「この仕事を続けたい」と思える環境づくりが、長期的な待機児童解消のカギを握っているといえるでしょう。
保護者が今できる待機児童対策・保活のポイント
事前の情報収集と複数園の見学
ここまで見てきたように、待機児童の現状は数字だけでは読み取れない複雑さを抱えています。だからこそ、保護者自身が早めに動き出すことが何より大切です。保活を成功させるためのステップを整理しました。
- 自治体の窓口やホームページで、最新の待機児童数と保留児童数の両方を確認する。待機児童ゼロという発表だけで安心せず、隠れ待機児童の状況まで把握しておくことがポイントです。
- 希望する園を1か所に絞らず、通える範囲で複数の保育園をリストアップする。認可保育園だけでなく、認定こども園や小規模保育事業所も選択肢に入れると幅が広がります。
- 気になる園は必ず見学に行き、保育方針や園の雰囲気を自分の目で確かめる。見学時に定員の空き状況や入園のしやすさについて直接質問してみるのも有効です。
- 入園予約制を実施している自治体では、妊娠中から予約できる場合もあるため、早い段階で制度の有無を調べておく。
地域格差が大きい問題だからこそ、自分の住む自治体の状況を具体的に知ることが、保活の第一歩になります。
認可外保育施設やベビーシッターの活用
認可保育園に入れなかった場合に備えて、代替の選択肢を知っておくことも重要です。
認可外保育施設は、国の基準とは異なる独自の基準で運営されている保育所です。認可園に比べて保育料が高い傾向はありますが、自治体によっては利用料の補助制度を設けているところもあります。企業主導型保育事業所も、地域の子どもを受け入れている施設があるため、選択肢の一つとして検討してみてください。
また、ベビーシッターや一時預かりサービスの利用も、育休中や求職活動中のつなぎとして活用できます。2026年度から始まるこども誰でも通園制度を利用すれば、就労の有無にかかわらず月10時間まで保育施設を使えるようになるため、こちらも情報収集しておくとよいでしょう。
大切なのは、認可保育園だけに固執せず、家庭の状況に合った複数のプランを用意しておくことです。保活は情報戦ともいわれますが、選択肢を広く持つことで、万が一の「落選」にも冷静に対応できるようになります。
まとめ
全国の待機児童数は2,254人にまで減少し、数字の上では解消に近づいているように見えます。しかし、約6.4万人の隠れ待機児童が存在し、保育士不足や地域格差といった構造的な課題は依然として残っています。
2026年度からはこども誰でも通園制度が全国展開され、保育のあり方は新たな段階に入ります。それでも制度がすべてを解決してくれるわけではなく、自治体によって対応に差が出ることも想定されます。
保護者としてできることは、待機児童ゼロという言葉の裏側にある実態を正しく理解し、早めの情報収集と複数の選択肢を準備しておくことです。お住まいの自治体の窓口やホームページを確認するところから、今日の一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
