【2026夏・甲子園】健大高崎1-0東海大甲府|二刀流・佐藤麻恩の適時打と3投手完封で11年ぶり3回戦

健大高崎vs東海大甲府甲子園、15安打1対0の謎

2026年8月13日、第108回全国高校野球選手権大会の第9日第1試合として、2回戦・東海大甲府(山梨)-健大高崎(群馬)が甲子園球場で行われました。台風15号の影響で前日のナイターから順延になった一戦は、両校あわせて6人の投手が投げ合う展開になり、健大高崎が1-0で競り勝っています。

動いたのは5回裏の1点だけでした。健大高崎はこれで2015年以来11年ぶりに夏の甲子園で2勝目を挙げ、3回戦に進みます。何がこの1点を生み、東海大甲府の7安打がなぜ0点で終わったのかを、記録に沿って整理します。

この記事でわかること

  • 試合結果:健大高崎が1-0で勝利。得点は5回裏、4番・佐藤麻恩の右前適時打による1点だけでした。
  • 勝敗を分けた点:健大高崎は3投手で完封。東海大甲府は7安打3四球を放ちながら本塁が遠いままでした。
  • 背景:両校とも夏の3回戦は2015年以来11年ぶり。試合は台風15号でナイターから翌日の第1試合へ移されていました。
目次

試合結果:健大高崎が1-0で東海大甲府を破り11年ぶりの3回戦へ

健大高崎が1-0で東海大甲府を下し、2015年以来11年ぶりに夏の甲子園で3回戦へ進みました。

試合は午前10時30分に開始。健大高崎が後攻で、9回表を投げ切った時点で試合が決まりました。安打数は健大高崎8本、東海大甲府7本とほぼ互角で、失策は両校ともゼロ。差がついたのは、走者を還せたかどうかの一点だけでした。

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9
東海大甲府 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 7 0
健大高崎 0 0 0 0 1 0 0 0 X 1 8 0

その唯一の得点が、どこで生まれたのかを見ていきます。

決着は5回裏、佐藤麻恩の適時打1本だけだった

この試合で記録された打点は、5回裏に4番・佐藤麻恩が放った右前適時打の1つだけです。

健大高崎は5回裏、3番・石田翔大が四球を選んで走者をため、続く佐藤が右前へ運んで先制しました。生還したのは2番・石田雄星で、この日唯一の得点者になっています。佐藤はこの試合の先発投手でもあり、指名打者を兼ねる二刀流として4番に座っていました。自分でつくった1点を、自分で守る形になったわけです。

東海大甲府はこの回、先発の籾山慶人が4回1/3を投げたところで2番手・熊谷晄に交代しており、失点はその継投直後に生まれています。

なぜ1点しか動かなかったのか|両軍6投手の投げ合い

両校が計6人の投手をつぎ込み、被安打は合計15本ありながら、失点は健大高崎の1点だけでした。

それぞれの投球内容を並べると、6人中5人が無失点で、失点したのは1人だけだったことが分かります。

チーム 投手 投球回 球数 被安打 奪三振 与四球 失点
健大高崎 佐藤 麻恩(先発) 6 74 6 4 2 0
健大高崎 北田 莉玖 2 34 0 1 0 0
健大高崎 石垣 聡志 1 10 1 0 1 0
東海大甲府 籾山 慶人(先発) 4 1/3 68 5 4 2 0
東海大甲府 熊谷 晄 1 30 3 0 2 1
東海大甲府 村尾 竜弦 2 2/3 30 0 0 2 0

投手ごとに、その役割の中身を見ていきます。

健大高崎:佐藤麻恩→北田莉玖→石垣聡志の3人で完封

先発の佐藤麻恩が6回を無失点で投げ、北田莉玖が2回、石垣聡志が9回表を締めて完封しました。

佐藤は74球で6安打を許しながら得点を与えず、4奪三振。青柳博文監督が試合前に「非常にテンポが良く、コントロールもいい。行けるところまで投げてもらいたい」と語っていたとおりの内容でした。続く北田は2回を無安打1奪三振に抑えています。

最後を任されたのは、1回戦で117球を完投した2年生右腕・石垣聡志でした。10球で1回を投げ終えており、リードが1点しかない状況で背番号1を最終回に持ってきた形です。エースを初戦のように長く使わず、締めだけに使う配置になりました。

東海大甲府:籾山慶人が4回1/3を無失点、失点は継投の直後だった

先発の籾山慶人は4回1/3を無失点で抑え、失点したのは2番手・熊谷晄が投げた5回裏の1点だけでした。

2年生の籾山は68球で5安打4奪三振。無失点のまま5回途中で降板しています。交代した熊谷は1回を投げて3安打2四球と走者を背負い、佐藤に適時打を許しました。3番手の村尾竜弦は2回2/3を無安打に抑えており、失点は結果としてこの1イニングに集中しています。

東海大甲府は3投手あわせて被安打8・与四球6と走者は出しましたが、失点は最小限にとどめました。それでも勝てなかったのは、攻撃側の事情によります。

東海大甲府はなぜ7安打で0点だったのか

7安打3四球で走者は出したものの、得点圏で決め手を欠き、併殺打も絡んで本塁が遠いままでした。

打線では2番手を打った大沢風汰が2安打、田中三士郎・高田尋斗・平野快留・水野誠生、そして代打の浅野葵海がそれぞれ1安打。安打は上位から下位まで分散しましたが、打点はゼロでした。四球は土肥綾太郎の2つと岡田優心の1つで、走者を出す機会自体はあったことになります。

一方で三振は5つ、さらに捕手の岡田は三塁ゴロ併殺打に倒れており、走者を進めきれない場面が重なりました。健大高崎の3投手が与えた四球も2つだけで、走者をためる形をつくらせなかったことが効いています。(編集部分析)安打数だけを見れば7対8の互角ですが、四球の数が3対6と開いた分、健大高崎のほうが走者を並べる回数は多く、その差が1点として表に出た試合といえます。

健大高崎の投手層はなぜ厚いのか|群馬大会では7人がマウンドへ

群馬大会で7人の投手が登板し、エース1人に依存しない継投を組めることが健大高崎の最大の武器です。

2年生右腕の石垣聡志が1回戦で完投した一方、この日の先発は背番号3の3年生右腕・佐藤麻恩でした。背番号1を温存して別の投手を立てられること自体が層の厚さの表れで、群馬大会でも同じやり方で勝ち上がっています。佐藤は前橋育英との準決勝に先発して5回無失点と好投しており、大一番での実績もありました。

この日はその佐藤が6回を投げ、北田、石垣とつないで完封。1回戦は石垣の完投、2回戦は3人の継投と、2試合で違う勝ち方をしたことになります。

群馬大会3連覇までの勝ち上がり

健大高崎は2026年の群馬大会で3連覇を果たし、3年連続6度目の夏の甲子園出場を決めました。終盤までもつれた試合が続いています。

ラウンド 対戦相手 内容
準々決勝 農大二 勝利
準決勝 前橋育英 佐藤麻恩が先発し5回無失点
決勝 前橋商 5-4。8回に神崎翔斗(2年・遊撃)の2ランで勝ち越し

決勝で決勝打を放った神崎は、この日も1番・遊撃でスタメンに名を連ねました。

両校が11年届かなかった3回戦の壁

健大高崎も東海大甲府も、夏の甲子園で3回戦に進んだのは2015年が最後で、この試合はその11年ぶりの挑戦でした。

健大高崎は2024年のセンバツで全国制覇を果たし、群馬大会は3連覇中という実績があります。それでも夏の甲子園に限れば、2015年以降は2勝目に届いていませんでした。東海大甲府も同じで、1回戦で鶴岡東を5-2で下したこと自体が11年ぶりの初戦突破でした。

2015年 両校がそれぞれ夏の甲子園で3回戦に進出。以後、夏はここが最高到達点に

2024年 健大高崎がセンバツで優勝。春は頂点に立つが夏の壁は残る

2026年7月26日 健大高崎が群馬大会3連覇。決勝は前橋商に5-4

2026年8月7日 1回戦。健大高崎7-1八幡商/東海大甲府5-2鶴岡東(11年ぶりの初戦突破)

2026年8月13日 2回戦で直接対決。健大高崎が1-0で勝ち、11年ぶりの3回戦へ

どちらが勝っても11年ぶりという構図で、負けた東海大甲府は「あと1勝」がさらに続くことになりました。

台風15号の順延でナイターが第1試合に変わった

台風15号による天候不良で8月12日の第4試合が中止となり、この試合は13日の第1試合へそのまま移されました。

当初の予定は12日の午後6時30分開始、いわゆるナイターでした。それが13日午前10時30分開始のデーゲームに変わり、開始時刻はおよそ16時間ずれています。第9日は他の3試合も開始を30分ずつ繰り上げ、計4試合を同じ日に実施する編成になりました。

当初(8月12日・第8日)

第4試合/午後6時30分開始のナイター

実際(8月13日・第9日)

第1試合/午前10時30分開始のデーゲーム

コンディションづくりを組み直す必要があったわけですが、両監督とも影響は限定的だという受け止めを示していました。

仲沢広基監督「戸惑いはない」

東海大甲府の仲沢広基監督(39)は、ナイターからデーゲームへの変更について「戸惑いはない」と述べていました。

巨人と楽天でプレーした経歴を持つ仲沢監督は「選手に疲れもあったので体を動かした後、休養は取れた。初戦が第1試合だったので(試合の)入りは一緒」と説明しています。1回戦も第1試合だったため、体内時計を作り直す必要がなかったという理屈です。

そのうえで健大高崎打線への警戒も具体的に語っていました。今年3月の練習試合で大敗したことを明かし、「(バットが)振れる選手が多い。単打は仕方ないと伝えてあるので、長打にならないように。特に1、2番、4番は長打を警戒しないといけない」と、打たれ方まで限定する方針を示していました。結果として健大高崎の長打はなく、8安打はすべて単打。警戒そのものは機能しましたが、その4番に唯一の適時打を許す形になりました。

健大高崎ー東海大甲府戦のよくある質問

試合を追ううえで疑問になりやすい点をまとめました。

Q. この試合はなぜ8月13日の第1試合になったのですか?

A. 台風15号による天候不良で、8月12日の第4試合(午後6時30分開始予定)が順延になったためです。13日の第1試合として午前10時30分に開始され、この日の他の3試合も開始時刻を30分ずつ繰り上げて計4試合を実施しました。

Q. 健大高崎の先発が背番号1ではなく背番号3だったのはなぜですか?

A. 起用理由そのものは公表されていません。ただ健大高崎は群馬大会で7人の投手を登板させており、背番号3の佐藤麻恩も前橋育英との準決勝に先発して5回無失点と結果を残しています。エース1人に任せない継投がもともとのチームの形で、この日は背番号1の石垣聡志を最終回の1イニングに使いました。

Q. 両校の1回戦はどんな試合でしたか?

A. 健大高崎は八幡商(滋賀)に7-1。2年生右腕の石垣聡志が117球を投げ、被安打4・11奪三振の1失点完投でした。東海大甲府は鶴岡東(山形)に5-2で、初回に3点を先制した展開を守り切っています。

Q. なぜ「11年ぶりの3回戦」なのですか?

A. 健大高崎も東海大甲府も、夏の甲子園で3回戦に進んだのは2015年が最後だからです。健大高崎は2024年のセンバツで優勝していますが、夏に限れば2015年以降は2勝目に届いていませんでした。東海大甲府にとっては、今大会の1回戦突破自体が11年ぶりでした。

Q. 東海大甲府の仲沢広基監督はどんな経歴の人ですか?

A. 39歳で、現役時代は巨人と楽天でプレーしました。この試合ではナイターからデーゲームへの変更について「戸惑いはない」と述べ、1回戦も第1試合だったため試合の入り方は同じだと説明しています。

健大高崎の3回戦の相手と日程は、大会本部の発表を待つ形になります。

参考情報

  • バーチャル高校野球(スポーツナビ)「2026年8月13日 健大高崎vs.東海大甲府」試合結果・出場成績https://baseball.yahoo.co.jp/hsb_summer/game/2021048619/score
  • ベースボールチャンネル「【甲子園速報】東海大甲府 対 健大高崎 試合経過・結果・スタメン 夏の甲子園2026 2回戦」https://www.baseballchannel.jp/etc/281914/
  • スポーツ報知「【甲子園】7投手を擁する健大高崎 先発は背番号3の佐藤麻恩 『テンポがいい投手』青柳博文監督も期待」(2026年8月13日)
  • スポーツ報知「【甲子園】巨人OBの東海大甲府・仲沢広基監督 台風の影響でナイター→第1試合に変更も『戸惑いはない』」(2026年8月13日)
  • 高校野球ドットコム「東海大甲府VS健大高崎のスタメン発表!」(2026年8月13日)
  • 上毛新聞電子版「健大高崎(群馬)きょう13日に2回戦 順延受け『万全に準備』 11年ぶり夏2勝目指す」(2026年8月13日)
  • 朝日新聞「中止の東海大甲府―健大高崎は13日第1試合に 計4試合を同日実施」(2026年8月12日)
  • 読売新聞「順延の東海大甲府―健大高崎、あす午前10時半から…他の3試合は30分早く開始」(2026年8月12日)
  • スポニチアネックス「【甲子園】今年も健大高崎・石垣だ! 聡志が元気先輩超え2桁奪三振&完投勝利」(2026年8月7日)
  • 日本経済新聞「高校野球:東海大甲府が2回戦進出、11年ぶり勝利 夏の甲子園」(2026年8月7日)
  • 月刊高校野球CHARGE!「【夏レポート】群馬大会 健大高崎が3連覇! 決勝で前橋商に勝利し聖地へ」
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