【9/22】高市首相の退陣求めるデモ、全国330カ所に広がった経緯

【9/22】高市首相の退陣求めるデモ、全国330カ所に広がった経緯

高市早苗首相の退陣を求めるデモが、2026年9月に入って全国で相次いでいます。安全保障関連法の成立から11年となった9月19日には、国会正門前に1万5000人(主催者発表)が集まり、主催者は全国330カ所で共同行動があったと紹介しました。翌20日にも「#めちゃくちゃな政治に抗議0920」の呼びかけで、デモ情報サイトに各地の行動が登録されています(9月21日の確認時点で27会場・19都道府県)。本記事では、東京新聞・神奈川新聞・産経新聞・しんぶん赤旗・主催団体の告知をもとに、いつ・どこで・何人が・何を求めて集まっているのかを時系列で整理します(2026年9月22日時点の情報です)。

この記事でわかること

  • 直近の規模:9月19日の国会正門前は1万5000人(主催者発表)、連帯行動は全国330カ所でした。
  • 2つの流れ:2015年から毎月続く「19日行動」と、2026年春に始まった市民団体の抗議デモは、主催も起点も別です。
  • 数字の性質:参加者数はすべて主催者発表です。本記事で参照した報道では、警察発表や第三者の実測人数は確認できていません。
  • 求めていること:安保法の廃止、改憲反対、防衛費増額や法案の進め方への抗議、首相の退陣です。
  • 反対の声:SNSでは「選挙で選ばれた政権をデモで動かすべきではない」との反論も出ています。
目次

高市首相の退陣を求めるデモはいつ・どこで起きたか

直近の山場は9月19日の国会正門前で、1万5000人(主催者発表)が集まり、主催者は全国330カ所の共同行動を紹介しました。

東京新聞は9月19日18時22分の配信で、安全保障関連法の成立から11年となったこの日、全国各地で戦争や改憲に反対するデモや抗議行動があったと報じました。国会正門前の集会は市民団体「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」などが主催し、参加者は安保法の廃止と戦争反対を訴えたとしています。

主催団体の告知によると、名称は「11年間の闘いを力に!主権者は私たち!9・19国会正門前大行動」で、9月19日(土)15時30分から1時間ほど、国会議事堂正門前と国会前庭・国会図書館前で行われました。共催は「9条改憲NO!全国市民アクション」です。しんぶん赤旗によると、330カ所という数字は、主催者あいさつに立った「憲法9条を壊すな!実行委員会」の菱山南帆子共同代表が集会で紹介したもので、国会正門前を含むかどうかの内訳は示されていません。

翌9月20日(日)には、別の呼びかけ「#めちゃくちゃな政治に抗議0920」の行動が、デモ情報を集めるサイト「デモカレンダー」に登録されています。9月21日に本サイトが確認した時点の登録は27会場・19都道府県で、登録数は実際に開かれた数と一致するとは限りません。9月22日以降も、スタンディング(街頭に立って意思を示す行動)や学習会の予定が各地で掲載されています。

9月19日と20日の動きを、主催と規模に分けて並べると次のとおりです。

2026年9月19日・20日の主な抗議行動(東京新聞・しんぶん赤旗・主催団体告知・デモカレンダーをもとに作成)
日付 行動の名前 主催・呼びかけ 場所・会場数 参加者数
9月19日(土) 9・19国会正門前大行動(19日行動) 総がかり行動実行委員会、9条改憲NO!全国市民アクション 国会正門前 1万5000人(主催者発表)
9月19日(土) 19日行動の連帯行動 各地の市民団体 全国330カ所(主催者あいさつでの紹介) 報道なし
9月20日(日) #めちゃくちゃな政治に抗議0920 呼びかけに応じた各地の有志 27会場・19都道府県(デモカレンダーの登録数・9月21日確認) 報道なし

表のとおり、人数が報じられているのは国会正門前だけで、330カ所や27会場は「行動が行われた(予定された)場所の数」です。参加者の合計ではない点に注意が必要です。

9月19日の国会前デモは何を求めたのか

9月19日の集会は、安保法の廃止と改憲反対を軸に、高市政権の退陣を求める内容でした。

しんぶん赤旗(9月20日付)によると、会場では「戦争したがる首相はいらない」「主権者は私たち」「高市政権今すぐ退陣」といったコールが上がりました。同紙は、この集会を9月17日に発足した高市早苗改造内閣に反対の意思を示すものと位置づけています。

東京新聞によると、「憲法9条を壊すな!実行委員会」共同代表の菱山南帆子さんは「11年前より政治状況は悪くなったが、11年間の運動の積み重ねにより、楽しく多様性に満ちた市民運動をみんなが工夫している。力を合わせて、めちゃくちゃな政治を変えよう」と述べました。

9月17日の内閣改造が直前にあった

集会の2日前、9月17日に第2次高市改造内閣が発足しており、抗議の対象に新しい顔ぶれが加わりました。

首相官邸と政府広報オンラインは、9月17日に第2次高市改造内閣が発足したと公表しています。報道では、経済・外交の主要閣僚を残しつつ閣僚10人を入れ替え、日本維新の会から中司宏氏が入閣したとされています。19日の集会は、この改造後に初めて迎えた「19日行動」でした。

「19日行動」は安保法の成立日から毎月続く

「19日行動」は、2015年9月19日の安保法成立に抗議して始まり、毎月19日に続いている行動です。

東京新聞は、同法の成立後、毎月19日に「19日行動」として続けられていると伝えています。主催団体の告知も「戦争法への抗議から始まった」と説明しています。つまり、この行動はもともと高市政権のために始まったものではなく、11年前からの運動の延長線上に「高市政権退陣」の訴えが乗っている形です。

国会前集会で出た発言と、その受け止め

集会では野党の党首や議員が登壇し、政権の広報姿勢を「ナチス」と重ねる発言まで出ました。

しんぶん赤旗によると、日本共産党の田村智子委員長は「安保法制が通ってからの11年間で憲法9条と相いれないほど平和国家としてのあり方が壊されている」と述べ、上智大学の中野晃一教授は「野党共闘をもう一度つくれるかによって日本や東アジアの将来は大きく変わる」と訴えました。

産経新聞(9月20日配信)によると、社民党幹事長のラサール石井氏は、政府が2027年度予算の概算要求で政府広報室の予算を約78億円から約280億円に増やすよう求めていることを取り上げ、「ほぼほぼプロパガンダだ」と批判しました。そのうえで、ナチス政権が宣伝を重視した点を引き合いに、高市政権の発信を「ナチスそのものじゃありませんか」と述べました。立憲民主党の小西洋之参院議員も登壇し、2015年の安保法審議のときの体験を語ったと報じられています。

(編集部分析)政権批判そのものは言論の自由の範囲にあり、集会で異論を述べることは民主主義の健全な一部と評価できます。一方で、選挙で成立した政権の広報をナチスになぞらえる言い方は、批判の中身よりも言葉の強さが先に伝わり、賛同していない層との対話を難しくする面があります。訴えを広げたいのであれば、どの政策のどの部分が国民の利益に反するのかを、数字と条文で示す批判のほうが説得力を持つと考えられます。

高市政権への退陣デモはいつから広がったのか

退陣を求めるデモは遅くとも2026年3月には国会前で行われており、夏にかけて会場が全国へ広がりました。

現代ビジネス(4月20日配信)は、2月の衆院選で自民党が大勝したことをきっかけに始まった国会前の「平和憲法を守るための緊急アクション」について、参加者が3月10日に8000人、3月25日に2万4000人、4月8日に3万人と増え、呼応する街頭行動が47都道府県・165カ所にのぼったと伝えています。これらの人数も主催者側の数字です。

主な節目を報道ごとに並べると、次のようになります。

高市政権に抗議する主なデモの推移(2026年・参加者数はいずれも主催者発表)
日付 場所 国会前の参加者 全国の会場数 報じた媒体
4月8日 国会前 3万人 47都道府県・165カ所 現代ビジネス
4月19日 国会前 約3万6000人 神奈川新聞・しんぶん赤旗
7月10日 国会前 約2万7000人(オンライン視聴約11万人) 100カ所以上 神奈川新聞・Arab News Japan
8月19日 国会正門前 1万5000人 280カ所以上(別の報道では288カ所) しんぶん赤旗・内外タイムス
9月19日 国会正門前 1万5000人 330カ所 東京新聞・しんぶん赤旗

本記事で取り上げた国会前集会では、4月19日の約3万6000人が最多で、8月・9月は1万5000人です。一方、各地で報告・登録された行動の数は100カ所以上から280カ所以上、330カ所へと増えています。会場ごとの人数は報じられていないため、参加者が各地へ分散したとまでは言えませんが、行動の場所は広がっています。

8月19日の数字は媒体で食い違う

8月19日の規模は、しんぶん赤旗が1万5000人・280カ所以上、内外タイムスが1万人規模・288カ所と伝えています。

しんぶん赤旗(8月20日付)は、国会正門前の参加者を1万5000人(主催者発表)とし、会場数は「デモカレンダーによると全都道府県280カ所以上」と伝えました。内外タイムス(8月25日配信)は、19日に国会正門前をはじめ全国288カ所で同時集会があり、主催者発表で1万人規模だったと書いています。人数はどちらも主催者発表ですが値がそろわず、会場数は数えた元も違うため、本記事では両方を併記しました。

デモを呼びかけているのはどんな団体か

2015年から続く総がかり行動実行委員会系と、2026年に広がったWE WANT OUR FUTURE系の2つです。

毎月19日の「19日行動」は、総がかり行動実行委員会と9条改憲NO!全国市民アクションが共催しています。8月19日の集会では日本共産党の小池晃書記局長らが、9月19日の集会では日本共産党・社民党・立憲民主党の党首や議員があいさつしました。安保法の廃止と9条改憲への反対が中心の主張です。

これとは別に、現代ビジネスは朝日新聞の報道を引き、2026年春の国会前デモの呼びかけ団体として市民団体「WE WANT OUR FUTURE」を挙げています。Arab News Japan(7月11日配信)も、7月10日の国会前デモを同団体が主催し、全国100カ所以上で同時に行われたと報じました。神奈川新聞は7月25日の国会前で「自民も維新もめちゃくちゃするな」「高市辞めろ」の声が上がったと伝えています。9月20日の「#めちゃくちゃな政治に抗議0920」の呼びかけ主体と、これらの団体との関係は、報道では確認できていません。

二つの流れを比べると、違いは次のとおりです。

19日行動(総がかり行動系)

始まり:2015年9月19日の安保法成立

頻度:毎月19日

主な訴え:安保法廃止・9条改憲反対・政権退陣

直近:9月19日 国会正門前1万5000人・全国330カ所

2026年春からの抗議デモ(WE WANT OUR FUTUREなど)

始まり:2026年春の国会前デモ

頻度:不定期(週末・平日夜)

主な訴え:法案の中身と進め方への抗議・首相退陣

規模:7月10日 国会前約2万7000人・100カ所以上

どちらも高市首相の退陣を訴えていますが、主催も起点も違うため、規模を合算して語るのは正確ではありません。

抗議の対象になっている政策・法案は何か

抗議の対象は、防衛費の増額や武器輸出の拡大、皇室典範・国旗損壊罪・副首都の各法案と、その進め方です。

Arab News Japanは7月10日のデモについて、参加者が防衛費増額、武器輸出の拡大、皇室典範改正法案(男系男子を優先する皇位継承)、国旗・国章損壊罪法案、副首都法案に反対し、与党が「十分な議論を経ずに物議を醸す政策を強行している」と懸念していたと伝えました。神奈川新聞も、同日の参加者が「『数の力』による強引な政治」に抗議したと報じています。

(編集部分析)ここに並ぶ法案のうち、皇室典範の改正は皇統の安定、国旗損壊罪は国の象徴を守る仕組み、防衛費の増額は周辺国の軍拡への備えという、いずれも国の根幹に関わる論点です。国益の観点からは、これらを前に進めること自体に意義があると評価できます。ただし、デモ側は政策の中身への反対に加えて「議論が足りない」という審議の進め方への不満も示しており、政府・与党が国会審議で丁寧に説明を尽くしたかどうかは、支持する立場からも点検されるべき課題として残ります。

「デモは民意か」SNSでの反論

SNSでは、選挙で選ばれた政権をデモで退陣させるべきではないという反論も出ています。

内外タイムス(8月25日配信)は、春先は国会前や都心の週末だけだったデモが、全国でほぼ毎日行われるようになったと書いたうえで、SNS上で論争が起きていると伝えました。同記事によると、政権を支持する側からは「選挙が民主主義の本質なのでデモの声に耳を傾ける必要はない」「民意のごくごく一部です。いわゆるノイジーマイノリティーです」といった投稿が出ています。

(編集部分析)国会前の1万5000人は主催者発表であり、本記事で参照した報道では警察発表や第三者の実測人数を確認できていません。人数だけで民意の大きさを測ることはできない一方で、330カ所という広がりは、特定の都市だけの現象ではないことを示しています。民意を測る正式な場は選挙であり、デモはその間に「こういう不満がある」と可視化する手段と位置づけるのが妥当と考えられます。政権側にとっては、支持率の動きとあわせて、どの政策に不満が集まっているのかを読み取る材料になります。

ここまでの内容について、よく出る疑問をまとめます。

高市首相退陣デモのよくある質問

参加人数、警察発表の有無、次回の日程、デモが首相の進退に与える影響の4点に、報道で確認できる範囲で答えます。

Q. 9月19日のデモには何人参加しましたか?

A. 国会正門前は1万5000人(主催者発表)です。全国330カ所の連帯行動の合計人数は報じられていません。

Q. 警察発表の人数はありますか?

A. 2026年9月22日時点で、今回取り上げた各デモについて警察発表の人数を伝えた報道は確認できていません。本記事の人数はすべて主催者発表です。

Q. 次のデモはいつですか?

A. 「19日行動」は毎月19日に行われており、次は10月19日の見込みです。9月22日時点で正式な告知は確認できていないため、日時と場所は総がかり行動実行委員会の告知で確かめてください。各地の行動はデモカレンダーで地域と日付を指定して探せます。

Q. デモで首相が退陣することはありますか?

A. 制度上、首相の進退を決めるのは国会の信任と本人・与党の判断で、デモに法的な拘束力はありません。影響するとすれば、世論や支持率を通じた間接的なものです。

次回の日時・場所は主催団体の告知、各地の予定はデモカレンダー、参加人数の更新は報道と主催者発表の突き合わせで確認できます。

参考情報

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