【10/25】那覇市長選の結果|知念覚氏が再選、久手堅幸子氏に4万1026票差 立憲・社大も相乗りで投票率35.81%

【10/25】那覇市長選の結果|知念覚氏が再選、久手堅幸子氏に4万1026票差 立憲・社大も相乗りで投票率35.81%

10月25日に投開票された那覇市長選挙は、現職の知念覚(ちねん・さとる)氏(63)が6万3306票を得て再選を果たしました。共産・社民が推した市民団体会長の久手堅幸子(くでけん・さちこ)氏(74)に4万1026票の差をつけています。

今回の選挙で目を引くのは、得票差よりも推薦の顔ぶれです。4年前に知念氏の対立候補を推した立憲民主党と沖縄社会大衆党(社大)が、今回は知念氏の推薦に回りました。自民・公明・維新・国民民主と並ぶ「与野党相乗り」の構図です。一方で投票率は35.81%にとどまり、前回より11ポイント以上下がりました。

この記事では、4候補の得票、投票率の低さ、前回2022年との構図の違い、争点、古謝玄太知事との関係を、報道と公式発表をもとに整理します。

この記事でわかること

  • 結果:知念覚氏が6万3306票で再選。次点の久手堅幸子氏は2万2280票で、差は4万1026票でした。
  • 構図:前回は対立候補を推した立憲・社大が知念氏を推薦。対抗したのは共産・社民だけでした。
  • 投票率:35.81%で前回の47.05%を11.24ポイント下回り、報道によれば過去2番目の低さです。
目次

那覇市長選2026の結果は?知念覚氏が6万3306票で再選

那覇市長選は現職の知念覚氏が6万3306票で再選し、新人3人を破りました。得票率は約71.6%です。

任期満了に伴う選挙で、10月18日に告示され、無所属の4人が立候補しました。日本経済新聞と選挙情報サイトの選挙ドットコムによると、4人の得票は次のとおりです。

候補者 年齢・区分 推薦 得票 得票率
知念覚(当選) 63・現職 自民・維新・国民・公明・立民・沖縄社大 63,306票 71.6%
久手堅幸子 74・新人 共産・社民 22,280票 25.2%
矢島賢斗 35・新人 なし 1,419票 1.6%
吉嶺諒 25・新人 なし 1,412票 1.6%

得票率は4人の得票の合計8万8417票を分母にしたもので、知念氏が7割を超え、久手堅氏も4分の1を取りました。残る2人の新人は合わせても3%ほどで、日経は「支持の広がりを欠いた」と伝えています。

知念氏は25日午後8時33分、那覇市牧志の選挙事務所で支持者と万歳三唱しました(沖縄タイムスの写真説明による)。当選後は古謝玄太知事と連携して市政運営に取り組む考えを示しています。

知念覚氏はどんな人物か

知念氏は那覇市役所の職員出身で、副市長を経て2022年に初当選した市長です。今回で2期目に入ります。

時事通信によると、沖縄大学法経学部を卒業し、1985年に那覇市役所へ入りました。政策統括調整監、副市長などを歴任しています。社大党は推薦の理由に、約30年の市職員としての経歴と、前後の市長を支えた行政能力を挙げました。

投票率35.81%はどのくらい低いのか

投票率35.81%は前回2022年の47.05%を11.24ポイント下回り、報道によれば過去2番目の低さです。

沖縄タイムスとTBS系のRBC琉球放送はいずれも「過去2番目に低い」と伝えました。最も低かった回の数値は、今回の取材では一次資料で確かめられなかったため、本記事では書きません。

有権者は約25万人、投票した人は4割に届かず

有権者24万9809人のうち投票したのは35.81%で、4割に届きませんでした。

選挙ドットコムによると、有権者数は前回より4024人減りました。投票率35.81%は、この有権者数を分母にした割合です。

4候補の得票の合計は8万8417票で、有権者のおよそ3人に1人が有効票を投じた計算になります。勝敗は大差でしたが、有権者の6割以上は投票しませんでした。

推薦の構図は前回2022年からどう変わったか

前回は知念氏と対立した立憲・社大が今回は知念氏を推薦し、対抗馬を推したのは共産・社民だけになりました。

2022年10月23日の前回選挙は、自民・公明が推す知念氏と、立憲・共産・社民などが推す翁長雄治(おなが・たけはる)氏の一騎打ちでした。政治山によると、知念氏6万4165票、翁長氏5万4125票で、差は約1万票でした。

今回と前回の構図を並べると、県政野党側の陣営がどう割れたかがわかります。

項目 2022年(前回) 2026年(今回)
知念氏の推薦 自民・公明 自民・維新・国民・公明・立民・沖縄社大
対抗馬 翁長雄治氏(立憲・共産・社民など推薦) 久手堅幸子氏(共産・社民推薦)
知念氏の得票 64,165票 63,306票
対抗馬の得票 54,125票 22,280票
投票率 47.05% 35.81%

知念氏の得票は前回とほぼ同じ(859票減)なのに対し、対抗馬の得票は3万1845票減りました。投票率が下がった分の票の減り方は、両陣営で大きく違ったことになります。

立憲・社大はなぜ知念氏の推薦に回ったのか

社大党は7月25日、行政能力と1期目の実績を理由に知念氏の推薦を決めたと公式に発表しました。

社大党の発表は、物価高対策、子育て支援、学校給食費の無償化を1期目の実績として挙げ、党の理念「すべては沖縄のために」に合うとしています。発表文に辺野古移設への言及はありません。立憲県連の推薦は、党の公式発表を今回確認できなかったため、報道で伝えられた範囲にとどめます。琉球新報は同じ日に立憲県連も推薦を決めたと報じ、見出しで「県民投票尊重を評価」と伝えました。沖縄タイムスは9月の時点で、市政野党の一部が対立候補の擁立に難航していると報じています。

前回と今回で、知念氏を支える側と対抗する側の顔ぶれは次のように動きました。

2022年の知念氏陣営

自民・公明

→

2026年の知念氏陣営

自民・公明に、維新・国民・立民・沖縄社大が合流

対抗馬の陣営

2022年は立憲・共産・社民など → 2026年は共産・社民だけ

図のとおり、前回の対抗陣営から立憲と社大が抜け、知念氏の側に移りました。この動きが選挙全体の構図を「現職対共産・社民」に変えています。

争点は何だったか:那覇軍港の浦添移設と給食費無償化

主な争点は現市政への評価で、那覇軍港の移設や子育て支援をめぐって両陣営の主張が分かれました。

知念氏の訴え:軍港の浦添移設を急ぎ、子育て支援を広げる

知念氏は那覇軍港の浦添市への早期移設と、子育て支援策の拡充を訴えました。

時事通信によると、知念氏は1期目の実績として学校給食費の無償化を前面に出し、物価高対策や産業育成も掲げました。那覇軍港(那覇港湾施設)は、浦添市沖に代替施設を造って返還する計画が日米で合意されているもので、知念氏はこの流れを急ぐ立場です。

久手堅氏の訴え:軍港の無条件返還と空港の米軍使用反対

久手堅氏は那覇軍港の無条件返還と、那覇空港の米軍使用への反対を訴えました。

日経によると、久手堅氏は教員を増やして少人数学級を実現することも掲げました。久手堅氏は新日本婦人の会県本部の会長を務めています。基地をめぐる主張は前回の対抗陣営に近いものでしたが、得票は前回の翁長氏の4割ほどにとどまりました。

争点が「基地の返還のさせ方」に及んだことで、移設を進める現実路線と、無条件返還を求める路線の差がはっきり示された選挙でした。

古謝玄太知事との連携で県と那覇市はどう動くか

今後の焦点は、知事と那覇市長がそろって移設を進める立場で、那覇軍港の浦添移設の協議をどこまで進めるかです。

日経によると、古謝知事は那覇市の副市長を務めた人物で、今回の選挙で知念氏を支援しました。朝日新聞も「古謝知事らから幅広く支援受ける」と報じています。9月の知事選で12年ぶりに県政が交代した経緯は「古謝玄太知事が就任|12年ぶり県政交代で何が変わるか」で整理しています。

那覇軍港の浦添移設は、国・県・那覇市・浦添市が関わる事業です。(編集部分析)知事と那覇市長が同じ立場に立ったことで、協議が前に進む条件は整ったと評価できます。実際に進むかは、2期目の市の予算と県との協議の中身で確かめる必要があります。

今回の結果をどう読むか(編集部分析)

9月の知事選に続き、県都の市長選でも移設を進める立場の候補が大差で勝ち、前回の対抗陣営は共産・社民だけが残りました。

前回は翁長氏を推して約1万票差まで迫った陣営から、今回は立憲と社大が抜けました。沖縄タイムスは9月の時点で、市政野党の一部が対立候補の擁立に難航していると報じています。

(編集部分析)この流れは、基地反対を軸にまとまってきた県政野党(いわゆる「オール沖縄」)の枠組みが、那覇市でも保てなくなった可能性を示していると考えられます。社大党が推薦理由に給食費の無償化や物価高対策を挙げたことからは、生活の実績を前に「反基地」だけで陣営をまとめることが難しくなった一面がうかがえます。日米合意に沿って軍港の移設を進め、その跡地を那覇の経済に生かす道筋は、沖縄の自立と日本の安全保障の両方にかなう現実的な選択だと評価できます。

(編集部分析)一方で、投票率35.81%という数字は重く受け止める必要があります。主要政党の多くが同じ候補に乗った「相乗り」で選択肢が狭まったことも、投票率が下がった一因と考えられます。県と那覇市の足並みがそろった今こそ、移設の工程や跡地利用の計画を市民に具体的に示し、白紙委任ではない信任へ変えていくことが問われます。

那覇市民が次に確かめたいこと

次に確かめたいのは、2期目の市の予算、軍港移設の協議の進み方、給食費無償化などの公約が続くかの3点です。

知念市長の2期目は11月16日から始まります(前回の任期が2022年11月16日から4年間のため)。2期目の予算案や施政方針、議会の日程は那覇市公式サイトで確認できます。

那覇市長選のよくある質問

本文で扱わなかった周辺の疑問を、2つだけ補います。

Q. 矢島賢斗氏と吉嶺諒氏はどんな候補でしたか?

A. どちらも政党の推薦を受けない無所属の新人です。選挙ドットコムによると、矢島氏(35)は会社社長、吉嶺氏(25)はIT企業の会社員で、得票はそれぞれ1,419票と1,412票でした。

Q. 選挙前に候補者の政策を比べる場はありましたか?

A. ありました。告示前の10月14日に那覇青年会議所が公開討論会を開き、知念氏・矢島氏・吉嶺氏・久手堅氏の4人が経済や雇用、教育、福祉の政策を訴えました。沖縄テレビによると、模様は同会議所のYouTubeなどで配信されています。

得票の内訳や推薦の経緯は、下の参考情報の各報道でも確かめられます。

参考情報

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