【10/25】兵庫県議補選・高砂は島津明香氏が初当選|斎藤知事の元側近・片山安孝氏が5454票差で落選

【10/25】兵庫県議補選・高砂は島津明香氏が初当選|斎藤知事の元側近・片山安孝氏が5454票差で落選

兵庫県議会議員の高砂市選挙区補欠選挙は10月25日に投開票が行われ、自民党兵庫県連が推薦した無所属新人で元高砂市議の島津明香(しまづ・はるか)氏(38)が1万2943票を得て初当選しました。斎藤元彦知事の側近として副知事を務めた無所属新人の片山安孝氏(66)は7489票で、5454票の差がつきました。

片山氏は、斎藤知事の疑惑を指摘した告発文書の問題で、県の内部調査の中心にいた人物です。2024年7月に「県政に混乱を招いた」として副知事を辞め、今回は「斎藤県政を支持する」と訴えて県議選に挑みましたが、自民党の組織戦の前に及びませんでした。投票率は29.23%で、有権者のおよそ3人に1人に満たない人しか投票していません。

この記事では、開票結果と2人の経歴、選挙戦の構図、片山氏が敗れた背景、低い投票率の意味、来春の県議選に向けた見通しを、朝日新聞・共同通信・産経新聞・サンテレビの報道と兵庫県選挙管理委員会の資料をもとに整理します。

この記事でわかること

  • 結果:島津明香氏が1万2943票で初当選し、元副知事の片山安孝氏(7489票)に5454票の差をつけました。
  • 構図:自民党県連が推す元市議と、斎藤知事への支持を前面に出した元側近の一騎打ちでした。
  • この先:島津氏の任期は2027年4月29日まで。半年後の統一地方選で、同じ選挙区の県議選がもう一度行われます。
目次

兵庫県議補選・高砂市選挙区の結果は?島津明香氏が初当選

元高砂市議の島津明香氏が1万2943票で初当選し、元副知事の片山安孝氏は7489票で落選しました。

補欠選挙は、自民党の現職県議が9月9日に亡くなったことに伴うもので、欠員は1人です。10月16日に告示され、無所属の新人2人が立候補しました。朝日新聞が伝えた開票結果は次のとおりです。

候補者 年齢・立場 得票数 結果
島津明香 38歳・無所属・新人(元高砂市議・自民党兵庫県連推薦) 12,943票 当選(初)
片山安孝 66歳・無所属・新人(元兵庫県副知事) 7,489票 落選

2人の得票の合計は2万432票で、そのうち島津氏が約63%、片山氏が約37%を占めました(割合は編集部の計算)。島津氏は片山氏の約1.7倍の票を集めたことになり、サンテレビは25日午後8時すぎに島津氏の当選確実を速報しました。

投票率は29.23%、前回より3.36ポイント低下

投票率は29.23%で、前回の県議選高砂市選挙区の32.59%を3.36ポイント下回りました。

朝日新聞によると、当日有権者数は7万1432人です。単純に掛け合わせると、投票した人はおよそ2万900人で、7万人を超える有権者のうち5万人ほどが投票しなかった計算になります(編集部の計算。無効票などを含むため、2人の得票の合計とは一致しません)。

今回の補選の主な数字を1つの表にまとめると、次のとおりです。

項目 数字 出どころ
当日有権者数 71,432人 朝日新聞
投票率(今回) 29.23% 朝日新聞・サンテレビ
投票率(前回) 32.59% 朝日新聞
2人の得票の合計 20,432票 編集部の計算
2人の票差 5,454票 編集部の計算
島津氏の得票の割合(2人の合計に対して) 約63% 編集部の計算

島津氏の1万2943票は、当日有権者数の約18%にあたります。勝った候補でも有権者の5人に1人ほどの票で議席を得たことになり、低い投票率の重さが分かります(割合は編集部の計算)。

(編集部分析)亡くなった県議の残りの任期はおよそ半年で、来春には同じ選挙区で県議選が控えています。「半年だけの議席」という受け止めが、関心の低さにつながった面もあるとみられます。

島津明香氏とはどんな人?26歳で市議に初当選し3期

島津氏は38歳で、26歳だった2014年の高砂市議選で初当選し、市議を3期12年務めました。

産経新聞によると、島津氏は2014年の市議選で最多得票を得て初当選し、その後も連続で当選しました。今回は亡くなった自民党県議の後継として立候補し、自民党県連の推薦を受けました。ただ、「幅広い支持を得たい」として党の公認ではなく無所属で臨んでいます(朝日新聞)。

選挙戦では、子育て政策の拡充と地域医療の確保を主な訴えに掲げました(共同通信・サンテレビ)。朝日新聞によると、県と高砂市を結ぶ「パイプ役を担いたい」とも強調しました。自民党の国会議員や地方議員が応援に入り、企業や団体を回る組織戦を展開しています。

当選した島津氏の言葉

島津氏は当選を受けて、有権者から預かった期待の重さを語り、県政の立場から地元の課題に取り組む考えを示しました。

サンテレビによると、島津氏は選挙戦を振り返り、託された期待の重さについて語りました。産経新聞によると、島津氏は立候補の理由として、県政の立場から地元の地域課題に取り組みたいと述べていました。市議として12年間取り組んできた子育てや医療の課題を、県の予算や制度につなげられるかが、短い任期の中で問われます。

斎藤知事への姿勢は「是々非々」

島津氏は斎藤知事の県政について「是々非々の姿勢で臨む」と述べ、支持とも不支持とも明言しませんでした。

朝日新聞によると、島津氏は当初「政策ごとに是々非々の姿勢で臨みたい」としていましたが、選挙戦が進むと「政策を訴える選挙にしたいと思う」と述べ、知事への評価に触れるのを避けるようになりました。知事をめぐる対立に巻き込まれず、地元の課題に話を絞る戦い方だったといえます。

片山安孝氏とはどんな人?斎藤知事の副知事を務めた元県職員

片山氏は兵庫県の職員を38年務め、2021年に斎藤知事が初当選したあと副知事に起用された、知事の最側近と呼ばれた人物です。

朝日新聞によると、片山氏は県の産業労働部長などを経て副知事になり、県議会への対応なども担いました。今回の選挙戦では、県職員と副知事としての経験を「即戦力」として訴えました(産経新聞・神戸新聞)。

告発文書の問題で2024年に副知事を辞任

片山氏は告発文書の問題で県の内部調査の中心を担い、2024年7月に本人が「県政に混乱を招いた」と説明して辞任しました。

2024年3月、当時の西播磨県民局長(その後死去)が、斎藤知事らの疑惑を指摘する文書を配りました。朝日新聞と産経新聞によると、片山氏はこの文書をめぐる県の内部調査で中心的な役割を果たしました。県議会は調査特別委員会(百条委員会)を設けて問題を調べ、斎藤知事は県議会の不信任決議を受けて2024年9月に失職しましたが、11月の出直し知事選で再選されています。

神戸新聞によると、県が設けた第三者調査委員会は2025年3月の報告書で、告発文書を公益通報として扱わずに作成者を特定し、懲戒処分にした県の対応を公益通報者保護法に違反すると認定しました。これに対し斎藤知事は会見で「指摘は重く受け止めるが、適切に対応したという認識は変わらない」と述べ、違法性を否定しています。片山氏も、文書で指摘された自身に関する疑惑を否定しています。

経緯を時系列で並べると次のようになります。

2021年:斎藤元彦氏が知事に初当選。片山氏が副知事に起用される
2024年3月:元西播磨県民局長が知事らの疑惑を指摘する文書を配布。県が内部調査を始める
2024年7月:片山氏が「県政に混乱を招いた」として副知事を辞任
2024年9月〜11月:斎藤知事が不信任決議を受けて失職し、出直し知事選で再選
2026年10月:片山氏が県議補選に立候補し、島津氏に敗れる

辞任から2年あまりで、片山氏は知事を支える側として選挙に名乗りを上げました。次の章では、その選挙戦がどんな構図だったかを見ます。

選挙戦の構図は?「自民の組織戦」対「斎藤県政の支持」

今回の補選は、自民党県連が総力で推す島津氏と、斎藤知事への支持を前面に出した片山氏が争う構図でした。

報道をもとに、2人の陣営の違いを並べると次のとおりです。

項目 島津明香氏 片山安孝氏
支援 自民党兵庫県連の推薦。党の国会議員・地方議員が応援 政党の推薦なし
斎藤知事への姿勢 「是々非々」。選挙戦では言及を避ける 「斎藤県政の推進役を担う」と支持を強調
主な訴え 子育て政策、地域医療、県と市のパイプ役 県職員38年と副知事の経験=「即戦力」
戦い方 企業・団体回りを含む組織戦 SNSでの発信が中心(本人は「空中戦」と表現)

朝日新聞は、選挙では斎藤知事に対する姿勢が焦点の1つになったと伝えています。島津氏の陣営は前職の「弔い選挙」として地元の組織を固め、片山氏は知事を支える立場をはっきりさせて支持を広げようとしました。

産経新聞によると、亡くなった前職は自民党の8期目のベテラン県議でした。長く議席を守ってきた後援会や地元の団体が、そのまま後継の島津氏を支えた形です。片山氏は県職員と副知事としての実績を前に出しましたが、高砂市で長年の地盤を持つ陣営に対し、短い選挙期間で支持を広げるのは簡単ではありませんでした。

演説会場で怒号も

選挙戦では、片山氏の演説会場で、告発文書への県の対応に抗議する人たちから怒号が飛ぶ場面がありました。

朝日新聞が伝えています。片山氏は落選後、SNS上の誹謗中傷について「副知事経験者として受忍限度が上がることは認識している」としながらも、家族やスタッフへの中傷は受け入れられないとして、「極端な行為については弁護士と相談したい」と述べました(産経新聞)。告発文書の問題は、2年たった今も地元で強い感情を呼び起こしていることがうかがえます。

なぜ元副知事の片山氏は敗れたのか?

片山氏自身は「リアルな地上戦」への対応が足りず、訴えが地元に浸透しなかったことを敗因に挙げています。

以下は、報道で確かめられる事実と、編集部の見立てを分けて書きます。

産経新聞によると、片山氏は「私の力不足だった」と述べたうえで、SNSでは「空中戦では成果がでた」とする一方、地元での「リアルな地上戦」への対応が不十分だったと振り返りました。サンテレビによると、片山氏は終盤に追い上げたとの認識を示しつつ、主張が十分に届かなかったのは自身の力不足だとしています。神戸新聞も「『即戦力』訴えも票伸びず」との見出しで伝えました。

一方の島津氏は、12年間の市議活動で地元に根を張り、前職の支持基盤と自民党の組織をそのまま受け継ぐ形で選挙に臨みました。

(編集部分析)県議選の1選挙区は、有権者の顔が見える狭い選挙です。投票率が3割を切った今回は、後援会や地域の団体を通じた組織票の影響が相対的に大きくなった可能性があります。SNSで知事支持の声を集めても、それが高砂市の有権者の票に結びつくとは限らないことを、今回の結果は示したと評価できます。片山氏自身が「空中戦」と「地上戦」を分けて振り返ったことも、この点を裏づけています。

(編集部分析)もう1つは、片山氏が告発文書の問題で調査の中心にいた当事者だったことです。知事を支持する人にとっては頼れる経験者でも、問題に批判的な人にとっては「混乱の当事者」と映ります。候補者そのものが県政の対立の象徴になったことが、どちらにも属さない層への支持拡大を難しくした可能性もあります。島津氏が知事への評価に深入りせず、子育てや医療といった地元の話に絞ったのは、この点を意識した戦い方だったと考えられます。

この結果は斎藤県政にどう影響する?

自民系が議席を引き継ぐので県議会の勢力図は変わりませんが、知事の元側近の落選は県政の議論に影響しそうです。

島津氏は自民党の県議の後継で、県議会の中で自民党会派の1議席が引き継がれる形になります。知事を前面で支える県議が1人増える可能性は、今回の結果でなくなりました。ただし島津氏は「是々非々」を掲げており、知事の政策に一律に反対する立場ではありません。

(編集部分析)この選挙を「斎藤知事への審判」と読むのは慎重であるべきです。投票率は3割に満たず、争ったのは高砂市という1つの市の1議席です。島津氏が12年の市議の実績と県とのパイプを訴えたことが、投票の判断に影響した可能性もあり、知事への賛否だけで票が動いたとは言い切れません。知事を支える側も批判する側も、この1議席の結果を自分に都合よく使うのではなく、県政の中身で議論を続けることが、県民の利益にかなうといえます。

島津氏の任期はいつまで?半年後に再び県議選

島津氏の任期は2027年4月29日までで、来春の統一地方選で高砂市選挙区の県議選がもう一度行われます。

補欠選挙で当選した議員の任期は、前の議員の残りの任期と同じです。兵庫県議会議員の任期は2027年4月に満了するため、島津氏が県議として活動できるのは約半年です(サンテレビ)。来春の県議選に立候補するかどうかについて、片山氏はサンテレビに対し、今回の票差を見て判断するとしています。

時期 予定・見通し
2026年10月25日 補欠選挙で島津氏が当選。県議としての活動を始める
2027年4月 統一地方選で兵庫県議選。高砂市選挙区も改選
2027年4月29日 島津氏の今の任期が満了

島津氏にとっては、半年の間に県議としての実績を示し、来春の選挙につなげられるかが問われます。片山氏が再び挑むかどうかも、来春の高砂市選挙区の構図を左右します。

(編集部分析)半年後に同じ選挙区で再び選挙がある以上、今回の結果は来春の前哨戦の意味も持ちます。地元の組織に支えられた候補と、知事への支持を軸に戦う候補が再び争うのか、別の候補が加わるのかによって、今回の結果の意味も変わってきます。来春の構図が固まるまでの半年間、島津氏の県議会での動きと、知事を支える側の候補選びが焦点になります。

10月25日にはほかの地域でも選挙が行われました。新潟市長選の結果、那覇市長選の結果、飯山市長選の結果もあわせてご覧ください。

兵庫県議補選・高砂市選挙区のよくある質問

Q. 開票結果の確定値や期日前投票の人数はどこで見られますか?

A. 兵庫県選挙管理委員会の特設ページに、投票結果と開票結果の確定値、期日前投票の人数、時間ごとの投票状況がPDFで載っています。

Q. 片山安孝氏は来春の県議選に出ますか?

A. 片山氏はサンテレビの取材に対し、今回の票差を見て判断するとしています。10月26日時点で、立候補するかどうかは決まっていません。

開票結果の確定値は、兵庫県選挙管理委員会の特設ページ(令和8年執行兵庫県議会議員高砂市選挙区補欠選挙)で確かめられます。来春の県議選の日程と、島津氏の県議会での発言、片山氏の今後の動きの3つを見ておくと、高砂市選挙区がどう動くかが分かります。

参考情報

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