2026年1月28日、トヨタ自動車より現行プリウス(60系)約24万台を対象とした大規模なリコールが国土交通省に届け出されました。
今回の不具合は「走行中に後席ドアが意図せず開いてしまう恐れがある」という、ドライバーや同乗者にとって非常に不安の大きい内容です。過去のリコールとの関連や、緊急性の高さから情報の錯綜も懸念されます。
本記事では、今回発表されたリコールの詳細な全貌、対象となる車種や車台番号の正確な確認方法、そしてなぜこのような不具合が起きるのかを分かりやすく解説します。
ご自身の愛車が対象かどうか、まずは車検証をお手元にご用意の上、以下の情報を確認してください。
2026年プリウス後席ドアリコールの全貌【不具合の原因】
2026年1月28日、トヨタはプリウスの後席ドアハンドルの開閉スイッチに不具合があるとして、リコールを届け出ました。翌日の1月29日からリコール対応が開始されています。
今回のリコール対象となるのは、いわゆる「60系」と呼ばれる現行モデルです。もっとも懸念される症状は、最悪の場合、走行中に後席ドアが開いてしまう可能性があるという点です。
これまで大切に乗ってきた愛車で、このような不具合が発表されると驚かれる方も多いでしょう。特に家族や友人を後席に乗せる機会が多い方にとっては、一刻も早い確認と対処が必要な事案です。
不具合の件数はすでに2件報告されていますが、幸いなことに現時点でこの不具合による事故は発生していません。しかし、安全に関わる重要な部分ですので、早急な対応が求められます。
【一覧表】リコール対象車種と車台番号・製作期間
ここでは、実際にリコールの対象となる車両の情報を整理します。ご自身のプリウスが該当するかどうか、以下の表を参考に照らし合わせてみてください。
対象となるのは、令和4年(2022年)11月から令和7年(2025年)11月にかけて製作された車両です。
| 型式 | 通称名 | 対象車台番号の範囲 | 製作期間 |
| 6AA-MXWH60 | プリウス | MXWH60-4000000~MXWH60-4131494 | R4.11.24~R7.11.3 |
| 6AA-MXWH61 | プリウス | MXWH61-4000000~MXWH61-4029272 | R4.11.24~R7.10.31 |
| 6AA-ZVW60 | プリウス | ZVW60-4000000~ZVW60-4050212 | R4.11.24~R7.11.1 |
| 6AA-ZVW65 | プリウス | ZVW65-4000000~ZVW65-4011831 | R4.11.24~R7.11.1 |
| 6LA-MXWH61 | プリウス | MXWH61-6000000~MXWH61-6034175 | R5.3.1~R7.11.1 |
※上記の範囲内に含まれていても、仕様によっては対象外となる車両も一部存在します。正確な情報は、必ずトヨタの公式検索サイトや販売店で確認してください。
対象となる5つの型式(MXWH60・ZVW60他)
今回のリコールは、ハイブリッド車(HEV)だけでなく、プラグインハイブリッド車(PHEV)も含まれています。
具体的には、MXWH60、MXWH61、ZVW60、ZVW65などの型式が対象です。これらはすべて現行の60系プリウスに該当します。
ご自身の車の型式を把握していない場合でも、車検証を見ればすぐに判別が可能です。まずは落ち着いて書類を確認しましょう。
車検証での車台番号の確認方法
「車台番号」や「型式」がどこに書いてあるか分からないという方もご安心ください。車検証の分かりやすい位置に記載されています。
お手元の車検証をご覧ください。左上のあたりに「車台番号」という欄があります。そこにはアルファベットと数字を組み合わせた固有の番号が書かれています。
また、電子車検証をお持ちの方は、車検証閲覧アプリを使用するか、車検証副本(紙)で確認することができます。この番号をメモした上で、トヨタのリコール等情報対象検索サイトに入力すれば、確実な判定が可能です。
なぜ危険?後席ドアハンドルのスイッチ不具合の詳細
今回のリコールで多くのオーナー様が心配されているのが、「なぜ勝手にドアが開くのか」という原因の部分かと思います。
専門的な言葉で言うと「後席ドアオープナースイッチの防水性能不足」が原因です。簡単に言えば、ドアを開けるスイッチ部分に水が入ってしまうことで誤作動が起きるのです。
ここでは、そのメカニズムを中学生でも分かるように噛み砕いて解説します。
水濡れとドア強閉によるショートの仕組み
現行プリウスの後席ドアハンドルは、デザイン性を重視してピラー(窓枠部分)に埋め込まれた電気式のスイッチを採用しています。
洗車や雨天時にこのスイッチ付近に大量の水がかかった状態で、ドアを強く勢いよく閉めると、スイッチ内部に水が浸入してしまうことがあります。
通常は水が入らないようにシール(密閉)されていますが、想定以上の水圧や衝撃が加わると、その防水機能が低下してしまう場合があるのです。
内部に浸入した水が回路に触れると「ショート(短絡)」が起こります。これが誤作動の引き金となります。
最悪の場合、走行中にドアが開くリスクも
スイッチ内部でショートが発生すると、車は「ドアを開ける操作がされた」と勘違いしてしまいます。
その結果、走行中であってもドアロックが解除され、ドアが半ドア状態になったり、最悪の場合は勝手に開いてしまったりする恐れがあるのです。
もし走行中に突然「半ドア警告灯」が点灯したり、警告音が鳴ったりした場合は、この不具合の予兆かもしれません。
直ちに安全な場所に停車し、販売店へ連絡する必要があります。安全を守るためにも、このメカニズムを知っておくことは非常に重要です。
過去(2024年)のリコールとの違いと今回の改善措置
「昨年も似たようなリコールのお知らせが来て、対応したはずだけど?」
そう疑問に思われるオーナー様もいらっしゃるかもしれません。実は、今回のリコールは2024年4月に発表された内容の「続き」であり、完結編とも言えるものです。
当時と今回では、対応の内容が大きく異なります。その違いを正しく理解しておくことで、なぜ再度の入庫が必要なのかが分かります。
暫定対応から恒久対策(部品交換)へ
2024年4月のリコール時は、不具合の原因となる部品の準備がすぐには整いませんでした。しかし、安全性は最優先しなければなりません。
そのため、当時は「暫定対応」として、後席ドアオープナーのスイッチを作動させるためのヒューズを取り外す処置が取られました。
これにより、電気的な誤作動は防げましたが、ドアを開けるには手動操作が必要となり、不便さを感じていた方も多かったことでしょう。
今回の2026年のリコールは、ついに準備が整った「恒久対策」です。不便な状態を解消し、本来の快適さと安全性を両立させるための最終的な処置となります。
修理内容:リレー付電気配線の追加作業
では、具体的にどのような修理が行われるのでしょうか。
今回は、全車両に対して「後席ドアオープナースイッチ」を対策品(改善された新品)に交換します。
さらに、万が一水分が浸入してショートした場合でも、勝手にドアが開かないように制御する「リレー付きの電気配線」を追加で装着します。
この二重の対策により、電気的なショートによる意図しないドア開放を確実に防ぐことができます。
以前のリコールでヒューズを抜いた車両も、そうでない車両も、今回の作業を受けることで安心して後席ドアを使用できるようになります。
プリウスオーナーが今すぐやるべきこと・問い合わせ先
リコールの全体像が分かったところで、次は具体的なアクションに移りましょう。
対象台数は約24万台と非常に多いため、販売店の混雑が予想されます。スムーズに修理を受けるために、以下の手順で進めてください。
トヨタ公式リコール検索の利用手順
まずは、ご自身の車が間違いなく対象であるか、トヨタの公式サイトで最終確認を行います。
車検証を手元に用意し、以下のキーワードで検索してください。
「トヨタ リコール等情報対象検索」
検索ページで車検証に記載されている車台番号を入力すると、その車がリコール対象かどうかが即座に判定されます。
「対象」と表示された場合は、画面の指示に従い、最寄りの販売店への連絡準備を進めましょう。
ディーラーへの予約と作業時間の目安
対象であることが確認できたら、すぐにいつも利用しているトヨタ販売店(ディーラー)へ連絡し、作業の予約を入れてください。
電話での予約はもちろん、販売店によってはスマホアプリやWebサイトからも予約が可能です。
作業時間の目安は、車両の状態にもよりますが、数時間程度かかる場合が一般的です。
リコール発表直後は予約が殺到し、希望の日時が取りにくくなる可能性があります。「来週でいいか」と後回しにせず、早めに枠を確保することをおすすめします。
問い合わせ先に迷った場合は、以下の窓口も利用できます。
- トヨタお客様相談センター
- 電話番号:0800-700-7700(フリーコール)
- 受付時間:9:00~18:00
修理入庫までの間の「自衛策」と注意点
予約が取れても、実際に修理を受けるまでには数日から数週間待つケースもあるでしょう。その間、少しでもリスクを減らすために気をつけていただきたいポイントがあります。
1. 洗車機での高圧洗浄は避ける
今回の原因は「水圧」と「浸水」です。修理が終わるまでは、後席ドアハンドル付近に高圧洗車機の水を直接当てることは避けてください。手洗いで優しく洗うのが無難です。
2. ドアを閉める際は優しく
強く閉める際の衝撃も、防水シールを劣化させる要因の一つです。同乗者の方にも「優しく閉めてね」と声をかけ、丁寧な開閉を心がけましょう。
まとめ:安全のために早めの予約と入庫を
今回のプリウス(60系)のリコールは、走行中にドアが開く恐れがあるという緊急性の高いものです。
2024年のリコールで一度対応された方も、今回は部品交換による「恒久対策」が必要ですので、改めての入庫が必須となります。
- 車検証で「車台番号」を確認する
- トヨタ公式サイトで対象かどうか検索する
- 販売店へ連絡し、早めに予約を取る
この3ステップで、あなたとあなたの大切な人の安全を守ることができます。
愛車を長く安心して乗り続けるために、この記事を読み終えたら、まずは車検証の確認から始めてみてください。
