高山市長選2026の結果|当選者は田中明氏、23,155票で再選 3度目挑戦の益田大輔氏を1,939票差で退ける

高山市長選2026の結果|当選者は田中明氏、23,155票で再選 3度目挑戦の益田大輔氏を1,939票差で退ける

2026年8月30日、岐阜県高山市長選が投開票され、再選を目指した無所属現職の田中明(たなか・あきら)氏(65)=自民、公明推薦=が23,155票を獲得し、無所属新人で前市議の精神科医・益田大輔(ますだ・だいすけ)氏(51)を1,939票差で退けて再選を決めました。得票率は52.2%対47.8%。投票率は66.16%で、前回2022年を1.29ポイント上回りました。現職と新人の一騎打ちで、開票終盤まで両者が競り合う展開でした。この記事では、開票結果の数字、4年前の初当選時と比べて票差がどう変わったのか、そして両候補が争った地域医療という争点を、公表された事実に沿って整理します。

この記事でわかること

  • 開票結果:当選者は現職の田中明氏で23,155票(得票率52.2%)、益田大輔氏は21,216票(同47.8%)。票差は1,939票でした。投票率は66.16%、当日有権者数は67,607人です。
  • 票差は4年で約半分に:2022年に田中氏が初当選したときの益田氏との差は約3,600〜3,700票と報じられていました。今回はそれが1,939票まで縮まっています。
  • 争点は地域医療:益田氏は医師・看護師の減少を受けた地域医療の立て直しを掲げ、田中氏は再選後の会見で「特に医療は喫緊の課題」と述べ、飛騨3市1村に郡上市を含む広域での医療体制確立を最優先に挙げました。
目次

高山市長選2026の結果|当選者は現職の田中明氏、23,155票で再選

2026年8月30日投開票の高山市長選は、現職の田中明氏が23,155票で再選しました。新人の益田大輔氏は21,216票です。

得票23,155対21,216、票差は1,939票

票差は1,939票、得票率では52.2%対47.8%で、4.4ポイントの開きにとどまりました。

候補者 年齢・肩書 得票数 得票率 当落
田中 明 65歳・現職/無所属(自民・公明推薦) 23,155票 52.2% 当選
益田 大輔 51歳・新人(前市議・精神科医)/無所属 21,216票 47.8% 落選

高山市が公表した投開票速報によると、開票は8月30日午後9時15分に始まり、午後10時14分の時点で開票率100%となりました。報道各社の出口調査では投票締め切り後の段階で両者が「激しく競り合う」「現新が接戦」と伝えられており、当選確実が出るまでに時間を要した選挙でした。

投票率66.16%、当日有権者数は67,607人

投票率は66.16%で、前回2022年の64.87%を1.29ポイント上回りました。当日有権者数は67,607人です。

内訳は男性31,971人、女性35,636人。投票総数は44,727票で、うち有効票が44,371票、無効票が356票、持ち帰り票は0票でした。なお当日有権者数は前回から3,363人減っています。人口減少が進むなかで投票率が上がったということは、実際に投票所へ足を運んだ人の割合が前回より高かったことを意味します。争点が明確で、かつ結果が読みにくい選挙ほど投票率は上がりやすく、今回の1.29ポイント増はその典型的な現れ方といえます。

なぜ接戦になったのか|4年で票差が約3,600票から1,939票に縮まった

今回の1,939票差は、田中氏が初当選した2022年の票差からおよそ半分に縮まった数字です。現職が票を減らしたわけではありません。

2022年と2026年の数字を並べる

田中氏は4年前より3,340票増やしています。それでも差が縮んだのは、益田氏の伸びがそれを上回ったためです。

項目 2022年8月28日投開票 2026年8月30日投開票
構図 無所属新人4人の争い 現職と新人の一騎打ち
田中明氏 19,815票(得票率43.4%)で初当選 23,155票(同52.2%)で再選
益田大輔氏 2位で落選(田中氏との差は約3,600〜3,700票と報道) 21,216票(同47.8%)で落選
投票率 64.87% 66.16%
当日有権者数 67,607人(前回比3,363人減)

現職が僅差で信任される選挙は2026年に各地で起きています。埼玉県では「蓮田市長選挙2026の結果|山口京子氏が428票差で再選・武藤康史氏との接戦を制す」、福井県では「大野市長選2026の結果|石山志保が190票差で薄氷の3選」があり、いずれも今回より小さい票差でした。

2022年の票差については、報道によって「約3,600票」とするものと「約3,700票」とするものがあります。ここは寄せずにそのまま示します。いずれにせよ、4年前は3,000票を超える差がついていた組み合わせが、今回は2,000票を切る差になったという方向は一致しています。

数字の読み方には注意が必要です。2022年は新人4人が票を分け合った選挙で、今回は2人の一騎打ちでした。候補者が4人から2人に減れば、残った2人の得票が増えるのは当然です。したがって「益田氏が約5,000票伸ばした」という数字だけを取り出して勢いの証拠とするのは正確ではありません。ただし、田中氏が得票率43.4%から52.2%へと過半数に届かせるまでに8.8ポイントしか積み増せなかったことは、一騎打ちの現職としては物足りない数字です。

3度目の挑戦だった益田大輔氏

益田氏にとって市長選は3度目の挑戦でした。2018年、2022年と敗れ、その間に市議として1期を務めています。

2018年
高山市長選に立候補し落選(1度目の挑戦)

2022年8月
新人4人の争いで2位。当選した田中明氏に約3,600〜3,700票差で敗れる(2度目の挑戦)

2023年
高山市議選に立候補し初当選。市議として市政に入る

2026年5月13日
市長選への出馬を表明。「負けを知っているからこそ見える世界がある」と述べ市政刷新を訴える(3度目の挑戦)

2026年8月30日
21,216票を得るも1,939票差で落選

益田氏は福岡市出身の精神科医で、岐阜大学病院や高山赤十字病院での勤務を経て、現在は市内の須田病院に勤めています。市外から来て医療現場で働き、市議を1期務めたうえで市長選に挑むという経歴で、8年をかけて票を積み上げた形になりました。

(編集部分析)3度目で1,939票差というのは、次があるならその次が本番になる数字です。首長選では、落選しても票差を縮め続けた挑戦者が最終的に交代を実現する例が各地にあります。一方で、その間に地域そのものが縮んでいることも直視すべきです。当日有権者数は4年で3,363人減りました。母数が減る町で票差だけを見て「次は届く」と読むのは早計で、実際に問われるのは、減り続ける有権者のなかで誰が新しい支持を掘り起こせるかです。

争点は地域医療|宿泊税とごみ処理施設の1期目に、医師不足が重なった

今回の最大の争点は地域医療でした。医師・看護師の減少にどう手を打つかで、両候補の手法が分かれました。

田中氏の1期目|県内自治体で初の宿泊税と新ごみ処理施設

田中氏は1期目に、岐阜県内の自治体で初めてとなる宿泊税の導入と、新しいごみ処理施設の整備を進めました。

宿泊税の導入(2025年10月1日から)
岐阜県内の自治体で初。1人1泊あたり宿泊料金1万円未満100円、1万円以上3万円未満200円、3万円以上300円の段階制

新ごみ処理施設の整備
大型の公共事業として1期目に着手した案件

2期目の重点4分野
医療体制の強化、福祉の充実、産業振興、人材確保。「市政継続の重要性」を掲げて戦った

宿泊税は、観光客に負担してもらって観光振興の財源をつくる仕組みです。年間数百万人規模の観光客が訪れる高山市にとっては、住民税や固定資産税とは別の自主財源を持つという意味を持ちます。人口が減って住民からの税収が細るなかで、外から来る人に負担を求める設計へ踏み込んだことが、1期目でもっとも分かりやすい実績でした。

益田氏が掲げた地域医療の立て直しと子育て支援

益田氏は医師・看護師の減少に対応する地域医療の立て直しと、子育て支援の拡充を重点政策に掲げました。

報道によれば、益田氏はJR高山駅の西側への移転を伴う高山赤十字病院の建て替えや、オーガニック給食といった政策にも意欲を示していたとされます。自身が精神科医として岐阜大学病院や高山赤十字病院で働いた経歴があり、医療現場の当事者という立場から医療を前面に押し出した選挙戦でした。飛騨地域は医師の確保が全国的にも難しい地域とされ、住民にとって「近くの病院で診てもらえるか」は生活に直結する問題です。

両候補の主張はどこが違ったのか

2人の対立軸は、目的ではなく手法にありました。田中氏自身が再選後、この点を認める発言をしています。

論点 田中明氏(当選) 益田大輔氏(落選)
立ち位置 市政継続。1期目の実績を土台にする 市政刷新。「負けを知っているからこそ見える世界がある」
医療 医療体制の強化を2期目の重点に。広域での体制確立を主張 医師・看護師の減少に対応した地域医療の立て直しを最重点に
子育て・福祉 福祉の充実を重点4分野の一つに 子育て支援の充実を重点政策に掲げる
経歴 元市職員(企画部長・海外戦略部長)、観光団体専務理事 精神科医、前市議1期
推薦 自民、公明 なし(無所属)

Q. 高山赤十字病院の移転建て替えは決まったのですか。

A. 決まっていません。JR高山駅西側への移転を伴う建て替えに意欲を示していたと報じられたのは落選した益田氏の側です。当選した田中氏は広域での医療体制確立を最優先に挙げており、病院の移転そのものを公約として掲げたわけではありません。今後の方針は市の発表を待つ必要があります。

田中氏の2期目|「飛騨3市1村、郡上市を含む広域で医療体制を」

再選した田中氏は、2期目の最優先課題に医療を挙げました。市単独ではなく広域での体制づくりを掲げています。

再選後の会見での発言

田中氏は「特に医療は喫緊の課題」と述べ、高山市に限らない広域での医療体制の確立を最優先に実行すると語りました。

会見での発言は次の通りです。「市民の方々が次の4年間、市長としての職を託していただいたことをありがたく、重く受け止めている。論点は益田氏とそれほど違わず、互いに『高山をよくしたい』という思いで同じだった。その手法が違い、それを市民が選択した選挙だった」。医療については「特に医療は喫緊の課題。高山市だけでなく、飛騨3市1村、さらには郡上市を含む広域でしっかりと医療体制を確立し、住民の不安を取り除くことを最優先に実行していきたい」と述べています。全体の決意としては「市民と一緒に美しいまちをつくっていく」と語りました。

1,939票差をどう受け止めるか

1,939票差は、市長が政策を進めるうえで無視できない大きさです。有権者のほぼ半分が対立候補に投じています。

(編集部分析)注目したいのは、田中氏が敗れた相手の政策を「論点はそれほど違わない」と評価している点です。これは敗者への礼儀であると同時に、47.8%が支持した医療政策を無視できないという現実の認識でもあります。2期目の最優先に医療を置き、しかも高山市単独ではなく飛騨3市1村と郡上市という広域の枠を口にしたことは、市の権限だけでは医師も看護師も確保できないという構造を示しています。地域医療は市町村の努力だけで完結せず、県の医療計画や大学病院の医師派遣といった上位の仕組みに縛られます。だからこそ、住民に最も近い自治体の首長が広域の調整役として動けるかどうかが問われます。4年後、飛騨地域の医師数と、住民が近くで受けられる診療科の数がどう変わったか。それがこの選挙のいちばん誠実な答え合わせになります。

なお同じ2026年8月30日には香川県知事選も投開票され、こちらは現職が19万票台で再選しています。詳しくは「【8/30】香川県知事選2026の当選者は池田豊人氏 19万票で再選」でまとめています。

高山市長選2026のよくある質問

ここでは、今回の高山市長選について検索されることの多い疑問をまとめます。

Q. 高山市長選2026の当選者と得票数を教えてください。

A. 当選者は無所属現職の田中明氏(65)で、得票は23,155票(得票率52.2%)です。無所属新人の益田大輔氏(51)は21,216票(同47.8%)で、票差は1,939票でした。田中氏は自民党と公明党の推薦を受けていました。

Q. 高山市長選の投票率はどれくらいでしたか。

A. 66.16%でした。前回2022年の64.87%を1.29ポイント上回っています。当日有権者数は67,607人(男31,971人、女35,636人)、投票総数は44,727票で、有効票44,371票、無効票356票、持ち帰り票0票でした。

Q. 田中明氏はどんな経歴の人物ですか。

A. 65歳。1987年に高山市役所に入庁し、企画部長や海外戦略部長を歴任しました。退職後は飛騨・高山観光コンベンション協会の専務理事を務め、2022年8月の市長選に無所属新人として立候補。新人4人の争いを19,815票(得票率43.4%)で制して初当選しました。今回が2期目です。

Q. 益田大輔氏はどんな人物ですか。

A. 51歳の無所属新人で、福岡市出身の精神科医です。岐阜大学病院や高山赤十字病院での勤務を経て、現在は市内の須田病院に勤めています。市長選は2018年、2022年に続いて3度目の挑戦で、2023年の市議選で初当選して1期を務めていました。

Q. 田中氏の任期はいつまでですか。

A. 今回の選挙は任期満了に伴うもので、新たに4年間の任期が始まります。したがって2030年夏までとなる見込みです。前回の選挙が2022年8月28日投開票だったのに対し、今回は8月30日投開票でした。

今後は、田中氏が最優先に挙げた広域での医療体制づくりが実際にどう進むかが焦点になります。

参考情報

  • 高山市公式ホームページ「令和8年8月30日執行 高山市長選挙 投開票速報」(当日有権者数・投票率・得票数・有効無効票)
  • ぎふチャン(岐阜放送)「高山市長選 現職・田中氏が再選 新人候補との接戦制す」(2026年8月30日)
  • ぎふチャン(岐阜放送)「高山市長選 投票率は66.16%」(2026年8月30日)
  • ぎふチャン(岐阜放送)「再選の田中氏『市民と一緒に美しいまちをつくっていく』 2期目への決意 高山市長選」(2026年8月30日)
  • ぎふチャン(岐阜放送)「岐阜県高山市長選 市議の益田大輔氏が出馬表明 3度目の挑戦 市政の刷新訴え」(2026年5月13日)
  • 選挙ドットコム「高山市長選挙(2026年8月30日投票)」開票結果・得票率・当日有権者数
  • 朝日新聞「岐阜・高山市長選、現職の田中氏が再選 3度目挑戦の新顔破る」(2026年8月30日)
  • 岐阜新聞デジタル「【開票速報】高山市長選、田中氏が再選 益田氏との接戦制す」(2026年8月30日)
  • 中日新聞Web「【出口調査】高山市長選挙、益田大輔さんと田中明さんが激しく競り合う」(2026年8月30日)
  • NHKニュース「高山市長選挙 現職の田中氏が再選」(2026年8月30日)
  • 岐阜新聞デジタル「田中氏が初当選 岐阜・高山市長選 市議補選は新人女性2人が当選」(2022年8月)
  • 高山市公式ホームページ「宿泊税の概要」(2025年10月1日導入・税率)
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