【10/8】西田昌司氏「なぜ解任」石井前参院幹事長の交代に説明要求
自民党の西田昌司参院議員が、2026年10月8日の参院議員総会で、9月に参院幹事長を外れた石井準一氏の交代理由を松山政司参院議員会長に問いただしました。西田氏は「なぜ石井幹事長だけ解任させられたのか。何か瑕疵があったのか」と述べ、松山氏は「個別具体的なことは答えられない」と応じています。
この記事では、総会でのやり取り、松山氏の会見での説明、9月の交代の経緯、そして少数与党の参院で今後の国会運営にどう響くのかを、報道された事実と発言者を分けて整理します。
この記事でわかること
- 総会で何があったか:西田昌司氏が石井準一氏の交代理由の説明を求め、松山会長は具体的な説明をしなかった
- 交代の経緯:9月の参院自民人事で石井氏は再任されず、後任は青木一彦氏。首相は「人事権は私にない」と説明
- 今後の焦点:少数与党の参院で野党と党内の「二正面」の対応を迫られ、国会日程の見通しに懸念が出ている
西田昌司氏は参院議員総会で何を求めたのか
西田昌司氏は、石井準一氏をなぜ参院幹事長から外したのか、納得できる説明をするよう松山政司参院議員会長に求めました。
舞台は10月8日午前、国会内で開かれた自民党の参院議員総会です。朝日新聞によると、西田氏は「なぜ石井氏は解任されたのか。納得できる説明をいただきたい」と声を上げ、総会ではこれに同調する声も上がりました(朝日新聞)。
「なぜ石井幹事長だけ解任させられたのか」発言の中身
西田氏は、石井氏に落ち度があったのかを問い、交代の理由が示されていない点を突きました。
テレビ朝日系(ANN)が伝えた西田氏の発言は「なぜ石井(前参院)幹事長だけ解任させられたのか。何か瑕疵があったのか」というものです。日本経済新聞によると、西田氏は総会のあと記者団に、松山氏から説明はなかったと明かし、「全く納得できず、そう思っている人は多い」と述べました。今後も松山氏に同じ意見を伝え続ける考えも示しています(日本経済新聞)。
「一番の功労者」と評価した理由
西田氏は、限られた日程の前の国会で全法案の成立にこぎつけたことを、石井氏の功績として挙げました。
読売新聞によると、西田氏は総会で「前国会で全法案を成立させた一番の功労者をなぜ代えたのか」と発言しました(読売新聞)。日本経済新聞はこの国会を「先の特別国会」と書いています。「全法案」が政府提出の法案を指すのか、議員立法まで含むのかは、各社の記事では示されていません。ここでは西田氏の評価として紹介するにとどめます。
西田氏の求めは「理由を説明してほしい」という一点でした。次に、松山氏がそれにどう答えたのかを見ます。
松山政司参院会長は交代理由をどう説明したのか
松山氏は総会でも会見でも具体的な理由を示さず、「私自身が総合的に判断した」と繰り返しました。
総会での答えは「個別具体的なことは答えられない」(朝日新聞)、「人事のことだ」(読売新聞)というものでした。その後の記者会見でも、人事について個別具体的なことは言えないとしたうえで、「様々な状況を勘案し、私自身が総合的に判断した」と説明しています(テレビ朝日系)。
総会と会見での発言を並べると
西田氏は理由を問い、松山氏は総会でも会見でも「判断は自分がした」と答え、理由は示しませんでした。
場面ごとに並べると次のとおりです。
| 場面 | 発言者 | 発言(報道による) | 報道 |
|---|---|---|---|
| 参院議員総会 | 西田昌司氏 | 「なぜ石井幹事長だけ解任させられたのか。何か瑕疵があったのか」 | テレビ朝日系・日経 |
| 参院議員総会 | 西田昌司氏 | 「前国会で全法案を成立させた一番の功労者をなぜ代えたのか」 | 読売新聞 |
| 参院議員総会 | 松山政司氏 | 「個別具体的なことは答えられない」 | 朝日新聞 |
| 総会後 | 西田昌司氏 | 「全く納得できず、そう思っている人は多い」 | 日経 |
| 記者会見 | 松山政司氏 | 「私自身が総合的に判断した」「参院自民党の結束が揺らぐことは全くない」 | テレビ朝日系・朝日新聞 |
表のとおり、問いは「理由」で、答えは「判断は自分がした」でした。両者はかみ合わないまま総会が終わっています。
「結束は揺らがない」「全員野球」と強調
松山氏は会見で、党内に異論があっても参院自民の結束は崩れていないと繰り返し訴えました。
日テレNEWS NNNによると、松山氏は西田氏の発言について「議員がそれぞれ意見を持って意見交換をするのは我が党のいいところ」と述べ、「みんなそれぞれ全員野球でやっている」と語りました。テレ東BIZによると、「様々な意見をいただいたが、しっかり耳を傾けて党運営・活動に生かしていきたい」とも述べています。
朝日新聞は、結束を前面に出す松山氏の様子について、参院の中堅議員が「不安の裏返しだ」と語ったと伝えています。説明を避けた理由を考えるには、9月の人事そのものを振り返る必要があります。
石井準一氏の参院幹事長交代はいつ・どう決まったのか
石井氏は2026年9月の参院自民の執行部人事で再任されず、後任には青木一彦氏が就きました。
松山氏は9月、内閣改造と党役員人事に合わせて参院の執行部を入れ替えました。共同通信によると、9月16日に松山氏は国会内で記者団に「外からの声は全くない。参院の独自性を持った人事だ」と述べています(熊本日日新聞(共同通信配信))。
9月から10月8日までの流れ
9月中旬の交代から10月8日の総会まで約3週間、理由の説明は一度も示されていません。
主な出来事を時系列で並べます。
松山会長が参院執行部を刷新。石井氏は再任されず、後任に青木一彦氏
松山氏「外からの声は全くない」。首相「人事権は私にない」
参院議員総会で西田氏が交代理由の説明を要求
松山氏が会見で「総合的に判断」「結束は揺らがない」
図のとおり、交代から約3週間、理由の説明は「総合的に判断」から先へ進んでいません。総会での追及は、この空白に向けられたものでした。
後任の青木一彦氏とはどんな人か
青木一彦氏は参院議員で、石破内閣で官房副長官を務めた人物です。父は参院自民の実力者だった青木幹雄氏です。
選挙ドットコムの解説記事によると、青木氏は参院の平成研究会の出身です。朝日新聞は青木氏を「元官房副長官」と紹介しています(選挙ドットコム)。
交代の理由はなぜ説明されないのか
具体的な理由は公表されておらず、松山氏は「個別具体的なことは答えられない」として、説明しない理由も明らかにしていません。
確認できるのは、松山氏が「私自身が総合的に判断した」と述べていることだけです。理由が示されないことが、西田氏らの不満につながっています。
党則では参院議員総会の選挙か承認で決まる
自民党の党則第63条は、参院幹事長などの参院の役員を「参議院議員総会で選挙、又は承認を得て決定する」と定めています。
人選を主導するのは参院議員会長で、選挙ドットコムの解説は、参院自民の人事権は総裁ではなく松山会長にあると説明しています。党則の手続きのうえでは、参院議員総会が役員を決める場でもあります。その総会の場で交代の理由が問われたことになります(自由民主党 党則)。
松山氏が9月に「参院の独自性を持った人事だ」と述べたのは、首相や党本部ではなく、参院の側が自ら決めた人事だという立場を示したものです。
高市首相は「人事権は私にない」と説明
高市早苗首相は9月16日、石井氏の交代は自分の意向ではなく、松山会長が決めたことだと述べました。
共同通信によると、首相は「参院役員の人事権は私にない。松山政司参院議員会長が決めたと承知している」と述べ、「選ばれた方々の名前も役職も今朝、党本部で聞いた」とも語りました(熊本日日新聞(共同通信配信))。
ただ、同じ記事は、参院側の国会運営に不満を募らせた首相の意向が背景にあるのではないかとの見方が広がっていると伝えています。この見方の中身を次に整理します。
首相との溝はあったのか(報道された見方)
首相の意向があったとする公式な説明はなく、背景として報じられているのは予算審議をめぐる見方です。
朝日新聞は石井氏を「高市早苗首相(自民総裁)との溝がある」と書き、外された石井氏の周辺が「首相の意向なしにこんな人事にはならないだろう」と不満を漏らしていると伝えました。いずれも当事者の周辺の声であり、首相や松山氏はこれを認めていません。
2026年度予算の年度内成立をめぐる見方
報道では、少数与党の参院で予算審議が長引き、年度内に成立しなかったことが溝の始まりだとする見方が示されています。
選挙ドットコムの解説は、石井氏が参院の予算審議で野党に配慮した結果、首相が目指した当初予算の年度内成立が断念に追い込まれた、という構図を紹介しています。ただしこれは記者の取材にもとづく解説で、首相や松山氏が交代理由として認めたものではありません。
4月の新グループ結成と官邸の警戒
石井氏が予算成立後の4月に参院自民の中で新しいグループを作ったことも、官邸の警戒を強めたと報じられています。
テレ東BIZによると、西田氏はこのグループを石井氏と共同で立ち上げた発起人の1人です。交代をめぐる見方は複数ありますが、どれも公式に確認されたものではない点は押さえておく必要があります。
(編集部分析)人選は参院会長が主導し、参院が自ら決めるという建前と、「首相の意向ではないか」という見方が並び立っているのは、理由が語られていないからです。少数与党の国会で法案を通すには、与党内の信頼と説明が土台になります。説明を欠いたまま「結束」だけを唱えても、疑念は消えにくいと評価できます。
西田昌司氏と石井準一氏はどんな関係か
西田氏は石井氏と参院自民党内の政策グループを共に立ち上げた仲で、国会対策を担った石井氏に近い立場です。
テレ東BIZによると、西田氏は前参院決算委員長で、石井氏とともに政策グループを立ち上げた発起人の1人です。石井氏については、野党に幅広い人脈を持ち、長年国会対策を主導してきた人物と紹介しています。
近い関係にある議員が総会で正面から異論を述べたことで、9月の人事への不満が表に出た形です。朝日新聞は、西田氏の発言に総会で同調する声が上がったと報じています。
西田氏の追及は個人的な義理だけで語られるものではありません。少数与党の参院で、国会運営の要を外した影響が問われているためです。
参院の国会運営にどんな影響が出るのか
自民党内からは、石井氏の交代で国会閉会までの日程の見通しが立てにくくなったとの懸念が出ています。
テレ東BIZによると、ある自民党幹部は「石井前幹事長の交代により閉会までのスケジュール感が見通せなくなった」と述べ、少数与党の参院での審議に懸念を示しました。朝日新聞は、執行部が野党と党内の「二正面」の対応を迫られそうだと分析しています。
少数与党の参院で野党とどう合意を作るのか
松山氏は、国民民主党や公明党など多くの野党会派と丁寧に議論していく考えを示しました。
テレ東BIZによると、松山氏は「現役世代の負担軽減ということで今までも議論してきた国民民主党、26年間一緒に与党として行動して信頼関係を構築できている公明党など多くの野党会派と丁寧に議論をしていきたい」と述べました。野党との窓口を新しい体制がどう作り直すかが、法案審議の速さを左右します。
党内の不満は広がるのか
西田氏は今後も松山氏に意見を伝え続けると述べており、不満がすぐに収まる見通しは立っていません。
日本経済新聞によると、西田氏は「そう思っている人は多い」とも述べています。総会での同調の声がどこまで広がるかは、今後の議員総会や国会審議の進み方に表れてきます。
(編集部分析)少数与党の参院は、国益に直結する法案や予算が野党との折衝しだいで止まりうる場です。国会運営の経験者を外す判断そのものは人事権者の裁量ですが、その理由を党内に説明しないまま審議に入れば、日程の遅れという形で国民にツケが回るおそれがあります。政権の安定と政策の実行を重んじる立場からも、説明による党内の納得づくりが急がれる局面と言えます。
石井氏交代問題の今後の焦点
今後の焦点は、松山氏が理由を説明するかどうかと、新体制で参院の審議を滞りなく進められるかの2点です。
現時点で分かっていることと、まだ分からないことを分けると次のとおりです。
| 論点 | 分かっていること | まだ分からないこと |
|---|---|---|
| 交代の理由 | 松山氏は「総合的に判断した」とだけ説明 | 具体的な理由。説明する考えがあるか |
| 首相の関与 | 首相は「人事権は私にない」と否定 | 「首相の意向」とする見方を裏づける事実 |
| 党内の反応 | 西田氏が説明を要求し、総会で同調の声 | 不満が会派の行動に広がるか |
| 国会運営 | 自民幹部が閉会までの日程に懸念 | 野党との合意づくりが進むか |
表の右の列は、今後の総会や国会審議で順に答えが出ていく部分です。この問題の行方を追うなら、次の3点を見ておくと流れがつかめます。
- 松山氏の説明:記者会見や議員総会で、交代の具体的な理由に触れるかどうか
- 次の参院議員総会:西田氏に同調する声が増えるか、執行部への異論が続くか
- 今国会の参院の審議日程:法案の採決が予定どおり進むか、遅れが出るか
新しい動きが報じられたら、この記事に追記します。
高市政権の1年をめぐる党内外の評価は、高市総理の就任1年の実績をめぐる議論で整理しています。改造内閣の閣僚をめぐる問題は簗和生農相をめぐる国交省の調査でまとめています。
西田昌司氏と石井氏交代のよくある質問
参院自民の仕組みについての疑問を、党則にもとづいて3つ取り上げます。
Q. 自民党の参院議員総会とは何ですか?
A. 党所属の参議院議員全員で構成する会議です。党則第60条は、参議院における党の国会活動に関する事項を審議決定する場と定めています。
Q. 参院議員会長と参院幹事長はどう違うのですか?
A. 会長は参院議員総会を招集して議長を務める立場で、総会で公選されます(党則第61条)。幹事長は参院での党の国会活動を進めるために置かれる役員で、総会での選挙か承認で決まります(同第63条)。
Q. 参院幹事長は党の中でどんな立場ですか?
A. 党の役員会の一員です。党則第25条は、役員会を総裁・副総裁・幹事長・総務会長・政務調査会長・選挙対策委員長・参議院議員総会長・参議院幹事長で構成すると定めています。
交代の理由が語られるかどうかは、今後の議員総会での松山氏の対応にかかっています。
参考情報
- 朝日新聞「「なぜ解任?」 参院自民、石井前幹事長の交代に党会合で疑問の声」(2026年10月8日)https://www.asahi.com/articles/ASVB8346TVB8UTFK00MM.html
- 読売新聞「自民・西田参院議員「一番の功労者をなぜ代えたのか」…石井・前参院幹事長交代について説明求める」(2026年10月8日)https://www.yomiuri.co.jp/politics/20261008-GYT1T00295/
- 日本経済新聞「自民党・西田昌司氏、石井氏の参院幹事長交代「全く納得できない」」(2026年10月8日)https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA085PR0Y6A001C2000000/
- 熊本日日新聞(共同通信配信)「参院人事権「私にはない」 首相、石井氏退任で」(2026年9月16日)https://kumanichi.com/articles/2036456
- 熊本日日新聞(共同通信配信)「参院人事、外からの声は全くないと松山氏」(2026年9月16日)https://kumanichi.com/articles/2036453
- 自由民主党「党則」(第25条・第60条・第61条・第63条)https://www.jimin.jp/aboutus/pdf/organization.pdf
- 選挙ドットコム「自民党役員人事」解説記事(2026年9月17日)https://go2senkyo.com/articles/2026/09/17/142485.html
- テレビ朝日系(ANN)「自民参院幹事長の交代めぐり不満の声 西田氏「全く納得できない」」(2026年10月8日)
- テレ東BIZ「「参院自民の結束は揺るがない」自民党・松山参院議員会長 執行部人事をめぐり党内からは不満も」(2026年10月8日)
- 日テレNEWS NNN「自民・石井前参院幹事長の“交代理由”説明求める声上がる」(2026年10月8日)
