【10/4告示】横浜市長選に7人立候補|山中前市長の出直し出馬と争点・投票日

横浜市長選挙が2026年10月4日に告示され、午前11時時点で7人が立候補を届け出ました。投開票は10月18日です。職員へのパワーハラスメントが第三者調査で認定され、9月7日に辞職した山中竹春前市長(54)が出直し出馬し、自民・維新・国民の県組織が推薦する弁護士の原沢敦美氏(59)、立憲民主党県連が支援する前衆院議員の中谷一馬氏(43)ら新人6人と争います。

この記事では、立候補者7人の顔ぶれと推薦・支援の構図、投票日と期日前投票の日程、出直し選挙になった経緯、主な争点を、告示日の報道と市の公式情報をもとに整理します。届け出の受け付けは告示日の午後5時までのため、人数は午前11時時点の報道の数字です。

この記事でわかること

  • 立候補者:届け出順に藤川祥子氏、山中竹春氏、中谷一馬氏、原沢敦美氏、福山敦士氏、山本理顕氏、浅賀由香氏の7人(午前11時時点)です。
  • 日程:投開票は10月18日(日)、期日前投票は10月5日(月)から17日(土)までです。
  • 争点:パワハラが認定された山中前市長の市政を続けるかどうかが最大の争点で、ハラスメント対策、山下ふ頭の再開発、IR(カジノを含む統合型リゾート)も論点になっています。
目次

横浜市長選の立候補者は誰か 告示日に7人が届け出

立候補したのは前職の山中竹春氏と新人6人の計7人で、共産党公認の浅賀由香氏を除く6人が無所属です。

時事通信によると、午前11時までに届け出たのは、届け出順に市民団体代表の藤川祥子氏(51)、前職の山中竹春氏(54)、前衆院議員の中谷一馬氏(43)、弁護士の原沢敦美氏(59)、会社経営の福山敦士氏(37)、建築家の山本理顕氏(81)、共産党神奈川県委員会副委員長の浅賀由香氏(46)です(時事通信)。原沢氏の名字は、テレビ神奈川(tvk)が「原澤」と表記しています。7人の肩書と推薦・支援を表にまとめます。

届け出順 氏名(年齢) 肩書・党派 推薦・支援
1 藤川祥子(51) 市民団体代表・無所属新人 なし
2 山中竹春(54) 前市長・無所属前職 政党の支援は受けない方針。横浜港運協会などが支援
3 中谷一馬(43) 前衆院議員・無所属新人 立憲民主党県連が支援
4 原沢敦美(59) 弁護士・無所属新人 自民・維新・国民の県組織が推薦、公明市議団が支持
5 福山敦士(37) 会社経営・無所属新人 参政党が推薦
6 山本理顕(81) 建築家・無所属新人 報道では言及なし
7 浅賀由香(46) 共産党県委員会副委員長・共産新人 共産党公認

表のとおり、主要政党の支援は原沢氏、中谷氏、福山氏、浅賀氏の4人に分かれ、前職の山中氏は政党ではなく港湾関係の団体を後ろ盾にしています。共同通信は、7人のうち共産候補以外の6人が無所属だと伝えています(共同通信)。

告示前の予想と顔ぶれはどこが違ったか

告示前に名前が挙がった会社社長の馬場慎一郎氏は午前11時時点で届け出ておらず、建築家の山本理顕氏が加わりました。

神奈川新聞(カナロコ)は告示前日の10月3日、表明していた7人のほかにも出馬の動きがあると報じていました。朝日新聞は告示日の朝、山本理顕氏の立候補を伝えています。山本氏は2024年に建築界で最も権威があるとされるプリツカー賞を受け、横浜に設計事務所を構える建築家です。

横浜市長選の投票日と期日前投票はいつか

投票日は10月18日(日)で、期日前投票は告示の翌日の10月5日(月)から17日(土)まで、各区の投票所でできます。

横浜市泉区の案内では、泉区役所1階の区民ホールで10月5日から17日まで、午前8時30分から午後8時まで期日前投票を受け付けます(横浜市泉区)。青葉区や港北区では区役所のほかにも期日前投票所を開く予定で、場所と時間は区ごとに違います。お住まいの区の選挙管理委員会のページで確かめてください。

神奈川新聞によると、9月1日時点(定時登録)の有権者数は314万1698人です(神奈川新聞)。投票率の分母になるのは選挙当日の有権者数で、9月1日の定時登録とは基準日が異なります。

告示から投票日まで14日間しかありません。辞職から1か月足らずでの告示を、神奈川新聞は「異例の短期決戦」と表現しています。

なぜ出直し選挙になったのか パワハラ7項目の認定から辞職まで

前市長の山中氏が、市幹部らへのパワハラを第三者調査で認定され、9月7日に辞職したためで、任期途中の選挙です。

発端は2026年1月、市の人事部長を務めた幹部職員による実名の告発でした。弁護士による第三者調査は職員57人への聞き取りなどを行い、7月30日に公表した報告書で、怒鳴る、書類を投げつける、人事権を背景に「飛ばす」「粛清」と発言するなど7項目のパワハラを認定しました。山中氏は8月に市会の委員会で謝罪して続投の意向を示しましたが、8月28日に辞意を固め、9月7日の市会本会議で辞職が認められました。

認定された7項目の中身と、辞意表明までの7か月の動きは「【8/28】横浜市長・山中竹春氏が辞職へ|パワハラ7項目認定の中身と市長選はいつ行われるのか」で詳しく整理しています。

日本テレビは告示日の記事で、およそ375万人の人口を抱える横浜市のトップとして、前市長が再び信任を得るのか、市政の転換が図られるのかが争点になる見通しだと伝えています(日テレNEWS NNN)。

山中竹春前市長はなぜ再び立候補したのか

山中氏は市民団体や港湾関係団体の要請を受けたとして出馬し、「挑戦者として立ち向かう」と述べています。

共同通信によると、山中氏は出陣式で「自分の至らなさにより皆さんと約束していた政策が道半ばになった。挑戦者として立ち向かう」と語りました(共同通信)。タウンニュースは、出馬の理由として横浜港運協会などからの要請を挙げています(タウンニュース)。

横浜港運協会は告示前、山中氏が出馬する場合は全面的に支援すると表明したと毎日新聞が報じていました。読売新聞は告示前日、「ハマのドン」と呼ばれる同協会の藤木幸夫前会長らが前市長をバックアップし、反山中の側は候補を一本化できなかったと報じています。

山中氏は2021年8月の市長選で、立憲民主党の推薦を受けて初当選し、就任後にIRの誘致撤回を宣言しました(日本経済新聞)。今回、立憲民主党県連は山中氏ではなく中谷一馬氏を支援しています。

辞職した首長が、自分の辞職で行われる選挙に立候補することを禁じる規定は公職選挙法にありません。ただし同法259条の2により、辞職した本人が当選した場合の任期は、辞職と選挙がなかったものとして数えます(公職選挙法(e-Gov法令検索))。山中氏が当選すれば、任期は新たな4年ではなく、2025年8月に始まった前回の任期の残りになります。

(編集部分析)パワハラ認定で辞職した首長が、同じ選挙で信任を問い直す形は、法の上では認められています。ただ、市の第三者調査が認定した事実を、選挙の勝ち負けで上書きしてよいのかという問いは残ります。仮に当選しても、認定された7項目そのものが消えるわけではなく、職員との関係をどう立て直すかの具体策が問われると評価できます。

主要候補は何を訴えているか 原沢氏・中谷氏・福山氏ほか

原沢氏は市職員が安心して働ける環境と市民の信頼回復、中谷氏は防災と医療、福山氏は「稼げる横浜」を軸に訴えています。

各候補が告示日までに示した主張を、報道の範囲で候補ごとにまとめます。

原沢敦美氏(自民・維新・国民の県組織が推薦)

原沢氏は「停滞した市政を前進させる」を掲げ、市職員が安心して働ける環境をつくり市民の信頼を取り戻すと訴えています。

共同通信によると、原沢氏は第一声で「大事なのは、市職員一人一人が安心して働ける環境をつくり、市民の信頼を取り戻すことだ」と述べました。神奈川新聞によると、原沢氏は9月に12項目の政策を発表し、災害に強い危機管理、必要な人に支援が届く福祉、宿泊税の導入検討などを挙げています。市長など特別職を対象にしたハラスメント防止条例の制定にも意欲を示し、IRは誘致しない考えを明らかにしています。

中谷一馬氏(立憲民主党県連が支援)

中谷氏は「あたたかい横浜」を掲げ、土砂災害対策などの防災と、救急・病院・介護の連携を強める医療改革を重点にしています。

日本経済新聞によると、中谷氏は「あたたかい横浜ビジョン 18の重点政策」を発表しました。タウンニュースは、デジタル化の推進も主張に挙げています。中谷氏は過去2回の市長選で山中氏を支えた立憲民主党県連の支援を受けており、山中市政の評価をめぐって旧支持層が割れた形です。

福山敦士氏(参政党が推薦)

福山氏は「稼げる横浜」を掲げ、独自財源の確保と中学校給食の自校調理化、ガバナンスの強化を訴えています。

タウンニュースによると、福山氏は独自財源の確保と中学校給食の自校調理化を政策に挙げています。教職員の負担軽減やコンプライアンスの徹底による市政改革も主張しています。7人の中で最も若い37歳です。

山本理顕氏・浅賀由香氏・藤川祥子氏

浅賀氏は米軍施設の返還、藤川氏は山下ふ頭再開発の見直しを掲げ、山本氏は告示日に立候補を届け出たばかりです。

タウンニュースによると、浅賀氏は「横浜の豊かさを市民の豊かさへ」を掲げ、米軍ノース・ドックの全面返還を主張しています。藤川氏は「市民が主役の市政」を掲げ、山下ふ頭の再開発の見直しと、市民が市政に参加する機会の拡大を訴えています。山本氏の政策は、告示日の正午時点で主要な報道にまとまった形では出ていません。

各党の推薦・支援はどう分かれたか

自民・維新・国民・公明は原沢氏に乗り、立憲は中谷氏、参政は福山氏、共産は浅賀氏と、主要政党は4つに分かれました。

時事通信によると、原沢氏は自民党、日本維新の会、国民民主党の各県組織が推薦し、公明党市議団が支持しています。中谷氏は立憲民主党県連が支援し、福山氏は参政党が推薦しました。山中氏は政党の支援を受けない方針です(神奈川新聞)。

2021年の市長選では、自民・公明が中心に支えた小此木八郎氏が、立憲推薦の山中氏に敗れました。今回は自民・公明に維新と国民が加わって原沢氏を推す一方、山中氏を支えてきた立憲は別の候補に回っています。産経新聞は告示前の記事で、7人がそろってIRの誘致を否定していると報じました。

(編集部分析)国政では与野党に分かれる自民・維新・国民・公明が一人の候補にまとまったのに対し、「反山中」の票は原沢氏、中谷氏、福山氏らに分散します。読売新聞が指摘した「一本化できず」が投票結果にどう響くかは、組織票と無党派層の動きを見るうえで注目点です。候補が多いほど、前職が持つ知名度と固い支持層が相対的に有利に働く構図になりやすいと読めます。

横浜市長選の争点は何か

最大の争点はパワハラ認定を受けた山中氏の市政を続けるかどうかで、ハラスメント対策、山下ふ頭、IRも論点です。

神奈川新聞は主な争点として、山下ふ頭再開発の見直し、IR誘致の是非、ハラスメント対策の強化、災害対策の充実、教育費の無償化を挙げています。テレビ神奈川は、前職の5年間の市政の評価に加えて、ガバナンス体制の見直しを挙げました。

市政の継続か転換か

山中氏の5年間の市政を続けるか、別の候補で転換するかが選挙全体の構図で、各候補の主張もこの軸で分かれます。

山中氏は「生活者目線の市政継続」を訴えて出馬を表明しました。対する原沢氏や福山氏ら複数の新人は、ガバナンスの見直しや市政の立て直しを訴えています。時事通信は、パワハラが認定された山中氏が再び信任されるかどうかを「最大の争点」としています。

ハラスメント対策とガバナンス

市長によるパワハラが認定された以上、特別職のハラスメントを防ぐ仕組みをどう作るかが共通の論点になっています。

原沢氏は特別職を対象にしたハラスメント防止条例に意欲を示し、福山氏はガバナンス強化とコンプライアンスの徹底を掲げています。テレビ朝日系(ANN)は、これまでの市政運営の是非とパワハラ対策を主な争点として挙げています(テレビ朝日系(ANN))。

(編集部分析)市長に強い人事権が集まる仕組みのまま、首長の人柄だけに頼る市政運営には限界があります。今回の問題は、職員が告発に踏み切るまで外から見えなかった点にこそ重さがあり、通報の窓口を市長から独立させる、第三者が定期的に点検するといった制度の手当てが、誰が当選しても欠かせないと評価できます。

山下ふ頭とIR

IRは7人全員が誘致を否定しているため対立軸になりにくく、跡地の山下ふ頭をどう再開発するかが具体的な論点です。

山中氏は2021年の就任時にIRの誘致撤回を宣言し、横浜市はIR推進室を廃止しました。今回は産経新聞の報道で全員がIR誘致を否定しており、藤川氏は山下ふ頭再開発の見直しを掲げています。

前回2025年の横浜市長選の結果は

2025年8月3日の市長選では、山中氏が66万3876票を得て新人5人を破り、再選しました。投票率は41.64%でした。

神奈川新聞によると、山中氏の得票率は52%で、次点との差は39万票余りでした。投票率は前回の2021年を7.41ポイント下回っています(神奈川新聞)。時事通信は、山中氏が元長野県知事の田中康夫氏ら無所属新人5人を破ったと伝えました。

前回の大勝からわずか1年2か月で、山中氏はパワハラ認定による辞職と出直し選挙に臨むことになりました。前回の66万票のうち、どれだけが今回も山中氏に戻るのかが、結果を読むうえでの一つの物差しになります。

保守の目線でこの選挙をどう見るか

(編集部分析)首長個人の資質で1年余りに2度の市長選を強いられたこと自体が、統治の仕組みの弱さを示しています。

この選挙にかかる費用や、短い準備期間で選挙事務を担う職員の負担は、すべて市民の税金と市の現場が引き受けることになります。報道によると、パワハラ問題は職員の告発から辞職まで約8か月かかりました。

(編集部分析)誰が得をするのかという点では、山中氏を支える港湾関係の団体、原沢氏を推す自民・維新・国民・公明の組織、それぞれに市政への利害があることを、有権者は冷静に見ておく必要があります。前回の山中氏は立憲の推薦で当選し、IR撤回で港湾の重鎮と歩調を合わせましたが、今回は立憲が離れ、港湾団体が前面に立つ形になりました。政党の看板が入れ替わっても、市政の決定が一部の団体の意向で左右されないか、市民の側から見張ることが大切だと評価できます。

(編集部分析)同時に、行政の長に求められるのは、職員が萎縮せずに働ける組織をつくり、災害対策や財政といった基本の仕事を着実にこなすことです。7人の候補がそれぞれ掲げる政策が、横浜という国際港湾都市の自立と市民の暮らしを強める方向に働くのか、投票日までの論戦で一つずつ確かめたいところです。

横浜市の有権者がこれからできることは3つです。10月16日までに届く選挙公報で7人の公約を読み比べること、お住まいの区の期日前投票所と時間を市の選挙ページで確かめること、そして10月5日からの期日前投票か18日の投票日に1票を投じることです(横浜市選挙管理委員会)。

あわせて、山中氏の市政に対するこれまでの評判と政策の中身は「横浜市長・山中竹春氏の評判と政策|給食やパワハラ報道の真相を解説」にまとめています。

横浜市長選2026のよくある質問

本文で扱わなかった、投票の手続きと当選後の任期についての疑問に答えます。

Q. 投票のご案内(はがき)が届かなくても投票できますか?

A. できます。横浜市選挙管理委員会は、はがきを持参すると受付がスムーズになるとしたうえで、はがきがなくても投票できると案内しています。選挙人名簿に登録されていれば、期日前投票でも当日でも投票できます。

Q. 選挙公報はいつ、どこで読めますか?

A. 選挙公報は投票日の2日前の10月16日(金)までに各世帯へ配られます。区役所や地区センターなどにも置かれ、期日前投票所と当日の投票所でも読めます(横浜市選挙管理委員会)。

Q. 投票日当日の投票時間は何時までですか?

A. 10月18日(日)の投票時間は午前7時から午後8時までです。投票所は自宅に届く「投票のご案内」に書かれた場所で、期日前投票所とは異なることがあります。

Q. 山中前市長が当選したら任期はいつまでですか?

A. 新たな4年ではなく、2025年8月に始まった前回の任期の残りになります。公職選挙法259条の2が、辞職した本人が辞職に伴う選挙で当選した場合は辞職と選挙がなかったものとして任期を数えると定めているためです。ほかの候補が当選すれば任期は4年です。

ここで取り上げた数字と発言は、次の報道と公式情報で確かめられます。

参考情報

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