【10/24】外国人のパチンコ店アルバイト解禁|家族滞在に限り週28時間、留学生は対象外

外国人がパチンコ店やゲームセンターでアルバイトできるようになりました。出入国在留管理庁(入管庁)が2026年10月1日に資格外活動許可の運用を変え、在留資格「家族滞在」の人に限って、個別の許可を受ければ週28時間以内で働けるようにしたものです。共同通信が10月24日、入管庁への取材で明らかにしました。

今回の変更は国会での法改正ではなく、入管庁の「運用の変更」によるものです。この記事では、対象になる人とならない人、働ける店と働けない店、許可の条件と必要な書類、なぜ今変えたのか、そして懸念される点を、入管庁と厚生労働省の公表資料をもとに整理します。在留外国人の全体の動きは「在留外国人428万人で過去最多|「経営・管理」の新規入国は80.9%減」にまとめています。

この記事でわかること

  • 対象:在留資格「家族滞在」の人だけ。留学生は対象外
  • 働ける店:パチンコ店・スロット店・マージャン店・ゲームセンターなど(風営法2条1項4号・5号の営業)
  • 条件:入管庁の個別許可、店と本人の誓約書、すべてのアルバイトを合わせて週28時間以内
目次

外国人がパチンコ店で働けるようになったのは本当?

本当です。2026年10月1日から、家族滞在の人は入管庁の個別許可を受ければパチンコ店で働けます。

入管庁は公式サイトの「遊技場営業店舗における資格外活動許可について」で、令和8年(2026年)10月1日から、在留資格「家族滞在」で在留する人に限り、個別の許可を受ければ遊技場営業店舗での資格外活動を認めると案内しています。厚生労働省も資料で、家族滞在の人は同じ日から、地方出入国在留管理局の個別許可があればパチンコ店などで就労できると周知しています。

共同通信は10月24日、入管庁への取材をもとに、入管庁が今月1日に運用を変えたと報じました。この記事は東京新聞やデイリースポーツ、各地の地方紙に掲載されています。

法律の改正ではなく「運用の変更」

今回の変更は国会で法律を改めたものではなく、入管庁が許可の運用を変えて行ったものです。

資格外活動許可は、出入国管理及び難民認定法(入管法)19条2項にもとづき、今の在留資格の範囲外で収入を得る活動をするときに必要な許可です。どの仕事を認めるかの細かな線引きは入管庁の運用に任されている部分が大きく、今回はその線引きを動かしたもので、国会の審議は経ていません。

対象になるのは誰?留学生は働ける?

対象は在留資格「家族滞在」の人だけです。留学生は、今回の変更の後もパチンコ店では働けません。

家族滞在は、日本で働く外国人や留学生に扶養される配偶者や子のための在留資格です。本来は家族として日常の生活を送るための資格で、収入を得る仕事は原則としてできません。働くには資格外活動許可が必要で、許可を得ても週28時間以内に限られます。

入管庁のページは、対象外になる人も明記しています。

在留資格 パチンコ店などで働けるか
家族滞在 個別許可を受ければ働ける(2026年10月1日から)
留学 対象外(働けない)
特定活動(扶養を受ける配偶者・子などの日常的な活動を指定されたもの) 対象外(働けない)

留学生のアルバイトは、パチンコ店などを除く業種で、これまでどおり資格外活動の包括許可の範囲で行います。「外国人なら誰でもパチンコ店で働ける」ようになったわけではない点に注意が必要です。

包括許可と個別許可の違い

包括許可は勤め先を決めずに週28時間まで働ける許可で、個別許可は勤め先と仕事の中身を決めて1件ずつ出る許可です。

入管庁の「資格外活動許可について」のページによると、留学生や家族滞在の人がふだんのアルバイトで受けるのは包括許可で、勤め先を特定せずに週28時間以内の仕事が認められます。ただし包括許可では、風俗営業や性風俗関連特殊営業の店で働くことはできません。今回のパチンコ店などでの就労は、この包括許可を広げたのではなく、店ごとに審査する個別許可の対象として新しく設けられました。

そのため、すでにコンビニや飲食店で包括許可にもとづいて働いている家族滞在の人が、パチンコ店でも働きたい場合は、別に個別許可を申請します。そのうえで、コンビニとパチンコ店の時間を合わせて週28時間を超えないようにしなければなりません。2つの店で働けば、それぞれの店の時間を本人と店の両方が把握しておく必要があります。

働ける店と働けない店は?

働けるのは風営法2条1項4号と5号の営業の店で、パチンコ店・マージャン店・ゲームセンターなどです。

入管庁は、活動先が風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)3条1項の許可を受けた風俗営業で、そのうち2条1項4号と5号の営業に限ると定めています。4号はマージャン店やパチンコ店など、5号はスロットマシンやゲーム機を置いたゲームセンターなどの営業です。共同通信の記事も、パチンコ店、マージャン店、ゲームセンターなどで働けるようになると伝えています。

店の種類 家族滞在の人が働けるか
パチンコ店・スロット店・マージャン店(風営法2条1項4号) 個別許可で働ける
ゲームセンターなど(風営法2条1項5号) 個別許可で働ける
キャバクラ・ホストクラブ・スナックなど接待を伴う店 引き続き働けない
性風俗関連の店 引き続き働けない

共同通信によると、性風俗関連の仕事は引き続き認められません。入管庁の要件が4号と5号に限っているため、接待を伴う飲食店などそのほかの風俗営業も、今回の対象には入っていません。

許可を受けるための条件と必要書類は?

個別許可には、法令に反しないこと、店と本人の誓約書、合計週28時間以内などの条件をすべて満たす必要があります。

入管庁が示す要件は次の5つです。すべてに当てはまる場合に、勤め先の名前や仕事の内容を決めたうえで個別に許可されます。

  1. 資格外活動許可の一般原則のうち(1)(2)(5)(6)の要件に合っていること
  2. 申請する仕事が、刑事・民事を問わず法令に違反する活動に当たらないこと
  3. 勤め先が風営法3条1項の許可を受けた店で、2条1項4号か5号の営業であること
  4. 勤め先が作った誓約書を出すこと
  5. 包括・個別を問わず、すべての資格外活動の時間を合わせて週28時間以内であること

店が誓約する3つのこと

店は、雇用の届出など法令を守ること、特定在留カードの取得を勧めること、労働時間の合計を確かめることを誓約します。

入管庁が示す勤務先の誓約事項は、外国人を雇う事業主に義務づけられた「外国人雇用状況の届出」などの法令を守ること、雇った外国人に特定在留カード(マイナンバーカードと一体になった在留カード)の取得を勧めること、雇った外国人がほかの店でもアルバイトをする場合に活動時間の合計が週28時間以内かを定期的に確かめること、の3つです。厚生労働省の資料も、外国人を雇ったときと辞めたときにはハローワークへの届出が義務だと案内しています。

申請に必要な書類

申請書、仕事内容の説明、店と本人の誓約書、店の営業許可証、ほかの仕事の時間を示す書類の6点です。

書類 中身
1. 申請書 入管庁の様式(記載例あり)
2. 活動の説明 仕事の内容・時間・報酬などを説明する文書(様式は自由)
3. 勤務先の誓約書 店が作る(参考様式あり)
4. 申請人の誓約書 本人が作る(参考様式あり)
5. 営業許可証など 店が風営法の許可を受けていることを示すもの
6. ほかの活動の説明 申請分を含め週28時間以内に収まることを示す資料

厚生労働省の事業主向け資料は、地方出入国在留管理局へ個別許可を申請し、許可が出てから採用を決める流れを示しています。すでに包括許可を持っている人も、パチンコ店などで働くには改めて個別許可が要ります。

なぜ今、運用を変えたのか?

遊技業界から人手不足を理由に外国人を雇いたいという要望が寄せられていたことが背景です。

共同通信によると、入管庁は、人手不足を受けて遊技業界から外国人雇用の要望が寄せられていたと説明しています。また、風営法の規制対象ではない競馬場や競輪場では資格外活動が認められており、不公平感もあったといいます。入管庁は風営法を所管する警察庁にも意見を聞き、遊技店の就労環境に問題はないと判断したとされています。

パチンコ店は長く減り続けている業種でもあります。中小企業基盤整備機構の解説は、警察庁のまとめとして、パチンコ店は平成7年をピークに減少が続いていると紹介しています。同じ解説は、店が減るなかで1店あたりの台数が増え、大型化が進んでいるとも指摘しています。

これまでとどう変わった?

これまでは一律に働けなかったパチンコ店などで、家族滞在の人に限り、個別許可という形で道が開きました。

項目 2026年9月まで 2026年10月1日から
家族滞在の人のパチンコ店での就労 原則禁止 個別許可で可能
留学生のパチンコ店での就労 原則禁止 原則禁止(変わらず)
許可の形 包括許可の対象外 店ごとの個別許可
働ける時間 ― すべてのアルバイトを合わせて週28時間以内
性風俗関連・接待を伴う店 禁止 禁止(変わらず)

厚生労働省の資料は、遊技場営業店舗(パチンコ店など)や接待飲食等営業(スナック、バーなど)でのアルバイトは原則禁止だとしたうえで、家族滞在の人のパチンコ店などに限って個別許可の道を設けたと案内しています。つまり「原則禁止」という大きな枠は残し、その中に例外を作った形です。

今回の解禁で心配される点は?

国会の議論を経ずに外国人の働き口が広がったことと、本来は扶養家族のための資格が労働力の受け皿になりつつあることです。

入管庁は、要望は業界から寄せられたもので、警察庁にも確かめたうえで就労環境に問題はないと判断したと説明しています。入管庁の要件には、法令違反がないこと、誓約書、週28時間の上限といった歯止めも入っています。

(編集部分析)まず問うべきは「誰の利益か」です。今回の変更は、人手不足に悩む遊技業界の要望から始まったと入管庁自身が説明しています。業界の人手不足は、賃金や待遇を上げて国内の働き手を集めることでも解消を目指せるはずです。外国人の働き口を広げる判断を、業界の要望を受けて国会の議論を経ずに役所の運用だけで決めた進め方には、課題が残ると評価できます。

(編集部分析)次に、家族滞在という資格の性格です。家族滞在は、働く外国人や留学生の配偶者や子が家族として暮らすための資格で、仕事は本来「例外」として週28時間まで認められているものです。その例外の範囲を業界の要望に応じて広げていけば、扶養家族のための資格が、労働力を確保する手段として使われる場面が増えていく懸念があります。外国人の受け入れは、短期の人手不足の解消だけでなく、社会保障や地域社会が中長期に負う負担、賃金への下押しまで含めて国民的に議論すべきテーマです。

(編集部分析)さらに、週28時間の上限が守られるかという実務の問題もあります。上限の確認は、複数のアルバイトを合わせて店が「定期的に確認する」誓約に頼る仕組みで、店をまたいだ時間の管理を行政がどう確かめるのかは、公表資料からは分かりません。主権国家として、受け入れの範囲と条件を自ら制御できる制度であり続けるために、今回の運用の実態を国会でも検証することが求められます。

店や働きたい人は、まず何をすればいい?

店は営業許可証と誓約書を用意し、働きたい人は地方出入国在留管理局へ個別許可を申請します。許可が出る前に働き始めてはいけません。

パチンコ店などで家族滞在の人を雇いたい店は、入管庁の参考様式で勤務先の誓約書を作り、営業許可証の写しとあわせて本人に渡します。採用後は、ハローワークへの外国人雇用状況の届出が必要です。働きたい人は、ほかのアルバイトの時間も含めて週28時間以内に収まるかを確かめたうえで、6点の書類をそろえて申請します。

許可を受けずに働くと、不法就労になるおそれがあります。不法就労させた側も、入管法の不法就労助長罪に問われる可能性があります。申請先や審査の期間は、入管庁の公式ページで最新の情報を確かめてください。永住許可の審査の変更については「永住許可の審査が厳格化|手数料20万円と年収基準はいつから」で扱っています。

外国人のパチンコ店アルバイトのよくある質問

今回の運用の変更について、検索されやすい疑問に答えます。

Q. 永住者や日本人の配偶者もパチンコ店で働ける?

A. 永住者や日本人の配偶者等は仕事の制限がない在留資格なので、資格外活動許可は要りません。今回の変更は、仕事に制限がある家族滞在の人に向けたものです。

Q. 個別許可はどこに申請する?

A. 厚生労働省の資料は、地方出入国在留管理局へ申請すると案内しています。窓口や受付の方法、審査にかかる期間は、入管庁の公式ページや最寄りの地方出入国在留管理局で確かめてください。

Q. 今後、対象が広がる予定は発表されている?

A. 2026年10月25日時点で、入管庁の公表資料や報道から、留学生などへ対象を広げる予定は確認できません。

制度は今後も見直される可能性があるため、働く前に入管庁の公式ページを確かめてください。

参考情報

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