【9/14】佐藤沙織里都議が辞職願を提出、議長許可で辞職成立|「撤回の撤回」の経緯と千代田区補欠選挙の期限

【9/14】佐藤沙織里都議が辞職願を提出、議長許可で辞職成立|「撤回の撤回」の経緯と千代田区補欠選挙の期限

東京都議会の佐藤沙織里(さとう・さおり)都議(千代田区選出・無所属)が2026年9月14日午前、都議会事務局に辞職願を提出しました。8月29日に辞職の意向を示し、9月4日にいったん撤回していたため、「撤回の撤回」という形になります。都議会は同日、辞職願が議長に許可されたと明らかにしました(読売新聞)。閉会中の地方議員の辞職は議長の許可で成立するため、佐藤氏は9月14日付で都議ではなくなりました。千代田区(定数1)は欠員となり、都選挙管理委員会が通知を受けてから50日以内に補欠選挙が行われます。

この記事でわかること

  • 9月14日に起きたこと:辞職願を都議会事務局に提出。本人は動画で「議席をお返しするのが筋」と説明しました。
  • 辞職は成立したか:都議会は閉会中のため、地方自治法126条により議長の許可で成立します。都議会は14日、議長が許可したと明らかにしました。
  • 千代田区の補欠選挙:定数1の選挙区なので欠員1人で補選の対象です。選管が通知を受けてから50日以内が期限で、試算では11月上旬までになります。
目次

佐藤沙織里都議は9月14日に何をしたのか

都議会に辞職願を提出し、同じ日に議長が許可しました。9月4日の辞職撤回を自ら覆した形です。

産経新聞は「14日午前、都議会事務局に議員辞職願を提出した」と伝え、読売新聞は関係者を通じて提出したと報じています。都議会は14日夕方までに、辞職願が議長に許可されたことを明らかにしました。同じ日、本人は自身のYouTubeチャンネルに動画を投稿しました。東京スポーツが引用した発言では、冒頭で「本日、議員辞職をいたしました。すでに東京都議会の方には辞職届を提出済みです」と話しています。

項目 9月14日時点で報じられている内容
提出したもの・提出先 議員辞職願/都議会事務局。関係者を通じて提出(産経新聞・読売新聞)
本人 佐藤沙織里 都議(37)・千代田区選出・無所属
本人の説明 「今までと同じ前提で議員活動を続けていくことが困難」(読売新聞・東京スポーツ)
議長の対応 14日に許可(都議会が明らかにした・読売新聞)。産経新聞は増子博樹議長が18日の開会を控え速やかに許可する方針と伝えていた
都議会の日程 第3回定例会は9月18日〜10月8日(21日間)。14日は閉会中
辞職の成立 9月14日(閉会中のため議長の許可で成立)

表のとおり、辞職願の提出から議長の許可までが1日のうちに進みました。8月29日の表明から数えて17日目で、議席は正式に空いたことになります。

「議席をお返しするのが筋」と本人は説明した

議員の責任を果たせる状況にないため、議席を返すと本人は述べました。私的な事情の中身は明かしていません。

東京スポーツによると、佐藤氏は「東京都議会議員という仕事はただ議席に座っていればいいというものではなくて、都民の負託を受けた以上は精いっぱいの責任を持って行う仕事だと思います」と話しました。続けて「今の自分にはその責任をまっとうできるような状況に置かれていない。こうなった以上議席をお返しするのが筋だと判断しました」と述べています。

私的な事情については「今までお話しさせていただいた内容以上のことは公表を差し控えさせていただければ」としています。本人の生活や体調に関わる発言を伝える報道もありますが、本記事では扱いません。辞職の是非を判断する材料は、あくまで議会の手続きと本人が公に述べた理由です。

支援者と政界関係者に謝罪した

辞職に至ったことについて、応援してきた人と相談に乗った政界関係者に「心よりお詫び」と述べました。

動画では「今まで応援してくださった皆さま、支援してくださった皆さま」「相談に乗って下さった政界関係者の皆さま」に向けて、「大変なご心配とご迷惑をおかけしました。心よりお詫び申し上げます」と話しています(東京スポーツ)。9月4日の撤回は、政治関係者との相談を経て決めたものでした。その関係者に対しても、今回の判断を詫びた形です。

なぜ一度撤回した辞職を再び表明したのか

撤回の根拠だった「解決の道筋」が実現しなかったためだと、本人は説明しています。

佐藤氏は8月29日、動画で議員辞職の意向を示しました。そのとき挙げた理由は「今後の人生に大きく関わる事情が重なった」というもので、詳細は公表しませんでした。9月4日夜の動画では一転して撤回を表明します。毎日新聞と産経新聞によると、身近な人を巡るトラブルを辞職の理由に挙げたうえで、多くの政治関係者と相談するなかで「解決できる道筋がありそうだ」と判断したと説明していました。

14日の動画では、この道筋について「一種の道筋が見えてきたので、このまま議員を続けさせていただくという話をさせていただいた。しかし、その道筋は幻のようなもので現実と向き合う中で、その道を現実のものとして歩んでいくことが難しいという決断に至りました」と述べています(東京スポーツ)。

表明・撤回・再表明の17日間
8月29日
YouTubeで議員辞職の意向を表明
辞職願は出さず
9月4日夜
YouTubeで辞職の撤回を表明
「解決の道筋がありそう」
9月14日午前
都議会事務局に辞職願を提出
YouTubeで再表明
9月14日
議長が許可
辞職が成立

8月29日から9月4日までの間、辞職願は提出されていませんでした。だからこそ撤回が法的に何の手続きもなく成り立ちました。今回は辞職願が実際に出ている点が、前の2回と決定的に違います。そのうえで同日中に議長の許可まで進み、撤回の余地はなくなりました。8月の表明と撤回の経緯は、8月30日の記事9月6日の記事で整理しています。

辞職は正式に成立したのか

成立しました。議会は閉会中だったため、9月14日に議長が許可した時点で辞職が確定しています。

地方自治法126条は「普通地方公共団体の議会の議員は、議会の許可を得て辞職することができる。ただし、閉会中においては、議長の許可を得て辞職することができる」と定めています。都議会の第3回定例会は9月11日に告示され、会期は9月18日から10月8日までです。14日は閉会中にあたるため、許可したのは議長です。

18日の開会を待たずに議長が許可した

開会後なら本会議で許否を決める必要がありましたが、議長は閉会中のうちに許可しました。

産経新聞は14日午後、増子博樹議長が「9月定例議会の18日開会を控え、速やかに辞職を許可する方針」だと伝えていました。その方針どおり、許可は提出と同じ日に出ています。許可が開会後にずれ込んでいれば、本会議で議会が許否を決める経路になっていました。どちらの場合も、決めるのは議会側であって本人ではありません。

佐藤氏は都議会で1人会派「やちよの会」に所属していたため、辞職の成立で会派の所属議員はいなくなり、千代田区の1議席は補欠選挙で選ばれる人が決まるまで空席になります。その間、千代田区選出の都議はいない状態で定例会の審議が進むことになります。

昼の時点では「議長が許可すれば」と報じられていた

提出が伝わった昼の段階では、辞職はまだ成立していませんでした。許可が明らかになったのは同日夕方です。

佐藤氏は動画で「本日、議員辞職をいたしました」と話しましたが、東京新聞の昼の記事の見出しは「議長が許可すれば正式に辞職へ」、読売新聞も当初は「議長が許可すれば、辞職が認められる」と伝えていました。読売新聞は17時42分配信の記事で「議長に許可された」と報じています。辞職願の提出は手続きの入り口で、議長の許可が出て初めて議席が空きます。

千代田区の補欠選挙はいつ行われるのか

選挙管理委員会が欠員の通知を受け取ってから50日以内です。試算すると11月上旬までに行われます。

手続きの順番は公職選挙法で決まっています。議員に欠員が出ると、議長は欠員が生じた日から5日以内に都選挙管理委員会へ通知します(111条1項3号)。都道府県議会の定数1の選挙区は、欠員が1人でも補欠選挙の対象です(113条1項5号)。そして選挙は、選管が通知を受けた日から50日以内に行います(34条)。任期満了前6か月以内なら行わない規定もありますが、今の任期は2029年夏までなので当てはまりません。

補欠選挙までの期限の試算(通知日は仮定)
段階 根拠 早い場合の例 期限いっぱいの例
議長の許可=欠員 地方自治法126条 9月14日 9月14日
議長から都選管へ通知 公選法111条(5日以内) 9月14日(仮定) 9月19日(仮定)
補欠選挙の期限 公選法34条(50日以内) 11月3日まで 11月8日まで

この表は、許可が出た9月14日を起点に、通知が同日に届いた場合と5日後に届いた場合を並べた計算です。実際の投票日は都選管が決めて告示するもので、本記事の時点では発表されていません。

2025年都議選の次点が繰り上がることはない

選挙から3か月を過ぎているため、次点の繰り上げ当選は原則としてできません。補欠選挙で選び直します。

公職選挙法112条5項は、地方議員の繰上補充を選挙の期日から3か月以内に限っています(得票が同数でくじになった場合などを除く)。前回の都議選は2025年6月22日で、1年以上が過ぎています。次点だった候補が自動的に議席を得る道はありません。

千代田区選挙区は前回どんな選挙だったのか

定数1に7人が立ち、佐藤氏が都民ファーストの会の現職を246票差で破りました。上位3人が6千票台以上で並ぶ接戦です。

2025年6月22日 東京都議会議員選挙・千代田区選挙区(定数1)
候補者 党派 得票数
佐藤沙織里(当選) 無所属 7,232
平慶翔 都民ファーストの会 6,986
林則行 自由民主党 6,134
木村正明 日本共産党 2,093
内田直之 無所属 1,767
やなぎさわ誉之 再生の道 1,004
ナカジマケンジ 諸派 153

数字は東京都選挙管理委員会の開票結果によります。産経新聞は、無所属の新人が既存政党の候補を破ったこの結果が当時「千代田区ショック」と話題になったと伝えています。補欠選挙では、この構図がどう変わるかが焦点になります。立候補の意向を示した人物は、14日時点で主要報道では確認できません。

政務活動費の動画収益をめぐる問題はどうなるのか

決着は報じられていません。辞職との関係も、本人は理由として挙げていません。

産経新聞は14日の記事でも、この問題を背景として再掲しています。佐藤氏は2025年10月に政務活動費を使って開いた会合の様子を自身のYouTubeチャンネルで配信し、都側から動画で得た収益の「返納」を求められて対立していました。都議会側は、政務活動費を充てた活動から得た収益は会派へ還元し政務活動費から控除すべきで、YouTubeに限らず全会派・全議員に共通して求めていると説明しています。

収益の実額や返納の実施は公表されていません。辞職が成立した後にこの扱いがどうなるかも、14日時点では報じられていません。本記事は、辞職の原因をこの問題と結びつけて断定しません。

何が確定していて、何が未確認なのか

確定しているのは辞職願の提出と議長の許可、つまり辞職の成立までです。補選の投票日と立候補者は未確認です。

項目 確認済み(報道・公式) 未確認
辞職願 9月14日午前に都議会事務局へ提出
議長の許可 9月14日に許可(辞職成立)
補欠選挙 定数1のため欠員1人で対象・通知受領から50日以内 投票日・告示日・立候補者
理由 「今までと同じ前提で議員活動を続けることが困難」 私的な事情の詳細(本人が非公表)
動画収益の問題 都側が返納を求め対立 実額・返納の実施・辞職との関係

次に動くのは都選挙管理委員会です。補欠選挙の告示日と投票日が発表されれば、右の欄の補欠選挙の行が埋まります。千代田区に住む有権者の方は、東京都選挙管理委員会のホームページで補欠選挙の告示を確認し、投票日と期日前投票の期間を押さえておいてください。

よくある質問

Q. 佐藤沙織里都議はもう議員ではないのですか?

A. 9月14日付で議員ではなくなりました。

閉会中の都議会では議長の許可で辞職が成立します。都議会は14日、辞職願が議長に許可されたと明らかにしました。

Q. 今回も撤回される可能性はありますか?

A. ありません。辞職願が議長に許可され、辞職はすでに成立しています。

8月の表明と違い、今回は辞職願の提出と許可という手続きを経ています。本人も「議席をお返しするのが筋」と述べていました。

Q. 千代田区の補欠選挙はいつですか?

A. 投票日はまだ決まっていません。

公職選挙法では、議長は欠員から5日以内に都選管へ通知し、選管は通知を受けてから50日以内に選挙を行います。許可が出た9月14日を起点にすると、期限は11月上旬になる計算です。

Q. 前回の次点だった候補が繰り上がりませんか?

A. 繰り上がりません。

地方議員の繰上補充は選挙から3か月以内に限られ、2025年6月の都議選から1年以上たっているためです。

Q. 辞職の理由は何ですか?

A. 本人は「今までと同じ前提で議員活動を続けていくことが困難となった」と述べ、私的な事情の詳細は公表を控えています。

9月4日の撤回の根拠だった「解決の道筋」は「幻のようなもの」だったと説明しました。

参考情報

本記事は2026年9月14日夕方時点で報道・公表されている情報に基づいています。補欠選挙の日程は、都選挙管理委員会の発表を確認でき次第この記事に追記します。

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