【9/17】第2次高市改造内閣の閣僚名簿|10ポスト交代・初入閣7人、不記載の簗和生氏・関芳弘氏が入閣、林芳正氏は退任

第2次高市改造内閣が2026年9月17日夕、皇居での認証式を経て発足しました。木原稔官房長官が同日午後に発表した閣僚名簿では、首相を除く18ポストのうち10ポストで顔ぶれが替わり、初入閣は7人です。派閥の政治資金パーティー裏金事件で政治資金収支報告書に不記載があり、党の処分を受けた簗和生氏(農林水産相)と関芳弘氏(文部科学相)が入閣し、昨年の総裁選を首相と争った林芳正氏は総務相を退任しました。本記事では、首相官邸が公表した名簿をもとに、19人の顔ぶれ、前任と後任、不記載があった2人の入閣、担務の組み替え、首相会見の要点を整理します(9月17日19時30分時点の情報です)。

この記事でわかること

  • 閣僚名簿:首相を含む19人。木原官房長官、茂木外相、片山財務相、小泉防衛相ら8人が留任しました。
  • 交代した10ポスト:総務・法務・文科・農水・国交・環境・デジタル・復興・国家公安・内閣府特命(こども政策など)です。
  • 不記載があった議員の入閣:簗和生氏(不記載1746万円)と関芳弘氏(同836万円)。党の処分を受けた議員の入閣は初めてです。
  • 林芳正氏:総務相を退任し、閣外に出ました。後任は初入閣の藤井比早之氏です。
  • 首相の説明:「実行力重視」の人選とし、不記載があった議員は2回の国政選挙で審判を受けたとして起用したと述べました。
目次

第2次高市改造内閣の閣僚名簿は?首相を含む19人

第2次高市改造内閣の閣僚は首相を含めて19人で、首相官邸が9月17日発足の名簿として公表しています。

名簿は木原稔官房長官が17日午後に発表し、閣僚は皇居での認証式を経て同日夕に正式に就任しました(首相官邸「第2次高市改造内閣 閣僚等名簿」、時事通信 2026年9月17日)。高市早苗首相にとって、昨年10月の就任以降で初めての内閣改造です。官邸の名簿をもとに、全員を一覧にしました。

第2次高市改造内閣の閣僚名簿(2026年9月17日発足)
役職 氏名 衆参 区分
内閣総理大臣 高市早苗 衆 ―
総務大臣 藤井比早之 衆 初入閣
法務大臣 山下貴司 衆 再入閣
外務大臣 茂木敏充 衆 留任
財務大臣 片山さつき 参 留任
文部科学大臣 関芳弘 衆 初入閣
厚生労働大臣 上野賢一郎 衆 留任
農林水産大臣 簗和生 衆 初入閣
経済産業大臣 赤澤亮正 衆 留任
国土交通大臣 井林辰憲 衆 初入閣
環境大臣 笹川博義 衆 初入閣
防衛大臣 小泉進次郎 衆 留任
内閣官房長官 木原稔 衆 留任
デジタル大臣 古川俊治 参 初入閣
復興大臣 細野豪志 衆 再入閣
国家公安委員会委員長 葉梨康弘 衆 再入閣
内閣府特命担当大臣(こども政策・規制改革など) 中司宏(維新) 衆 初入閣
内閣府特命担当大臣(経済財政政策)・日本成長戦略担当 城内実 衆 留任
内閣府特命担当大臣(経済安全保障) 小野田紀美 参 留任

「区分」は時事通信の報道にもとづきます。初入閣7人、閣僚経験者の再入閣3人、留任8人に首相を足すと19人になります。

官房副長官は佐藤啓氏から中西祐介氏へ交代

閣僚ではありませんが、政務の官房副長官は参院の佐藤啓氏から、麻生派の中西祐介氏に交代しました。

官邸の名簿に載る官房副長官は、衆院の尾﨑正直氏、参院の中西祐介氏、事務の露木康浩氏の3人です。内閣法制局長官は岩尾信行氏です(首相官邸)。時事通信は中西氏を元総務副大臣(47)と伝えています。

改造で交代したのは誰?前任と後任の10ポスト

交代は10ポストで、林芳正総務相、鈴木憲和農林水産相、松本洋平文部科学相らが閣外に出ました。

ここでいう「交代」は、首相を除く18の閣僚ポストについて、改造前(2026年2月18日発足の第2次高市内閣)と比べて人が替わったものを数えています。担当する事務の付け替えは数に入れていません。改造前の顔ぶれは発足時の名簿(第2次高市内閣の閣僚一覧)、改造後は官邸の名簿で突き合わせました。

改造で人が替わった10ポスト(前任→後任)
ポスト 前任(改造前) 後任(9月17日〜)
総務大臣 林芳正 藤井比早之(元外務副大臣)
法務大臣 平口洋 山下貴司(元法相)
文部科学大臣 松本洋平 関芳弘(元経済産業副大臣)
農林水産大臣 鈴木憲和 簗和生(元文部科学副大臣)
国土交通大臣 金子恭之 井林辰憲(元内閣府副大臣)
環境大臣 石原宏高 笹川博義(元農林水産副大臣)
デジタル大臣 松本尚 古川俊治(参院議員)
復興大臣 牧野京夫 細野豪志(元環境相)
国家公安委員会委員長 赤間二郎 葉梨康弘(元法相)
内閣府特命担当大臣(こども政策など) 黄川田仁志 中司宏(維新・前幹事長)

後任の肩書きは時事通信の報道によります。笹川博義氏は農林水産副大臣のほか、2020年に環境副大臣も務めています(笹川博義氏の経歴)。留任8人は外務・財務・厚労・経産・防衛・官房長官・経済財政・経済安保の各ポストです。法相には元法相の山下貴司氏が就き、改造前に法相起用論が話題になっていた北村晴男氏は名簿に入っていません(北村晴男氏「法務大臣に」の声はどこから出たか)。

主要閣僚を残した「骨格維持」の布陣

官房長官・外相・財務相・防衛相の4人を続投させ、政権の骨格は変えていません。

時事通信は、改造を「政権の重要政策実現に向けた継続性重視の布陣」と伝えています。ロイターは経済閣僚が軒並み留任したことについて、市場から「林(芳正)総務大臣が閣外に外れたこと以外、特段意外感はない」(農林中金総合研究所の南武志理事研究員)との声が出ていると報じました(ロイター 2026年9月17日)。

初入閣7人・再入閣3人・留任8人の内訳

18ポストの内訳は、初入閣が7人、閣僚経験者の再入閣が3人、留任が8人です。

時事通信の報道をもとに、区分ごとに図にまとめました。

第2次高市改造内閣 閣僚18ポストの内訳
初入閣 7人
藤井比早之(総務)/関芳弘(文科)/簗和生(農水)/井林辰憲(国交)/笹川博義(環境)/古川俊治(デジタル)/中司宏(内閣府特命・維新)
再入閣 3人
山下貴司(法務)/葉梨康弘(国家公安)/細野豪志(復興)
留任 8人
茂木敏充(外務)/片山さつき(財務)/上野賢一郎(厚労)/赤澤亮正(経産)/小泉進次郎(防衛)/木原稔(官房長官)/城内実(経済財政)/小野田紀美(経済安保)
※首相官邸の名簿と時事通信の報道をもとに作成。首相は含めていません。

初入閣の7人のうち、簗和生氏と関芳弘氏の2人が、裏金事件で不記載があった議員です。

維新の中司宏氏が初入閣し、閣内協力に転じた

日本維新の会は今回から閣内協力に転じ、前幹事長の中司宏氏が初めて閣僚になりました。

改造前の第2次高市内閣は、維新が閣外から協力する形で、閣僚は自民党議員だけでした。中司氏の担務は官邸の名簿で、こども政策、少子化対策、若者活躍、規制改革、共生・共助の内閣府特命担当と、行政改革担当、国家公務員制度担当です(首相官邸)。共同通信は、中司氏の起用を規制改革担当相として伝えていました(共同通信 2026年9月17日)。首相は17日午後、維新の藤田文武共同代表と官邸で会談し、人事の狙いを説明しています。

細野豪志氏は民主党政権で原発事故担当相を務めた

復興相の細野豪志氏は、民主党政権で原発事故の担当相と環境相を務めた経験者で、自民党に入ってからは初の入閣です。

細野氏は17日、記者団に「総理からは『希望した役割なのでしっかりやるように』という指示がございました」と述べました。原発事故の担当大臣を最初に務めた経験から復興相を希望したと説明し、除染土壌の県外最終処分について「政府と福島県の約束というのは極めて重い」と語っています(ABEMA TIMES 2026年9月17日)。

不記載があった簗和生氏・関芳弘氏の入閣とは

簗和生氏と関芳弘氏は旧安倍派で、不記載により党の処分を受けており、処分を受けた議員の入閣は初めてです。

裏金事件は、旧安倍派などの派閥議員がパーティー券のノルマを超えて売った分を派閥から還流され、政治資金収支報告書に記載していなかった問題です。自民党は2024年4月の調査で85人を不記載と認定し、39人を処分しました(朝日新聞 2026年9月17日)。処分は重い順に離党の勧告、党員資格の停止、党の役職停止(1年間・6カ月)、戒告で、議員の多くは不記載の金額に応じて区分されました(自由民主党「党紀委員会が国会議員ら39人の処分を決定」2024年4月4日)。2人について分かっている事実を並べます。

不記載があった2人の閣僚
項目 簗和生氏 関芳弘氏
就任したポスト 農林水産大臣 文部科学大臣
所属していた派閥 旧安倍派 旧安倍派
不記載の額 1746万円(朝日新聞) 836万円・2020〜2022年の3年分(神戸新聞)
党の処分 党の役職停止6カ月(朝日新聞) 党の処分を受けた(毎日新聞・共同通信)
17日の発言 「地元でもしっかりと説明責任を果たしてきた」 「責任は一生つきまとう」

関氏の不記載額は、2024年1月に本人が明らかにした数字です(神戸新聞NEXT 2024年1月)。関氏が受けた処分の区分は、今回確認できた報道では明記されていなかったため、表では「党の処分を受けた」と書いています。

党の処分を受けた議員の入閣は2023年末の発覚以降で初めて

毎日新聞によると、2023年末に発覚した事件で党の処分を受けた議員が閣僚になるのは、この2人が初めてです。

朝日新聞は簗氏の起用について「党の調査で裏金問題への関与が認定された議員を閣僚に起用するのは初めて」と報じました。フジテレビ(FNN)も、2023年の問題発覚以降で不記載があった議員の入閣は初めてと伝えています(FNNプライムオンライン 2026年9月17日)。

2人は記者団に「反省」「説明責任」と語った

関氏は「深く事態を反省し、心の糧としたい」と述べ、簗氏は「選挙を経て今この立場にいる」と語りました。

毎日新聞によると、関氏は17日、首相官邸で記者団に「深く事態を反省し、今後、前に進んでいくための心の糧としたい。国民の方々に喜んでもらえるような政治をやっていく」と述べ、「責任は一生つきまとう。問い合わせがある際は、改めて答える」とも話しました。簗氏は「地元でもしっかりと説明責任を果たしてきた。選挙を経てこうした形で今この立場にいる」と強調しています(毎日新聞 2026年9月17日)。ABEMA TIMESによると、関氏は「本当にご迷惑をおかけいたしまして、心からお詫びを申し上げたい」とも述べました(ABEMA TIMES 2026年9月17日)。

高市首相は不記載議員の起用をどう説明したのか

首相は会見で、過去の問題がなかったことになるわけではないとしつつ、2回の国政選挙で審判を受けたとして起用したと説明しました。

日本テレビによると、高市首相は17日夜の記者会見で、不記載があった議員の起用について「過去に行ったことが、なかったこととされるわけではない」と述べたうえで、その後の2回の国政選挙で有権者の審判を受けたことを起用の理由に挙げました(日テレNEWS NNN 2026年9月17日)。

木原官房長官も「選挙が国民の審判」と述べていた

木原官房長官は改造前から、事件後に衆院選を2度経たことを踏まえ、選挙が国民の審判として重要だと述べていました。

毎日新聞は、木原氏が「選挙が何よりも国民の審判という意味で重要だ」と述べ、政策や実力本位で登用する考えを示していたと伝えています(毎日新聞)。木原氏の発言の中身は、改造前にまとめた記事(裏金の不記載議員を入閣させるのか|木原官房長官「2回の選挙で信任」の中身)で詳しく扱っています。一方、改造の前に行われた時事通信の世論調査(9月11〜14日)では、裏金事件に関与した議員を閣僚や党役員に起用することに「反対」が68.6%で、「賛成」の11.8%を大きく上回りました。自民支持層でも反対は53.6%です(時事通信 2026年9月17日)。

林芳正氏はなぜ退任したのか

林芳正氏の退任理由について、首相自身の説明は19時30分時点の報道では確認できていません。

林氏は昨年の自民党総裁選で高市首相と争い、第1次・第2次の高市内閣で総務相を務めていました。改造ではその処遇が焦点とされていましたが、閣外に出ることになりました(時事通信)。

「次の総裁選」をにらんだ人事との見方

テレビ朝日は、今回の人事の大きな狙いを来年の自民党総裁選での再選にあると伝えています。

テレビ朝日系(ANN)によると、首相は小泉防衛相や茂木外相など「ライバル」の続投を早々に決め、党内に唯一残る派閥の麻生派にも配慮しました。首相側近は「実力主義の革命的な人事だ」と話す一方、党内からは「総理の好き嫌い人事だ」との不満も漏れているといいます(テレビ朝日系(ANN) 2026年9月17日)。いずれも報道が伝えた関係者の見方で、首相自身が語った理由ではありません。

担当の組み替えで何が変わったのか

近い仕事を1人の閣僚にまとめるため担務を整理し、消費税減税関連法案の担当は片山財務相になりました。

時事通信によると、親和性の高い業務を1人の閣僚にまとめる狙いで各閣僚の担務を整理しました。官邸の名簿で確認できる主な変更を表にしました。

主な担務の組み替え(改造前と改造後の名簿を比較)
閣僚 今回受け持つ主な担務
片山さつき財務相 消費税・支援金法案担当を新たに受け持つ(金融、租税特別措置・補助金見直しは継続)
藤井比早之総務相 地方創生、地域未来戦略、副首都整備等推進
細野豪志復興相 防災、防災庁設置準備、国土強靱化、国際防災協力
古川俊治デジタル相 AI・デジタル改革、人工知能戦略、科学技術政策、宇宙政策、サイバー安全保障など
笹川博義環境相 原子力防災、クマ被害対策
山下貴司法相 男女共同参画、女性活躍、法制度検証・改革
葉梨康弘国家公安委員長 沖縄及び北方対策、消費者及び食品安全、アイヌ施策、領土問題、CBRNEテロ対策
中司宏内閣府特命相 こども政策、少子化対策、規制改革、行政改革、国家公務員制度など

改造前は防災を国家公安委員長が、規制改革を経済財政担当相が、行政改革をデジタル相が受け持っていました。担務の名前は官邸の名簿の表記に合わせています。

クマ被害対策担当が環境相に置かれた

笹川環境相は原子力防災に加えて、名簿で新たに「クマ被害対策担当」を受け持ちます。

時事通信は、笹川氏を環境相に起用してクマ対策を兼務させたと伝えています(時事通信)。改造前の名簿には、クマ被害対策の担当大臣は置かれていませんでした。

首相会見の要点は「実行力重視」と「責任ある積極財政」

首相は人選を「実行力重視」と説明し、新内閣を「決断と挑戦、そして実行の内閣」と名付けました。

日本テレビによると、首相は「『(議員への)アンケートで提案された政策』や『積極性と情熱』を見極め、『実行力重視』の人選といたしました」と述べ、「『責任ある積極財政』の大方針を掲げ、『強い経済』の実現に向けた政策を加速させる」と強調しました(日テレNEWS NNN)。ロイターによると、首相は「責任ある積極財政の実行を急がなければならない」とも語っています。

臨時国会では消費税減税と定数削減の法案が焦点

10月上旬にも召集される臨時国会では、消費税減税関連法案と衆院議員定数の削減法案が焦点になります。

共同通信によると、首相は10月召集の臨時国会に提出する消費税減税関連法案の成立や、年末の安全保障関連3文書の改定など、政権公約の実現へ体制を整える狙いです(共同通信)。片山財務相は記者団に、消費減税・給付金法案について「大変だが、丁寧に説明する」と答えました(ロイター)。時事通信の9月調査では、臨時国会で衆院議員定数の削減法案を成立させるべきだと「思う」人が59.2%でした(時事通信)。

今後の焦点は3つ

焦点は、不記載があった2閣僚への国会での追及、臨時国会の重要法案、改造後の内閣支持率の3つです。

  • 国会での説明:関氏は「問い合わせがある際は、改めて答える」と述べており、臨時国会で野党が不記載の経緯をどこまでただすかが注目されます。
  • 重要法案:消費税減税関連法案と衆院議員定数の削減法案を、臨時国会で成立させられるかです。
  • 内閣支持率:時事通信の9月調査で支持率は44.1%と4カ月連続で下がり、過去最低を更新しました。この調査は改造前に行われたため、改造の評価は次の調査で表れます。

続報を追うなら、①臨時国会の召集日と首相の所信表明演説、②関氏・簗氏への国会質疑、③報道各社が改造後に行う世論調査(内閣支持率と、不記載があった議員の起用への賛否)の3つを確認すると、改造人事の評価が見えてきます。

よくある質問

Q. 改造内閣の女性閣僚は何人ですか?

A. 首相を含めて3人です。高市早苗首相、片山さつき財務相、小野田紀美経済安全保障担当相で、3人とも改造前からの顔ぶれです。

官邸の名簿で確認できる19人のうち、今回の改造で新たに加わった10人に女性はいませんでした(首相官邸)。参院議員の閣僚も、片山氏、古川俊治氏、小野田氏の3人です。

Q. 首相補佐官の顔ぶれはどこで確認できますか?

A. 首相官邸の「第2次高市改造内閣 閣僚等名簿」のページに、閣僚名簿と並んで首相補佐官の名簿が載っています。

同じページに官房副長官と内閣法制局長官も掲載されています(首相官邸)。副大臣と大臣政務官は、この名簿には含まれていません。

参考情報

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