【10/18】草津市長選は駒井千代氏が初当選|自民推薦の白井氏ら3人破り初の女性市長

【10/18】草津市長選は駒井千代氏が初当選|自民推薦の白井氏ら3人破り初の女性市長

10月18日に投開票された滋賀県草津市長選挙で、無所属新人で元県議の駒井千代氏(53)が初当選しました。自民党が推薦した元県議の白井幸則氏(64)、元市議の田中詩織氏(47)、僧侶の津田正顕氏(46)の新人3人を破りました。草津市選挙管理委員会の確定得票は駒井氏が1万8876票で、2位の白井氏に3174票の差をつけました。駒井氏は草津市で初めての女性市長になります。

この記事では、4人の得票と投票率、駒井千代氏の経歴と訴え、敗れた3人の主張、前市長の辞職から10年ぶりの選挙戦になった経緯、自民推薦候補が敗れた理由、新市政で注目したい点を、報道と市の発表をもとに整理します。

この記事でわかること

  • 結果:駒井千代氏が1万8876票で初当選。白井幸則氏は1万5702票、田中詩織氏は9316票、津田正顕氏は1834票でした。
  • 投票率:41.01%で、前回の選挙戦だった2016年の39.92%を上回りました。
  • 構図:健康上の理由で辞職した橋川渉前市長の後継指名を受けた駒井氏が、自民推薦の白井氏を破りました。選挙戦は10年ぶりでした。
目次

草津市長選の結果は?駒井千代氏が初当選

草津市長選は元県議の駒井千代氏が1万8876票を得て、新人4人の争いを制し初当選しました。

選挙は、橋川渉前市長の任期途中の辞職に伴うもので、10月11日に告示され、4人がいずれも無所属の新人として立候補しました(中日新聞)。中日新聞は、駒井氏が草津市で初めての女性市長になると伝えています(中日新聞)。読売新聞は、当選確実の知らせが届くと駒井氏が事務所で支持者とバンザイを繰り返し、「うれしさとともに重責を担う気持ちでいっぱい」と語ったと報じました。

草津市長選の得票数と得票率

駒井氏の得票は4人の得票合計の約41%で、2位の白井氏とは約7ポイントの差でした。

草津市選挙管理委員会は18日午後11時20分に開票結果を確定し、市の公式サイトに載せています(草津市「開票結果」)。この確定値をもとに4人の得票を並べます。得票率は、4人の得票の合計(4万5728票)を分母にして編集部が計算したもので、無効票は含めていません。

候補者(年齢) 新旧・肩書 得票数 得票率(編集部計算) 結果
駒井千代(53) 無所属・新人/元県議(連合滋賀推薦) 1万8876票 約41.3% 当選
白井幸則(64) 無所属・新人(自民推薦)/元県議 1万5702票 約34.3% 落選
田中詩織(47) 無所属・新人/元市議 9316票 約20.4% 落選
津田正顕(46) 無所属・新人/僧侶 1834票 約4.0% 落選

肩書と推薦は告示時の報道と読売新聞の当選報道によります(京都新聞)。駒井氏の得票は過半数に届いておらず、白井氏と田中氏の得票を合わせた2万5018票は、駒井氏を6000票あまり上回ります。

投票率は41.01%で10年前を上回った

投票率は41.01%で、前回の選挙戦だった2016年の市長選の39.92%を1.09ポイント上回りました。

投票率と前回との差は中日新聞の報道によります。読売新聞によると、当日の有権者数は11万2791人でした。2016年の投票率39.92%は、政治山の選挙データでも確かめられます(政治山「滋賀県草津市の選挙」)。男女別や期日前投票の数字は、市の「投票結果」のページに時刻ごとの資料として載っています(草津市「投票結果」)。投票率は上がりましたが、有権者のおよそ6割は投票していません。

駒井千代氏とはどんな人?経歴と訴え

駒井千代氏は草津市生まれの元県議で、2011年から県議を4期連続で務め、9月に辞職して市長選に臨みました。

選挙ドットコムによると、駒井氏は早稲田大学法学部を卒業し、民間企業勤めを経て、2011年の滋賀県議選で初当選しました。2026年9月25日に県議を辞職しています(選挙ドットコム)。中日新聞によると、駒井氏は10月5日の会見で立候補を表明し、9月上旬に橋川前市長から後継指名を受けたと明かしました(中日新聞)。読売新聞は、駒井氏が嘉田由紀子前知事や三日月大造知事を支援した地域政党「対話の会」の事務局長を務めた経歴も伝えています。

駒井氏が選挙で訴えたこと

駒井氏は橋川市政の継承を前面に出し、公共交通の充実と、市民の挑戦を支える仕組みづくりを訴えました。

中日新聞によると、駒井氏はJR南草津駅で第一声を上げ、「出会いのまち」から「つながるまち」への発展を目指すと述べました。高齢化を見すえた公共交通の充実、市民が主体となって挑戦を支える「市民ファンド」の仕組み、公共施設に人が気軽に過ごせる「リビングルーム」を整える構想を示しています。キャッチフレーズは「つながる草津」でした。読売新聞は、連合滋賀の推薦を受けて労働組合の票を基盤にし、選挙カーで市内をくまなく回る戦略が奏功したと分析しています。

敗れた白井・田中・津田の3氏は何を訴えたか

白井氏は民間の経営経験と福祉の充実を、田中氏は子育てと若い世代に選ばれる街を、津田氏は給付と減税を訴えました。

3人の主張を、中日新聞の告示日の記事をもとに順に見ます。

白井幸則氏:自民推薦で10年ぶりに挑んだ元県議

白井氏は自民党の推薦を受けた元県議で、10年前の市長選に続く2度目の挑戦でしたが、及びませんでした。

中日新聞によると、白井氏は民間企業での経営経験を行政に取り入れ、介護と医療を充実させ、子育てと仕事の両立を支えて「暮らし満足度」の高い街を目指すと訴えました。10年前の市長選では当選に届かなかった経緯があります。選挙ドットコムによると、白井氏は会社を創業し、2019年から県議を2期務めて9月17日に辞職しました。読売新聞は、日本維新の会の国会議員も応援に入ったものの、保守層以外への浸透はできなかったと伝えています。

田中詩織氏と津田正顕氏の訴え

田中氏は子育て・就労支援・街づくりを3本柱に掲げ、津田氏は施設整備よりも住民への給付や税負担の軽減を訴えました。

中日新聞によると、田中氏は増えてきた市税収入を福祉に回し、若い世代に選ばれる「ウェルビーイングな街づくり」を掲げました。読売新聞によると、田中氏は2023年の市議選で日本維新の会の公認でトップ当選しましたが、無党派層を取り込むため9月に離党しています。津田氏は選挙カーを使わず、子どもが豊かな体験をできる環境づくりや、街に木を多く植えることを訴えました。

なぜ10年ぶりの選挙戦になったのか

5期目だった橋川渉前市長が健康上の理由で任期途中に辞職し、無投票が2回続いた市長選が10年ぶりに争われました。

日本経済新聞によると、草津市は8月19日、橋川市長(77)が健康上の理由で辞職する意向だと発表しました。5期目の任期は2028年3月20日まででした。橋川氏は「市長の職責を十分に果たせるまでの回復に至らず、退職する決断をした」とコメントしています(日本経済新聞)。草津市長選は2020年と2024年がいずれも無投票で、選挙戦は2016年以来でした(選挙ドットコム)。

告示から投開票までの主な出来事を順に並べます。

2026年8月19日
市が橋川市長の辞意を発表
9月上旬
駒井氏が橋川氏から後継指名
10月5日
駒井氏が立候補を表明
10月11日
告示、新人4人が立候補
10月18日 午後11時20分
開票確定、駒井氏の初当選が決まる

辞意の発表は日本経済新聞、後継指名と立候補表明は中日新聞、開票確定の時刻は草津市の発表によります。読売新聞によると、駒井氏は当選後、告示の6日前になった立候補の表明について「ぎりぎりの表明で不安だらけだった」と振り返りました。

なぜ自民推薦の白井氏は敗れたのか

前市長の後継として組織の支援を固めた駒井氏に対し、白井氏は保守層の外へ支持を広げられなかったと報じられています。

読売新聞は、駒井氏が連合滋賀の推薦と無党派層の取り込みで票を伸ばし、白井氏は推薦を受けた自民党に加えて維新の国会議員の応援も得たものの、保守層以外への浸透ができなかったと分析しています。中日新聞は、明確な争点がなく、4人がそれぞれの政策を掲げた選挙だったと伝えています。

(編集部分析)明確な争点が無いまま、告示の6日前に名乗りを上げた候補が勝ったことは、「前市長の後継」という看板の重さを物語っています。前市政への評価が問われる場面で、それを継ぐ候補に対して保守の側が「何を変えるのか」を有権者に届く言葉で示しきれなかったことも、敗因の一つだった可能性があります。ただし、得票の数字だけでは、どの理由がどれだけ効いたかまでは分かりません。少なくとも、推薦という組織の判断だけで地方選挙に勝てるわけではないことは、今回の結果が示しています。

同じ日の草加市長選でも自民推薦が敗れた

同じ18日に投開票された埼玉県草加市長選でも、自民党が推薦した元市長が現職に敗れました。

同じ日には横浜市長選も投開票されました。草加市長選の結果は「【10/18】草加市長選は山川百合子氏が再選|自民推薦の木下元市長ら2人破る」、横浜市長選の結果は「【10/18】横浜市長選は原沢敦美氏が初当選確実|パワハラ辞職の山中氏ら6人破る」にまとめています。

(編集部分析)同じ日に草津と草加の2つの市長選で自民推薦の候補が敗れました。ただし、2つの選挙は構図も争点も違い、共通する敗因があるのか、全国的な傾向なのかは、この結果だけでは判断できません。それでも、地方の暮らしを任せる人を選ぶ場面で、党の推薦がそのまま信頼の証にはならないことは、推薦する側が重く受け止めるべき点と評価できます。

駒井市政で注目したいこと

注目したいのは、公約に掲げた公共交通や公共施設の事業にどれだけの予算をかけるかと、新しく作る「市民ファンド」の中身の2つです。

駒井氏が掲げた公共交通の充実や、公共施設の「リビングルーム」の整備には、どれも財源が要ります。公約がどう形になるかは、次の3つを見ると追えます。1つ目は来年度予算案が市議会に出されたときの公共交通と公共施設の事業費、2つ目は「市民ファンド」の資金の出どころと、誰がどの事業を選ぶのかという仕組み、3つ目は前市政から引き継ぐ大型事業の見直しの有無です。

確かめる先は草津市の公式サイトにまとまっています。新年度の予算案と事業費は「予算」のページ(草津市「予算」)、市長が市議会に出す議案と議決の結果は「提出議案・議決結果」のページ(草津市議会「提出議案・議決結果」)で見られます。新市長が初めて臨む議会の日程は「日程案内」(草津市議会「日程案内」)に載るので、所信表明で公共交通や市民ファンドにどこまで具体的に触れるかを確かめてみてください。

(編集部分析)市民の挑戦を支えるという「市民ファンド」は聞こえのよい構想ですが、市民の税金が使われるなら、誰が得をする仕組みなのかを最初に明らかにすべきです。選ぶ人と選ばれる団体が身内で固まれば、支援者への見返りと受け止められかねません。選挙で支えた組織と距離を保ち、市民全体の利益を物差しに事業を選べるかが、駒井市政への信頼を左右すると評価できます。過半数に届かない得票で就く市長であることも、謙虚に受け止める必要があります。

草津市長選についてよくある質問

駒井氏の任期と、同じ日の県議補選の結果の調べ方について答えます。

Q. 駒井千代氏の任期はいつまでですか?

A. 前市長の辞職に伴う選挙で選ばれた市長の任期は、当選の日から4年間です。前市長の残りの任期(2028年3月20日まで)を引き継ぐ形にはなりません。正確な任期の始まりは、草津市の発表で確かめられます。

Q. 同じ日の県議補選の結果はどこで確かめられますか?

A. 草津市の「開票結果」のページに、滋賀県議会議員草津市選挙区補欠選挙の結果も載っています(草津市)。18日午後11時48分の確定で、土肥こうすけ氏が2万1644票、西田つよし氏が1万1952票、中島よしのり氏が1万1192票でした。

ここで取り上げた数字と発言は、次の報道と発表で確かめられます。

参考情報

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