【10/16】在留外国人428万人で過去最多|「経営・管理」の新規入国は80.9%減

【10/16】在留外国人428万人で過去最多|「経営・管理」の新規入国は80.9%減

出入国在留管理庁は2026年10月16日、6月末時点の在留外国人が428万1026人となり、過去最多を更新したと発表しました。2025年末から15万5631人の増加です。一方で、2025年10月に要件を厳しくした在留資格「経営・管理」は、2026年上半期の新規入国者が前年同期より80.9%減りました。不法残留者も半年で約3,300人減っています。この記事では、増えた中身と減った中身を、国籍別・在留資格別の表と入管庁の資料で整理します。

この記事でわかること

  • 総数:在留外国人は2026年6月末に428万1026人で過去最多、1年前より約32万人増えました。
  • 経営・管理:資本金等の要件を500万円から3,000万円に上げた結果、上半期の新規入国は635人、80.9%減です。
  • 不法残留者:7月1日時点で6万5229人となり、1月1日から3,259人減りました。
目次

在留外国人428万人は過去最多、何人増えたのか

2026年6月末の在留外国人は428万1026人で、2025年末から15万5631人、約3.8%増えて過去最多です。

入管庁の発表資料と時事通信によると、山下貴司法相が16日の記者会見で数字を公表しました。ここでいう在留外国人は、3か月以下の短期滞在などを除いた中長期の在留者と特別永住者の合計です。観光客は含みません。2025年末の時点で初めて400万人を超えており、半年でさらに約15万人上積みされた形です。

2024年からの推移はどうなっているか

在留外国人は2024年6月末の358万人から2年で約69万人、率にして約19%増えています。

入管庁が過去に発表した数字と今回の数字を並べると、次のとおりです。

時点 在留外国人数 出所
2024年6月末 358万8956人 入管庁の発表
2025年6月末 395万6619人 熊本日日新聞(共同通信配信)
2025年末 412万5395人 nippon.com
2026年6月末 428万1026人 入管庁の発表

1年前の2025年6月末と比べると32万4407人、約8.2%の増加です。2025年6月末から年末までの増加は約17万人、2026年前半は約15.6万人で、増え方はわずかに鈍りました。

日本の人口に占める割合は3.4%か3.5%か

人口に占める割合は、共同通信が3.4%、時事通信が3.5%と伝えており、報道で数字が分かれています。

どちらも分母とした人口の時点や範囲を記事中で示していないため、どちらが正しいとは決められません。2025年末の時点では約3.3%と報じられていました。いずれにしても、およそ30人に1人が外国人という水準に近づいています。

国籍別では中国が94万人で最多

国籍・地域別の最多は中国の94万1031人で、ベトナム、韓国と続き、この3か国で全体の約半数を占めます。

入管庁の発表資料から、上位7か国の人数と2025年末からの増減を並べると次のとおりです。

国籍・地域 2026年6月末 2025年末比
1 中国 94万1031人 1万603人増
2 ベトナム 69万3750人 1万2650人増
3 韓国 40万8682人 1341人増
4 フィリピン 36万2761人 6182人増
5 ネパール 33万4850人 3万3858人増
6 インドネシア 30万7456人 4万1387人増(15.6%増)
7 ミャンマー 21万1602人 2万9035人増(15.9%増)

人数では中国が群を抜きますが、半年の増加数ではインドネシア、ネパール、ミャンマーが中国を上回りました。増え方の中心は、東南アジアと南アジアの国々に移っています。8位のブラジルは464人減りました。

(編集部分析)人数の多さと伸びの速さは別の問題として見る必要があります。中国籍の在留者が94万人を超えたことは、土地取得や重要技術の流出といった経済安全保障の議論と切り離せません。ただし、問題にすべきは中国共産党の影響力や制度の抜け穴であり、日本で働き暮らす中国の人々一人ひとりではありません。この区別を保ったまま、国籍ごとの動きを冷静に追うことが大切です。

在留資格別では永住者96万人、特定技能が急増

在留資格別の最多は「永住者」の96万1342人で、増え方が最も目立つのは半年で5万人以上増えた「特定技能」です。

入管庁の発表資料と共同通信の数字を、2025年末からの増え方とあわせて並べます。

在留資格 2026年6月末 2025年末比
永住者 96万1342人 1.5%増
技術・人文知識・国際業務 51万6184人 8.5%増
留学 47万9626人 3.2%増
技能実習 45万7509人 891人増
特定技能 44万4256人 5万3960人増
うち特定技能2号 1万8295人 2倍以上

特定技能は2025年末の39万296人から半年で約14%増えた計算です。技能実習が半年で891人しか増えなかったのと比べると、人手不足の業種で働く外国人の受け皿として特定技能の比重が高まっていることがうかがえます。

特定技能2号が倍増する意味は何か

特定技能2号は在留期間の更新に上限がなく、家族も呼び寄せられるため、事実上の長期定住につながる資格です。

1号は在留が通算5年までで家族の帯同も原則できませんが、2号は熟練した技能を試験などで示せば更新を重ねられます。その2号が半年で2倍以上の1万8295人になりました。母数はまだ小さいものの、伸び方は在留資格の中で際立っています。

(編集部分析)特定技能は「人手不足を補う労働力」として説明されてきましたが、2号の拡大は家族を含めた定住の入り口でもあります。短期の人手確保の裏で、教育・医療・社会保障の負担を地域や将来世代がどう引き受けるのか、受け入れの規模と条件を国会で正面から議論すべき段階に来ていると評価できます。

「経営・管理」の新規入国はなぜ80.9%減ったのか

2025年10月16日に資本金等の要件が500万円から3,000万円に上がり、基準を満たせる人が減ったためとみられます。

共同通信によると、2026年上半期(1〜6月)の新規入国者のうち「経営・管理」は635人で、2025年の同じ時期から80.9%減りました。入管庁も要件の厳格化が影響したとみています。時事通信も、資本金要件の下限が500万円から3,000万円に引き上げられたことを減少の一因に挙げています。

改正前と改正後で何が変わったか

資本金等が6倍になったうえ、常勤職員の雇用、日本語能力、経営経験、専門家による事業計画の確認が新たに必須になりました。

入管庁の公表資料に基づき、主な要件を改正の前後で並べると次のとおりです。

項目 改正前 2025年10月16日以降
資本金等 500万円以上 3,000万円以上
常勤職員 500万円の代わりに常勤2人以上の雇用でも可 日本人や永住者などを1人以上雇用
日本語能力 定めなし 申請者か常勤職員がB2相当以上
経歴 経営者本人には定めなし 関連分野の修士以上か経営経験3年以上
事業計画書 専門家の確認は不要 中小企業診断士・公認会計士・税理士の確認が必須

入管庁は、自宅と事業所の兼用も原則認めないとしています。これまで「500万円を用意すれば会社を作って在留できる」と言われてきた入り口が、実態のある事業でなければ通らない形に変わりました。

すでに「経営・管理」で在留している人には経過措置があります。入管庁は、施行日から3年を経過する日(2028年10月16日)までの更新では、新しい基準を満たしていないことだけを理由に不許可にはせず、経営状況や基準を満たす見込みを見て判断すると説明しています。

(編集部分析)新規入国が8割減ったという数字は、改正前の基準を満たして入ってくる人の多くが、新しい基準には届かなかったことを示しています。旧制度の利用実態を統計だけで断じることはできませんが、資本金500万円という低い基準は、事業の実態が薄くても在留資格を得られる余地を残していたと評価できます。入り口を絞ったことは、事業を営む人のための資格という本来の趣旨に立ち返る判断です。今後は、経過措置の期間中に既存の在留者の事業実態をどこまで確認できるかが問われます。

この要件の見直しで、すでに日本で事業をしている人がどうなるかを1問で確認します。

Q. 経過措置が終わったあとの更新はどうなりますか?

A. 原則として新基準への適合が必要です。ただし入管庁は、経営状況が良好で法人税などを適切に納め、次の更新までに新基準を満たす見込みがある場合は、ほかの在留状況も含めて総合的に判断するとしています。

資格ごとの動きを見たところで、次は日本に入ってくる人の流れを確認します。

新規入国者はなぜ前年より減ったのか

上半期の新規入国者は1970万6953人で前年同期比0.1%減でした。中国からの短期滞在が57.3%減ったためです。

時事通信によると、中国からの短期滞在者の大幅減は、中国政府が自国民に日本への渡航自粛を呼びかけた影響とみられます。日本経済新聞は、特例上陸許可を含めた外国人入国者の総数を2281万7766人とし、前年同期より約58万人少ないと伝えています。

短期滞在は観光や商用の短い訪問で、在留外国人の数には含まれません。観光客が減った一方で、中長期に住む外国人は増え続けている点が、今回の統計のもう一つの特徴です。

(編集部分析)中国政府の渡航自粛の呼びかけで、日本に来る中国人観光客の数が大きく動いたことは、特定の国に観光需要を頼る危うさを示しています。相手国の政治判断ひとつで数字が半分以下になる構造は、地方の観光業にとっても安全保障の問題といえます。

不法残留者は半年でどれだけ減ったのか

2026年7月1日時点の不法残留者は6万5229人で、1月1日の6万8488人から3,259人、約4.8%減りました。

入管庁の発表資料によると、国籍別ではタイが1万260人で最多となり、ベトナムの1万135人を上回りました。ベトナムは半年で1466人、タイは647人減っています。日本経済新聞によると、不法残留者は2025年1月時点から減少傾向に転じており、上位10か国・地域のうちスリランカを除く9か国・地域で減りました。

入管庁が示した在留資格別の上位を並べると、次のとおりです。

短期滞在
3万9180人(2427人減)
技能実習
7928人(1395人減)
特定活動
7661人(355人増)
留学
2435人(262人増)

在留資格が「短期滞在」の人が3万9180人で、全体の約60%を占めます。短期滞在には観光のほか商用や親族訪問なども含まれ、統計から一人ひとりの入国目的までは分かりません。一方で、特定活動と留学は半年で増えており、減少は全ての資格で一様ではありません。

(編集部分析)不法残留者が減少に転じたことは前向きな変化です。ただし6万5千人という規模は依然として大きく、技能実習の資格のまま不法残留となった人も7928人います。減っている今こそ、期限を過ぎた人の把握と送還、再発防止の仕組みを緩めない姿勢が求められます。

「反移民感情」と外国人政策はどこへ向かうのか

「反移民感情」は海外メディアの見方で、政府の側は人数を抑えるのではなく、在留の条件を厳しくする政策を進めています。

AFP=時事は今回の統計を「反移民感情高まる中」での最多更新という見出しで伝えました。ただし、反移民感情が何を指すのかを示す世論調査などの数字は、今回の報道では示されていません。政府も、反移民感情を理由に政策を変えたとは説明していません。

政策の側で起きている変化は、事実として3つあります。2025年10月16日の「経営・管理」の厳格化、2026年10月1日の永住許可ガイドラインの改定(年金や日本語などの一部の基準は2027年4月の申請から適用)、同じ10月1日からの在留手続の手数料の引き上げです。ガイドラインと手数料は別々の制度変更です。

永住許可の審査基準と手数料の変更点は「【10/1】永住許可の審査が厳格化|手数料20万円と年収基準はいつから」で詳しく整理しています。

(編集部分析)在留外国人が増え続けることへの不安は、外国人を排除したいという感情とは区別して受け止めるべきです。多くの国民が求めているのは、受け入れの規模と条件を日本が自分で決め、ルールを守らない人には厳正に対処するという当たり前の制度運用です。誰の利益のための受け入れなのか、経済界の人手確保の都合だけで規模が決まっていないかを、統計が出るたびに問い直す姿勢が欠かせません。

在留外国人428万人のよくある質問

今回の統計について、検索でよく調べられている疑問をまとめます。

Q. 永住者は在留外国人全体の何割ですか?

A. 約2割強です。2026年6月末の永住者96万1342人を在留外国人428万1026人で割ると約22.5%になります。在留資格の中では最も多い資格です。

Q. 次の在留外国人数はいつ発表されますか?

A. 入管庁は例年、6月末の数字を秋に、12月末の数字を翌年3月ごろに公表しています。2026年末の数字は2027年春の発表が見込まれます。

数字を自分で確かめたいときは、入管庁の「令和8年6月末における在留外国人数について」と「本邦における不法残留者数について」を開くと、国籍別・在留資格別の表がそのまま見られます。次の2026年末の数字が出たら、総数、特定技能と経営・管理の増減、不法残留者数の3点を今回の表と見比べると、政策の効き目が分かります。その他の出所は、次の参考情報にまとめています。

参考情報

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