美好かほる氏が交野市長選2026で落選|維新公認でも9,410票差、同じ日の府議補選は維新が勝っていた

2026年9月6日、大阪府交野市長選が投開票され、大阪維新の会公認の新人で前府議・美好かほる(みよし・かおる)氏(56)が12,557票にとどまり、21,967票を集めた無所属現職の山本景(やまもと・けい)氏(46)に9,410票差で敗れました。投票率は54.50%で、前回2022年の49.36%を5.14ポイント上回っています。ただし同じ日、同じ有権者による大阪府議補選(交野市選挙区)では、大阪維新の会公認の堀天地氏が17,056票で当選しています。この記事では、開票結果の数字と、市長選と府議補選で結果が分かれた理由を、公表された得票だけを並べて整理します。
この記事でわかること
- 開票結果:当選者は現職の山本景氏で21,967票、大阪維新の会の美好かほる氏は12,557票。票差は9,410票、有効投票数は34,524票、投票率は54.50%(前回49.36%)、当日有権者数は64,306人でした。
- 同じ日に維新は勝ってもいる:併せて行われた大阪府議補選(交野市選挙区)では、維新公認の堀天地氏が17,056票で、無所属の黒田実氏(前交野市長)の15,832票を1,224票差で退けて当選しました。
- 維新票が消えたわけではない:同じ日の同じ市で、維新公認候補は府議補選で17,056票、市長選で12,557票。差は4,499票です。市長選だけで票が伸びなかった形になっています。
- 山本氏の票差は4年で10倍に:2022年の初当選時は当時の現職を921票差で破っての勝利でした。今回は9,410票差です。
交野市長選2026の結果|美好かほる氏は12,557票で落選、山本景氏が21,967票で再選
交野市長選は現職の山本景氏が21,967票で再選しました。大阪維新の会の美好かほる氏は12,557票で落選です。
票差は9,410票、有効票の内訳
票差は9,410票で、有効投票数34,524票に占める割合は山本氏が約63.6%、美好氏が約36.4%でした。
| 候補者 | 年齢・肩書 | 得票数 | 有効票に占める割合 | 当落 |
|---|---|---|---|---|
| 山本 景 | 46歳・現職/無所属 | 21,967票 | 約63.6% | 当選 |
| 美好 かほる | 56歳・新人(前大阪府議)/大阪維新の会 | 12,557票 | 約36.4% | 落選 |
割合は、報道された得票数と有効投票数34,524票から算出したものです。選挙管理委員会が得票率として公表した数値ではありません。この選挙は現職と新人の一騎打ちで、産経新聞は「大差で再選」と、読売新聞は「大阪維新の会の新人が落選」と、いずれも票差の大きさを見出しに立てて伝えています。
投票率は54.50%、前回より5.14ポイント上がった
投票率は54.50%で、前回2022年の49.36%を5.14ポイント上回りました。当日有権者数は64,306人です。
交野市選挙管理委員会が公表した開票結果によると、投票者数は35,046人、有効投票34,524票、無効投票522票(無効投票率1.49%)です。当日有権者数の内訳は男性30,341人・女性33,965人で、投票率は男性53.20%、女性55.66%でした。この日の交野市では市長選のほかに大阪府議補選と市議補選も同時に行われており、市議補選の投票率は54.48%と発表されています。同じ有権者が同じ投票所で3種類の投票用紙を受け取った選挙だった、という点は、このあと述べる「市長選と府議補選で結果が分かれた」という話を読むときの前提になります。
美好かほる氏はどんな候補だったのか|大阪維新の会の前府議
美好かほる氏は1970年生まれの56歳、大阪府議会議員を2期務めた大阪維新の会公認の新人候補です。
府議を辞職して市長選に臨んだ
美好氏は交野市選挙区選出の現職府議でしたが、市長選に立候補するため府議を辞職しました。これが同日の府議補選の直接の原因です。
本人の公式サイトによれば、交野市で働き2人の子どもを育てた経歴を持ち、大阪維新の会府議会議員団で副総務会長を務め、現在は同会の交野市市政対策委員長です。府議として掲げていたのは地域包括支援センターの体制拡充、福祉の総合相談体制の構築、単身高齢者への支援、5歳児健診の実施、病児保育の充実といった項目でした。市長選では府や近隣市との連携強化、子育て施策の推進、消防の広域化、第二京阪道路側道の渋滞解消を訴えています。読売新聞は敗因について「支持を十分に広げ切れなかった」と伝えました。
公約の軸は「府とつなぐ」だった
美好氏の公約は、府議2期の経験を生かして交野市を大阪府や近隣市と接続する、という組み立てでした。
消防の広域化も第二京阪道路側道の渋滞解消も、交野市単独では完結せず府や隣接自治体との調整が要る課題です。府議の実績をそのまま市政の武器として示す構成になっていました。一方の山本氏は過去4年の実績を前面に出し、物価高騰対策、指定避難所の環境改善、コミュニティバスの存続・拡充を訴えて、自転車で市内を回る形の選挙運動を展開したと報じられています。「府とつなぐ」対「この4年でやったこと」という対立軸だった、と整理できます。
同じ日の府議補選では維新が勝っている|1,224票差
同じ日の大阪府議補選では維新公認の堀天地氏が17,056票で当選しています。維新は交野市で全敗していません。
市長選と府議補選の得票を並べる
維新公認候補の得票は、府議補選で17,056票、市長選で12,557票。同じ日の同じ市で4,499票の開きがあります。
| 選挙 | 大阪維新の会の候補 | 対立候補 | 票差 | 維新の当落 |
|---|---|---|---|---|
| 交野市長選 | 美好かほる 12,557票 |
山本景(無所属・現職) 21,967票 |
9,410票 | 落選 |
| 大阪府議補選(交野市選挙区) | 堀天地 17,056票 |
黒田実(無所属・前交野市長) 15,832票 |
1,224票 | 当選 |
府議補選で維新の堀氏と争った黒田実氏は、無所属の前交野市長です。つまり交野市の有権者は同じ日に、市長選では維新公認候補を退け、府議補選では維新公認候補を選んだことになります。得票はいずれも交野タイムズなど地元報道が伝えた数字です。
維新票は消えていない。伸びなかったのは市長選のほうだけ
維新の看板そのものが拒まれたのなら、府議補選でも堀氏は負けていたはずです。実際には堀氏が17,056票で勝っています。
同じ日・同じ市で出た4つの数字
維新・府議補選
17,056票
堀天地(当選)
維新・市長選
12,557票
美好かほる(落選)
無所属・市長選
21,967票
山本景(当選)
無所属・府議補選
15,832票
黒田実(落選)
維新の候補どうしで4,499票、無所属の候補どうしで6,135票の開きが、同じ日に出ている。
ここで確認できるのは、同じ日の同じ市で2つの選挙の得票が食い違ったという事実までです。誰がどちらにどう投票したかは公表されていません。投票用紙ごとの突き合わせは行われないため、「維新支持層の一部が市長選では別の判断をした」「無党派層が山本氏へ流れた」といった説明はいずれも仮説であり、この数字からは確かめられません。確実に言えるのは、党派の勢いという一つの物差しだけでは、この日の交野市で出た4つの数字を説明できないという点です。
山本景氏はなぜ大差で再選できたのか
山本氏は4年間の実績を前面に出し、コミュニティバスの存続と物価高騰対策を訴えて、前回の10倍の票差で再選しました。
山本景氏の経歴|証券会社から府議・市議を経て市長へ
山本景氏は46歳、和歌山大学から大阪大学大学院へ進み、証券会社を経て政治に入った市長です。
公表されている経歴は次のとおりです。1998年に大阪桐蔭高校を卒業、2002年に和歌山大学経済学部を卒業し、2004年に大阪大学大学院経済学研究科を修了しました。学生時代にIT企業を立ち上げて経営し、大学院修了後は2004年に信金中央金庫、2007年に野村證券へ入社しています。2011年4月に大阪府議会議員、2015年10月に交野市議会議員、2022年9月に交野市長に就任しました。
政党との関係では、2011年の府議初当選は大阪維新の会の公認でしたが、2014年に同会を離党しています。今回の市長選は、その離党した政党が公認候補を立て、無所属の現職に挑む構図でした。読売新聞は今回の選挙戦について、山本氏が過去4年間の実績を強調し、自転車で市内を巡る地域密着型の活動を行ったと伝えています。
2022年は921票差、今回は9,410票差
山本氏が初当選した2022年は、当時の現職を921票差で破った僅差でした。今回の9,410票差は約10.2倍です。
倍率は、報道された両選挙の票差から算出したものです。
| 項目 | 2022年(初当選) | 2026年(再選) |
|---|---|---|
| 山本氏の立場 | 新人(挑戦する側) | 現職(守る側) |
| 対立候補 | 現職の黒田実氏(自民・立憲・公明・国民が推薦) | 前府議の美好かほる氏(大阪維新の会公認) |
| 票差 | 921票 | 9,410票 |
| 投票率 | 49.36% | 54.50% |
4年前に山本氏を921票差まで追い詰めた黒田実氏は、今回は市長選ではなく府議補選に無所属で立ち、15,832票を得て落選しています。同じ2人が同じ日に別の選挙で戦い、山本氏は9,410票差で勝ち、黒田氏は1,224票差で負けた、という形です。
おりひめバスと物価高騰対策
山本氏が今回の選挙で前面に出したのは、コミュニティバス「おりひめバス」の存続・拡充と、物価高騰対策、指定避難所の環境改善でした。
おりひめバスは、京阪バスが市内4路線から撤退したことを受けて交野市が走らせている巡回バスです。京阪バスの運行終了は2025年3月22日で、その翌23日から市の代替運行が始まりました。同年6月1日からはICOCAなどの交通系ICカードにも対応しています。バスの撤退という、市民の生活が目に見えて変わる出来事に対して市が代替手段を用意した、という経緯があり、山本氏はこれを実績として掲げました。美好氏もコミュニティバスの維持・継続を公約に入れており、争点そのものは重なっています。同じ論点で、実際にバスを走らせた側と、これから維持すると訴える側の比較になった構図です。
再選後、山本氏は「市民の声を公正に聞いて、納得してもらえる市政運営をしたい」と述べたと報じられています。
この結果は「維新の地盤沈下」なのか
この日の交野市の数字だけでは、維新の地盤沈下とも現状維持とも断定できません。読み方が2つ成り立ちます。
沈下と読む側の根拠
- 公認候補が9,410票差の大差で敗れた
- 大阪府内の市長ポストを1つ取り切れなかった
- 投票率が5.14ポイント上がったなかでの敗北
現状維持と読む側の根拠
- 同じ日の府議補選は維新が当選
- 市長ポストはもともと維新が持っていない
- 相手は実績を持つ現職だった
市長選の敗北だけを取り出せば大差の負けですが、府議のポストは維新が守りました。逆に府議補選の勝利だけを取り出せば現状維持ですが、市長選では前回より投票率が上がったうえで4,499票少ない結果に終わっています。
なおX上には、この結果を「維新の勢いの低下」と結びつける投稿と、「交野はもともと維新の地盤が弱く現状維持だ」とする投稿の双方が見られます。ただしこれは投稿者の見立てであり、地盤の強弱を裏付ける公表データを当サイトでは確認できていません。SNS上にそういう意見がある、という以上には扱えない情報です。
次に同じ判断を迫られたときに見るべき数字は3つです。①大阪府内で次に行われる首長選で、維新公認候補が有効投票の何パーセントを取ったか。②その選挙の投票率が前回から上がったか下がったか。③相手が現職か新人か。この3つを並べて初めて、交野の9,410票差が全体の流れなのか、現職個人の評価なのかを切り分けられます。単発の1市の結果を「地盤沈下」と読むには、材料が足りません。
よくある質問
Q. 美好かほる氏はどんな経歴の候補でしたか
A. 1970年生まれの56歳、大阪府議会議員を2期務めた大阪維新の会公認の新人です。同会府議会議員団で副総務会長を務め、現在は交野市市政対策委員長です。市長選に出るため府議を辞職しました。
Q. 維新は交野市で完全に負けたのですか
A. いいえ。市長選は9,410票差で敗れましたが、同じ日の大阪府議補選では維新公認の堀天地氏が17,056票で当選し、無所属の黒田実氏(15,832票)を1,224票差で退けています。
Q. 山本景氏と黒田実氏はどういう関係ですか
A. 2022年の市長選で戦った相手どうしです。当時の現職が黒田氏で、山本氏が921票差で破って初当選しました。黒田氏は今回、市長選ではなく府議補選に無所属で立ち、落選しています。
Q. 無効票は何票ありましたか
A. 522票です。交野市選挙管理委員会の公表によると、投票者数35,046人に対して有効投票は34,524票、無効投票率は1.49%でした。
参考情報
- 読売新聞オンライン「大阪・交野市長選挙、現職の山本景氏が再選果たす…大阪維新の会の美好かほる氏下す【開票結果】」(2026年9月6日)
- 読売新聞オンライン「大阪維新の会の新人が落選、交野市長選挙の投票率54.50%…再選の山本景氏『市民の声を公正に聞く』」(2026年9月6日)
- 産経新聞「無所属現職の山本氏が維新候補に大差で再選 大阪・交野市長選」(2026年9月6日)
- 交野タイムズ「大阪府議補欠選挙は堀天地氏が当選」「府議会議員の補欠選挙。維新のほりさん、無所属の黒田さんが立候補」
- 交野市「交野市長選挙 開票結果」(投票者数・有効投票・無効投票・男女別投票率)
- 大阪府「令和8年9月6日執行大阪府議会議員交野市選挙区補欠選挙」
- 交野市「交野市北部巡回バス実証運行『おりひめバス』の4月からの運行について」
- みよし かおる 公式サイト/大阪維新の会
他の市長選の結果もあわせて読みたい方は、現職と新人の票差が4年で半分に縮まった高山市長選2026の結果、自民が推薦を見送った保守分裂を制した和歌山市長選2026の結果もご覧ください。





