【10/15】ホーナー自伝『Drive』の中身|アロンソとルクレール獲得をマルコが却下

【10/15】ホーナー自伝『Drive』の中身|アロンソとルクレール獲得をマルコが却下

レッドブルF1を20年率いたクリスチャン・ホーナー元代表が、10月22日に出す自伝『Drive』で、2025年のフェルスタッペンの僚友にフェルナンド・アロンソとシャルル・ルクレールを迎える案があったと明かしました。2人の獲得は、当時のモータースポーツアドバイザー、ヘルムート・マルコに止められたといいます。

結果として2025年のシートはリアム・ローソンに渡り、わずか2戦で角田裕毅に交代しました。日本のファンにとっては、角田の昇格の裏で何が起きていたのかが見える話です。この記事では、自伝の発売情報、明かされた中身、マルコ側の反論、後任ローラン・メキース代表の2031年までの契約延長までを、報道と出版社の情報から整理します。

この記事でわかること

  • 自伝『Drive』:英国で2026年10月22日発売。ホーナー本人が朗読する音声版もあります
  • 明かされた話:2025年の僚友候補にアロンソとルクレール。どちらもマルコが却下し、シートはローソン、のちに角田へ
  • 反論:マルコは「マックスをF1に入れたのは私」とホーナーの記述に反論しています
  • レッドブルの今:後任のメキース代表は10月14日に2031年までの契約延長が発表されました
目次

ホーナーの自伝『Drive』とは?10月22日発売の20年の回想録

『Drive』は、ホーナーがレッドブルを率いた20年を振り返る自伝で、英国では2026年10月22日に発売されます。

英国ペンギン・ランダムハウスの紹介ページによると、出版元はTransworldで、ハードカバー、電子書籍、音声版の3つの形で出ます。音声版は約486分で、価格は16ポンドと表示されています。紹介文には、1ポンドで買い取られた新興チームを20年以上かけて世界選手権14回のタイトルを取るチームに育てたこと、2005年に31歳でF1史上最年少のチーム代表になったことが書かれています。

海外メディアのGPblogによると、発売日の10月22日はアメリカGP(オースティン)の週末の直前にあたります。ホーナーは本について「F1は結局のところ人のビジネスだ」と述べ、20年の歩みと関わった人々を振り返る本だと説明しています。

日本語版は出る?10月15日時点で発表なし

10月15日時点で、日本語版の発売は発表されていません。日本で手に取れるのは、今のところ英語版です。

出版社の紹介ページは英国とオーストラリア、ニュージーランド向けで、ニュージーランドの版元ページではハードカバーの発売日を11月22日としているなど、地域によって日付が違います。日本から買う場合は、英語の電子書籍か音声版になる見込みです。

ホーナー自伝で明かされた話は?アロンソとルクレールの獲得案

2025年の僚友にアロンソかルクレールを迎える案があり、2つともマルコに止められたという話です。

この部分は、発売前に海外メディアが自伝の記述として伝え、日本ではmotorsport.com日本版とDAZN Newsが10月15日に報じました。下の表は、報道で伝えられた記述を人ごとにまとめたものです。

人物 自伝の記述(報道による) 時期
フェルナンド・アロンソ 「来季、マックスと組んで走りたい」とホーナーに強く伝えた 2024年4月の日本GP期間中
シャルル・ルクレール ホーナーが「理想的なドライバーになり得る」と考えた次の候補 アロンソ案のあと(マネージャーとの接触は2023年カタールGP)
ヘルムート・マルコ フェルスタッペンのマネジメント陣を代表する形で、2人とも反対したとされる 2024年
マックス・フェルスタッペン 「その指示がマックスから出たものではないことは、すぐに分かった」 2024年

表のとおり、ホーナーは止めた役回りをマルコに置き、フェルスタッペン本人の意向ではなかったと書いています。ここからは、人ごとの記述をもう少し詳しく見ていきます。

アロンソは2024年日本GPで「マックスと走りたい」と伝えた

ホーナーによると、アロンソは2024年の日本GP期間中に、翌年フェルスタッペンと組みたいと自分から申し出ました。

motorsport.com日本版が伝えた自伝の記述では、アロンソは当時も今もアストンマーティンに所属しながら、レッドブル入りを強く望んでいたとされます。その後、マルコが「その案には賛成できない」と明確に伝えてきたと、ホーナーは書いています。DAZN Newsは、オランダのNU.nlやスペインのDAZNなど複数の海外メディアが同じ内容を伝えたと報じています。

次の候補はルクレール、マネージャーと水面下で接触

アロンソ案が消えたあと、ホーナーが次に目を向けたのはフェラーリのルクレールでした。

DAZN Newsによると、ホーナーは2023年カタールGPの際に、ルクレールのマネージャーであるニコラ・トッドと水面下で話をしていたといいます。自伝では、ルクレールを「速く、1周の速さに優れ、強い意志を持っていた」と評価し、フェラーリでの状況に不満を抱いているようにも見えたと書いています。しかし、マルコから「シャルルのことも忘れるべきだ」と言われ、この案も実現しませんでした。

「誰か」に却下された、と書くが名前は明かさない

ホーナーは、2つの案を止めたのは「どこかの誰か」だと書き、その人物の名前は明かしていません。

自伝には「どこかの誰かが、レッドブルにとって適切な選択ではないと判断したのだ。私は失望した」という一文があると、motorsport.com日本版は伝えています。伝達役はマルコでしたが、最終的に誰の判断だったのかは書かれていません。(編集部分析)マルコ本人を名指しせず「誰か」とぼかした書き方は、レッドブル社内の力関係を読者に想像させる余地を残しており、発売後の反響を呼ぶ部分になりそうです。

なぜ2025年はローソン、そして角田になったのか?

アロンソとルクレールの案は実現せず、2025年のシートは育成出身のローソンに渡り、2戦で角田裕毅に交代しました。

前提として、2024年はセルジオ・ペレスの調子が大きく落ちていました。ペレスは2023年にチームが初めてドライバーズランキングで1位と2位を独占したときの僚友ですが、ホーナーは自伝で「それまでのシーズンに見せていたのとは見違えるほど違っていた」と書き、後任探しを始めたと振り返っています。ペレスは2024年限りでチームを離れました。

ローソンの昇格には「納得していなかった」

ホーナーはローソンの起用に納得しておらず、経験の浅さを理由に挙げています。

motorsport.com日本版が伝えた記述では、ホーナーは「彼は若く、経験も浅く、F1での出走はわずか11戦だった。それなのに、我々は彼にあまりにも大きなものを求めていた」と書いています。ローソンは開幕から2戦でレーシングブルズへ戻り、第3戦の日本GPから角田がレッドブルのマシン「RB21」に乗りました。ホーナーはローソン降格の判断も後悔していないとしています。

ローソン降格がホーナー自身の決定だったのかについては、別の見方もあります。オランダ版GPFansは、Netflixの番組「Drive to Survive」の新シーズンで、ホーナーがローソンを外した判断は自分のものではなかったとしてマルコを指していると伝えています。自伝と番組での語り方の違いは、発売後に本文で確かめる必要があります。

(編集部分析)角田の昇格は「ローソンの不振を受けた入れ替え」として受け止められてきましたが、自伝の記述どおりなら、その前の段階で外部の世界王者を迎える案が2つ検討されていたことになります。角田の昇格までに、チームの中で複数の選択肢が比べられていたことが分かります。

マルコはどう反論した?「マックスをF1に入れたのは私」

マルコは、ホーナーの自伝の記述に対して「マックスをF1に入れたのは私で、ホーナーに抵抗しなければならなかった」と反論しています。

話の発端は、自伝の発売前に英紙タイムズが伝えたホーナーのインタビューです。英語版GPFansによると、ホーナーは、2015年にフェルスタッペンを迎える話が出たとき、マルコは当初乗り気ではなく、父親のヨス・フェルスタッペンについて「父親が悪夢だ」と言ったと主張しました。

これに対しマルコは、オーストリア紙OE24で反論しました。オランダ版GPFansによると、マルコはホーナーの本について「できるだけ無視している」と述べたうえで、2016年スペインGPでフェルスタッペンがレッドブルでの初戦を迎える前に、ホーナーはマックスを「若すぎて経験が足りない」と考えていたと語っています。

2人の言い分はかみ合っていない

フェルスタッペンの起用に反対したのは誰かについて、ホーナーとマルコは正反対のことを言っています。

ホーナーは反対したのはマルコだとし、マルコは反対したのはホーナーだとしています。どちらの言い分も当事者の発言で、第三者の記録で裏付けられたものは報じられていません。この記事では、どちらかを事実として扱わず、発言者と媒体を付けて紹介しています。

ホーナー解任から自伝発売までの流れ(時系列)

2024年の僚友選び、2025年7月の解任、2026年10月の後任の契約延長を経て、10月22日に自伝が出ます。

下の図は、自伝で語られた僚友選びから、解任、後任の契約延長、自伝の発売までを並べたものです。

2005年 ホーナーが31歳でレッドブルのチーム代表に就任
2024年4月(日本GP) アロンソが「来季マックスと走りたい」と伝える(自伝の記述)
2024年 ルクレール案も含め、マルコが反対(自伝の記述)。ペレスはこの年限りで離脱
2025年3月 ローソンが開幕2戦に出場。第3戦日本GPから角田がレッドブルへ
2025年7月 ホーナーが解任され、メキースがレーシングブルズから代表に
2026年10月14日 レッドブルがメキース代表と2031年までの契約延長を発表
2026年10月22日 自伝『Drive』を英国で発売

こうして並べると、自伝の発売は、レッドブルが後任体制を長期で固めた発表の8日後になります。チームが「ホーナー後」を固め終えたところに、前の代表の回想が出てくる形です。

後任メキース代表は2031年まで契約延長、レッドブルの今

レッドブルは10月14日、ホーナーの後任のローラン・メキース代表との契約を2031年まで延長したと発表しました。

ロイターによると、メキースは49歳で、フェラーリで6年過ごしたあと、2023年に姉妹チームのレーシングブルズ(当時アルファタウリ)に移り、2025年7月にホーナーの後任としてレッドブルの代表になりました。DAZN Newsは、メキースをCEO兼チーム代表として2031年末まで延長したと伝えています。メキースは声明で「この旅を続けられることを非常に誇りに思う」と述べました。

レッドブルの今季の位置を、報道の数字でまとめると次のとおりです。

項目 2026年10月14日時点 出どころ
メキース代表の契約 2031年まで延長 ロイター・DAZN
フェルスタッペンの契約 2030年まで(8月に延長) ロイター・motorsport.com
フェルスタッペンの直近 2戦連続で優勝。ドライバーズランキング4位 ロイター
アイザック・ハジャー けがで3戦欠場、ランキング8位 ロイター
コンストラクターズ 4位。3位マクラーレンと7ポイント差 ロイター・motorsport.com

今季は新しい規則のもとで出遅れたものの、終盤に持ち直している途中です。フェルスタッペンの直近2勝の大会名は、ロイターが「バーレーンGPとシンガポールGP」、motorsport.com日本版が「マレーシアGPとシンガポールGP」と書いていますが、DAZN Newsは「第16戦バーレーンGP(マレーシア代替開催)」としており、同じ大会を別の名前で呼んでいるとみられます。

フォードと組んだ自社製パワーユニット1年目

2026年は、レッドブルがフォードと組んで自社製のパワーユニット(エンジンと電動部分を合わせた動力源)を初めて使う年です。

DAZN Newsによると、序盤はパフォーマンス不足に苦しんだものの、マシンの更新を重ねて終盤に復調しました。(編集部分析)ホーナーが去ったあとの最初の大きな規則変更をメキース体制で乗り切りつつあることが、今回の長期契約の背景にあると考えられます。自伝の暴露が話題になる一方で、チームの評価は現体制の成績で決まる段階に入っています。

自伝の中身はどこまで確かか?発売前の報道の読み方

今出ている中身は発売前に海外メディアが伝えた抜粋で、一般の読者はまだ刊行版の全文を確認できません。

この記事で紹介した記述は、motorsport.com日本版、DAZN News、GPFansなどが伝えたものです。自伝はホーナー本人の視点で書かれた回想で、登場するマルコは反論しています。アロンソやルクレール本人、当時のマネジメント陣が、獲得の打診について公に認めたという報道は、10月15日時点では見当たりません。

発売日の10月22日以降は、英語の電子書籍や音声版で本文を直接確かめられるようになります。気になる人は、発売後に出版社のページから入手して、報道の要約と本文の言い回しを見比べてみてください。アメリカGPの週末と重なるため、パドックで当事者が質問に答える場面も出てきそうです。

ホーナー自伝のよくある質問

最後に、自伝『Drive』について検索されやすい疑問をまとめます。

Q. ホーナーは自伝の発売に合わせて人前で話す予定がある?

A. はい、英国で本人が登壇する催しが予定されています。チケット販売サイトEnts24によると、ロンドンのケンブリッジ劇場で10月26日午後7時30分から「An Audience with Christian Horner」があり、チケットには『Drive』のハードカバー1冊が付きます。

Q. ホーナーは今、F1で何かの役職に就いている?

A. 報道の範囲では、2025年7月の解任以降、F1チームの役職には就いていません。GPFansは、ホーナーが解任後レースの現場から離れていると伝えています。

Q. 自伝の題名『Drive』はNetflixの番組と関係ある?

A. 別のものです。Netflixの「Drive to Survive」はF1を追うドキュメンタリー番組で、『Drive』はホーナー個人の自伝です。

自伝が出たあとに新しい記述が明らかになれば、続報で取り上げます。

参考情報

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