【9/20】塩尻市長選の結果|百瀬敬氏が再選、上間匠氏に8,815票差 投票率40.72%は過去12年で2番目の低さ

【9/20】塩尻市長選の結果|百瀬敬氏が再選、上間匠氏に8,815票差 投票率40.72%は過去12年で2番目の低さ

2026年9月20日に投開票された長野県塩尻市の市長選挙で、無所属現職の百瀬敬氏(56)が15,321票を獲得し、無所属新人で元市職員の上間匠氏(47)を破って再選しました。現職と新人の一騎打ちでしたが、投票率は40.72%にとどまり、前回2022年を9.84ポイント下回りました。本記事では、塩尻市選挙管理委員会が公表した投票状況と、中日新聞・SBC信越放送・NBS長野放送・信濃毎日新聞の報道をもとに、結果の数字と「一騎打ちなのに投票率が下がった」という食い違いが何を示しているのかを整理します(2026年9月21日時点の情報です)。

この記事でわかること

  • 開票結果:百瀬敬氏が15,321票、上間匠氏が6,506票で、得票差は8,815票でした。
  • 投票率:40.72%は、塩尻市選管が公表している2014年以降の市長選で2番目に低い数字です。
  • 一騎打ちとの関係:2018年も一騎打ちでしたが投票率は46.26%で、候補者の数だけでは説明できません。
  • 減った内訳:投票総数は4年前より5,726票減り、そのうち4,887票が当日投票の減少です。
  • 現職の票:百瀬氏の得票は前回の13,382票から15,321票へ1,939票増えています。
  • 減った側:百瀬氏以外の候補者の合計得票は14,087票から6,506票へ、7,581票減りました。
目次

塩尻市長選の開票結果|百瀬敬氏が15,321票で再選

無所属現職の百瀬敬氏が15,321票を獲得し、新人の上間匠氏に8,815票差をつけて再選しました。

選挙は任期満了に伴うもので、9月13日告示・9月20日投開票の日程で行われました。届け出たのは現職と新人の2人で、市政の継続か刷新かが問われる構図となりました。

2026年9月20日投開票 塩尻市長選挙の開票結果(塩尻市選挙管理委員会の開票結果をもとに作成)
候補者 年齢・立場 党派 得票数 得票率(有効票比)
百瀬敬(当選) 56歳・現職(1期) 無所属 15,321票 70.2%
上間匠 47歳・新人(元市職員) 無所属 6,506票 29.8%
得票差 8,815票 40.4ポイント
有効投票数 21,827票
無効投票数 137票
投票総数 21,964票

塩尻市選管の開票結果によると、投票総数21,964票のうち有効投票は21,827票、無効投票は137票で、持ち帰りその他は0票でした。表の得票率は、有効投票数を分母にした計算値です。

得票差8,815票は、百瀬氏が初当選した前回より広がった

今回の8,815票差に対し、百瀬氏が初当選した2022年の2位との差は3,512票でした。

2022年は新人3人の争いで、百瀬氏が13,382票、平間正治氏が9,870票、金子勝寿氏が4,217票という結果でした(NBS長野放送)。今回の百瀬氏は、2022年より1,939票多く獲得しています。票数でも2位との差でも当時を上回りました。

上間匠氏は元市職員の新人だった

上間匠氏は広丘高出出身の47歳で、市職員を務めた経験を持つ無所属の新人です。

信濃毎日新聞は告示時点の候補者紹介で、上間氏が「子に胸張れる未来へ」という決断を掲げたと伝えています。行政の内側を知る立場から、市政の進め方そのものを問う構図でした。一方の百瀬氏は宗賀出身の56歳で、「現場主義」「謙虚さ」を胸に「対話」を重視する人柄として紹介されています。

投票率40.72%は過去12年で2番目に低い水準

今回の40.72%は、塩尻市選管が公表している2014年以降の市長選で2番目に低い数字です。

塩尻市選挙管理委員会は、市長選挙のたびに当日有権者数・投票者数・投票率を「投票状況」として公表し、あわせて前回の投票率も参考として載せています。この公表値をつなぐと、直近4回の推移は次のようになります。

塩尻市長選挙の投票率の推移(塩尻市選挙管理委員会の公表値をもとに作成)
投開票日 投票率 前回比 候補者数 構図
2014年9月21日 40.36% 2人 現職が3選
2018年9月23日 46.26% +5.90pt 2人 現職と新人が379票差
2022年9月25日 50.56% +4.30pt 3人 現職引退・新人3人
2026年9月20日 40.72% -9.84pt 2人 現職と新人が8,815票差

数字だけを追うと「2018年・2022年と2回続けて上がったあと、一気に12年前の水準へ戻った」という動きになります。

最も低かったのは2014年の40.36%

2014年の40.36%が直近の最低で、今回はそれを0.36ポイント上回るだけの水準でした。

この40.36%という数字は、塩尻市選管が平成30年(2018年)の投開票結果ページに「前回の投票率」として載せているものです。つまり今回の40.72%は「過去最低」ではありませんが、それとほぼ並ぶところまで下がったことになります。報道の「前回比9.84ポイント減」という見出しだけでは、この位置関係は見えません。

一騎打ちだから下がったわけではない

2018年も現職と新人の一騎打ちでしたが、投票率は46.26%と今回より5.54ポイント高い水準でした。

2018年の塩尻市長選は、現職の小口利幸氏が12,902票、新人の平間正治氏が12,523票で、その差はわずか379票でした(塩尻市選管)。2022年は現職の引退で20年ぶりに市長の座が空き、新人3人の争いで50.56%まで上がっています。つまり「2人の争い」でも投票率は40.36%から46.26%まで開いており、人数と投票率は対応していません。

過去3回の結果を並べると、候補者数だけでは投票率の違いを説明できないことが分かります。2014年も候補者は2人で、このときの投票率は40.36%でした。同じ「2人の争い」に40.36%と46.26%が並んでいる以上、人数は決め手になっていません。

接戦かどうかの見え方が投票行動に影響したのかどうかは、今回の集計だけでは判断できません。投票に行かなかった人の理由を確かめられる調査は、2026年9月21日時点では公表されていないためです。

投票者減少の85%は当日投票|選管の内訳を4年前と並べる

投票総数は4年前より5,726票減りましたが、その85%にあたる4,887票は当日投票の減少です。

塩尻市選管の「投票状況」は、投票者数を期日前投票・不在者投票・当日投票の3つに分けて公表しています。この内訳を直近3回で並べると、減り方が一様でないことが分かります。

投票者数の内訳の推移(塩尻市選挙管理委員会の公表値をもとに作成)
項目 2018年 2022年 2026年 2022年→2026年
当日有権者数 55,379人 54,772人 53,944人 -828人(-1.5%)
期日前投票 7,310票 10,028票 9,204票 -824票(-8.2%)
不在者投票 230票 221票 206票 -15票(-6.8%)
当日投票 18,079票 17,441票 12,554票 -4,887票(-28.0%)
投票者数 計 25,619人 27,690人 21,964人 -5,726人(-20.7%)
投票率 46.26% 50.56% 40.72% -9.84pt

有権者が4年で828人減ったことも投票総数を押し下げていますが、その規模は5,726票という減少の一部でしかありません。なお今回の期日前投票9,204票は、当日有権者53,944人の17.1%にあたります(選管の公表値をもとに計算)。

当日投票は28%減、期日前投票は8%減にとどまった

当日投票は4年前から28.0%減った一方、期日前投票の減りは8.2%にとどまりました。

投票方法別の集計では、当日投票が4,887票減った一方、期日前投票の減少は824票、不在者投票の減少は15票でした。減少が投票方法によって偏っていることになります。投票総数に占める期日前投票の割合も、2018年の28.5%、2022年の36.2%から今回は41.9%へ上がりました(いずれも選管の公表値をもとに計算)。

期日前投票+不在者投票
2022年 10,249票 → 2026年 9,410票(-839票・-8.2%)
当日投票
2022年 17,441票 → 2026年 12,554票(-4,887票・-28.0%)

これは投票方法別の票数の比較であって、同じ人が投票方法を変えたかどうかや、どの人が投票をやめたかを示すものではありません。選管の集計から言えるのは、減り方が投票方法によって大きく違うところまでです。

百瀬氏の得票は前回より1,939票増えている

百瀬氏の得票は2022年の13,382票から15,321票へ増え、投票率とは逆の動きをしました。

投票率が9.84ポイント下がり、投票総数が5,726票減っているにもかかわらず、当選者の得票は増えています。現職として1期4年を務めたうえで、前回より多くの票を集めた形です。「投票率が下がった選挙=当選者の支持も縮んだ選挙」とは限らないことが、この2つの数字の向きの違いに出ています。

百瀬氏以外の候補者の合計得票は7,581票減った

百瀬氏以外の候補者の合計得票は、2022年の14,087票から今回の6,506票へ7,581票減りました。

2022年に百瀬氏以外の2人が集めた票は、平間正治氏の9,870票と金子勝寿氏の4,217票を合わせて14,087票でした。今回、上間氏が得たのは6,506票です。投票総数の減少5,726票より大きい数字が、この側で減っていることになります。

これは2つの選挙の集計を引き算した結果であって、個々の有権者がどう投票先を変えたか、あるいは投票をやめたかを示すものではありません。票の動きを確かめられる出口調査などの裏づけは、2026年9月21日時点の報道では確認できていません。

争点は財政運営と人口減少対策だった

報道によれば、将来を見据えた財政運営の方向性と人口減少対策が主な争点とされました。

SBC信越放送は「将来を見据えた財政運営の方向性や人口減少対策などが争点となりました」と伝えています。中日新聞は、市政の継続か刷新かが問われた選挙だったとしています。

百瀬氏|「対話と現場主義」と子育て支援の4年間

百瀬氏は「徹底した対話と現場主義」を基本に、1期目の子育て支援強化の実績を掲げて再選を目指しました。

中日新聞によると、百瀬氏は人口減少の緩和と健全財政の維持を掲げ、地域公共交通の充実や公共施設の最適化などを公約にしました。SBC信越放送は、子育て支援の強化をはじめとする4年間の実績をアピールし、人口減少対策や地域公共交通の充実を訴えたと報じています。

上間氏|「財政は危機の入り口」として決め方の刷新を訴えた

上間氏は「市の財政は危機の入り口にある。政策の決め方から変える」と訴え、刷新を掲げました。

中日新聞が伝えたこの主張は、個別の事業の是非よりも、意思決定の過程そのものを問う立て方でした。市職員を務めた経歴を持つ候補が、行政の決め方を争点に据えた形です。結果としては6,506票にとどまり、これは2022年に刷新を掲げた平間氏の9,870票を下回る水準でした。

百瀬氏が2期目に掲げたこと

百瀬氏は地域公共交通の充実、公共施設の最適化、福祉の充実などを2期目の公約に掲げました。

中日新聞によると、百瀬氏は当選後に「次の4年間もスピード感を持って政策を実行し、市民の期待に応えていく」と述べています。NBS長野放送に対しては、「地域公共交通の充実」と「福祉の充実」を挙げ、「高齢の方や障害のある人が抱えている課題を解決していく」ことが必要だと話しました。

財政運営が争点になった選挙で、公共施設の最適化と福祉の充実の両方が公約に並びました。この2つをどう両立させるかが2期目の実務になります。

よくある質問

Q. 塩尻市長選の投票率40.72%は過去最低ですか?

A. 塩尻市選管の公表値でたどれる範囲では、過去最低ではありません。各回の投票状況ページに載る「前回の投票率」をさかのぼると2014年まで確認でき、その年の40.36%が最も低い数字です。今回の40.72%はそれを0.36ポイント上回ります。2013年以前については、選管がウェブで公表している資料の範囲では確認できませんでした。

Q. 投票率が下がった理由は分かっているのですか?

A. 分かっていません。選管が公表しているのは投票した人の数と投票方法であって、投票しなかった人の理由は含まれていません。分かるのは、候補者数だけでは説明がつかないこと(2014年と2018年はどちらも2人で40.36%と46.26%)と、減少が当日投票に偏っていることの2点までです。

Q. 投票率が下がったのに百瀬氏の得票が増えたのはなぜですか?

A. 百瀬氏以外の候補者の合計得票が7,581票減る一方で、百瀬氏の得票は1,939票増えたためです。ただし、個々の有権者が投票先を変えたのか投票をやめたのかは、公表されている集計からは分かりません。

数字を自分で確かめたいとき

今回の記事で使った数字は、すべて塩尻市選挙管理委員会の2ページで確認できます。

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