第104回全国高校サッカー選手権の準々決勝、冬の寒さを吹き飛ばすような熱い一戦が行われました。
17年ぶりのベスト4進出を狙う茨城代表の鹿島学園と、初の8強入りで勢いに乗る大阪代表の興國が激突したのです。
この試合の主役となったのは、鹿島学園のDF清水朔玖選手でした。
地元である大阪の強豪を相手に、3試合連続となるPKと圧巻の直接FKを叩き込み、チームを国立競技場へと導く活躍を見せました。
本記事では、激闘となった試合の記録と、勝利の立役者である清水選手の活躍について詳しく解説します。
【選手権準々決勝】鹿島学園が興國を3-1で撃破!17年ぶりの4強進出
神奈川県のUvanceとどろきスタジアムで行われた準々決勝は、開始早々から試合が動きました。
前半17分、鹿島学園はペナルティエリア内での激しい競り合いからPKのチャンスを獲得します。
キッカーを務めたのはDF清水朔玖選手で、プレッシャーのかかる場面でも冷静にゴールを沈めて先制点をもぎ取りました。
後半に入っても鹿島学園の勢いは止まらず、攻撃の手を緩めません。
後半16分にはFW三浦春人選手が追加点を挙げ、さらにその3分後には再び清水選手が会場を沸かせました。
ペナルティアーク付近からの直接FKをゴール右隅に鮮やかに突き刺し、リードを3点に広げて試合を決定づけます。
初のベスト8進出を果たした興國も、最後まで諦めずに猛反撃を試みました。
後半34分、コーナーキックのこぼれ球をDF徳原天仁選手が執念で押し込んで1点を返します。
しかし、鹿島学園はU-17タイ代表GKプムラピー・スリブンヤコ選手を中心とした堅い守備ブロックで、それ以上の追撃を許しませんでした。
試合はそのまま3-1で終了し、鹿島学園が2008年度以来となる17年ぶりのベスト4進出を決めました。
この勝利により、チームは悲願の「聖地・国立」への切符を手にしています。
今大会における鹿島学園のここまでの勝ち上がりは以下の通りです。
| 回戦 | 対戦校 | スコア |
| 2回戦 | 新田(愛媛) | 7 – 0 |
| 3回戦 | 金沢学院大附(石川) | 1 – 0 |
| ラウンド16 | 堀越(東京A) | 4 – 1 |
| 準々決勝 | 興國(大阪) | 3 – 1 |
初戦の7得点から始まり、毎試合着実に得点を重ねる圧倒的な攻撃力と勝負強さで、見事に準決勝へと駒を進めました。
立役者は大阪出身DF清水朔玖!PK3戦連発&圧巻の直接FK弾
この試合で最も輝きを放ったのは、何と言ってもDF清水朔玖選手です。
彼は茨城の鹿島学園に所属していますが、実は今回の対戦相手である興國高校と同じ大阪府の出身です。
中学時代はセレッソ大阪U-15で技を磨いた実力者であり、彼にとっては故郷の代表校と戦う特別な意味を持つ一戦でした。
まずは、今大会で注目を集める清水選手のプロフィールを簡単に紹介します。
- 名前: 清水 朔玖(シミズ サク)
- 身長: 175cm
- ポジション: DF(背番号5)
- 出身・経歴: 大阪府出身、セレッソ大阪U-15
- 主な実績: 国体優勝経験あり
ディフェンダー登録ながら今大会すでに4ゴールを挙げており、その攻撃センスは群を抜いています。
特に際立っているのが、プレッシャーのかかる場面でのPKの強さと、セットプレーの精度です。
今大会では3試合連続となるPKを沈め、チームに貴重な先制点をもたらしました。
さらに後半に見せた直接フリーキックは圧巻の一言です。
ペナルティアーク付近から放たれたボールは、美しい弧を描いてゴールネットを揺らし、相手ゴールキーパーも一歩も動けない完璧なコースでした。
地元・大阪の友人たちも応援に駆けつける中、あえて茨城の地で成長することを選んだ彼の覚悟が、この大一番での爆発的な活躍につながったのかもしれません。
背景にある「茨城旋風」と鈴木雅人監督が語る選手たちの成長
鹿島学園の躍進の裏には、茨城県全体のサッカー界に吹いている「良い風」も見逃せません。
2025年シーズンは、J1リーグで鹿島アントラーズが優勝し、J2では水戸ホーリーホックが昇格を決めるなど、まさに「茨城旋風」が巻き起こっています。
さらに大学サッカーでも筑波大学がタイトルを獲得しており、地域のサッカー熱がかつてないほど高まっているのです。
こうした周囲のポジティブな空気感が、高校生たちの背中を力強く押していることは間違いありません。
チームを率いる鈴木雅人監督も、選手たちの急激な変化に手応えを感じています。
試合後のインタビューでは、「選手たちはこの選手権期間中に大きく成長している」と語り、激戦を勝ち抜くたびに逞しくなるチームを称えました。
初戦から厳しい戦いが続く中、試合ごとの修正力と精神的な強さが増していることが、17年ぶりの快挙を成し遂げた最大の要因と言えるでしょう。
【敗者の弁】興國高、初のベスト8進出も力尽きる
一方で、敗れた大阪代表の興國高校も、今大会で素晴らしい足跡を残しました。
「関西のバルセロナ」とも称される高い技術を武器に、東福岡などの強豪を次々と撃破し、同校史上初となるベスト8進出を果たしたのです。
準々決勝では鹿島学園の勢いに押される展開となりましたが、最後まで諦める姿勢は見せませんでした。
後半にはシステムを変更して攻撃的な布陣を敷き、笹銀志選手や徳原天仁選手を投入してゴールに迫りました。
後半34分に徳原選手が執念のゴールを決めたシーンは、興國の意地が凝縮された瞬間でした。
試合終了のホイッスルとともに涙を流す選手もいましたが、激戦区・大阪を勝ち抜き、全国の舞台で新たな歴史を切り拓いた彼らの戦いぶりは、多くの観客の記憶に刻まれたはずです。
まとめ:初の「国立での準決勝」へ挑む鹿島学園
17年ぶりのベスト4進出を決めた鹿島学園は、いよいよ高校サッカーの聖地「国立競技場」へと乗り込みます。
前回4強入りした2008年度大会の準決勝は埼玉スタジアムでの開催だったため、鹿島学園にとって国立での準決勝は史上初の体験となります。
次なる戦いの舞台は1月10日、対戦相手は大津(熊本)対流通経大柏(千葉)の勝者となります。
どちらが勝ち上がってきても激戦は必至ですが、今の鹿島学園には「茨城旋風」の勢いと、清水選手をはじめとする絶好調の選手たちがいます。
ここまできたら目指すは頂点のみ。
17年前の先輩たちを超える新たな歴史の瞬間を、ぜひその目で見届けてみてはいかがでしょうか。
