【10/27】新東名で原付事故、88歳男性死亡|藤枝岡部〜島田金谷で衝突、高速に入れない原付の誤進入は年1,105件

2026年10月27日、静岡県藤枝市の新東名高速道路の下り線で、50ccの原付バイクとワンボックスカーが衝突し、原付に乗っていた88歳の男性が亡くなりました。原付は法律で高速道路を走れないため、警察は原付がどこから新東名に入ったのかを調べています。この記事では、静岡放送・テレビ静岡・静岡朝日テレビの報道をもとに事故の事実と通行止めの経過を整理し、原付が高速道路に入れない決まり、NEXCO中日本が公表している誤進入の件数と対策、見かけたときの通報先までをまとめます。

この記事でわかること

  • 事故の事実:10月27日、藤枝市助宗の新東名下り線で原付とワンボックスカーが衝突し、静岡市清水区の88歳男性が死亡しました。発生時刻は報道によって食い違っています。
  • 原付が高速道路に入れない理由:125cc以下の原付、自転車、歩行者は、道路法と高速自動車国道法で高速道路などの通行が禁止されています。
  • 誤進入の実態と通報先:NEXCO中日本の管内では2022年度に年1,105件の誤進入があり、半数以上が原付でした。見かけたら道路緊急ダイヤル#9910、危険が迫るときは110番です。
目次

新東名の原付事故とは|10月27日に藤枝市で88歳男性が死亡

10月27日、新東名下り線の藤枝市助宗付近で原付と車が衝突し、原付の88歳男性が亡くなった事故です。

静岡放送(SBS)によると、亡くなったのは静岡市清水区に住む無職の88歳の男性で、50ccの原付バイクを運転していました。死因は多発外傷です。衝突したワンボックスカーを運転していた大阪市浪速区に住むベトナム国籍の39歳の男性にけがはありませんでした。静岡放送は、男性が乗っていた原付はスクーターの形ではなかったと伝えています。

事故の当事者と車両

原付は50ccで、乗っていたのは88歳の男性1人、相手はワンボックスカーで運転手にけがはありません。

テレビ静岡によると、ワンボックスカーの運転手は警察に「バイクと接触したが、バイクがどこへ行ったか分からない」という趣旨の通報をしました。警察と消防が付近を調べたところ原付が見つかり、運転していた男性の死亡が確認されました。どちらの車が、どの車線を、どの向きに走っていたのかは、10月28日朝の時点の報道では明らかになっていません。

発生時刻は報道によって食い違う

発生や通報の時刻は、午後4時20分頃、午後6時20分すぎ、午後6時半ごろと、媒体ごとに違います。

3つの報道が伝えている時刻を並べます。どれが正しいかは、警察の発表が出るまで決められません。

報道 伝えた時刻 原付の男性について
静岡朝日テレビ(27日20時55分配信) 午後6時半ごろ 意識不明の重体(第一報)
テレビ静岡(27日23時15分配信) 午後6時20分すぎ(発生か通報かは報道によって読み方が分かれる) 高齢とみられる男性が死亡
静岡放送(28日2時40分配信) 午後4時20分頃に110番通報 88歳の男性が死亡

静岡朝日テレビの第一報はバイクの男性を「意識不明の重体」と伝え、その後の報道で死亡が確認されました。時刻の違いは、通報の時刻と発生の時刻のどちらを書いたかの違いの可能性もありますが、報道からは確かめられません。

通行止めはいつ解除されたか|藤枝岡部IC〜島田金谷ICは午後11時14分に解除

新東名下り線の藤枝岡部IC〜島田金谷IC間は通行止めになり、27日午後11時14分に解除されました。

静岡放送によると、通行止めは27日午後6時50分から約4時間半続きました。テレビ静岡も、午後11時の時点で同じ区間の通行止めが続いていたと伝えています。10月28日朝の時点で、この事故による通行止めは続いていません。

項目 内容
路線と向き 新東名高速道路 下り線(名古屋方面)
現場 静岡県藤枝市助宗
通行止めの区間 藤枝岡部IC〜島田金谷IC
通行止めの時間 27日午後6時50分から約4時間半(静岡放送)
解除 27日午後11時14分(静岡放送の交通情報)

事故の発生から通行止めまでの間に時間差があるかどうかは、上の時刻の食い違いがあるため、はっきりしません。

27日夕方から28日未明までの流れ

午後6時50分に通行止めが始まり、午後11時14分に解除、28日午前2時40分に88歳男性の死亡が報じられました。

事故の発生と通報の時刻は上の表のとおり報道ごとに違い、どちらが先かも決められないので、この図には入れていません。図にしたのは、各社の伝えた時刻が食い違っていない通行止め以降の流れです。

27日 午後6時50分 藤枝岡部IC〜島田金谷ICが通行止め(静岡放送)
27日 午後8時55分 静岡朝日テレビが「バイクの男性が意識不明の重体」と第一報
27日 午後11時14分 通行止めを解除(静岡放送の交通情報)
28日 午前2時40分 静岡放送が「88歳の男性が死亡」と配信

第一報の段階では年齢も分からず「重体」とされていたものが、深夜から未明にかけて死亡と身元が報じられた形です。進入の経路と事故の原因は、この時点でもまだ分かっていません。

原付はなぜ高速道路を走れないのか|125cc以下は法律で通行禁止

125cc以下の原付は、道路法と高速自動車国道法により、高速道路などの自動車専用道路を通れません。

NEXCO中日本のドライバーズサイトは、高速道路などの自動車専用道路では原付、自転車、歩行者の通行が禁止されているとし、根拠として道路法第48条の11と高速自動車国道法第17条を挙げています(NEXCO中日本 ドライバーズサイト「誤進入」)。同じページは「原付(125cc以下)は高速道路には入れません」とし、50cc以下を第一種、51〜125ccを第二種と分けています。

50ccと125ccの呼び方の違い

51〜125ccは交通ルールの上では「小型二輪」と呼ばれますが、高速道路に入れないのは50ccと同じです。

バイクの区分は法律によって呼び方が変わるため、混同しやすいところです。高速道路の通行について、NEXCO中日本の案内に沿って並べます。

排気量 NEXCO中日本の案内での呼び方 高速道路
50cc以下 原付(第一種) 通れない
51〜125cc 原付(第二種) 通れない
126cc以上 (原付ではない) 通れる
自転車・歩行者 ― 通れない

今回の原付は50ccと報じられているので、表の一番上に当たり、新東名を走ることはできない車両でした。

原付はどこから高速道路に入ってしまうのか|ナビの案内と標識の見落とし

過去の事例では、スマホのナビアプリに案内されたり、標識が分からなかったりして入ってしまう例が挙げられています。

乗りものニュースは2022年、NEXCO中日本への取材をもとに、保護された人の話から分かった原因として、原付と自転車ではナビアプリによる誘導や、外国人で標識が分からなかったことを挙げ、歩行者では認知症や酒に酔っていたことを挙げています(乗りものニュース 2022年9月24日)。NEXCO中日本も、原付がナビアプリの案内で誤って高速道路に入る事故を防ぐ取り組みを進めていると説明しています(NEXCO中日本 お知らせ「誤進入注意ポイント案内」)。

今回の進入経路は警察が調べている

今回の原付がどこから、なぜ新東名に入ったのかは分かっておらず、警察が経緯を調べています。

静岡放送とテレビ静岡はいずれも、警察が原付の進入した経路を調べる方針だと伝えています。上に挙げた原因はほかの事例から分かった一般的な傾向で、今回の男性に当てはまるかどうかは分かりません。亡くなった男性の事情を推し量ることはせず、警察の発表を待ちます。

高速道路への誤進入はどれくらい起きているか|NEXCO中日本管内で年1,105件

NEXCO中日本の管内では、2022年度に原付・自転車・歩行者の誤進入が1,105件あり、54%が原付でした。

NEXCO中日本の発表と、乗りものニュースが伝えた同社管内の件数を並べます。数字の出どころと集計の区切りが違うので、表に分けて書きます。

期間 誤進入の件数(NEXCO中日本管内) 出どころ
2012年 474件 乗りものニュース(2022年9月)
2019年 1,009件 同上
2020年 882件 同上
2021年 873件 同上
2022年度 1,105件(うち原付54%) NEXCO中日本の発表

2012年から2021年は乗りものニュースが伝えた「年」の数字、2022年度はNEXCO中日本が発表した「年度」の数字で、区切りが違うため一本の推移としては比べられません。それでも、原付・自転車・歩行者の誤進入は、NEXCO中日本の管内だけで年に数百件から千件を超える規模で起きています。乗りものニュースは、2020年と2021年の減少について、外出の自粛や外国人観光客の減少に加え、2019年度から料金所などに設けた路面シールやポール、カラー舗装の効果もあると伝えています。

誤進入を防ぐ対策は何があるか|カラー舗装とナビの注意案内

NEXCO中日本は、出入口のカラー舗装や路面シール、ナビアプリでの注意案内、啓発動画で誤進入を防いでいます。

同社が公表している対策を、入口に近づく順に並べます。

出かける前
ナビアプリを「高速道路等を使わない経路案内」に設定する(動画とチラシで呼びかけ)
→
入口に近づく
「配達NAVITIME」が誤進入しやすい地点を画面と音声で知らせる(2024年3月26日から)
→
入口の手前
自動車専用の標識、「入らないで」の看板、緑色のカラー舗装、路面シール、ポール

ナビの注意案内は、NEXCO中日本を含む高速道路会社6社とナビタイムジャパンの連携で始まったもので、「この先、正面に高速入口があります。ご注意ください。」と音声で知らせます。啓発の動画とチラシは日本語のほか、英語、中国語、韓国語、ベトナム語でも用意されています。

乗りものニュースによると、NEXCO中日本は2020年と2021年の件数の減少について、交通量や外国人観光客の減少に加え、料金所などの対策の効果もあると考えているとしています。

(編集部分析)入口の舗装や看板は「入ってしまう前」に気づかせる仕組みです。一方で、ナビの注意案内が提供されているのは配達向けのアプリで、日常の移動で原付を使う人すべてに届くわけではありません。原付に乗る本人と家族が、使っているナビの設定を一度確かめておくことも、手元でできる備えの一つです。

高速道路で原付や歩行者を見かけたらどうするか|#9910か110番へ

見かけたら道路緊急ダイヤル#9910へ通報し、事故が起きそうなど危険が迫るときは110番します。

NEXCO中日本は、高速道路で原付・自転車・歩行者を見かけたときの通報先として、道路緊急ダイヤル#9910(24時間・通話料無料)を案内しています。LINEの「国土交通省道路緊急ダイヤル(#9910)」の公式アカウントからも通報できます。人がはねられそう、事故が起きたなど命に関わるときは、ためらわずに110番します。

#9910とはどこにつながる番号か

#9910は国土交通省の道路緊急ダイヤルで、道路の異状や危険を24時間・無料で知らせる番号です。

落下物や道路の穴などと同じく、高速道路に原付や歩行者がいるときも、NEXCO中日本はこの番号への通報を案内しており、通報する人が高速道路会社ごとの番号を調べる必要はありません。一方で、事故が起きた、人が倒れているなど、けが人の救助が必要な場面は警察と消防の出番です。命に関わると感じたら、迷わず110番を選びます。

運転中に電話をかけない

運転中に手で持って通話するのは道路交通法で禁止されているため、同乗者がかけるか安全な場所で止まってからかけます。

高速道路の本線や路肩に止まるのはそれ自体が危険です。運転している人が1人なら、次のパーキングエリアやサービスエリアに入ってから通報します。場所は、見かけた路線、上り・下りの別、近くのインターチェンジや道路の脇に立つキロポストの数字を伝えると早く伝わります。

家族に原付に乗る人がいる場合

使っているナビアプリを「高速道路を使わない」設定にし、自宅の近くの高速道路の入口を一緒に確かめておきます。

NEXCO中日本は、原付に乗る人がスマホのナビを使うときは「高速道路等を使わない経路案内」に設定するよう呼びかけています。一般道と高速道路の入口が近い場所や、入口の分かれ道が分かりにくい場所は、乗る本人と家族で地図を見て確かめておくと迷いにくくなります。

(編集部分析)車を手放したあと、原付を暮らしの足にしている高齢の人もいます。原付に乗ること自体を責めるのではなく、よく通る道の入口や、夕方以降の暗い時間の走り方を家族で話しておくことが、事故を防ぐ現実的な手立てだと考えます。今回の事故で男性がなぜ新東名に入ったのかは分かっておらず、ここで述べたのは一般的な備えです。

新東名の原付事故のよくある質問

Q. 自転車や電動キックボードも高速道路に入れませんか。

A. 自転車は、NEXCO中日本の案内で原付・歩行者と並んで通行禁止とされています。電動キックボードのうち「特定小型原動機付自転車」は名前のとおり原付の一種で、高速道路は通れません。

Q. 相手の車の運転手は罪に問われますか。

A. 10月28日朝の時点で、運転手が逮捕されたという報道はありません。事故の原因は警察が調べているところで、責任の有無は分かっていません。

Q. 新東名の今の通行止めや渋滞はどこで確かめられますか。

A. NEXCO中日本の道路交通情報サイト「アイハイウェイ中日本」で、区間ごとの通行止め・渋滞・規制をその場で見られます。出かける前に、走る区間を入れて確かめておくと安心です。

これから新東名を走る人は、アイハイウェイ中日本で走る区間の規制を確かめてから出かけてください。警察が原付の進入経路や事故の原因を発表したら、この記事に追記します。

参考情報

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