【9/23】佐々木彩乃の法的措置とは|福岡市長選の中傷に開示請求へ

【9/23】佐々木彩乃の法的措置とは|福岡市長選の中傷に開示請求へ

福岡市長選(11月1日告示・15日投開票)に立候補を表明している佐々木彩乃氏(29)が、9月23日、インターネット上の虚偽情報や誹謗中傷に対して法的措置をとる考えを明らかにしました。本人はXへの投稿で、発信者情報の開示請求を含む手続きの準備を進めていると説明しています。家族が面識のない人物から中傷を受け、身体的な危害を受ける事案があったとして、警察に相談していると佐々木氏側が説明していることも、産経新聞が報じました。

この記事では、佐々木彩乃氏が何を表明したのか、どんな投稿が法的措置の対象になりうるのか、選挙とネット中傷に関わる法律、そして福岡市長選の日程を、報道と公的資料をもとに整理します。どの投稿が対象なのかを本人は明らかにしていないため、個別の投稿の真偽や内容には立ち入りません。

この記事でわかること

  • 表明の中身:佐々木彩乃氏は虚偽情報・誹謗中傷に対し、開示請求を含む民事・刑事の法的措置を準備していると表明しました。
  • 批判との線引き:政策や経歴への批判は受け止め、事実に基づかない投稿や人格攻撃とは区別すると説明しています。
  • 選挙と法律:候補者や候補者になろうとする人に関する虚偽の公表は、公職選挙法235条2項の対象になりえます。
目次

佐々木彩乃氏が表明した法的措置とは

佐々木彩乃氏は、事実と異なる投稿や悪質な誹謗中傷に対し、発信者情報の開示請求を含む法的手続きを準備していると表明しました。

産経新聞によると、佐々木氏は9月23日、X(旧ツイッター)に「悪意ある誤情報や誹謗中傷に屈することなく、福岡市民のみなさまと誠実に向き合う」と投稿しました。根拠のない憶測や事実と異なる投稿によって、支援者や家族、友人にまで影響が及んでいるとして「大変心苦しく思っています」とも記しています(産経新聞・Yahoo!ニュース)。

9月23日のX投稿で示した3つの対応

投稿で示された対応は、開示請求を含む法的手続きの準備、脅迫や危害の示唆への民事・刑事の措置、批判と中傷の区別の3つです。

産経新聞の記事は、悪質な投稿については発信者情報の開示請求を含む法的手続きの準備を進めているとし、脅迫や危害を示唆する行為には民事・刑事上の法的措置で対応すると伝えています。表明の時点では、訴えを起こした、あるいは告訴したという報道は確認できません。現時点は「準備を進めている」段階です。

家族への危害と警察への相談

産経新聞によると、佐々木氏は、家族が面識のない人物から中傷や身体的な危害を受けたとして、警察に相談していると説明しています。

家族の安全やプライバシーに関わるとして、事案の詳細は公表されていません。産経新聞は、この事案とネット上の投稿との因果関係は断定していないと伝えています。危害の中身や相手は報じられておらず、この記事でも、家族の件がどの投稿と結びつくのかは扱いません。

同じ日の夕方には、産経新聞が「家族が危害加えられたと警察相談」という見出しでもこの件を報じていました(産経ニュース・dメニューニュース)。

表明から声明までの流れを、日付順に並べると次のとおりです。

8月23日

高島宗一郎市長が4選不出馬を表明

9月18日

佐々木彩乃氏が無所属で立候補を表明

9月23日

Xで法的措置の準備を表明。家族の件で警察に相談

11月1日

告示(立候補の届け出)

11月15日

投票・開票

立候補表明から5日で声明を出したことになり、告示までは約5週間あります。法的な手続きの結果が選挙期間中に出るかどうかは、現時点では分かりません。

法的措置の対象になる投稿と、受け止める批判の線引き

佐々木氏は、政策・経歴への批判は受け止め、事実に基づかない投稿や人格を傷つける中傷とは区別すると説明しました。

産経新聞によると、佐々木氏は政治姿勢や政策、経歴への意見や批判は「政治を志す者として真摯に受け止めます」としたうえで、「事実に基づく批判や議論は、民主主義にとって不可欠なもの」と述べています。そのうえで、虚偽情報の拡散や人格を傷つける誹謗中傷とは明確に区別して対応するとしました。

本人が説明した対応方針にそって分けると次のとおりです。個々の投稿についての法的な判断ではありません。

区分 佐々木氏の説明 対応
政策・政治姿勢への意見 真摯に受け止める 受け止める方針
経歴への意見・批判 事実に基づく批判は民主主義に不可欠 事実に基づく批判は受け止める方針
根拠のない憶測・事実と異なる投稿 支援者や家族にまで影響が及んでいる 開示請求を含む法的手続きを準備
脅迫・危害を示唆する行為 毅然と対応する 民事・刑事の法的措置

表で分かるとおり、線を引いているのは「批判かどうか」ではなく「事実に基づくかどうか」と「人格攻撃や危害の示唆かどうか」です。ただし、どの投稿がどちらに当たるかを本人は具体的に示していません。

候補者への事実の指摘は法律でどう扱われるか

刑法は、公職の候補者に関する事実なら、真実であると証明されたときは名誉毀損として罰しないと定めています。

この特例は刑法230条の2第3項に書かれています(茨城県選挙管理委員会の資料)。候補者についての事実の指摘を、法律の側が保護している形です。佐々木氏の説明も、事実に基づく批判と、事実と異なる投稿や人格攻撃とを分けるもので、この区別と向きがそろっています。

線引きの考え方を押さえたところで、実際の手続きがどう進むのかを見ていきます。

発信者情報開示請求はどう進むのか

発信者情報開示請求は、匿名の投稿者を特定するために、SNS事業者や通信事業者に情報の開示を求める手続きです。

根拠となる法律は、旧プロバイダ責任制限法で、2025年4月に名前が「情報流通プラットフォーム対処法」に変わりました。開示請求は同法の第5条以下に定められています。裁判所が開示を命じる「発信者情報開示命令」の手続きは、名前が変わる前の2022年10月1日から使われている制度です(契約ウォッチ)。

一般的な流れを段階に分けると、次のようになります。

1 証拠の保全

投稿のURL・日時・画面を記録する

2 開示の請求

SNS事業者に請求、または裁判所に開示命令を申し立てる

3 投稿者の特定

通信事業者から契約者の情報が開示される

4 責任の追及

損害賠償の請求や刑事告訴を検討する

佐々木氏が表明したのは、この流れのうち開示請求を含む「準備」の段階です。開示が認められるには、投稿が権利を侵害していることが明らかであることなどが求められ、請求すれば必ず投稿者が分かるわけではありません。

情報流通プラットフォーム対処法で何が変わったか

2025年4月1日の施行で主に変わったのは削除対応で、大手SNS事業者に迅速な対応と運用状況の公表が義務づけられました。

総務省によると、同法は2025年4月1日に施行されました(総務省 令和7年版情報通信白書)。大規模なプラットフォーム事業者として、X Corp.やGoogle、LINEヤフー、Meta、TikTokなどが指定されています(総務省 インターネット上の違法・有害情報への対応)。被害の相談先として、総務省は「違法・有害情報相談センター」を案内しています。

削除は投稿を消す手続き、開示請求は投稿者を特定する手続きで、目的が違います。佐々木氏の表明は後者を含む点が特徴です。

選挙のネット中傷に関わる法律

選挙に関するネット上の中傷には、公職選挙法の虚偽事項公表罪と、刑法の名誉毀損罪・侮辱罪などが関わります。

公職選挙法235条2項は、当選を得させない目的で、公職の候補者や候補者になろうとする人について虚偽の事項を公にしたり、事実をゆがめて公にしたりした人を罰すると定めています(e-Gov法令検索 公職選挙法)。

関係する主な罪を並べると次のとおりです。

罪名 条文 当たる行為 法定刑
虚偽事項公表罪 公職選挙法235条2項 当選を得させない目的で、候補者や候補者になろうとする人について虚偽を公にする 4年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金
名誉毀損罪 刑法230条1項 公然と事実を示して人の名誉を傷つける 3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金
侮辱罪 刑法231条 事実を示さずに公然と人を侮辱する 1年以下の拘禁刑もしくは30万円以下の罰金、または拘留もしくは科料

表の法定刑は、現行の公職選挙法と刑法(e-Gov法令検索)の条文の表記に合わせています。侮辱罪は2022年7月7日に「拘留又は科料」だけだった刑が引き上げられました(法務省 侮辱罪の法定刑の引上げQ&A)。自治体の配布資料には「懲役若しくは禁錮」と古い表記のものが残っているので、読み比べるときは注意してください。

告示前の立候補表明者も対象になるか

公職選挙法235条2項は「公職の候補者となろうとする者」も対象と書いており、告示前の表明者も文言上は含まれます。

佐々木氏は11月1日の告示を前に立候補を表明した段階で、法律上の「候補者」ではありません。ただし条文は「候補者となろうとする者」も対象に含めています。実際にこの罪が成り立つかは、当選を得させない目的があったか、公にした内容が虚偽かなど、個別の事情で判断されます。この記事は、特定の投稿がこの罪に当たると判断するものではありません。

Q. ネットの投稿を拡散しただけでも罪になりますか?

A. 拡散も内容を広める行為として問題になる場合があります。茨城県選挙管理委員会は、情報をよく確かめないままSNSに投稿すると誤った情報をさらに広めるおそれがあると呼びかけています。

法律の枠組みを確認したうえで、選挙そのものの状況を整理します。

福岡市長選2026の日程と立候補表明者

福岡市長選は11月1日告示・15日投開票で、9月24日までに佐々木氏を含む10人が立候補を表明しています。

現職の高島宗一郎市長は4期目の任期満了で退き、立候補しない考えを示しています(経緯は「高島宗一郎が福岡市長選不出馬|4期16年で退く理由」)。日本経済新聞は、佐々木氏の表明で立候補表明者が8人となり、2010年の最多に並んだと報じました(日本経済新聞)。翌19日には日本保守党の森健太郎氏が、24日には私立中学・高校の校長で学校法人理事長の神野元基氏(41)が表明し、TNCテレビ西日本によると出馬会見をした人は計10人になりました(TNCテレビ西日本)。RKB毎日放送は、10人目の表明で過去最多になったと伝えています(RKB毎日放送・Yahoo!ニュース)。

表明日順に並べると次のとおりです。

表明日 氏名 年齢 肩書・党派
8月26日 渡辺久也 58 会社社長、元経済産業省職員。無所属
9月3日 新村優 46 元市議。無所属
9月3日 荒牧明楽 41 民間教育機関講師
9月11日〜12日 調崇史 48 元市議。自民党福岡市議団が擁立
9月15日 井上潔 56 行政書士。減税日本が擁立
9月17日 阿部秀樹 31 元市議、麻酔科医。無所属
9月17日 永澤幹太 33 NPO法人代表理事。無所属
9月18日 佐々木彩乃 29 一般社団法人代表理事。無所属
9月19日 森健太郎 48 AI・ITエンジニア。日本保守党公認
9月24日 神野元基 41 私立中学・高校の校長、学校法人理事長。無所属の意向(読売)

表明者の数や順番は報道の時点で数え方が異なり、日経の「8人目」は森氏の表明前の数え方です。8人目までの表明日と肩書は、当サイトの9月21日時点の記事「福岡市長選2026の候補者は9人|11月15日投開票の日程と再選挙の可能性」に基づいています。

佐々木彩乃氏はどんな人物か

佐々木彩乃氏は29歳の一般社団法人「カタリスト九州」代表理事で、九州大学法学部を卒業した経営コンサルタント出身です。

読売新聞によると、佐々木氏は九州大学法学部を卒業し、経営コンサルティング会社勤務を経て、産業支援を行う一般社団法人「カタリスト九州」の代表理事を務めています。9月18日の会見では、高島市政について「強固な成長基盤が築かれた。守るべきものは守り、変えるべきものは変え」と述べ、市内進出企業への支援や防災力の強化を掲げました(読売新聞・Yahoo!ニュース)。

読売新聞は、今回の福岡市長選で女性が出馬の意向を示したのは初めてと伝えています。経歴の詳細や過去の発言は「佐々木彩乃は保守か?福岡市長選に出馬表明した29歳の経歴と過去の発言」で整理しています。

有権者がネット上の候補者情報で気をつけること

候補者の情報は、情報源・発信者・他の報道・画像の真偽の4点を確かめてから受け取り、広めるかを決めることが大切です。

茨城県選挙管理委員会の資料は、ネット上の情報について、①情報源はどこか、②発信者はその分野の専門家か、③他のメディアはどう伝えているか、④添えられた画像は本物か、の4点を確かめるよう呼びかけています(茨城県選挙管理委員会)。

公職選挙法142条の7は、候補者への悪質な誹謗中傷など、表現の自由を濫用して選挙の公正を害することのないよう、インターネットの適正な利用に努めるべきことを定めています。同じ資料は、感情が揺さぶられたときほど拡散を少し待つことを勧めています。

確かめる先は、目的ごとに次の3つに分けると迷いません。

  • 法的措置の進み具合:佐々木氏本人のXでの発信と、産経新聞など発信元が明示された報道。まとめサイトや切り抜き動画だけで判断しない
  • 選挙の日程・投票所:福岡市選挙管理委員会の告知ページ(告示11月1日、期日前投票11月2日〜14日、投票11月15日)
  • 候補者の政策:各候補者の公式サイトや会見を報じた記事。告示後は選挙公報

出どころの分からない投稿を見つけたら、すぐに拡散せず、上の一次情報と照らし合わせてから判断してください。

今後の焦点

今後の焦点は、開示請求などの手続きが実際に始まるか、その進み具合が告示までに公表されるかです。

現時点で報じられているのは法的手続きの「準備」で、裁判所への申し立てや告訴に至ったとの報道はありません。家族の事案についても、警察の捜査がどう進んでいるかは公表されていません。新しい事実が出た時点で、この記事に追記します。

(編集部分析)ネット上の中傷から候補者と家族を守ることは、選挙に出る人を確保するうえで欠かせません。一方で、有権者にとって候補者の経歴や資金、政策の根拠を問うことは欠かせません。佐々木氏が「事実に基づく批判は民主主義に不可欠」と自ら線を引いた以上、今後の対応がその線どおりに運ばれるかが問われると評価できます。批判する側にも、事実と推測を分けて書く責任があります。

佐々木彩乃氏の法的措置のよくある質問

9月25日時点で、佐々木氏の法的措置は準備の段階で、対象の投稿や訴えの有無は明らかになっていません。

Q. 佐々木彩乃氏はもう誰かを訴えたのですか?

A. 9月25日時点で、訴えや告訴を起こしたとの報道は確認できません。9月23日の表明は、開示請求を含む法的手続きの準備を進めているという内容です。

Q. ネットで中傷を受けたとき、どこに相談できますか?

A. 総務省は、削除の求め方などの相談先として「違法・有害情報相談センター」を案内しています。脅迫や危害のおそれがあるときは、佐々木氏の家族の件と同じく警察への相談が選択肢になります。

出典の一覧は次の参考情報にまとめています。

参考情報

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