【10/15】時事世論調査10月の内閣支持率42.4%|簗氏続投判断を8割が問題視
時事通信が10月15日に公表した10月の世論調査で、高市内閣の支持率は42.4%でした。前月から1.7ポイント下がり、下落は5カ月連続で、高市内閣のもとでの最低を更新しています。不支持率は29.7%でした。
同じ調査では、農林水産相を辞任した簗和生衆院議員を首相がいったん続投させた判断について、「問題だ」と「どちらかと言えば問題だ」を合わせて78.0%が問題視しました。この記事では、10月の数字、6月からの推移、下がった理由とされる簗氏の問題、他社の調査との違い、そして調査が簗氏の更迭より前に行われたという時点の注意を、時事通信の発表をもとに整理します。時点は10月16日朝(日本時間)です。
この記事でわかること
- 10月の内閣支持率:時事世論調査で42.4%(前月比1.7ポイント減)。5カ月連続の下落で、高市内閣の最低を更新しました。
- 下がった理由:時事通信は、簗氏を半月にわたり続投させた首相の判断が影響したとみています。続投判断を問題視した人は合わせて78.0%でした。
- 時点の注意:調査は10月9〜12日で、首相が簗氏を事実上更迭した14日より前です。辞任と後任の起用を受けた数字は11月の調査で分かります。
時事世論調査10月の内閣支持率は42.4%
時事通信の10月調査で、高市内閣の支持率は42.4%、不支持率は29.7%でした。支持率は前月比1.7ポイント減です。
調査は10月9日から12日に、全国の18歳以上2000人を対象に、調査員が直接会って聞く個別面接方式で行われました。有効回収率は58.4%です(時事通信)。支持率の下落は5カ月連続で、時事通信はこれまでの最低値を更新したと伝えています。主な数字を次の表にまとめます。
| 項目 | 10月調査 | 前月比 |
|---|---|---|
| 内閣支持率 | 42.4% | 1.7ポイント減(5カ月連続の下落) |
| 内閣不支持率 | 29.7% | 0.4ポイント増 |
| 自民党の支持率 | 22.1% | 1.1ポイント減 |
| 支持政党なし | 59.7% | 記載なし |
表のとおり、支持率は下がったものの、不支持率は30%を切ったままで、支持が不支持を12.7ポイント上回っています。支持の減少1.7ポイントに対して不支持の増加は0.4ポイントで、差の1.3ポイントは支持・不支持のどちらでもない回答に回った計算です。
時事世論調査の内閣支持率の推移
時事通信の調査では、6月から10月まで5カ月続けて支持率が下がり、最高値63.8%から21.4ポイント低くなりました。
最高値の63.8%は、高市内閣の発足後、2025年11月と2026年2月の時事調査で記録した数字です。nippon.comが報道8社の調査をまとめた記事によると、時事の支持率は8月が48.4%(前月比0.6ポイント減)、9月が44.1%(同4.3ポイント減)でした(nippon.com・8月調査まとめ、nippon.com・9月調査まとめ)。8月の数字と前月比から計算すると、7月は49.0%です。月ごとの数字を並べると次のとおりです。
時事世論調査の内閣支持率(高市内閣)
63.8%
49.0%
48.4%
44.1%
42.4%
7月は8月の数字と前月比(0.6ポイント減)から計算した値です。
図のとおり、7月から10月で6.6ポイント下がり、とくに9月の下げ幅が4.3ポイントと大きくなっています。10月の1.7ポイント減は、簗氏の問題が重なった月としては小幅な下落だったとも言えます。
9月の内閣改造でも支持率は戻らなかった
9月17日の内閣改造のあとの時事調査でも、支持率は44.1%と前月から4.3ポイント下がりました。
nippon.comのまとめでは、改造を受けた9月の調査で共同通信や読売新聞は3ポイント以上上がった一方、時事は4カ月連続の下落になりました。改造の顔ぶれは「第2次高市改造内閣の閣僚名簿」で整理しています。10月の調査では、改造と自民党役員人事を「評価する」が28.0%、「評価しない」が50.6%でした(時事通信)。
簗氏続投判断を8割が問題視
首相の簗氏続投判断を「問題だ」49.6%、「どちらかと言えば問題だ」28.4%、計78.0%が問題視しました。
時事通信はこれを「問題視する声は8割弱」と表現しています。反対に、続投の判断を擁護する側の回答は13.2%にとどまりました。ここでいう「擁護」は、時事通信の記事の表現をそのまま使ったもので、選択肢の正確な文言は記事に載っていません。
簗氏の問題はいつから続いていたのか
9月30日以降、道路予算「カット」発言と、衆院選で支援者を無料バスで運んだとされる公選法違反の疑いが続けて報じられました。
時事通信は、首相が事実上の更迭に踏み切ったのは10月14日で、半月にわたり続投させた判断も支持率に影響したとみられると伝えています。首相は10月8日の国会で、発言を厳しく注意したうえで「とにかく働いて仕事で返せ」と続投を指示していました。辞任までの経緯は「簗農水相の辞任の経緯」に、選管とのやりとりは「簗農水相『選管に確認』答弁と栃木県選管の説明」にまとめています。主な節目は次のとおりです。
図のとおり、時事の調査は続投の指示と辞任のあいだに行われました。つまり78.0%という数字は、「続投させている最中の判断」に向けられた評価です。
道路予算「カット」発言とシャトルバス問題とは
対立候補を応援した首長の地元の道路予算を「大幅にカット」とした発言と、支持者のバス無料送迎の2つです。
時事通信によると、発言は閣僚になる前の5月、栃木県の党支部の懇親会でのもので、対象は2月の衆院選で対立候補を支援した首長がいる那須烏山市と那珂川町でした。簗氏は発言が事実だと認めたうえで、担当省庁に予算の削減を働きかけた事実はないと説明し、10月5日に発言を撤回して陳謝しています(nippon.com・時事通信配信)。
シャトルバスの問題は、衆院選の公示日だった1月27日の出陣式で、臨時の駐車場から会場まで、簗氏側が手配したバスで参加者を無料で運んだというものです。有権者を無料で運ぶことが公職選挙法の利益供与にあたらないかが国会で問われ、簗氏の答弁は「法令に従い適正に処理」から「選管に確認した」、さらに「計上の方法について照会したかもしれない」へと変わりました(TBS NEWS DIG)。違法かどうかを捜査当局や裁判所が判断した事実はなく、疑いが指摘されている段階です。
首相は任命責任をどう説明したのか
高市首相は10月14日に辞表を受理し、「任命責任を重く受け止めている」と述べました。
共同通信によると、首相は消費税減税関連法案の審議や予算編成など重要な課題に答えを出す必要があるとして、辞表を受け入れたと説明しています(中国新聞・共同通信配信)。前日の13日の予算委員会では、発言を「本当にダサイ」と評し、「仮に違法性のあるようなことがあれば、その時には私はちゅうちょはしない」と述べていました。日本経済新聞は、2025年10月の政権発足以降、不祥事で閣僚が辞めるのは初めてだと伝えています(日本経済新聞)。
首相の言葉が「仕事で返せ」から「ちゅうちょはしない」へ変わるまでの約1週間が、ちょうど時事の調査の期間と重なっています。
裏金事件に関与した2閣僚の起用も65.9%が問題視
自民党派閥の裏金事件に関与した簗氏と関芳弘文部科学相の起用を、65.9%が「問題だと思う」と答えました。
この65.9%は「どちらかと言えば」を含めた合計です(時事通信)。簗氏の辞任で起用の問題が片付いたわけではなく、関氏については引き続き説明が求められる形です。
(編集部分析)続投か更迭かの判断に2週間かかったことが、数字にはっきり表れました。首相は14日に「任命責任を重く受け止めている」と述べています。保守の政権にとって最大の資産は、言ったことを実行する「信頼」です。判断の遅れで失った信頼は、人事の言葉ではなく、次の政策の結果で取り戻すしかないと評価できます。
続投の判断をめぐる数字は、次の疑問にもつながります。
Q. 簗氏の辞任は10月の支持率に反映されていますか?
A. 反映されていません。調査は10月9〜12日で、辞任は14日です。辞任と後任の起用への評価は、次の11月調査で表れます。
辞任のあとの評価を見るには、他社の調査も合わせて見ておく必要があります。
政党支持率は自民22.1%・支持政党なし59.7%
10月の時事調査で、自民党の支持率は22.1%で首位、支持政党なしは59.7%でした。
自民党は前月比1.1ポイント減です。野党では公明党が3.4%で最も高く、参政党、国民民主党、チームみらいと続きます。各党の数字は次の表のとおりです(時事通信)。
| 政党 | 10月の支持率 |
|---|---|
| 自民党 | 22.1%(前月比1.1ポイント減) |
| 公明党 | 3.4%(同0.2ポイント増) |
| 参政党 | 2.7% |
| 国民民主党 | 1.9% |
| チームみらい | 1.7% |
| 日本維新の会 | 1.6% |
| 立憲民主党 | 1.5% |
| 共産党 | 1.4% |
| 日本保守党 | 0.4% |
| 社民党/いのちの党 | 0.3%/0.2% |
| 民主改革の会/中道改革連合 | いずれも0.1% |
| 支持政党なし | 59.7% |
表のとおり、内閣支持率が下がっても、その分がどこか1つの野党へ流れている形にはなっていません。どの野党も4%に届かず、6割近くが「支持政党なし」と答えています。
(編集部分析)野党が受け皿になれていない一方で、自民党も2割強の支持しか固められていません。6割の無党派層は、政権を見放したというより、判断を保留している人たちだと読めます。消費税減税や物価高対策のように国民の手取りに直結する政策で結果を出せば、戻ってくる余地は大きいと言えます。
時事世論調査と他社の調査の違い
調査の方法と時期が社ごとに違うためで、9月の時事の44.1%は8社で最も低く、最高の社と18ポイント近い差でした。
nippon.comのまとめでは、9月の8社の支持率は44.1%から62.0%に分布し、最も高い日本経済新聞・テレビ東京は62%、毎日新聞は45%でした。8月は41.0%から62.5%でした。同じ月でも20ポイント近い差があるため、時事の数字を他社の数字とそのまま比べることはできません。時事は調査員が対面で聞く個別面接方式で、電話やインターネットで聞く調査とは方法が違います。
民間のネット調査では「辞任すべき」68.8%
紀尾井町戦略研究所が10月11日に行ったネット調査では、簗氏は「辞任すべき」が68.8%でした。
同研究所の発表によると、調査は全国の18歳以上1000人が対象で、首相の続投判断に「反対」は66.2%、高市内閣の評価が「悪くなった」は53.9%でした。内閣支持率は29.8%、不支持率は50.3%で、時事とは数字の水準が大きく違います(紀尾井町戦略研究所の発表・PR TIMES)。報道機関の無作為抽出の調査ではなく、インターネットで回答を集めた調査である点に注意が必要です。
方法の違う調査で、続投判断への厳しい評価という方向がそろった点は押さえておきたいところです。
時事世論調査は簗氏の更迭前に行われた
10月の時事調査は9〜12日の実施で、簗氏の辞任(14日)と武部新氏の農相起用(15日)より前の数字です。
首相は14日に辞表を受理し、後任には農林水産行政に詳しい武部新氏を充てました。後任の顔ぶれと起用の理由は「武部新農水相の起用」で整理しています。辞任という区切りがついたことで、11月の調査で支持率が下げ止まるのか、それとも任命責任の問題として下落が続くのかが、次の焦点になります。
11月の時事世論調査はいつ出るのか
11月分の公表日は予告されていませんが、10月分と同じ流れなら11月の中旬になるとみられます。
10月分は9〜12日に調べ、15日に公表されました。日程は時事通信が決めるもので、11月の日付は発表されていません。
支持率5カ月連続下落をどう読むか
5カ月の下落は簗氏1人の問題ではなく、7月の急落から続く流れの上に、今回の人事の問題が重なったものと読めます。
7月の時事の支持率は49.0%と5割を下回り、9月には内閣改造のあとでも下がりました。そこへ10月は、改造で起用した閣僚の問題と首相の判断の遅れが加わった形です。参院の野党は、簗氏が辞任しなければ問責決議案を出す方針だったとフジテレビが伝えています(FNNプライムオンライン)。
(編集部分析)憲法改正、防衛力の強化、スパイ防止法の整備など、高市内閣が掲げてきた保守の課題は、どれも国民の広い支持がなければ前に進みません。支持率42.4%は、まだ不支持を大きく上回る水準です。いま必要なのは、身内をかばうように見える判断をやめ、国民の手取りを増やす政策と国益を守る政策で、目に見える成果を出すことだと評価できます。
時事世論調査と内閣支持率のよくある質問
最後に、10月の時事調査について検索されやすい疑問をまとめます。
Q. 時事世論調査の10月の内閣支持率は何%ですか?
A. 42.4%です。前月比1.7ポイント減で、不支持率は29.7%でした。調査は10月9〜12日、公表は15日です。
Q. 高市内閣の支持率は過去最低ですか?
A. 時事の調査では高市内閣の最低です。最高値は2025年11月と2026年2月の63.8%で、そこから21.4ポイント低くなりました。
Q. 時事世論調査はどうやって調べていますか?
A. 全国の18歳以上2000人に、調査員が直接会って聞く個別面接方式です。10月の有効回収率は58.4%でした。
Q. 時事と他社で支持率の数字が違うのはなぜですか?
A. 調査の方法と時期が社ごとに違うためです。時事は対面の個別面接で、9月は8社の中で最も低い44.1%、最も高い社は62.0%でした。同じ社の数字の動きで比べるのが確実です。
Q. 簗氏の後任の農林水産大臣は誰ですか?
A. 武部新氏です。10月15日に起用されました。10月の時事調査は起用の前に行われたため、この人事への評価は含まれていません。
11月の調査が出たら、辞任と後任の起用をはさんだ数字の動きを確かめると、簗氏の問題がどこまで響いたかが分かります。
参考情報
- 時事通信「内閣支持率42%に下落=簗氏続投判断、8割問題視―時事世論調査」(2026年10月15日)
- 時事通信「内閣支持率の動くグラフ」
- nippon.com「報道8社の9月世論調査」
- nippon.com「報道8社の8月世論調査」(2026年9月3日)
- 紀尾井町戦略研究所「簗農相は『辞任すべき』68%」(PR TIMES・2026年10月14日)
- FNNプライムオンライン「簗農水大臣が辞表提出 高市総理はすでに後任人事に着手」(2026年10月14日)
- TBS NEWS DIG「高市総理『人事上のことも躊躇しない』簗農水大臣“シャトルバス問題”めぐり答弁修正」(2026年10月14日)
- 中国新聞(共同通信配信)「簗農相が首相に辞意伝達」(2026年10月14日)
- 日本経済新聞「簗和生農相、首相に辞表提出 道路予算カット発言などで引責」(2026年10月14日)
- nippon.com(時事通信配信)簗農相の発言撤回・陳謝(2026年10月5日)
