【10/10】パナマ地震M7.7|日本は若干の海面変動・被害の心配なし
中米パナマで日本時間2026年10月10日午前2時56分ごろ、マグニチュード(M)7.7の大きな地震が起きました。米地質調査所(USGS)の発表で、震源の深さは12.6キロと浅く、太平洋側の沿岸に近い場所です。
日本では気象庁が「若干の海面変動」の予報を出していますが、津波による被害の心配はないとしています。この記事では、現地の被害、パナマ運河や空港への影響、日本人への影響、日本の沿岸で海面変動が起きる時間を、出典付きで整理します。情報は10日朝(日本時間)の時点のもので、被害の数字は今後変わる可能性があります。
この記事でわかること
- 地震の規模:USGSの発表はM7.7、パナマ側の地質機関はM7.2で、数字が分かれています。
- 日本への影響:気象庁は「若干の海面変動」を予報し、被害の心配はないとしています。早い所で10日20時ごろからです。
- 現地の様子:大聖堂やホテルが壊れ、けが人が出ています。死者はすぐには報告されていません。パナマ運河は通常どおり動いています。
パナマ地震はいつ・どこで起きたのか
パナマ地震は日本時間10月10日午前2時56分ごろ、パナマ南部の太平洋側で起きたM7.7の地震です。
現地時間では9日の昼過ぎにあたります。
日本経済新聞によると、USGSの発表は「中米パナマ南部で9日午後0時56分(日本時間10日午前2時56分)、M7.7」で、震源は中部サンティアゴの南東約60キロ、深さは12.6キロです。英紙The Nationalは、震源をヘレラ県とし、パナマ運河から南西に約200キロ離れていると伝えています。
主な数字を表にまとめます。
| 項目 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 発生時刻 | 日本時間10月10日午前2時56分ごろ(現地9日午後0時56分) | USGS(日本経済新聞) |
| 規模 | M7.7(USGS)/M7.2(パナマの地質機関) | 日本経済新聞/The National |
| 震源の深さ | 12.6キロ | USGS(日本経済新聞) |
| 震源の場所 | パナマ南部・太平洋側の沿岸近く(ヘレラ県付近) | 日本経済新聞/The National |
| 日本への津波 | 若干の海面変動の可能性・被害の心配なし | 気象庁(ウェザーニュース) |
表のとおり、規模の数字は発表した機関によって違います。次の節で、その違いと続いて起きた地震を見ます。
USGSはM8.0から2回修正、パナマ側はM7.2
USGSは最初にM8.0と発表し、その後M7.6、M7.7へと修正しました。パナマの地質機関はM7.2と発表しています。
The Nationalは、USGSが最初に8.0と出したあとで数字を改めたこと、パナマの地質機関が7.2としたことを伝えています。ウェザーニュースも、太平洋津波警報センターの情報をもとに「M8.0から更新」してM7.6と報じました。速報の段階では数字が動くのはよくあることで、日本の報道でもM7.6とM7.7が混ざっています。この記事ではUSGSの最新の数字であるM7.7を使い、パナマ側の数字は併記します。
日本時間5時25分ごろにM6.6、余震は45回超
最初の地震から約2時間半後の日本時間5時25分ごろ、パナマでM6.6の地震がもう一度起きました。余震は45回を超えています。
レスキューナウはUSGSの情報として、日本時間10日5時25分ごろ、震源の深さ10キロ、M6.6の地震があったと伝えています。AP通信の配信記事によると、パナマ大学の地震学者が45回を超える余震を観測し、その中にはM5.8、M5.5、M5.2のものもありました。多くは揺れを感じないほど小さいものだったとしています。
パナマ地震で日本に津波は来るのか
日本に被害の出る津波は来ない見込みです。気象庁は「若干の海面変動」の予報を出し、被害の心配はないとしています。
ウェザーニュースによると、気象庁は10日午前3時26分に「遠地地震に関する情報」を出しました。内容は、日本の沿岸では若干の海面変動があるかもしれないが、津波による被害の心配はない、というものです。太平洋津波警報センターも、日本時間4時40分に津波の情報を解除しています。
日本の沿岸で海面変動が起きるのは10日20時ごろから
海面変動が起きるとしたら、早い所で10日20時ごろからで、その後1日ほど続く可能性があります。
気象庁が予報を出したのは、北海道から沖縄まで太平洋側の広い範囲です。ウェザーニュースが伝えた地域を、地方ごとに分けると次のとおりです。
| 地方 | 「若干の海面変動」が予報された沿岸 |
|---|---|
| 北海道 | 太平洋沿岸東部・中部・西部 |
| 東北・関東 | 青森県太平洋沿岸、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、千葉県九十九里・外房、千葉県内房、伊豆諸島、小笠原諸島 |
| 中部 | 相模湾・三浦半島、静岡県、愛知県外海、伊勢・三河湾 |
| 近畿・四国 | 三重県南部、和歌山県、徳島県、愛媛県宇和海沿岸、高知県 |
| 九州・南西諸島 | 宮崎県、鹿児島県東部、種子島・屋久島地方、奄美群島・トカラ列島、沖縄本島地方、大東島地方、宮古島・八重山地方 |
太平洋側の沿岸が広く含まれていますが、どの地域も「被害の心配はない」という同じ予報です。海の近くに住んでいる人も、避難などの特別な対応は求められていません。
「若干の海面変動」とは0.2メートル未満の変動のこと
気象庁の「若干の海面変動」は、高い所でも0.2メートル未満の海面の上下が予想されるときに出す予報です。
気象庁の説明では、0.2メートル未満の海面変動が予想されるときに「津波予報」を出し、その場合は被害の心配はなく、特別な防災対応は要らないとしています。津波注意報は0.2メートル以上1メートル以下、津波警報は1メートルを超え3メートル以下、大津波警報は3メートルを超えるときに出ます。今回はいちばん下の段階です。ただし、海の中で作業をする人や釣りをする人は、潮の流れが変わることがあるため、20時ごろ以降は海の様子に気をつけると安心です。
ここまでの動きを、日本時間の時刻順に並べます。
図解:パナマ地震の動き(10月10日・日本時間)
日本で気をつける時間帯は今夜20時ごろからで、それまでに現地の被害の情報が増えていくとみられます。
パナマ地震の現地の被害は
震源に近い中部の町で、大聖堂やホテル、役所の建物が壊れ、けが人が出ています。死者はすぐには報告されていません。
日本経済新聞と共同通信は、震源地に近い中部コクレ県でホテルと教会が倒壊したとの情報があり、地元当局が被害の確認を急いでいると伝えています。時事通信も、地元メディアの話として複数の場所で建物が損壊し、SNSには家が崩れる様子や外へ逃げる人の動画が投稿されたと報じました。
ペノノメの大聖堂やホテル「ドス・コンティネンテス」が損壊
首都と震源のほぼ中間にあるコクレ県の町ペノノメで、大聖堂が一部崩れ、ホテルや知事の庁舎も傷みました。
AP通信の配信記事によると、ペノノメの中心の広場にある大聖堂で一部の崩落とひび割れが確認され、知事の庁舎やホテル「ドス・コンティネンテス」にも被害が出ました。アルジャジーラは、地元紙ラ・プレンサの動画として、ペノノメの歴史的な建物の塔が崩れ、住宅のバルコニーがいくつも落ちたと伝えています。The Nationalは、ヘレラ県ラス・ミナスの住民が「家にひびが入った」と話したことや、国の市民保護機関のオマル・スミス長官がヘレラ県の県都チトレとロス・サントス県の沿岸で影響が出たと報告したことを伝えています。
死者はすぐには報告されず、負傷者の人数は未発表
AP通信によると死者はすぐには報告されていませんが、けが人は複数出ています。負傷者の正確な人数はまだ発表されていません。
けが人のうち1人は、ペノノメで一部崩れた建物の破片に当たって負傷しました。速報の段階では、時間がたつにつれて被害の数字が増えることがあります。人数については、パナマ政府や市民保護機関の発表を待つ必要があります。
Q. パナマ地震で亡くなった人はいますか?
A. 10日朝(日本時間)の時点で、死者はすぐには報告されていません。けが人は出ていますが、人数はまだ発表されていません(AP通信の配信記事)。
被害の全体像は、夜が明けた現地での確認を待つ段階です。次は、日本とも関係の深いパナマ運河への影響です。
パナマ地震でパナマ運河は止まったのか
パナマ運河は止まっていません。パナマ運河庁は、運河は通常どおり動いており、船も通っていると発表しています。
AP通信の配信記事によると、パナマ運河庁は運航が通常どおり続いていると述べたうえで、専門の班が施設に壊れた所がないかを点検していると説明しました。優先するのは職員、船、乗組員の安全だとしています。ロイター通信も、運河は通常どおり稼働していると伝えています。
パナマ運河は太平洋と大西洋(カリブ海)をつなぐ水路で、アジアと米国東海岸を行き来する船が多く通ります。The Nationalによると、震源は運河から南西に約200キロ離れていました。
(編集部分析)日本の輸出入の一部もこの運河を通るため、運河が止まれば船の遅れや運賃の上昇という形で日本の暮らしにも響きます。今のところ運河は動いていますが、点検の結果と大きな余震の有無が今後の焦点になると考えられます。
空港・電車・学校への影響
首都のトクメン国際空港は一時閉鎖され、地下鉄の一部も止まりました。学校は全国で休校になっています。
日本経済新聞によると、首都パナマ市のトクメン国際空港は利用客を避難させたうえで全ての旅客機の運航を止め、閉鎖しました。AP通信の配信記事は、空港の運用は9日の午後(現地時間)に再開したと伝えています。The Nationalは、パナマ市の地下鉄の2路線が安全のため一時止まったこと、教育省が全国の学校の休校を決めたことを伝えています。米ABCニュースによると、大統領府は全ての行政機関と学校の業務を止めたと発表しました。
ホセ・ラウル・ムリーノ大統領はXで落ち着くよう呼びかけ、「起きたことを、不安や混乱をあおるために使うべきではない」と書き込みました(アルジャジーラ)。
パナマにいる日本人への影響は
在パナマ日本大使館によると、日本人が被害にあったという情報はありません。パナマには約300人の日本人が住んでいます。
日本経済新聞は、在パナマ日本大使館の話として、邦人の被害情報はないと伝えています。レスキューナウが外務省の基礎データとして伝えたところでは、パナマの在留邦人は326人です。家族や知人がパナマにいる場合は、大使館や外務省の海外安全情報の発表を確かめると確実です。旅行でパナマに行く予定がある人は、空港の運航状況や余震の情報を出発前に確かめておくと安心です。
Q. パナマへの旅行は取りやめたほうがいいですか?
A. 取りやめるかどうかは、外務省の海外安全情報と航空会社の運航情報で決めるのが確実です。トクメン国際空港は一時閉鎖のあと、9日午後(現地時間)に再開したと報じられています。
日本人の被害は今のところ伝えられていません。続いて、中南米でこの数か月に大きな地震が続いている点を見ます。
中南米で相次ぐ大地震とパナマの過去の地震
中南米では2026年6月にベネズエラ、8月にコロンビアで大地震があり、今回のパナマはそれに続く大きな地震です。
共同通信は、パナマ周辺では地震が相次いでおり、6月にベネズエラでM7を超える地震が連続して起き、8月には隣国コロンビアでM7.4の地震があったと伝えています。死者の数は媒体で違い、アルジャジーラはベネズエラで少なくとも6,500人、コロンビアで少なくとも289人、The Nationalはベネズエラで6,500人近く、コロンビアで330人を超えるとしています。ここでは数字を寄せずに、両方を載せます。
パナマで広い範囲に被害が出た最近の大地震は、1991年のM7.4の地震です。AP通信の配信記事によると、この地震は隣国コスタリカが震源で、23人が亡くなりました。The Nationalは、この規模の地震はパナマではめったに起きないと伝えています。
| 時期 | 場所 | 規模 | 死者(報道) |
|---|---|---|---|
| 1991年 | コスタリカ震源(パナマにも被害) | M7.4 | 23人(AP) |
| 2026年6月 | ベネズエラ北部 | M7超が連続 | 少なくとも6,500人(アルジャジーラ)/6,500人近く(The National) |
| 2026年8月 | コロンビア | M7.4 | 少なくとも289人(アルジャジーラ)/330人超(The National) |
| 2026年10月 | パナマ南部 | M7.7(USGS) | すぐには報告なし(AP) |
同じ年のうちにM7を超える地震が中南米で3回続いたことになります。それぞれの地震が互いに関係しているかどうかは、報道では説明されていません。
パナマ地震で今後気をつけること
現地では大きな余震と、まだ分かっていない被害の数字に注意が要ります。日本では今夜20時ごろからの海面変動が焦点です。
パナマ大学の地球科学研究所は、ロス・サントス県の南の沿岸やカーニャス島の近くに1〜3メートルの波が来るおそれがあるとしていました(AP通信の配信記事)。その後、太平洋津波警報センターは津波の情報を解除しています。The Nationalによると、パナマでは翌週の月曜日に全国一斉の避難訓練が予定されていました。
この記事を書いた時点で分かっていないことは、次の3つです。
- 負傷者の正確な人数と、死者が出ているかどうか
- パナマ運河の施設点検の結果
- 規模の数字(USGSのM7.7とパナマ側のM7.2)がどう落ち着くか
日本に住む人にとっては、気象庁の予報どおり被害の心配はありません。新しい発表が出たら、この記事も書き足します。
パナマ地震のよくある質問
本文では扱いきれなかった、検索されやすい疑問をまとめます。
Q. M7.7の揺れは、日本の震度でいうとどのくらいですか?
A. 震源の近くでは震度6弱〜6強ほどの揺れだった可能性があります。ウェザーニュースは、USGSの分析で最大の揺れが改正メルカリ震度階級で9程度とされ、日本の震度6弱〜6強ほどにあたると説明しています。
Q. パナマはどこにある国ですか?
A. 中米の南の端にある国で、西はコスタリカ、東は南米のコロンビアと接しています。国の中ほどを、太平洋とカリブ海をつなぐパナマ運河が通っています。
情報は日本時間10日朝の時点のものです。最新の数字は下の出典で確かめてください。
参考情報
- 日本経済新聞「中米パナマでM7.7の地震発生 ホテル倒壊の情報も」https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN1004G0Q6A011C2000000/
- ウェザーニュース「中米 パナマでM7.6の地震 日本では津波被害の心配なし(M8.0から更新)」https://weathernews.jp/news/202610/100021/
- 気象庁「津波警報・注意報、津波情報、津波予報について」https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/jishin/joho/tsunamiinfo.html
- The National「7.7-magnitude earthquake hits Panama」https://www.thenationalnews.com/news/us/2026/10/09/panama-earthquake-damage/
- AP通信の配信記事(AOL掲載)「A second powerful 6.6 magnitude earthquake strikes Panama」https://www.aol.com/articles/magnitude-7-6-earthquake-shakes-181738000.html
- アルジャジーラ「Panama earthquake: Tsunami warnings issued after magnitude 7.7 quake」https://www.aljazeera.com/news/2026/10/9/tsunami-warnings-across-latin-america-after-7-7-magnitude-earthquake-hits
- ABCニュース「7.7 magnitude earthquake shakes Panama」https://abcnews.com/International/tsunami-threat-after-76-magnitude-earthquake-reported-panama/story?id=137140557
- 共同通信「中米パナマでM7.7 ホテル倒壊の情報も」、時事通信「パナマでM7.7の地震 家屋が倒壊」、レスキューナウ「〔海外地震〕パナマでM6.6」(いずれも10月10日配信)
