【都議補選】林則行氏が千代田区で初当選|8人の得票と小池知事応援候補との748票差

【都議補選】林則行氏が千代田区で初当選|8人の得票と小池知事応援候補との748票差

2026年11月1日に投開票された東京都議会議員補欠選挙(千代田区選挙区・定数1)は、無所属で元千代田区議の林則行氏(53)が5,360票を集め、新人8人の混戦を制して初当選しました。小池百合子知事が応援に入った永戸考氏(40)は4,612票で、748票差の次点でした。投票率は35.95%で、昨年6月の都議選(千代田区選挙区)の48.86%を12.91ポイント下回りました。

この記事では、8人の得票数と得票率、投票率と有権者数、林則行氏の経歴と訴え、自民党が公認を出さなかった経緯、小池知事が応援した候補が届かなかった理由、そして来春の統一地方選へのつながりを、東京新聞・産経新聞・NHKなどの報道と選挙管理委員会の数字で整理します。

この記事でわかること

  • 結果:林則行氏が5,360票(得票率28.1%)で初当選。次点の永戸考氏(都民ファーストの会・公明党推薦)とは748票差でした。
  • 投票率:35.95%で、前回の都議選(千代田区選挙区)から12.91ポイント低下。当日有権者数は5万3899人でした。
  • 構図:林氏は自民党の公認を得られず無所属で出馬し、地元の自民区議らが支えました。小池知事の連日の応援を受けた候補は届きませんでした。
目次

都議補選千代田区の結果:林則行氏が初当選

無所属の元千代田区議・林則行氏が5,360票で初当選し、8人による1議席の争いを制しました。

補欠選挙は、昨年6月の都議選で千代田区選挙区から当選した佐藤沙織里(さとうさおり)前都議の辞職に伴うものです。10月23日に告示され、立候補した8人は全員が新人でした。東京新聞は1日夜、「林則行さん初当選」と伝え、NHKも2日未明に「無所属の林則行氏 初当選」と報じています。

都議補選千代田区の開票結果(8人の得票数・得票率)

林氏が約3割、永戸氏が約2割4分を取り、3位の参政党・竹本遥氏までで有効票の7割弱を占めました。

下の表は、東京新聞が報じた確定得票をもとに、得票の多い順に並べたものです。得票率は、有効投票数1万9054票(選挙ドットコム掲載の確定値)を分母に編集部が計算しました。

当落 候補者(年齢) 党派・推薦 得票数 得票率
当選 林則行(53) 無所属(自民の地元区議らが支援) 5,360票 28.1%
永戸考(40) 小池都政と千代田区をつなぐ会(都民ファーストの会・公明党推薦) 4,612票 24.2%
竹本遥(32) 参政党 3,117票 16.4%
浜森香織(48) 立憲民主党 1,940票 10.2%
平出碧(27) 日本維新の会 1,423票 7.5%
木村正明(71) 日本共産党 1,384票 7.3%
浦川祐輔(33) 無所属 881票 4.6%
伊藤あゆみ(55) 無所属 337票 1.8%

選挙ドットコムに掲載された確定値では、有効投票数は1万9054票、無効投票数は325票、投票総数は1万9379票でした。8人の得票の合計は有効投票数と一致します。候補者名は報道により「ながと考」「竹本はるか」「はまもりかおり」「平出みどり」「浦川ゆうすけ」とひらがなで表記される場合もあります。

林則行氏は当選の条件となる票数を超えたか

超えています。定数1の補選で当選に必要な法定得票数は4,763.5票で、林氏の5,360票はこれを上回りました。

公職選挙法では、地方議会の選挙で当選するには「有効投票総数÷定数×4分の1」以上の得票が必要です(公職選挙法第95条)。今回は1万9054票÷1÷4=4,763.5票です。8人が乱立した今回は、上位が票を分け合って誰も届かない事態も起こりえましたが、林氏は596.5票の余裕を持って条件を満たしました。法定得票数に届く候補がいなければ再選挙になるため、この点は結果の確定に関わる大事な数字です。

投票率は35.95%、前回の都議選から12.91ポイント低下

投票率は35.95%で、昨年6月の都議選(千代田区選挙区)の48.86%を12.91ポイント下回りました。

東京新聞と産経新聞によると、当日有権者数は5万3899人でした。投票総数1万9379票から計算すると、投票に行かなかった人は約3万4500人で、有権者のおよそ64%にあたります。前回の48.86%は、都議選と同じ千代田区選挙区の数字です。前回の都議選は都内の全選挙区で一斉に行われた通常の選挙で、今回は千代田区だけの補欠選挙です。実施の規模や選挙の環境が違うため、投票率が下がった理由を1つに決めることはできません。

有権者全体から見た林則行氏の得票

林氏に投票したのは有権者全体の約9.9%で、およそ10人に1人の支持で議席が決まりました。

得票率28.1%は、有効投票総数に占める割合です。有権者5万3899人を分母にすると、数字の印象は変わります。下の表は、報道の有権者数と得票数から編集部が計算した目安です。

区分 人数・票数 有権者全体に占める割合
林則行氏に投票 5,360票 約9.9%
永戸考氏に投票 4,612票 約8.6%
ほかの6人に投票 9,082票 約16.8%
投票しなかった人(概数) 約3万4500人 約64.0%

(編集部分析)千代田区は国会・中央省庁・皇居を抱える首都の中枢です。その地域の代表を、有権者の1割ほどの票で選んだ形になりました。結果の正当性に疑いはありませんが、地方議員を選ぶ選挙に多くの住民が参加しない状態は、地域の決定を一部の人に委ねていることと同じだと評価できます。

林則行氏とは:元千代田区議6期22年の経歴と訴え

林則行氏は千代田区議を6期22年務めた53歳で、衆院議員の秘書も経験した地元密着の政治家です。

東京新聞によると、林氏は日本大学の出身で、衆院議員の秘書を経て千代田区議になりました。選挙ドットコムに掲載された記事では、秘書を務めたのは与謝野馨元衆院議員とされています。昨年6月の都議選には自民党の公認を受けて千代田区選挙区から立候補しましたが、6,134票で3位に終わり、落選していました。今回は2度目の挑戦で都議会の議席を得たことになります。

林則行氏が選挙戦で訴えた政策

林氏は地下鉄駅のバリアフリー化、首都防災力の向上、違法民泊や闇カジノの取り締まり強化を訴えました。

東京新聞によると、林氏は「千代田のことは、千代田が決める。」をキャッチフレーズに掲げ、区議として22年間、地域の活性化などに取り組んできた実績を強調しました。産経新聞は、選挙戦全体では家賃高騰対策や経済・福祉政策などがテーマになったと伝えています。

(編集部分析)違法民泊と闇カジノの取り締まりは、住民の生活の安全と地域の秩序に直結する論点です。首都防災も、国の中枢機能が集まる千代田区では国家の危機管理そのものにつながります。治安と防災への訴えが支持につながった可能性はありますが、有権者の投票理由は開票結果からは確認できません。足元の安全を正面から掲げる候補が首都の中枢で議席を得たことは、都議会での論点の置き方に影響すると考えられます。

自民党はなぜ林則行氏を公認しなかったのか

東京新聞は、地元の党支部内で意見が割れたことなどが理由だと報じています。党の公式な説明は出ていません。

東京新聞は、林氏が「地元の党支部内の意見が割れているなどの理由で公認を得られなかった」と伝えています。朝日新聞も見出しで「自民公認は得られず」と報じました。自民党は今回、公認候補を立てておらず、林氏は無所属で立候補しました。それでも自民党の地元区議や都議らが林氏を支援したことは、東京新聞と産経新聞がともに報じている事実です。東京新聞はさらに、林氏が組織力を生かして選挙戦を有利に進めたとの見方を示していますが、支援が勝敗にどれだけ効いたかを数字で示すことはできません。

自民党が公認を見送った背景についての報道はどこまで確かか

関係者の見方として報じられた説で、萩生田光一氏や小池知事、党が認めた発言は確認できません。

日刊ゲンダイは10月、自民党東京都連が告示直前に林氏の公認を認めなかった背景に、都連に影響力を持つ萩生田光一幹事長代行の判断があったとみる「都政関係者」の話を報じました。将来、知事の協力を得るために擁立を見送ったという見方です。ただし、これは匿名の関係者の見方を伝えたもので、本人や党、知事側が公の場で認めた事実ではありません。この記事では、確認できた事実と報道された見方を分けて扱います。

(編集部分析)候補を立てるかどうかは、政党が有権者に示す最も基本的な意思表示です。その判断が地元の声ではなく、党本部や都連の都合で決まったのだとすれば、政策決定が住民から遠い所で行われていることになります。党内でどのような調整があったかは確認できず、選挙結果がそれを証明するものでもありません。確かなのは、地元の区議らが無所属の候補を支え、その候補が当選したという事実です。党の公認がなくても地域の支えで議席を得られた例として、地方政治のあり方を考える材料になると評価できます。

小池知事が応援した永戸考氏はなぜ届かなかったのか

はっきりした敗因は確認できません。推薦と知事の応援を受けても、地元の支援を受けた林氏に748票及びませんでした。

永戸氏は米国の法律事務所での勤務経験がある40歳の弁護士で、政治団体「小池都政と千代田区をつなぐ会」から立候補しました。東京新聞は、都民ファーストの会と公明党都本部の推薦に加え、都民ファーストの会の特別顧問を務める小池知事の応援を受けたと伝えています。朝日新聞は、候補の擁立を主導したのが小池知事だったと報じています。日刊スポーツは見出しで、小池知事が「連日応援」した新人が届かなかったと伝えました。

前回の都議選から見た「小池系」の票の動き

前回の都議選で都民ファーストの会の現職は6,986票でしたが、今回の永戸氏は4,612票でした。

選挙ドットコムの記録によると、昨年6月の都議選の千代田区選挙区(定数1・7人)は、無所属新人だった佐藤沙織里氏が7,232票で当選し、都民ファーストの会の現職・平慶翔氏が6,986票、自民党公認の林氏が6,134票でした。投票率が大きく下がったため単純には比べられませんが、林氏の得票の減り幅(774票減)に比べ、小池知事に近い陣営の得票は2,374票減っています。

項目 2025年6月 都議選 2026年11月 補選
当選者 佐藤沙織里(無所属)7,232票 林則行(無所属)5,360票
都民ファースト系 平慶翔 6,986票 永戸考 4,612票
林則行氏 6,134票(自民公認・落選) 5,360票(無所属・当選)
候補者数 7人 8人
投票率 48.86% 35.95%

(編集部分析)知事の人気が高くても、その名前だけで地域の議席が取れるとは限らないことを示した結果と評価できます。地元で長く活動してきた候補への支持が、知名度と推薦の積み上げを上回ったという見方も成り立ちますが、支持者への調査などの裏付けはなく、仮説の段階です。また、投票率の低い補選では組織的な支持基盤の票が重くなりやすく、この1回の結果だけで知事の影響力の大きさを測ることはできません。

参政党の竹本遥氏は3,117票で3位

参政党の竹本遥氏は3,117票、得票率16.4%で、立憲民主党や維新、共産党の候補を上回る3位でした。

竹本氏は元銀行員・生保社員で、IT関連会社役員の32歳です。朝日新聞は、参政党の神谷宗幣代表が異例の応援に入ったと報じています。区議の経験を持つ候補が複数いる中で、地方議員の経歴がない新人が3位に入りました。立憲民主党の浜森香織氏は元千代田区議で1,940票、共産党の木村正明氏も元区議で1,384票でした。

(編集部分析)千代田区の今回の補選では、地方議員の経歴を持たない参政党の候補が、元区議を擁立した既成政党を上回る票を得ました。1つの選挙区の1回の結果なので、有権者の意識が長い目で変わったかどうかは判断を控えます。来春の統一地方選で同じ傾向が出るかどうかが、次に確かめる点です。

佐藤沙織里氏の辞職から補選までの流れ

佐藤沙織里氏が9月に辞職願を出し、都議会議長が許可したことで、千代田区で補欠選挙が行われました。

佐藤氏は昨年6月の都議選で無所属新人として当選しましたが、任期を約3年残して辞職しました。読売新聞によると、佐藤氏は8月に辞職の意向を示したあと一度撤回し、9月14日に改めて辞職願を提出しました。千代田区選挙区は定数1のため、欠員が出ると補欠選挙が必要になります。選挙の流れを日付の順に並べると次のとおりです。

2025年6月
都議選で佐藤沙織里氏が当選
2026年9月14日
佐藤氏が辞職願を提出
10月23日
告示、新人8人が立候補
11月1日
投開票、林則行氏が初当選

Q. 林則行氏の都議としての任期はいつまでですか?

A. 補欠選挙で選ばれた議員の任期は、前任者の残りの任期です。昨年6月の都議選で選ばれた都議の任期満了日は2029年7月22日です。

来春の統一地方選への影響と、千代田区で次に問われること

今後の焦点は、各党の候補擁立と推薦の判断、そして林氏が公約を都議会で形にできるかの2つです。

NHKは今回の補選を、来年の統一地方選の前哨戦として注目されたと伝えています。来春の統一地方選では、東京の多くの区で区長選や区議選が行われます。今回は、自民党が公認を見送った一方で地元区議が無所属の候補を勝たせ、知事が前面に立った候補が敗れ、新しい政党の候補が3位に入りました。各党が候補の擁立や推薦の組み方を考えるうえで、参考にする材料になるとみられます。

(編集部分析)林氏が掲げた「千代田のことは、千代田が決める。」という言葉は、地域のことを地域で決めるという地方自治の原点を示しています。知事や党本部の意向ではなく、住民に近い所で物事を決める姿勢は、国の主権を足元から支える土台だと評価できます。当選した林氏には、違法民泊や闇カジノの取り締まり、首都防災といった公約を、都議会でどれだけ具体的な予算や条例に結びつけられるかが問われます。

読者が次に確かめられるのは、林氏が都議会で最初に行う質問や、所属する会派の選び方です。開票結果の公式な数字は東京都選挙管理委員会の投開票結果のページで公開されています。

都議補選千代田区のよくある質問

最後に、都議補選千代田区の結果について検索されやすい疑問をまとめます。

Q. 千代田区で次に都議選が行われるのはいつですか?

A. 途中で欠員が出なければ、次は2029年の都議選です。現在の都議の任期満了日は2029年7月22日で、その前に都内一斉の選挙が行われます。

Q. 落選した候補の供託金は戻りますか?

A. 都道府県議会議員選挙の供託金は60万円で、有効投票総数÷定数の10分の1(今回は1,905.4票)に届かないと没収されます(公職選挙法第92条・第93条)。平出氏、木村氏、浦川氏、伊藤氏の4人が届いていません。

Q. 開票結果の公式な数字はどこで見られますか?

A. 東京都選挙管理委員会の投開票結果のページに、投票結果と候補者別得票数の資料が掲載されています。

参考情報

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次