【9/11】内閣広報室はなぜ72億円か|内訳の9割は要望額、内閣官房の増額の9割は衛星とサイバー

内閣広報室の経費が7億円から72億円へ、10倍超に増える――2026年9月10日から11日にかけて、この数字がXで大きく取り上げられました。ただ、9月10日から11日にかけて出た記事の見出しは、筆者が確認した3本(女性自身・東京新聞・Yahoo!ニュース掲載記事)がいずれも72億円という総額を前面に出しており、その72億円がどういう構造の数字なのかには触れていません。内閣官房が公表している「令和9年度予算概算要求の概要」を実際に開くと、72.3億円の内訳は「うち要求額7.0億円」「うち投資枠0.4億円」「うち要望額64.8億円」の3つに分かれており、通常の要求額の欄は前年度と同じ7.0億円のままです。さらに同じ資料を最後まで読むと、内閣官房全体の増額1,904.8億円のうち9割は広報室ではなく、情報収集衛星とサイバーに向かっていることがわかります。この記事では、内閣官房の一次資料に当たって、72億円が何の数字なのか、増額の本体はどこにあるのか、批判のどこが当たっていてどこが外れているのかを整理します。
この記事でわかること
- 72.3億円は3階建て:内閣官房の総表では、内閣広報室の令和9年度要求額等72.3億円は「うち要求額7.0億円」「うち投資枠0.4億円」「うち要望額64.8億円」に分かれています。通常の要求額の欄は前年度と同額です。
- 用途は国内発信と海外発信:国内発信の強化に65.91億円(前年5.15億円)、海外発信の強化に5.07億円(前年0.65億円)。海外分には「認知戦への対応」が明記されています。
- 増額の本体は衛星とサイバー:内閣官房全体の増額1,904.8億円のうち、内閣衛星情報センターが1,210.8億円、国家サイバー統括室が502.4億円。この2つで89.9%を占めます。
- 広報室は増額の3.4%:内閣広報室の増額65.3億円は、内閣官房全体の増額の3.4%です。同じ幅で増えた部署は他にもあります。
- 国家危機管理室もほぼ同額:15.1億円から72.2億円へ(4.8倍)。要求額等の水準は内閣広報室とほぼ同じですが、筆者が確認した報道の見出しにもXの話題欄にも、国家危機管理室の名前は出てきませんでした。
- 金額が出ていない部分がある:国家情報局と国家サイバー統括室には、金額を示さない「事項要求」が付いています。総額はこの時点では確定しません。
- 資料内で表記が食い違う:64.8億円を、総表は「要望額」、内訳ページは「『強く豊かな日本』投資枠」と書いています。本記事はどちらが定義上正しいかを断定していません。
- これは決定ではない:概算要求は各府省が財務省に出す要求で、政府案は年末、成立は年明けの国会審議を経てからです。
内閣広報室の72億円とは何の数字か
2027年度(令和9年度)予算の概算要求で、内閣官房が内閣広報室の経費として財務省に求めた金額です。
前年度の予算額7.0億円に対して72.3億円で、増減額は65.3億円になります。
出どころは内閣官房が自ら公表している「令和9年度予算概算要求の概要」(令和8年8月)という資料です。時事通信が2026年8月27日に「内閣官房、予算要求2.7倍 情報活動・対外発信を重視」として報じたのも、この資料に基づくものです。女性自身が、この数字にネット上で批判が相次いでいると報じたのは、それから2週間後の9月10日です。
まず、内閣官房全体がどうなっているかを見ておきます。同じ資料の総表から主要な項目を抜き出したものが次の表です。
| 項目 | 令和8年度予算額 | 令和9年度要求額等 | 増減額 |
|---|---|---|---|
| 内閣官房(合計) | 1,121.8億円 | 3,026.7億円 | +1,904.8億円 |
| 内閣衛星情報センター | 622.3億円 | 1,833.0億円 | +1,210.8億円 |
| 国家サイバー統括室 | 127.7億円 | 630.1億円 | +502.4億円 |
| 国家危機管理室 | 15.1億円 | 72.2億円 | +57.2億円 |
| 内閣広報室 | 7.0億円 | 72.3億円 | +65.3億円 |
| 国家情報局 | 38.4億円 | 54.1億円 | +15.7億円 |
| 国家安全保障局 | 9.7億円 | 15.7億円 | +6.0億円 |
| 拉致問題対策本部事務局 | 13.9億円 | 14.9億円 | +1.0億円 |
この表だけでも、内閣広報室が突出して増えたわけではないことがわかります。金額の桁で見れば衛星とサイバーが本体で、要求額等の水準で見るなら国家危機管理室も内閣広報室とほぼ同じ72億円台まで増えています。
なお、この資料には注記が2つ付いています。ひとつは「四捨五入の関係で、積み上げと合計が一致しない場合がある」、もうひとつは「令和8年度予算額は、防災庁設置に伴う予算の組換えにより成立予算額と符合しない」です。つまり、比較対象になっている前年度の7.0億円は組換え後の数字であって、国会で成立した当初予算の額とは一致しない可能性があります。「7億円から72億円へ」という比較は、この前提の上に立っています。
なぜ「10倍超」に見えるのか|要求額・投資枠・要望額の3階建て
概算要求の総表が72.3億円を3つの欄に分けて書いており、そのうち通常の「要求額」の欄は前年度と同じ7.0億円だからです。
内閣官房の総表は、令和9年度の欄をこう定義しています。「令和9年度要求額等(B)=(C+D+E)」で、(C)が「うち要求額」、(D)が「うち『強く豊かな日本』投資枠」、(E)が「うち要望額」です。内閣広報室の行に入っている数字は、C=7.0億円、D=0.4億円、E=64.8億円です。
図解1|内閣広報室 72.3億円の3階建て
出典:内閣官房「令和9年度予算概算要求の概要」総表。合計72.3億円は四捨五入の関係で積み上げと一致しない場合がある。
ここで注意が要ります。同じ資料の内閣広報室の内訳ページには、「17.内閣広報室 7,228百万円(701百万円)」とあり、その下に「※うち『強く豊かな日本』投資枠;6,484百万円」と書かれています。6,484百万円は64.84億円で、総表が「要望額」と呼んでいる64.8億円とほぼ同じ額です。
つまり同じ64.8億円を、総表は「要望額」の欄に、内訳ページは「投資枠」として書いています。この2つの言葉の関係を定めているのは、令和9年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針(令和8年7月30日閣議了解)ですが、本記事の執筆時点で財務省のこの資料に直接アクセスできませんでした。したがって、どちらの整理が定義上正しいのかは断定しません。確実に言えるのは、内閣官房が公表している資料の中で、この64.8億円が2か所で違う名前で呼ばれている、という事実だけです。
「強く豊かな日本」投資枠については、令和9年度の概算要求から新設された枠だと報じられています。要求上限を設けず、金額を明示しない事項要求も認められる枠だとされ、経済産業省が同枠に6兆円台を要求したことなども伝えられています。内閣広報室の64.8億円がこの枠の中で扱われているのであれば、それは「必ず認められる要求」ではなく「上乗せを求める要望」の側にある、という読み方になります。ただし前述のとおり、この読み方は本記事で一次資料から確認できていません。
72億円は何に使う計画か|国内発信65.9億円と海外発信5.1億円
内訳ページによれば、内閣の重要政策に関する国内向けの発信に65.91億円、対外発信に5.07億円を充てる計画です。
国内発信の強化については、資料にこう書かれています。骨太の方針、日本成長戦略、地域未来戦略、経済安全保障、エネルギー安全保障、社会保障制度、子育て支援、国土強靱化、物価高対策、治安・安全の確保といった個別の重要政策について、伝わりやすい広報コンテンツを作成する。特に、国民に届きやすい多彩な動画を制作・発信する体制を強化する。あわせて、発信した広報コンテンツの評価・分析を実施する――。
海外発信の強化には「認知戦への対応」という言葉が明記されています。内閣の重要政策について国際的に正確な理解を促進するとともに、認知戦への対応の観点も含め、政府関係者による直接発信の機会を増やし、外国語での情報発信の絶対量を増やす、という書き方です。
| 内訳 | 令和8年度 | 令和9年度 | うち投資枠 |
|---|---|---|---|
| 国内発信の強化 | 5.15億円 | 65.91億円 | 60.76億円 |
| 海外発信の強化 | 0.65億円 | 5.07億円 | 4.08億円 |
| 内閣広報室 合計 | 7.01億円 | 72.28億円 | 64.84億円 |
この表を足すと、国内発信と海外発信の合計は70.98億円で、合計の72.28億円との間に1.3億円の差があります。資料はこの差分について項目を立てておらず、内訳ページから用途を読み取ることはできません。
「動画の制作体制を強化する」という記述の読み方
国内発信の65.91億円のうち何割が動画に向かうのかは、この資料には金額として書かれていません。
書かれているのは「特に、国民に届きやすい多彩な動画を制作・発信する体制を強化する」という一文だけです。金額の内訳が示されていない以上、「72億円で動画を作る」とも「動画は一部だ」とも、この資料からは言えません。
増額1,904億円の9割は広報室ではない|衛星とサイバーが本体
内閣官房全体の増額1,904.8億円のうち、内閣衛星情報センターと国家サイバー統括室の2つで89.9%を占めます。
金額は内閣衛星情報センターが1,210.8億円、国家サイバー統括室が502.4億円です。
内閣衛星情報センターの増額分は、情報収集衛星の開発と運用に充てられます。資料には「光学・レーダ衛星各4機及びデータ中継衛星を加えた機数増により、10機体制が目指す情報収集能力の向上を早期に達成するため、着実に衛星開発を進める」とあり、地上システムの開発と重要技術の先行研究開発も挙げられています。1,833.0億円のうち1,215.71億円が「強く豊かな日本」投資枠と記載されています。
国家サイバー統括室の630.14億円は、政府機関等のセキュリティ対策強化に188.68億円、サイバー対処能力強化法等を踏まえた「能動的サイバー防御」の体制整備等に418.12億円、国際連携の強化等に23.34億円という構成です。こちらにも金額を示さない事項要求が付いています。
図解2|増額1,904.8億円は何が押し上げたか
出典:内閣官房「令和9年度予算概算要求の概要」総表から算出。比率は増減額1,904.8億円に対する割合。
この比率は、筆者が確認した報道の見出しでは触れられていない部分です。「政府が広報に72億円」という切り取りは金額としては正しいのですが、内閣官房の要求が2.7倍になった理由を説明する数字ではありません。2.7倍の理由は情報収集衛星の10機体制と能動的サイバー防御にあり、広報室はその横に並んでいる小さな項目です。
ほぼ同じ規模まで増えたのに話題にならなかった国家危機管理室
国家危機管理室は15.1億円から72.2億円へ増え、要求額等の水準は内閣広報室の72.3億円とほぼ同じです。
増減額は57.2億円、倍率は4.8倍です。10倍という数字ほどではないにせよ大きく増えています。
中身は、官邸危機管理センターの維持管理、国民保護の訓練、沖縄県の離島からの住民避難の検討、弾道ミサイルを想定した住民避難訓練、避難施設に関する調査・研究、CBRNEテロ対策の強化などです。金額の規模はほぼ同じですが、扱いは大きく違います。筆者が9月11日6時すぎにXの「話題を検索>ニュース」欄(上位5件)を確認した時点で、内閣広報室の72億円は上がっていましたが、国家危機管理室は見当たりませんでした。報道の見出しも同じです。話題になるかどうかは、金額の大きさとは別のところで決まっている可能性があります。
国家情報局と「事項要求」|金額が出ていない部分がある
国家情報局と国家サイバー統括室の要求には、金額を明示しない「事項要求」が付いており、この段階では総額が確定していません。
国家情報局は、内閣情報調査室を改組して2026年7月31日に発足した組織です。日本経済新聞は2025年12月、政府がインテリジェンス機能を強化する「国家情報局」を創設し内閣情報調査室を改組する方針を決めたと報じていました。令和9年度の要求は54.05億円で、前年度の38.37億円から15.7億円の増額ですが、これに加えて事項要求があります。
概算要求の資料は、要求の理由をこう書いています。中国による尖閣諸島周辺における領海侵入や領空侵犯、軍事活動の活発化、北朝鮮による核・ミサイル開発、国際テロ、国境を越えたサイバー攻撃、SNS上の影響工作をはじめとする外国による情報戦――こうした脅威に直面する中で、情報部門が質の高い情報を収集・分析して政策部門に提供する必要がある、という説明です。内訳では「カウンターインテリジェンス推進」が2.62億円から7.28億円へ増えています。
総表の下には「上表に加え、予算編成過程において検討する事項」として3項目が挙げられています。国家情報会議・国家情報局の設置に伴う情報収集・分析能力強化に必要な経費、重要システムの脆弱性チェックに必要な経費、官民連携基盤の高機密対応等です。いずれも金額が書かれていません。したがって、内閣官房の要求の実際の規模は3,026.7億円より大きくなる可能性があります。
批判はどこが当たり、どこが外れているか
「72億円の使い道に説明が要る」という批判は当たり、「増額の主因は広報だ」という受け止めは資料と合いません。
まず、批判の中身を確認します。女性自身は2026年9月10日、「7億から72億」の10倍超要求という報道にネット上で批判が相次いでいると伝え、「一生懸命働いて納めた税金が、高市内閣の宣伝に使われるんですか」「政府の広報に72億なんて明らかにおかしいでしょうが」といった投稿を紹介しています。同記事は、批判が集まる背景として、8月に熊本地震の被災地視察の動画が「プロモーション動画のようだ」と批判されたことを挙げています。
同記事によれば、2026年7月28日に最大震度7を観測した熊本地震を受けて高市早苗首相が8月3日に被災地を訪れ、その夜に首相官邸のX公式アカウントが約2分の動画を投稿しました。防災服姿でヘリコプターに乗り込む場面などにピアノのBGMとスローモーションの編集が付いていたことに批判が集まり、木原稔官房長官が記者会見で「国民の皆様にわかりやすくお伝えするための手法の一つ」と説明した、とされています。
もう一点、広報の担い手も文脈として語られています。内閣広報官は佐伯耕三氏で、時事通信は2025年12月に起用を報じ、2026年6月には同氏がXで高市首相の動きを積極的に発信していること、フォロワーが13万人を超えていること、野党から「忖度」との批判が出ていることを伝えています。日本経済新聞によれば、内閣広報室が2026年5月に開設したアカウントの名称が「内閣広報官(色々投稿試し中)」に変更され、6月に佐伯氏名義で発信する形に切り替わりました。
図解3|批判の論点を資料と突き合わせる
資料と整合する論点
・72.3億円という要求額そのものは資料どおり
・前年度7.0億円との比較で10倍超も資料どおり
・「動画を制作・発信する体制を強化する」は資料に明記
・使い道の詳細な内訳は公表されておらず説明を求める余地がある
資料と合わない受け止め
・「内閣官房の増額の主因が広報」=増額に占める比率は3.4%
・「72億円が動画制作費」=金額の内訳は資料に無い
・「決定した予算」=これは要求で、政府案は年末
・「広報だけが突出」=国家危機管理室もほぼ同水準
批判を封じる意図でこの整理を書いているわけではありません。むしろ、72.3億円のうち64.8億円が上乗せを求める側の枠にあり、その使い道の内訳が公表されていないという構造こそ、年末の政府案までに説明を求めるべき対象です。数字の位置づけを取り違えたまま怒ると、査定の過程で本当に見るべき数字を見落とすことになります。
概算要求は決定ではない|年末までに何が起きるか
概算要求は各府省が財務省に出す要求で、政府案は年末の閣議決定、成立は年明けの国会審議を経てからです。
今回の72.3億円は「求めた額」であって「付いた額」ではありません。特に要望額や投資枠として計上された部分は、予算編成の過程で査定を受けます。前年度の内閣広報室が7.0億円だったことを踏まえれば、要求どおり72.3億円が付くかどうかはこの時点ではわかりません。
| 段階 | 時期 | この記事で扱った数字の扱い |
|---|---|---|
| 概算要求 | 2026年8月(済) | 72.3億円が出てきた段階。ここが現在地 |
| 財務省の査定 | 秋 | 要望額・事項要求の扱いが詰められる |
| 政府案の閣議決定 | 年末 | 実際に付いた額が初めて確定する |
| 国会審議・成立 | 年明け | 委員会質疑で使途を問える段階 |
したがって、次に見るべきなのは年末の政府案です。そこで内閣広報室に何億円が付いたか、64.8億円のうちどれだけが残ったかを、今回の72.3億円と並べて見れば、この要求がどう扱われたのかがわかります。内閣官房は予算・決算のページで各年度の資料を公開しているので、同じ資料の同じ欄を追いかけることができます。
この記事で確認できなかったこと
確認できなかったのは3点で、いずれも本記事では断定せず、わからないまま書いています。
1つめは、「要望額」と「強く豊かな日本」投資枠の定義上の関係です。令和9年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針(令和8年7月30日閣議了解)が定めているはずですが、執筆時点で財務省の当該資料に直接アクセスできませんでした。総表と内訳ページで64.8億円の呼び方が違う理由も、したがって未確認です。
2つめは、前年度予算額7.0億円が成立予算額なのかどうかです。資料自身が「防災庁設置に伴う予算の組換えにより成立予算額と符合しない」と注記しているため、この7.0億円は組換え後の数字である可能性があります。「10倍超」という比較の分母がどの数字なのかは、この注記の範囲でしか言えません。
3つめは、国内発信の65.91億円のうち動画関連が何割かという点です。資料には金額の内訳がなく、記述は「動画を制作・発信する体制を強化する」という一文にとどまります。
よくある質問
内閣広報室の72億円はもう決まったのですか
決まっていません。概算要求は各府省が財務省に出す要求で、実際に付く額は年末の政府案の閣議決定で確定します。
成立するのは年明けの国会審議を経てからです。
72億円のうち64.8億円が「要望額」とはどういう意味ですか
内閣官房の総表が72.3億円を3つの欄に分けて記載し、通常の要求額の欄は前年度と同額だという意味です。
3欄の内訳は「うち要求額7.0億円」「うち投資枠0.4億円」「うち要望額64.8億円」です。
ただし同じ資料の内訳ページは、この64.8億円を「『強く豊かな日本』投資枠」と書いています。どちらが定義上正しいかは本記事では確認できていません。
年末の政府案では何を確認すればよいですか
内閣官房の予算・決算ページに出る令和9年度予算(案)の資料で、内閣広報室の行の額を今回の72.3億円と比べてください。
見るのは3点です。内閣広報室に付いた額、64.8億円の部分(要望額・投資枠)がどれだけ残ったか、国家情報局と国家サイバー統括室の事項要求に金額が付いたかどうかです。
今回の概算要求の資料と同じ体裁で出れば、同じ欄どうしを並べるだけで査定の結果が読めます。
海外発信の「認知戦への対応」とは何ですか
資料の文言では、外国政府などによる世論誘導への対応を指します。金額は海外発信の強化5.07億円の中です。
説明には、認知戦への対応の観点も含めて外国語での情報発信の絶対量を増やす、と書かれています。
具体的にどの国のどの活動を想定しているかは、この資料には書かれていません。
国家情報局とは何ですか
内閣情報調査室を改組して2026年7月31日に発足した、政府のインテリジェンス機能を担う組織です。
概算要求の資料は、情報部門が質の高い情報を収集・分析して政策部門に提供する必要があることを、要求の理由に挙げています。
日本経済新聞は2025年12月、政府が2026年度にこれを創設する方針を決めたと報じていました。
令和9年度の要求は54.05億円で、これに加えて金額を示さない事項要求が付いています。
この72億円はどこで確認できますか
内閣官房のサイトで公開されている「令和9年度予算概算要求の概要」というPDFで確認できます。
総表が2ページ目、内閣広報室の内訳が14ページ目にあります。
内閣官房の予算・決算ページから、過去の年度の同じ資料もたどれます。
参考情報
- 内閣官房「令和9年度予算概算要求の概要」(令和8年8月)総表および各項目の内訳 https://www.cas.go.jp/jp/yosan/pdf/r9_yosan_gaisan.pdf
- 内閣官房「予算・決算」各年度の概算要求・予算案資料の一覧 https://www.cas.go.jp/jp/yosan/index.html
- 時事ドットコム「内閣官房、予算要求2.7倍 情報活動・対外発信を重視」(2026年8月27日) https://www.jiji.com/jc/article?k=2026082700839&g=pol
- 時事ドットコム「高市首相の動き、Xで積極発信 佐伯広報官、野党は『忖度』批判」(2026年6月20日) https://www.jiji.com/jc/article?k=2026062000285&g=pol
- 内閣官房「内閣広報官 佐伯 耕三(さいき こうぞう)」 https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/kanbu/2026/saiki.html
- 内閣官房「内閣衛星情報センター」組織の概要 https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/csice.html
- 日本経済新聞「『国家情報局』を創設、内閣情報調査室を改組 政府が26年度に」 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA259QZ0V21C25A2000000/
- 女性自身「『明らかにおかしい』高市政権 内閣広報費“7億から72億”の10倍超要求報道に非難殺到」(2026年9月10日) https://news.yahoo.co.jp/articles/cb9cbd2cd094907ab4db6c244284c17737a9003e
