2026年ミラノ・コルティナ五輪のスキージャンプ女子ノーマルヒルで、丸山希選手が銅メダルを獲得しました。今大会における日本勢メダル第1号となる素晴らしい快挙です。
4年前の北京五輪直前、彼女は大怪我により出場を断念するという深い絶望を味わいました。そこから不屈の精神で這い上がり、日本のエースとして夢の舞台で輝いた姿は、日本中に大きな感動を与えています。
この記事では、丸山選手の苦難を乗り越えた「復活の物語」とメダル獲得の舞台裏、そして勝因となった技術的な進化について詳しくお伝えします。
速報:丸山希が銅メダル!ミラノ五輪スキージャンプ女子結果
現地の熱気が冷めやらぬ中、スキージャンプ女子ノーマルヒルの決勝が行われ、丸山希選手が見事に表彰台の一角を勝ち取りました。1本目で3位につけると、プレッシャーのかかる2本目でもK点を越える美しい放物線を描きました。
合計261.8点をマークし、今大会の日本勢初となる銅メダルを獲得。優勝は圧倒的な飛距離を見せたノルウェーのストロム選手でしたが、丸山選手も世界のトップ選手たちと堂々と渡り合い、その実力を証明しました。
以下は、メダルを獲得した上位3選手と、健闘した日本人選手の結果一覧です。
| 順位 | 選手名 | 国 | 合計得点 |
| 金 | アンナ・ストロム | ノルウェー | 275.5 |
| 銀 | ニカ・プレブツ | スロベニア | 268.2 |
| 銅 | 丸山 希 | 日本 | 261.8 |
| 13 | 高梨 沙羅 | 日本 | 235.4 |
| 14 | 勢藤 優花 | 日本 | 232.1 |
| 17 | 伊藤 有希 | 日本 | 228.9 |
「絶対に復活します」北京五輪断念からの4年間の軌跡
今回獲得した銅メダルは、単なる競技結果以上の重みを持っています。丸山選手にとってこの4年間は、怪我による絶望から這い上がる「復活」への道のりそのものでした。
時計の針を戻すと、2021年の北京五輪直前に行われた全日本選手権での出来事が思い出されます。彼女は着地で転倒し、左膝前十字靭帯損傷というスポーツ選手にとって致命的ともいえる大怪我を負いました。
目の前にあった五輪への切符が消え去り、所属する北野建設や故郷の野沢温泉村の関係者も言葉を失うほどの状況でした。しかし、彼女は諦めませんでした。手術を受ける直前、関係者に送った「絶対に復活します」というメッセージには、彼女の強い覚悟が込められていたのです。
恐怖心との戦いとリハビリの日々
手術が無事に終わっても、すぐに以前のように飛べるわけではありませんでした。復帰当初は、着地の瞬間に膝が崩れるような感覚に襲われ、ジャンプ台に立つこと自体への恐怖心が拭えなかったといいます。
思うように体が動かない焦りと恐怖心の中で、彼女は何度も悔し涙を流しながら過酷なリハビリを続けました。そんな彼女を変えたのは、原点である「ジャンプを楽しむ」という気持ちでした。
恐怖心を完全に消すのではなく、それを受け入れた上で楽しんで飛ぶ。そう心に決めてからの彼女は、精神的にも大きく成長し、恐怖を克服して真のエースへと進化を遂げたのです。
覚醒の理由は「足裏」の感覚?今季W杯6勝のエースへ
恐怖心を乗り越えた丸山希選手が、技術面で手に入れた最大の武器。それが「足裏の感覚」の鋭さです。今シーズンのワールドカップ(W杯)で個人第6勝を挙げるなど、彼女が日本の絶対的エースへと成長した背景には、この繊細な感覚の進化がありました。
スキージャンプは時速90km近いスピードで助走路を滑り降りますが、この時にいかに重心を安定させるかが勝負の分かれ目になります。丸山選手は足の裏全体で雪面を捉え、重心を極限まで低く保つフォームを完成させました。
かつては恐怖心から腰が引けてしまうこともありましたが、今は違います。下半身がどっしりと安定しているため、踏み切りの瞬間にパワーをロスすることなく、爆発的な力で空へと飛び出すことができるのです。
この技術的な「覚醒」こそが、世界の強豪と対等に渡り合い、今回の銅メダルを手繰り寄せた決定的な要因と言えるでしょう。
高梨沙羅らチームメイトの結果と絆
日本女子ジャンプ陣の戦いは、丸山選手一人だけのものではありません。長年、日本のエースとして女子ジャンプ界を牽引し続けてきた高梨沙羅選手は、合計235.4点で13位という結果でした。
また、ベテランの伊藤有希選手は17位、勢藤優花選手は14位と、それぞれが持てる力を尽くして戦い抜きました。丸山選手にとって高梨選手は、常に背中を追い続けてきた偉大な先輩であり、目標とする存在です。
試合後、互いの健闘を称え合う姿には、個人の順位を超えたチームとしての深い絆が感じられました。先輩たちが築き上げてきた歴史と、苦しい時期を支え合った仲間の存在があったからこそ、丸山選手は重圧のかかる場面でも笑顔でスタートゲートに座ることができたのかもしれません。
まだ終わらない!混合団体・ラージヒルの日程
ノーマルヒルでの銅メダル獲得で日本中が湧いていますが、ミラノ・コルティナ五輪の戦いはまだ終わっていません。丸山選手の好調ぶりを見る限り、残りの種目でもさらなるメダル獲得の期待が高まります。
特に注目なのは、男女が力を合わせて戦う「混合団体」と、より大きなジャンプ台で飛距離を競う「ラージヒル」です。今の丸山選手には、風をも味方につける勢いがあります。
今後のスキージャンプ(女子・混合)の放送予定と競技日程は以下の通りです。ぜひテレビの前で声援を送りましょう。
- 2月11日(水) 02:45〜: 混合団体(ノーマルヒル)
- 2月16日(月) 02:40〜: 女子個人ラージヒル 決勝
※時間は日本時間(JST)です。深夜〜早朝の競技となります。
メダリストとして臨む次の試合では、さらに自信に満ちたジャンプを見せてくれるはずです。
まとめ:丸山希の銅メダルは「楽しんで飛んだ」証
4年前の絶望から這い上がり、ミラノの空で輝いた丸山希選手。彼女が試合後に語った「楽しんで飛んで、結果がついてきてくれたら嬉しい」という言葉通り、今回の銅メダルは彼女が心からスキージャンプを楽しんだ証と言えます。
怪我という「地獄」を味わい、恐怖心と向き合った末に手にしたのは、強さだけでなく、競技を愛する純粋な心でした。その姿は、私たちに「困難を乗り越える勇気」を与えてくれました。
さあ、次は混合団体とラージヒルです。絶好調の丸山選手と日本チームが、再び歓喜の瞬間を届けてくれることを信じて、引き続き熱い応援を届けましょう!
