レアアースとは?使い道やレアメタルとの違い、2026年の最新動向を簡単に解説

日本の希望!南鳥島レアアース泥と2026年試験掘削の最新情報

スマートフォンや電気自動車の製造に欠かせないレアアースは、現代のハイテク製品を支える産業のビタミンといえる非常に重要な資源です。

なぜなら、これら17種類の元素がなければ、製品を小型化したり高性能にしたりすることが極めて難しくなるからです。例えば、強力な磁石を作るために使われるネオジムは、EVのモーター性能を大きく左右する重要な役割を担っています。この記事では、初心者の方にも分かりやすくレアアースの基礎知識から、2026年の自給自足に向けた最新ニュースまでを丁寧に解説します。

目次

レアアースとは?希土類元素17種類の定義と英語表現

レアアースは、日本語では希土類と呼ばれている金属元素のグループを指す言葉です。英語ではRare Earth Elementsと表記され、直訳すると、まれな土の元素という意味になります。

名前に、まれ、という言葉が入っているため、地球上にほとんど存在しない貴重なものだと思われがちです。しかし実際には、地殻の中に比較的広く分布しているものも少なくありません。それにもかかわらずレアアースと呼ばれるのは、一箇所に固まって存在することが少なく、純粋な状態で取り出すのが非常に難しいという性質があるためです。

料理に例えるなら、メインの食材を引き立てるスパイスのような存在といえるでしょう。ごくわずかな量を加えるだけで、金属に磁力を持たせたり、光を放つ性質を与えたりと、劇的な変化をもたらしてくれます。

全17種類の元素一覧(スカンジウム・イットリウム・ランタノイド)

レアアースに分類されるのは、全部で17種類の元素です。具体的には、スカンジウムとイットリウムという2つの元素に、ランタノイドと呼ばれる15種類の仲間を加えた構成になっています。

これらは性質の似たもの同士で、大きく2つのグループに分けられることが一般的です。比較的重さが軽いグループを軽レアアース、重いグループを重レアアースと呼びます。

  • スカンジウム
  • イットリウム
  • ランタン
  • セリウム
  • プラセオジム
  • ネオジム
  • プロメチウム
  • サマリウム
  • ユウロピウム
  • ガドリニウム
  • テルビウム
  • ジスプロシウム
  • ホルミウム
  • エルビウム
  • ツリウム
  • イッテルビウム
  • ルテチウム

【図解】レアアースとレアメタルの違いを簡単に解説

よく混同されやすい言葉にレアメタルがありますが、この二つの関係は親子のようなものだと考えると理解しやすくなります。レアメタルは流通量が少なく産業にとって重要な金属の大きなグループの総称です。

その大きなレアメタルというグループの中に、さらに細かな一族として存在しているのがレアアースです。つまり、レアアースはすべてレアメタルの一部であるといえます。

項目レアメタルレアアース
定義地殻中の存在量が少ない、または抽出が難しい金属の総称レアメタルの中の特定の17種類の元素グループ
種類数約30種類から47種類(定義により異なる)厳密に17種類と決まっている
関係性大きな枠組み(親)その中の一部(子)

このように、レアメタルという広いカテゴリーの中に、レアアースという専門的な集団が含まれているという構造になっています。

「産業のビタミン」!レアアースの主な使い道と製品例

レアアースは、産業のビタミンという言葉で表現されることがあります。私たちの体が必要とするビタミンのように、量はわずかでも、製品に特別な能力を与えるために欠かせない役割を果たしているからです。

もしこの資源がなくなってしまうと、私たちが普段当たり前のように使っている最新機器の多くが、今のような性能を維持できなくなってしまいます。それほどまでに、現代の製造業における使い道は幅広く、かつ替えが効かないものとなっているのです。

EV・スマホに不可欠な「ネオジム磁石」

最も身近で重要な用途の一つが、ネオジムなどの元素を使って作られる強力な磁石です。この磁石は一般的なものよりはるかに磁力が強いため、機械の心臓部であるモーターを驚くほど小さく、かつパワフルにすることができます。

この技術のおかげで、電気自動車(EV)は長い距離を走れるようになり、スマートフォンは驚くほどの薄さを実現できました。省エネ性能を高めるためにも必須の素材であり、環境に優しい社会を作るための鍵を握っているといっても過言ではありません。

液晶パネル、LED、医療機器(MRI)への活用

磁石以外にも、私たちの生活を支える目立たない場所でレアアースは活躍しています。光を鮮やかに発色させる性質を利用して、テレビやスマホの画面、照明器具のLEDなどに使われています。

また、医療の現場でも欠かせない存在となっており、病院にあるMRIという検査装置や、ガンの診断に使う造影剤などにも活用されています。

  • 液晶パネルの研磨剤(セリウム)
  • LEDの蛍光体(イットリウム、テルビウムなど)
  • 光ファイバーの増幅器(エルビウム)
  • MRIの強力な磁石(ガドリニウム)

なぜ問題になる?中国依存のリスクと輸出規制の影響

これほど重要なレアアースですが、供給のバランスが非常に偏っていることが大きな国際問題となっています。現在、世界の生産量の約7割、さらには岩石から元素を取り出す精錬工程の約9割を中国が占めているという独占状態にあります。

特定の国に供給を頼りすぎていると、その国との関係が悪化した際に資源が届かなくなるという地政学的なリスクが生じます。実際に過去、外交的な摩擦が起きた際に輸出規制が行われ、日本の製造業が大きな打撃を受けた事例もありました。

もし安定した供給網(サプライチェーン)が途絶えてしまえば、ハイテク製品の生産が止まり、数千億円規模の損失が出る恐れもあります。そのため、自国の産業を守るための経済安全保障という観点から、特定の国に依存しない体制づくりが急務となっているのです。

次は、この深刻な依存状態から脱却するための、日本の新たな希望について解説します。


今の日本の現状を知ると少し不安になるかもしれませんが、実は私たちの足元、日本の海には眠れる巨大な宝が眠っていることが分かっています。

次は、日本が資源大国になる可能性を秘めた「南鳥島」での最新プロジェクトについて詳しく見ていきましょう。

日本の希望!南鳥島レアアース泥と2026年試験掘削の最新情報

日本が資源大国になる可能性を秘めた大きなチャンスが、私たちの足元の海に眠っています。日本の排他的経済水域(EEZ)内にある南鳥島の海底で、膨大な量のレアアース泥が発見されたからです。この海底に沈んでいる資源は、世界中で使われている量の数百年分に相当するといわれており、供給不安を解消する救世主として期待されています。

この奇跡的な資源がどのようにして生まれたのか、その成り立ちには驚くべきエピソードがあります。約3400万年前、海を泳いでいた魚の骨や歯が海底に降り積もり、長い年月をかけてレアアースを濃縮したと考えられています。遥か昔の生命が残した贈り物が、今の日本のハイテク産業を救おうとしている事実は非常に感慨深いものがあります。

こうした海底資源を自分たちで確保することは、経済安全保障を強化する上でも非常に大きな意味を持ちます。特定の国からの輸入に頼り切るのではなく、自国の領海内で資源をまかなえるようになれば、日本の製造業の未来はより明るいものになるでしょう。

2026年1月開始!海底6000mからの採掘プロジェクト

夢のような話だった国内での資源採掘が、ついに具体的な行動として動き出します。2026年1月からは、実際に海底からレアアース泥を引き上げるための試験掘削が開始される予定です。水深6000メートルという非常に深い場所から安定して資源を回収するため、日本の高い技術力が結集されています。

このプロジェクトでは、国立研究開発法人のJAMSTECや地球深部探査船ちきゅうが中心的な役割を担います。単に掘るだけでなく、いかに効率よく経済的に資源を取り出せるかを検証することが今回の主な目的です。試験掘削が成功すれば、日本が自立した供給網(サプライチェーン)を築くための大きな一歩となります。

今後のスケジュールについても、以下のように具体的な目標が掲げられています。

時期予定されている内容
2026年1月本格的な試験掘削の開始
2027年商業化に向けた大規模な採鉱試験
2028年以降民間企業への技術移転と実用化

成功すれば、これまで海外に依存していた状況を大きく変えることができるはずです。私たちが普段使っている製品の材料が、日本自身の海から届けられる日はもうすぐそこまで来ています。

私たちができること:リサイクル(都市鉱山)と代替技術の進化

新しい資源を掘り出す一方で、今あるものを大切に使い続ける工夫も進んでいます。使い終わったスマートフォンや家電製品を資源の宝庫と捉える都市鉱山の活用です。日本は世界でもトップクラスのリサイクル技術を持っており、廃棄物の中から貴重なレアメタルを回収する取り組みが全国で行われています。

実は、海外での採掘コストが安い理由の一つに、環境規制の緩さという側面があることは否定できません。精錬の過程で出る有害物質の処理を適切に行わないことで、安さを維持しているケースもあります。私たちがリサイクル製品を積極的に選ぶことは、こうした環境負荷を抑え、持続可能な社会を作ることにも繋がります。

輸入だけに頼らない脱中国の動きを加速させるためには、国民一人ひとりの意識も大切です。古い小型家電を自治体の回収ボックスに入れるといった小さな行動が、結果として日本の資源自給率を高める大きな力に変わっていきます。

レアアースを使わない「脱レアアース」技術の開発

また、特定の元素に依存しないための代替素材の開発も目覚ましい進歩を遂げています。特に、熱に弱い性質を補うために使われるジスプロシウムや、性能を高めるためのテルビウムといった貴重な元素を使わない技術が注目されています。

日本の研究機関や企業は、ネオジムなどの一般的な材料の配合を工夫することで、同等の性能を出すことに成功しています。こうしたレアアースフリーのモーターや部品が増えれば、もしもの時にも製品の製造が止まってしまうリスクを最小限に抑えられます。

技術革新によって、資源の弱点を克服していく姿勢は日本の強みといえるでしょう。採掘、リサイクル、そして代替技術。これら三つの柱を組み合わせることで、日本はどんな状況にも揺るがない強固な産業基盤を築こうとしています。

まとめ:レアアースは日本の未来を握る戦略資源

レアアースは私たちの生活を豊かにし、地球の未来を守るために欠かせない大切な資源です。電気自動車や最新のデバイスが正常に機能し続けるためには、この産業のビタミンが常に安定して供給されなければなりません。

これまでは特定の国に依存してきた背景がありましたが、2026年の南鳥島でのプロジェクトを皮切りに、日本の状況は劇的に変わろうとしています。自国で資源を確保し、高度なリサイクル技術と代替素材の開発を並行して進めることで、日本は世界に誇れる資源循環型社会を実現できるはずです。

私たちが最新のテクノロジーを享受し続けられるのは、こうした目に見えない場所での努力や技術革新があるからです。この記事をきっかけに、ぜひご自宅に眠っている古いスマートフォンやゲーム機がないか探してみてください。その一台が、日本の未来を支える大切な資源の一歩になるかもしれません。

使わなくなった小型家電は、お住まいの自治体の回収ルールに従ってリサイクルに出しましょう。あなたのその行動が、日本の資源を守る大きな助けとなります。

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