近年、モバイルバッテリーの発火事故や、ごみ収集車の火災ニュースを目にすることが増えました。「自分のバッテリーは大丈夫?」と、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
さらに2026年には、国土交通省の方針により、飛行機内でのモバイルバッテリーの「使用」が禁止されるなど、ルールも大きく変化しています。これからは、ただ持ち運ぶだけでなく、安全に配慮した製品選びと使い方が求められます。
本記事では、発火を防ぐための正しい使い方はもちろん、燃えにくいと話題の次世代「準固体電池」や、万が一の備えとなる「難燃ポーチ」、そして悩みがちな「正しい捨て方」まで、モバイルバッテリーの安全に関するすべてを徹底解説します。
なぜ今、モバイルバッテリーの「安全性」が問われているのか?
最近、モバイルバッテリーが急に熱くなったり、煙が出たりするニュースを見かけたことはありませんか。実は、生活者の約8割がモバイルバッテリーの発火に対して不安を感じている、という調査データもあるほどです。
毎日のように持ち歩く必需品だからこそ、なぜ危険なのか、そしてどのようなルール変更が起きているのかを正しく知っておくことが大切です。
相次ぐ発火事故とリチウムイオン電池の仕組み
多くのモバイルバッテリーには、「リチウムイオン電池」という軽くて大容量の電池が使われています。とても便利な反面、中に燃えやすい液体が入っているため、取り扱いには注意が必要です。
強い衝撃を受けたり、熱い場所に放置したり、長く使いすぎて劣化したりすると、電池の内部で「短絡(ショート)」という現象が起こります。これが熱暴走を引き起こし、最終的に発火や火災につながってしまうのです。
2026年最新:飛行機内での「使用禁止」規制とは
相次ぐ発煙トラブルを受け、2026年には国土交通省や各航空会社が、ルールをさらに厳しくする動きを見せています。これまでも預け入れ荷物に入れることは禁止されていましたが、新たに「機内での使用(本体の充電やスマホへの給電)」自体を禁止する方針が打ち出されています。
つまり、機内に持ち込むことはできても、フライト中にスマホを充電することはできなくなるのです。手荷物として持ち込む際も、容量(Wh)の制限を守り、安全な状態で保管することがより一層求められるようになっています。
発火リスクを下げる!安全なモバイルバッテリーの選び方
事故のニュースを見ると少し怖くなってしまいますが、しっかりと対策された製品を選べば安心して使うことができます。
最近では、従来の弱点を克服した新しい技術や、独自の厳しいテストをクリアした製品も増えてきました。ここでは、安全性を重視した選び方のポイントを解説します。
次世代のスタンダード「準固体電池」とは?
安全性を求める方に今最もおすすめなのが、「準固体電池」を採用したモバイルバッテリーです。従来のリチウムイオン電池に入っていた燃えやすい液体の代わりに、ゲル状の物質を使っているのが大きな特徴です。
これにより、万が一強い衝撃を受けても発火しにくく、熱にも強いという優れた安全性を実現しています。少し価格は高くなりますが、その分長く安心して使えるため、次世代のスタンダードとして注目を集めています。
| 比較項目 | 従来のリチウムイオン電池 | 準固体電池 |
| 電解質 | 液体(燃えやすい) | ゲル状(燃えにくい) |
| 安全性 | 衝撃や熱に弱い | 衝撃や熱に強く、発火リスクが極めて低い |
| 寿命 | 一般的 | 長寿命(劣化しにくい) |
| 価格 | 安価〜一般的 | やや高価 |
PSEマークと信頼できるメーカーの条件
モバイルバッテリーを選ぶ際、必ずチェックしたいのが「PSEマーク」です。これは、日本の電気用品安全法の基準をクリアした製品であることを示すマークで、現在販売されている製品には表示が義務付けられています。
ただし、PSEマークがあるからといって100%安全とは言い切れません。そのため、Ankerなどの大手メーカーのように、法律の基準よりもさらに厳しい独自のテスト(落下テストや温度テストなど)を行っているメーカーを選ぶと、より安心です。
保護回路と多重安全設計のチェックポイント
信頼できるモバイルバッテリーには、危険を未然に防ぐための「保護回路」が組み込まれています。これは、バッテリーを見守る小さなガードマンのような存在です。
たとえば、充電のしすぎ(過充電)を防いだり、温度が上がりすぎた時に自動でストップしたりする機能がついています。購入する時は、パッケージや商品の説明に「多重保護機能」や「温度管理」といった言葉が書かれているか確認してみてください。
物理的に火災を防ぐ「難燃ガジェットポーチ」の活用
燃え広がらない「難燃性素材」の効果
モバイルバッテリー本体の選び方とあわせておすすめしたいのが、収納ケースを使った物理的な発火対策です。万が一バッテリーが熱暴走を起こして火災になった場合でも、被害を最小限に抑えることができます。
特に注目されているのが、ガラス繊維などの難燃性素材を使用した専用の収納ポーチです。この素材は火が燃え広がりにくいため、就寝中の充電時やカバンに入れて持ち運ぶ際の安心材料として非常に頼りになります。
エレコムなどで注目される発火対策ポーチ
最近では、国内メーカーのエレコムなどが火災リスクを低減する難燃ポーチを発売し、大きな話題を呼んでいます。これは単なる小物入れではなく、大切な命や財産を守るための防災アイテムという位置づけです。
カバンの中で他の荷物と一緒に持ち歩く際も、専用の難燃ポーチに入れておけば他の持ち物への延焼を防ぐことができます。安全性の高いモバイルバッテリーと難燃ポーチをセットで使うのが、これからの新常識と言えるでしょう。
やってはいけない!発火を招く危険なNG行動
高温環境(夏場の車内)への放置
どんなに安全対策が施された製品でも、間違った使い方をすると発火の危険性が一気に高まってしまいます。特に気をつけたいのが、直射日光の当たる場所や夏場の車内といった高温環境への放置です。
モバイルバッテリーは熱に弱く、高温になりすぎると内部のガスが膨張して熱暴走の引き金になります。日差しの強い窓辺や、冬場でも暖房器具のすぐ近くに置きっぱなしにしないよう十分に注意してください。
落下や衝撃、カバンの中での圧迫
スマートフォンと一緒に重ねて持ち歩き、うっかり床に落として強い衝撃を与えてしまうのも大変危険な行動です。また、満員電車などでカバンの中のバッテリーが強く圧迫されることも故障の原因になります。
内部の部品がダメージを受けると、目には見えない短絡が起きて発火に繋がる可能性があります。日常的な衝撃から守るためにも、クッション性のあるケースや先ほどの難燃ポーチに入れて持ち歩くことをおすすめします。
膨張したバッテリーの継続使用
長く使っているうちに、モバイルバッテリーの本体がふっくらと膨らんできた経験はないでしょうか。これは寿命が近づき、内部にガスが溜まっている非常に危険なサインです。
膨張した状態のまま充電や給電を続けると、突然破裂したり発火したりする恐れがあります。少しでも形が変わってきたと感じたら、決して使い続けずに速やかに処分することが大切です。
絶対にごみ箱へ捨てないで!正しい捨て方と回収場所
ごみ収集車の火災原因になる理由
モバイルバッテリーの処分を考える際、絶対にやってはいけないのが不燃ごみなどの家庭ごみとして捨てることです。実は、ごみ収集車の火災事故の多くは、誤って捨てられたバッテリーが原因で起きています。
ごみ収集車の中で他のごみと一緒に強く圧縮されると、バッテリーが押しつぶされて発火してしまうのです。作業員の命を危険にさらし、大きな事故に繋がるため、正しい捨て方を必ず守る必要があります。
家電量販店(ノジマ等)やJBRC回収ボックスの利用
不要になったモバイルバッテリーは、リサイクルに協力しているお店に持ち込むのが正しい処分方法です。全国の家電量販店やホームセンターなどには、黄色のJBRC回収ボックスが設置されています。
たとえばノジマなどの一部の店舗では、自店で購入したかどうかにかかわらず、専用の回収BOXで引き取ってくれる取り組みを行っています。お買い物のついでに持ち込めるため、とても手軽で安心です。
Ankerなどのメーカー独自回収・買い替えキャンペーン
最近では、メーカー自身が古い製品を積極的に回収する動きも広がってきました。大手メーカーのAnkerでは、直営店に回収ボックスを設置し、自社製品の安全なリサイクルを行っています。
さらに、古いバッテリーを持ち込むと新しい製品が安く買える買い替えキャンペーンを実施することもあります。安全な最新モデルをお得に手に入れつつ、危険な古いバッテリーを処分できる絶好の機会です。
【2026年版】安全性の高いモバイルバッテリーおすすめ3選
【準固体電池採用】燃えにくい次世代モデル
ここからは、最新の安全基準を満たしたおすすめのモバイルバッテリーをご紹介します。まずは、発火リスクを極限まで抑えた準固体電池を採用している次世代型のモデルです。
液体を使わないゲル状の構造により、万が一強い衝撃を受けても燃え広がりにくいのが最大の魅力です。防災用として自宅に備蓄しておきたい方や、アウトドアでハードに使いたい方に適しています。
・発火リスクが極めて低い準固体電池を搭載
・過酷な温度環境にも耐えられる頑丈な設計
・長寿命で何年も安心して使い続けられる
【安全性重視】世界基準のテストをクリアしたモデル
次は、厳しい独自の安全基準を設けている大手メーカーの定番モデルです。法律で定められた基準以上の過酷なテストを自社でクリアしており、日常使いにおける信頼性が抜群に高いのが特徴です。
温度管理システムなどの多重保護機能がしっかりと組み込まれており、スマートフォンを毎日安全に充電できます。どれを買うか迷った時は、こうしたサポート体制の整った有名メーカー品を選ぶのが無難です。
・温度を常に監視する優れた保護回路を搭載
・独自の厳しい落下試験や衝撃テストをクリア
・万が一の際のカスタマーサポート体制が充実
【機内持ち込みOK】航空法対応の適正容量モデル
最後は、出張や旅行によく行く方におすすめのモデルです。航空法で定められた機内持ち込みの制限である100Wh以下の容量をしっかりとクリアしており、空港の保安検査でも慌てる心配がありません。
飛行機内での使用制限が厳しくなる中、安全に手荷物として持ち運べる適正容量のモデルは重宝します。コンパクトでありながら、スマートフォンを数回フル充電できる十分なパワーを備えています。
・機内持ち込みルールをクリアした100Wh以下の容量
・カバンに入れても邪魔にならない軽量コンパクト設計
・難燃性素材のボディを採用しており持ち運びも安心
まとめ:安全な製品と正しい処分で事故を防ごう
今回は、モバイルバッテリーの発火対策と安全性について詳しく解説しました。まずは燃えにくい準固体電池などの安全な製品を選び、難燃ポーチで物理的に守ることが事故を防ぐ第一歩です。
そして、飛行機内での新しいルールをきちんと守り、古くなったり膨張したりした製品は正しい方法で処分することが求められます。自分だけでなく、周囲の人の安全を守るためにも大切な心がけです。
毎日使うものだからこそ、少しだけ費用をかけてでも信頼できる確かな対策をとってみてください。もしご自宅の引き出しに眠っている古いバッテリーがあれば、ぜひこの機会にお近くの回収ボックスへ持ち込みましょう。
