【10/29】いすゞギガ・フォワードのリコール2万4783台|運転席シートで3度目

【10/29】いすゞギガ・フォワードのリコール2万4783台|運転席シートで3度目

いすゞ自動車は2026年10月29日、大型トラック「ギガ」と中型トラック「フォワード」、UDトラックスブランドの「コンドル」について、運転席シートの不具合で計2万4783台のリコールを国土交通省に届け出ました。座席の高さを固定する装置が壊れ、座面が上下に動くおそれがあるという内容です。

同じ運転席のシートサスペンションをめぐる届出は、2025年6月、2026年4月に続いて3回目です。この記事では、対象の見分け方、修理の流れ、過去2回との違いを公式の届出内容をもとに整理します。

この記事でわかること

  • 何が起きたか:運転席シートの高さを固定するアクチュエータの出力軸が壊れ、座面が意図せず上下するおそれがあります。
  • 対象:2023年2月6日〜2026年3月12日に作られたギガ・フォワード・コンドルの計2万4783台です。
  • やること:販売会社からの案内を待たずに車台番号で確認でき、アクチュエータの交換は無料です。
目次

いすゞギガ・フォワードのリコールは何が起きた?

運転席シートの高さを固定する装置の部品が壊れ、座面が走行中に上下に動くおそれがあるためのリコールです。

いすゞの公式ページ(届出番号5895)によると、不具合の部位は「運転者席シート」です。シートサスペンションのロックを操作するアクチュエータの出力軸が破損することがあり、そうなるとロックが解除されず、座面の高さを調整できなくなります。そのまま使い続けると、走行中の振動などで内部のギアが外れ、意図せずロックが解除されて座面が上下に動き、ロック機能が働かなくなるおそれがあるとしています。

届出の要点を表にまとめます。

項目 内容
届出日 2026年10月29日(届出番号5895)
対象車種 いすゞ「ギガ」「フォワード」、UDトラックス「コンドル」
対象台数 計2万4783台
製作期間 2023年2月6日〜2026年3月12日
不具合の部位 運転者席シート(サスペンションロック用アクチュエータの出力軸)
原因 シートサスペンションの設計検討が不十分
改善措置 全車両のアクチュエータを対策品に交換(無料)
不具合・事故 不具合103件、事故の報告なし(トラックニュース・共同通信の報道)

不具合はすでに103件報告されていますが、事故は起きていないと報じられています。いすゞの公式ページには不具合と事故の件数は載っておらず、件数は報道によるものです。

リコールの対象は2万4783台のどの車?

対象は2023年2月6日から2026年3月12日に作られたギガ・フォワード・コンドルで、台数の大半はギガです。

いすゞの対象車一覧には、ギガとフォワードの型式が35行にわたって並んでいます。台数の多い行を抜き出すと次のとおりです(「ほか」は同じ行にまとめて載っている別の型式です)。

車名 型式(代表) 台数
ギガ 2PG-CYJ77D(ほか) 1万5861台
ギガ 2PG-CYL77D(ほか) 3696台
フォワード 2PG-FRR90S4(ほか) 1399台
フォワード 2PG-FTR90U4(ほか) 673台
ギガ 2PG-CXZ77DT(ほか) 506台
フォワード 2PG-FSR90S4(ほか) 335台

上の6行だけで全体の約9割を占め、とくに2PG-CYJ77D系のギガが1万5000台を超えます。UDトラックスの「コンドル」は、共同通信の報道では「UDトラックスブランドで生産する」車として対象に含まれています。ただし、いすゞの公式の対象車一覧にはコンドルの行が無く、コンドルの台数は記事公開時点で確認できませんでした。

製作期間は購入した時期とは違う

対象かどうかは購入日ではなく、車が工場で作られた日(製作期間)で決まります。

いすゞの案内にも「製作期間は購入時期と異なる」との注意書きがあります。2026年4月以降に新車で受け取った車でも、製作が3月12日以前なら対象に入る可能性があります。また、車台番号の範囲の中に対象外の車が含まれる場合があるとも書かれています。範囲に入っていても、最終的には車台番号ごとの検索で確かめる必要があります。

座席が上下に動くとどうなる?不具合の流れ

最初は座面の高さが調整できなくなり、使い続けると走行中に座面が上下に動くおそれが出ます。

届出資料が示す不具合の進み方を、段階ごとに並べると次のようになります。

1. 出力軸が破損
ロック用アクチュエータの軸が壊れる
2. 高さが調整できない
ロックが解除されず座面が固定されたまま
3. 内部ギアが外れる
走行の振動などが続くと起きるおそれ
4. 座面が上下に動く
意図せずロックが外れ、機能しなくなる

運転中に座面の高さが変わると、ペダルやハンドルとの位置関係がずれます。2025年6月の届出で座席のエア回路に部品を追加したように、このシートは空気の力で高さを変える仕組みです。「高さを変えようとしても動かない」という段階で販売会社に相談することが、次の段階に進む前に止める近道です。

Q. 修理を受けるまで運転してもよいですか?

A. いすゞの案内は、対象車の使用者に販売会社へ連絡して修理を受けるよう求めるもので、運転を続けてよいかには触れていません。座面の高さが調整できない、勝手に動くといった症状が出ている場合は、安全な場所に止めて販売会社に連絡してください。

症状の有無にかかわらず、対象車は修理を受ける必要があります。次に、同じシートで届出が繰り返されている経緯を見ます。

同じ運転席シートのリコールは3回目

運転席シートサスペンションのリコールは2025年6月、2026年4月に続き、今回で3回目になります。

1回目の2025年6月26日の届出は、バッテリーの端子を外した状態でシートを上げるとロックが解除できなくなるという内容でした。2回目の2026年4月24日は、1回目で対象の選び方を誤っていたとして、漏れていた29台を追加したものです。今回は、ロックを操作するアクチュエータそのものの破損で、原因の部品が違います。

届出日 台数 不具合の中身 改善措置
2025年6月26日 1万6780台(不具合56件) 端子を外して座面を上げるとロックが解除できなくなる エア回路に電磁遮断弁と制御ECUを追加ほか
2026年4月24日 29台 1回目の対象の選び方の誤りで漏れた車を追加 1回目と同じ
2026年10月29日 2万4783台(不具合103件) ロック用アクチュエータの出力軸が破損する アクチュエータを対策品に交換

3回とも原因は「シートサスペンションの設計検討が不十分」とされています。製作期間も重なっており、1回目で修理を受けた車が今回も対象に入る可能性があります。今回の届出資料は1回目との関係に触れていないため、1回目の修理を済ませた車も、改めて車台番号で確かめるのが確実です。

自分のトラックが対象か確かめる方法

車検証の車台番号を、いすゞのリコール検索ページに入れれば、自分のトラックが対象かを1台ずつ確かめられます。

確かめ方は次の3つです。

  • いすゞのリコール検索(車台番号):https://www.isuzu.co.jp/recall/input で車検証の車台番号を入れて「検索」を押します。修理を済ませても、検索結果に反映されるまで2週間以上かかる場合があると案内されています。
  • 今回の届出の詳細ページ:https://www.isuzu.co.jp/recall/tb/2026/l170400.html に対象の型式と車台番号の範囲が載っています。
  • 販売会社への問い合わせ:いすゞは、対象車の使用者に販売会社からダイレクトメールか訪問で知らせるとしています。コンドルはUDトラックスの販売会社に問い合わせてください。

車台番号は車検証の「車台番号」欄にあり、ギガなら「CYJ77D-7000014」のような形です。複数台を持つ運送会社は、型式の頭(CYJ77D、CYL77D、FRR90など)と製作年月で先に当たりを付け、範囲に入る車だけを検索すると手間が減ります。

Q. UDトラックスのコンドルはどこで確かめればよいですか?

A. コンドルはUDトラックスの販売会社に車台番号を伝えて確かめるのが確実です。いすゞの公式の対象車一覧にはコンドルの行が無いため、いすゞの検索だけで判断しないでください。

対象と分かったら、次は修理の予約です。

修理の流れと費用は?

修理は無料で、販売会社が対象の全車両のアクチュエータを対策品に交換します。

いすゞの案内では、販売会社から使用者へダイレクトメールを送るか、直接訪問して知らせるとしています。案内を待たずに担当の販売会社へ連絡しても構いません。予約の空きや部品の在庫は販売会社に確かめてください。営業車として毎日動かす車は、点検や車検の入庫に合わせて交換できるかを相談しておくと、運行の予定を組みやすくなります。

複数台を持つ場合は、車検証の車台番号を一覧にして、まとめて予約できるかを販売会社に相談してください。

トラックのリコールが続くと物流にどう響く?

修理の入庫で車が1日止まるだけでも、ドライバー不足の中では運行計画に響きます。

トラック業界は2024年4月からドライバーの時間外労働に上限がかかりました。2万4000台を超える大型・中型トラックが修理のために入庫すれば、運送会社によっては配車の調整が必要になる可能性があります。1回目・2回目の修理を受けた車が今回も対象に入っていれば、同じ車がもう一度入庫することになります。対象かどうかは車台番号ごとに確かめる必要があります。

(編集部分析)運転席の座面は、長時間運転するドライバーの体を支える部品で、事故が起きていないから軽い問題とは言えません。設計検討の不十分さが3回続けて原因に挙がった点は、国内の物流を支える基幹車両のメーカーとして重く受け止めるべきです。日本の物流は国産トラックへの依存が大きく、メーカーの品質が揺らげば、そのまま国内の輸送力の弱さにつながります。部品の供給を急ぎ、運送会社の入庫の負担を減らす手当てが求められます。

車のリコールは、型式と製作期間で自分の車が対象かを早く確かめることが何より大切です。軽トラックの大規模リコールでの確かめ方は「ダイハツ軽トラ29万台リコール!自分の車が対象か確認する方法と無償修理の流れ」でも解説しています。

いすゞギガのリコールのよくある質問

中古車や修理済みの車でも対象になる場合があり、迷ったら車台番号で検索するのが確実です。

Q. 2025年6月の修理を済ませた車は、販売会社に何を伝えればよいですか?

A. 車台番号と、2025年6月届出のリコール修理を受けた時期を伝えてください。今回は直す部品が違うため、前回の修理記録があっても今回の交換が要るかを販売会社が判断します。

Q. 中古で買ったトラックでも無料で直してもらえますか?

A. 無料です。リコールは車そのものに対する措置なので、所有者が変わっても対象車であれば修理を受けられます。中古車は案内が届かないことがあるので、自分で車台番号を検索してください。

Q. リコールの案内はがきが届かないのはなぜですか?

A. 車検証の住所が古い、リースや中古で使用者が変わったなどの理由で届かないことがあります。案内を待たず、車台番号で検索してください。

やることは3つです。車検証で車台番号を確かめる、いすゞのリコール検索に入れて照合する、対象なら販売会社へ連絡して無料修理を予約する、の順で進めてください。今回と過去2回の届出の内容は、下の参考情報にあるいすゞの公式資料と報道で確かめられます。

参考情報

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