【2026夏・甲子園】健大高崎4-1佐野日大|史上初の北関東ダービーを4投手継投で制し12年ぶり8強

第108回全国高校野球選手権大会第12日の2026年8月16日、甲子園球場の第1試合で健大高崎(群馬)が佐野日大(栃木)を4-1で下し、12年ぶりのベスト8に進みました。群馬県勢と栃木県勢が甲子園で対戦するのは春夏を通じて初めてで、「北関東ダービー」「毛の国対決」と呼ばれた一戦です。今大会14イニング無失点だった佐野日大のエースが崩れた2回裏と、健大高崎が並べた4投手の継投が、勝敗を分けました。この記事では、報道各社が伝えた事実にもとづいて試合の中身を追います。
この記事でわかること
- 健大高崎4-1佐野日大の得点経過とイニングスコア
- 佐野日大・鈴木有が今大会初失点を喫した2回裏の中身
- 健大高崎が1年生左腕から始めた4投手継投の並べ方
- 「北関東ダービー」が史上初となった理由
- 健大高崎の準々決勝の相手と日程
健大高崎4-1佐野日大|史上初の北関東ダービーはどう決まったのか
健大高崎が4-1で勝ち、12年ぶりの8強に進みました。2回裏に挙げた3点で、試合の形はほぼ決まっています。
先に動いたのは佐野日大でした。2回表、4番・小和田和輝がこの試合で両チーム通じて初めての安打を放ち、1死一、三塁の場面をつくります。ここで7番・荒川結衿(2年)が右犠飛を放ち、1点を先制しました。
ところがその裏、健大高崎がすぐに3点を返して逆転します。以降は健大高崎が6回に1点を加え、佐野日大は追加点を奪えないまま試合が終わりました。イニングごとの動きは次のとおりです。
| チーム | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 佐野日大(栃木) | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
| 健大高崎(群馬) | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | × | 4 |
点が入ったのは2回と6回の2回だけです。動いた回が少ないぶん、その中身が試合の説明そのものになります。
2回裏の3連打──岩井・豊永・神崎で一気に逆転
1死一、二塁から岩井・豊永・神崎が3本続けて単打を放ち、1点を追う展開を3-1に変えました。
健大高崎はこの回、先頭の4番・佐藤麻恩(3年)が四球で出塁します。犠打で1死二塁とし、次打者が死球を受けて1死一、二塁。ここまで安打は1本もありません。
そこから7番・岩井由来(2年)が右前へ適時打を放って同点とし、続く8番・豊永飛輝(3年)が左前へ運んで勝ち越します。さらに2死一、二塁となってから1番・神崎翔斗(2年)が左前打を放ち、3点目が入りました。スポニチアネックスとスポーツ報知はいずれも、この3本がすべて単打であったことを伝えています。
6回、1年生・狩野蓮義の中前打が決めた4点目
2死二塁から1年生の狩野蓮義が中前へ運び、追い上げを許さない4点目を作りました。甲子園での初安打です。
狩野は愛知県出身の右翼手で、春の群馬県大会からスタメンに入っている1年生です。中日スポーツによれば、この日の適時打が甲子園での初安打でした。青柳博文監督(54)は試合後、この1点について「あの1点は大きかった」と話しています。
3-1のままなら、佐野日大は1本の長打で同点圏に入ります。4-1になったことで、その計算が消えました。以降の3イニングで佐野日大に得点は生まれていません。
佐野日大・鈴木有はなぜ今大会初失点を喫したのか
四球と死球で自ら走者をためた2回裏に、3本の単打を集められたためです。制球で崩れない投手が、この回だけ制球で崩れました。
佐野日大のエース・鈴木有投手(3年)は、この試合まで今大会2試合で14イニングを投げて無失点でした。持ち味は与四球の少なさで、2回戦までの与四球はわずか1個です。朝日新聞によれば、この日の2回に喫した失点が今大会16イニング目にして初めての失点でした。
崩れ方は、これまでとは逆の形でした。1点の援護をもらった直後の2回裏、先頭の4番・佐藤麻恩に四球を与えます。犠打で1死二塁とされたあと、次打者に死球。無安打のまま1死一、二塁という場面を自分で作り、そこから3本の単打を浴びて3点を失いました。安打で崩されたというより、走者を置いてから安打が続いたという順序です。
| 試合 | 相手 | 結果 | 鈴木有の内容 |
|---|---|---|---|
| 1回戦(8月6日) | 聖隷クリストファー(静岡) | ○1-0 | 9回102球・6安打・無四球・7奪三振で完封 |
| 2回戦(8月12日) | 神村学園(鹿児島) | ○3-1 | 先発は沖崎翼。鈴木は救援で5回無失点、2試合計14イニング無失点 |
| 3回戦(8月16日) | 健大高崎(群馬) | ●1-4 | 2回裏に四死球から3安打を集められ3失点。6回にも1点を失いこの回で降板 |
麦倉洋一監督は試合前、「安打数も少なくコントロールよく投げてれば、強打の健大さんでもそう簡単に打てないんじゃないかな」とエースに信頼を寄せていました。その前提が崩れたのが、この2回裏だったことになります。
鈴木は6回まで投げて降板し、7回から2年生左腕・沖崎翼、8回からは山田琉偉(2年)がマウンドに上がりました。試合後、麦倉監督は「先制点を取れたが追加点が…力の差です、力負けです」と話しています。1997年以来29年ぶりの8強入りはなりませんでした。
健大高崎はなぜ1年生左腕・大橋叡刀を先発させたのか
7人の投手を抱え、試合ごとに先発を替えて勝ち上がってきたためです。この日は甲子園初登板の1年生を1番手に置きました。
先発を任されたのは左腕・大橋叡刀(1年)でした。甲子園のマウンドはこの試合が初めてです。スポニチアネックスによれば、健大高崎の1年生が夏の甲子園で先発するのは、2014年3回戦・山形中央戦の石毛力斗以来12年ぶりでした。青柳博文監督は先発起用について「コントロールがいい投手」と話しています。
この起用は突然のものではありません。健大高崎は1回戦でエース・石垣聡志(2年)が117球を投げて完投し、2回戦の東海大甲府戦は3投手による継投で1-0の完封と、2試合で違う勝ち方をしてきました。3試合連続で別の入り方を選んだ形です。
大橋→新倉→北田→石田の4投手継投
1年生から3年生まで4人が2〜4イニングずつを分け合い、9回を1失点に抑えました。
誰がどこを担ったかを並べると、次のようになります。
健大高崎の継投リレー(3回戦・佐野日大戦)
甲子園初登板。2回1失点
こちらも初登板。2回無失点
4回を無失点。最長の4イニング
本職は三塁手。無失点で締める
失点したのは、1年生が投げた最初の2イニングだけです。2回戦で2番手として2回を無失点に抑えた北田が中盤の4イニングをまたぎ、最後は野手登録の石田が締めました。日刊スポーツはこの試合を「4投手継投で逃げ切る」と伝えています。
「北関東ダービー」はなぜ史上初なのか
群馬県勢と栃木県勢が甲子園で当たったことが、春夏を通じて一度もなかったためです。この試合が最初の一戦になりました。
日刊スポーツによれば、甲子園での群馬県勢対栃木県勢の対戦は春夏通じて初めてです。隣り合う県で、関東大会では毎年のように顔を合わせている両校が、聖地では一度も交わっていませんでした。朝日新聞はこの一戦を、両県の古い呼び名にちなんで「毛の国対決」と呼んでいます。上野国(群馬)と下野国(栃木)が、もとは「毛野国」というひとつの地域だったことに由来する言い方です。
組み合わせ抽選は各回ごとに行われるため、隣県同士が長く当たらないこと自体は珍しくありません。ただ、両県とも出場を重ねてきたなかで108回目にして初というのは、それだけ巡り合わせが遠かったということになります。
両校はここまでどう勝ち上がってきたのか
両校とも1回戦・2回戦の4試合で失点は1ずつという、極端な守り勝ちで16強に入ってきました。
佐野日大は1回戦で聖隷クリストファーを1-0、2回戦で神村学園を3-1で下しています。1回戦は鈴木有の完封で、この勝利が学校として25年ぶりの夏の甲子園白星、そして麦倉洋一監督にとって監督としての甲子園初勝利でした。2回戦は沖崎翼が先発しています。3回戦進出は1997年以来29年ぶりでした。
健大高崎は1回戦で八幡商を7-1、2回戦で東海大甲府を1-0で退けました。1回戦は石垣聡志が117球・4安打11奪三振1失点の完投、2回戦は3投手の継投で完封しています。夏の3回戦進出は2015年以来11年ぶりで、この日の勝利で8強は2014年以来12年ぶりとなりました。
| 項目 | 佐野日大(栃木) | 健大高崎(群馬) |
|---|---|---|
| 今大会の出場 | 16年ぶり7回目 | 3年連続6回目 |
| 1回戦 | ○1-0 聖隷クリストファー(8月6日) | ○7-1 八幡商(8月7日) |
| 2回戦 | ○3-1 神村学園(8月12日) | ○1-0 東海大甲府(8月13日) |
| 2試合の失点 | 1 | 1 |
| 3回戦(8月16日) | ●1-4/29年ぶりの8強はならず | ○4-1/12年ぶりの8強 |
| 監督 | 麦倉洋一(55)/同校OB・元阪神 | 青柳博文(54) |
麦倉洋一監督が今大会で超えた「現役時代の1勝」
今大会の2勝で、選手として挙げた甲子園1勝を監督として上回りました。母校を率いるOB監督です。
麦倉監督は佐野日大の卒業生です。1989年に投手として甲子園に出場し、完封勝利と本塁打を記録しました。プロでは阪神でプレーしています。スポニチアネックスによれば、今大会1回戦の勝利が監督としての甲子園初勝利で、2回戦に勝った時点で通算2勝となり、選手として挙げた甲子園1勝を上回りました。母校のユニホームで、自分の記録を追い越した大会ということになります。
春の関東大会3-2の再戦はどう変わったのか
今春は両校のエースが投げ合いましたが、この日は健大高崎がエースを温存し、1年生から入った点が違います。
スポニチアネックスとスポーツ報知によれば、両校は今春の関東大会2回戦で対戦し、佐野日大・鈴木有、健大高崎・石垣聡志の両エースが先発して3-2で健大高崎が勝っています。鈴木はこのとき8回3失点でした。麦倉監督は試合前、この一戦を踏まえて「1、2番打者をできるだけ出塁させないようにするのが、流れに持っていくカギ」と話しています。
この日の健大高崎はエース石垣を先発させず、1年生から入りました。同じ顔合わせでも投手の並べ方はまったく違い、点差は春の1点から3点に開いています。次の試合にエースを残したまま勝ち上がった形です。
健大高崎の準々決勝はいつ、相手はどこか
8月18日の準々決勝第4試合で、初出場初8強の有明(熊本)と対戦します。開始予定は午後3時30分です。
夏の甲子園は3回戦の全8試合が終わったあとに再抽選を行い、準々決勝の組み合わせと試合順を決めます。日刊スポーツと高校野球ドットコムによれば、この抽選の結果、健大高崎の相手は有明に決まりました。有明は今大会が初出場で、そのまま初の8強入りを果たしたチームです。
8月18日・準々決勝の開始予定時刻
午前8時00分
午前10時30分
午後1時00分
午後3時30分
なお、これらの時刻は大会本部が示す開始予定であり、天候や前の試合の進行によって前後する可能性があります。観戦の際は当日の公式発表を確認してください。
よくある質問
Q. 健大高崎と佐野日大の3回戦のスコアは何点でしたか?
A. 健大高崎が4-1で勝ちました。佐野日大が2回表に1点を先制し、その裏に健大高崎が3点を奪って逆転、6回に1点を加えています。
Q. なぜ「北関東ダービー」と呼ばれたのですか?
A. 隣接する群馬県と栃木県の代表校が甲子園で当たるのが、春夏を通じて初めてだったからです。朝日新聞は両県の古い呼び名から「毛の国対決」とも表現しています。
Q. 佐野日大の鈴木有投手は今大会どんな成績でしたか?
A. この試合の前まで2試合14イニングを投げて無失点、与四球は1個だけでした。1回戦は9回102球6安打無四球7奪三振の完封です。この日の2回裏に、今大会16イニング目で初めて失点しました。
Q. 健大高崎は何人の投手を使いましたか?
A. 4人です。大橋叡刀(1年)が1〜2回、新倉大輝(3年)が3〜4回、北田莉玖(2年)が5〜8回、石田翔大(3年)が9回を投げ、失点は最初の2イニングの1点だけでした。
Q. 健大高崎の次の試合はいつですか?
A. 8月18日の準々決勝第4試合(午後3時30分開始予定)で、有明(熊本)と対戦します。組み合わせは3回戦終了後の再抽選で決まりました。
参考情報
- 日刊スポーツ「【甲子園】健大高崎が12年ぶり8強 佐野日大との北関東対決制す 4投手継投で逃げ切る」(2026年8月16日)
- スポニチアネックス「【甲子園】佐野日大 29年ぶりの8強入りならず悔し涙、2回に先制も追加点奪えず逆転負け」(2026年8月16日)
- スポーツ報知「【甲子園】佐野日大・鈴木有が今大会初失点 2回に3安打3失点で逆転許す」(2026年8月16日)
- 朝日新聞「佐野日大の鈴木、16イニング目に初失点 今大会2つ目四球から」(2026年8月16日)
- 中日スポーツ「健大高崎、愛知出身の1年生・狩野蓮義が貴重なタイムリー 青柳監督『あの1点は大きかった』」(2026年8月16日)
- 高校野球ドットコム「18日予定の準々決勝の組み合わせ決定!初出場初8強の有明は健大高崎と第4試合で対戦!」(2026年8月16日)





