【10/12】ロシア産軽油の制裁緩和に共和党も反発|フィッツパトリック法案と米ウ首脳の応酬
トランプ米大統領がプーチン露大統領とロシア産軽油の供給で合意し、米財務省が10月9日に制裁を一時的に緩めたことに対し、与党・共和党の中からも反対の声が広がっています。下院ではフィッツパトリック議員がロシア産石油の購入を止める法案を出すと表明し、上院では共和党4人を含む6人の議員が政権に撤回を求める声明を出しました。
合意の中身と一般許可135号の仕組みは「ロシア産軽油の制裁緩和とは?トランプ・プーチン合意の中身と日本への影響」で、トランプ氏の「新しい指導者を」発言は「トランプ氏「ウクライナは新しい指導者を」製油所攻撃で交代要求」で整理しました。この記事はその続報として、10月10日から11日にかけて米議会で起きた動きと、米ウクライナ首脳の応酬がどこまで来ているかをまとめます。
この記事でわかること
- 共和党の反発:フィッツパトリック下院議員が「ロナルド・レーガン平和のための力法案」を出すと表明し、ベーコン、マコール、マカウスキー、ティリスの各議員も相次いで異を唱えました。
- 米ウ首脳の応酬:ゼレンスキー氏は合意を「不公平で不誠実」と批判し、トランプ氏は翌10日に「ウクライナは新しい大統領を持つ時だ」と応じました。
- 日本への示唆:同盟国の対ロシア政策も、選挙前の燃料価格で動くことがあります。エネルギーの自立が日本の安全保障そのものであることを改めて示した出来事です(編集部分析)。
ロシア産軽油の制裁緩和に共和党から何が出たのか
共和党からは、法案でロシア産石油の購入を止める動きと、合意が法律違反ではないかという指摘の2つが出ています。
トランプ氏は10月9日、プーチン氏との電話で軽油の供給に合意したとSNSに投稿しました。米財務省の外国資産管理局(OFAC)は同じ日に一般許可135号を出し、ロシア産軽油の販売・引き渡し・荷下ろし・輸入を2027年4月7日まで認めました。これに対し、10日から11日にかけて与党の議員が次々に声を上げました。
フィッツパトリック議員の「ロナルド・レーガン平和のための力法案」とは
ロシア産石油の購入を例外なく止めることを目指す、超党派の法案だと本人は説明しています。
米国営の国際放送ラジオ・フリー・ヨーロッパ(RFE/RL)によると、下院ウクライナ議員連盟の共同代表を務める共和党のブライアン・フィッツパトリック下院議員(ペンシルベニア州)は10月10日、X(旧ツイッター)で「ロシア産石油のあらゆる購入を止める超党派の法案を提出する」と投稿しました。法案名は「ロナルド・レーガン平和のための力法案(Ronald Reagan Peace Through Strength Act)」で、同議員は「委員会を経ずに本会議に持ち込み、圧倒的多数で可決させる」とも書いています。
同じ報道によると、共和党のドン・ベーコン下院議員(ネブラスカ州)が共同提出者になることに同意しました。10日時点で民主党側の共同提出者は明らかになっていません。
ベーコン・マコール・マカウスキー各議員は何と言ったのか
3人とも軽油の値下げの必要は認めつつ、ロシアに収入を与える方法は誤りだという点で一致しています。
主な発言は次のとおりです。発言の場と報じた媒体も並べました。
| 議員 | 立場 | 主な発言(要旨) | 報じた媒体 |
|---|---|---|---|
| フィッツパトリック下院議員(共和・ペンシルベニア) | 反対・法案提出へ | ロシア産石油のあらゆる購入を止める超党派の法案を出す | RFE/RL |
| ベーコン下院議員(共和・ネブラスカ) | 反対・共同提出 | 農家や消費者に安い軽油は必要だが、ロシアの燃料を買うのは誤った答え。「大統領はプーチン氏に関しては道徳的に盲目だ」 | RFE/RL、ニューズウィーク |
| マコール下院議員(共和・テキサス) | 懸念 | 値下げの狙いは理解するが、制裁を外せばクレムリンの戦争機械の資金になる | RFE/RL、ニューズウィーク |
| マカウスキー上院議員(共和・アラスカ) | 反対 | 今ある制裁と関税の権限を使うべきだ。ロシアのエネルギー市場への復帰は戦争が終わってから議論できる | RFE/RL、ニューズウィーク |
| ティリス上院議員(共和・ノースカロライナ) | 違法の恐れを指摘 | 大統領は法律に従っていない可能性がある。プーチン氏は信用できない | ニューズウィーク(NBCの番組での発言) |
| バラッソ上院院内幹事(共和・ワイオミング) | 擁護 | 大統領は燃料費の引き下げに集中している。プーチン氏への交渉材料にもなりうる | ニューズウィーク(CBSの番組での発言) |
表のとおり、反対に回ったのは対ロシア強硬派として知られる議員が中心で、上院の党指導部の一角であるバラッソ氏は擁護に回りました。共和党が割れていると見るのが実態に近いといえます。
ティリス上院議員「大統領は法律に従っていない可能性」
ティリス氏は、2022年のロシア産石油の輸入禁止法に照らして、今回の合意が違法になる恐れがあると述べました。
米誌ニューズウィークによると、ティリス氏は11日、NBCの番組「ミート・ザ・プレス」で、大統領が法律を破っている可能性について問われ「そうかもしれない」と答え、「大統領が法律に従っていないという正当な主張がある」と述べました。同じ11日には、上院議員6人が政権に方針の撤回を求める声明を出しました。AP通信によると、名を連ねたのは共和党のコリンズ(メーン)、マカウスキー(アラスカ)、ティリス(ノースカロライナ)、カーティス(ユタ)の4議員と、民主党のシャヒーン(ニューハンプシャー)、ブルーメンソール(コネティカット)の2議員です。声明は「ロシアがウクライナの市民を殺し続けている間に、米国はプーチン氏に資金の命綱を与えるべきではない」「政権は直ちに方針を改めなければならない」と求め、政権が法律の定める議会への説明をしていないとも指摘しました。ホワイトハウスの当局者は、同誌の問い合わせにトランプ氏の公の発言を参照するよう答えただけでした。
ティリス氏の指摘は議員としての見解で、裁判所や政府の法的な判断ではありません。この点は次のH2で法律ごとに整理します。
共和党の中で合意を擁護しているのは誰か
上院共和党のナンバー2であるバラッソ院内幹事が、燃料費の引き下げを理由に合意を擁護しています。
ニューズウィークによると、バラッソ氏は11日のCBSの番組「フェイス・ザ・ネーション」で、トランプ氏は国民の負担を下げることに集中していると述べ、軽油の取り決めはプーチン氏に対する交渉材料にもなりうるとの見方を示しました。
(編集部分析)擁護論の柱は「国民の暮らしを先に守る」という主張で、自国民の利益を最上位に置くという点では筋が通っています。一方で、反対する議員が問うているのは、その費用を誰が払うのかという点です。ロシアの軽油収入が戦費に回れば、負担はウクライナの市民と、制裁で足並みをそろえてきた同盟国に移ります。短期の物価と長期の安全保障のどちらを優先するのかという、民主主義国が選挙のたびに直面する問いが、与党の内側で表に出たと評価できます。
米ウクライナ首脳は何をめぐって応酬したのか
ロシアの製油所への攻撃を続けるかどうかと、ロシアへの制裁を緩めたことの是非をめぐって応酬しています。
9日の合意発表から10日の「交代」発言までは、2日足らずで次のように進みました。
図のとおり、合意の発表、制裁の緩和、首脳間の非難、議会の反発が、ほぼ同時に重なっています。以下で順に見ます。
トランプ氏の投稿と一般許可135号で何が決まったのか
ロシアが米国と世界市場へ軽油を出し、米国はその取引を2027年4月7日まで制裁の対象から外すことが決まりました。
AP通信によると、トランプ氏は投稿で、ロシアが「直ちに」30万トン超の軽油を供給し、11月に50万トン、その後100万トン、さらに「短期間のうちに」300万トンを出すと書きました。合計すると最大480万トンですが、100万トンと300万トンの時期は示されていません。投稿には「米国民、とりわけ偉大な農家、牧場主、トラック運転手のための値下げが私の最優先課題だ」「プーチン大統領に感謝したい」との言葉もありました。
OFACの一般許可135号の原文では、ロシア産軽油の販売・引き渡し・荷下ろし・輸入(米国への輸入を含む)に関わる取引を、米東部夏時間の2027年4月7日午前0時1分まで認めています。ただし、ロシア中央銀行、国民福祉基金、ロシア財務省の米国内の口座からの引き落としは対象外です。ロシア側では、プーチン氏が米国と世界市場への石油と石油製品の供給に応じる用意を確認したと述べました。
ゼレンスキー氏は合意をどう批判したのか
ゼレンスキー氏は、ロシアが緊張を和らげる約束をしないまま制裁を緩めるのは「不公平で不誠実」だと批判しました。
時事通信によると、ゼレンスキー氏は9月に対ロシア制裁法に署名したばかりのトランプ氏が、わずか1カ月で一方的に圧力を緩めたことに反発しました。マイアミでの米欧とウクライナの協議が米ロ交渉の「隠れみの」に使われたとも批判しています。AP通信は、同氏が「強いパートナーによる弱い決定だ」と述べ、ロシアに「より多くの人を殺し、より長く戦争を続けさせる」ことになると警告したと伝えました。
その間も、ロシアは攻撃を強めています。時事通信によると、ウクライナ東部では8日に路線バスが爆撃を受けて30人以上が死亡し、10日には南部でアパートが攻撃されて20人が犠牲になりました。
トランプ氏の「新しい大統領を」発言は何を意味するのか
トランプ氏は10日、製油所への攻撃をやめないゼレンスキー氏に代わる指導者が必要だとの考えを示しました。
米FOXニュースによると、トランプ氏はホワイトハウスで記者団に「ウクライナは新しい大統領を持つ時だ」と述べ、製油所への攻撃について「彼はやめたほうがいい」と語りました。「ロシアに何をしてもいいが、製油所は攻撃するなと言ってきた。世界の問題になるからだ」とも述べています。発言の詳しい経緯とウクライナ側の反論は、前回の記事「トランプ氏「ウクライナは新しい指導者を」製油所攻撃で交代要求」で取り上げました。
(編集部分析)同盟国の首脳が、相手国の指導者の交代に公然と触れるのは異例です。ウクライナの指導者を決めるのはウクライナの国民であり、主権の原則から見て、この発言には大きな課題が残ります。同時に、ロシアの製油所への攻撃は、ウクライナが自国を守るために選んだ手段です。その手段を他国の燃料価格の都合で止めさせようとする構図は、どの国にとっても他人事ではありません。
トランプ氏の「エネルギー停戦」は成立したのか
トランプ氏は11日に「エネルギー停戦」を宣言しましたが、ウクライナは初耳だとし、ロシアからの確認も出ていません。
米NBCニュースによると、トランプ氏は11日朝、自身のSNSに「直ちに、ロシアとウクライナの戦争でエネルギー停戦が発効する。双方が合意した。破るな」と投稿しましたが、中身は示しませんでした。ゼレンスキー氏は米メディアに対し、停戦の合意は「初耳だった」と述べたうえで、「ロシアがエネルギー停戦に同意するなら、ウクライナも同意する」と語りました。同じ報道によると、ロシアから直ちに確認は出ておらず、トランプ氏は約1か月前にも同じような発表をしましたが、その後も双方はエネルギー施設への攻撃を続けました。
(編集部分析)停戦が本物であれば、ウクライナの製油所攻撃をめぐる米ウの対立は和らぎます。ただ、相手国の確認がないまま停戦を宣言する手法は、前回も裏付けを欠きました。言葉ではなく、エネルギー施設への攻撃が実際に止まったかどうかで判断する必要があります。
今回の合意はどの法律とぶつかるのか
2022年のロシア産石油の輸入禁止法と、2026年9月に成立した対ロシア制裁法の2つとの関係が問われています。
反対する議員が挙げている法律を並べると次のとおりです。
| 法律 | 成立 | 中身 | 今回の論点 |
|---|---|---|---|
| ロシア産石油輸入停止法(Ending Importation of Russian Oil Act) | 2022年。上院100対0、下院413対9 | 大統領が定められた条件を認定しない限り、ロシア産石油の輸入を禁じる | 一般許可135号は米国への輸入も認めている。ティリス氏はこの法律に反する恐れを指摘 |
| リンゼー・O・グラハム対ロシア・イラン制裁法 | 2026年9月18日にトランプ氏が署名 | ロシア産石油・ガスの上位5輸入国に最大100%の関税を課すよう求める | 圧力を強める法律に署名した1カ月後に、圧力を緩めた形になった |
| 一般許可135号(OFAC) | 2026年10月9日に発出 | ロシア産軽油の販売・引き渡し・荷下ろし・輸入を2027年4月7日まで許可 | 制裁の制度そのものは残したまま、軽油だけを一時的に外す |
表の3つのうち、議会が定めた法律が2つ、政府の行政判断が1つです。一般許可135号は法律と同じ重さで並ぶものではなく、法律の範囲内で政府が出す許可です。争点は、この許可で米国への輸入まで認めたことが2022年の法律が大統領に認める範囲に収まっているか、法律が定める議会への説明の手続きを満たしているかの2点です。
輸入禁止法の票数と中身はRFE/RL、制裁法の署名日はキーウ・ポスト、関税の中身はAP通信の報道によります。合意が実際に違法かどうかについて、裁判所や政府の判断は出ていません。
フィッツパトリック法案は成立するのか
成立までの壁は高く、下院の採決にこぎつけるだけでも過半数の218人の署名が要ります。
フィッツパトリック氏が使うとしているのは「ディスチャージ・ペティション(審査打ち切りの請願)」という手続きです。RFE/RLによると、下院の過半数にあたる218人が署名すれば、委員会や党指導部の同意がなくても本会議で採決させられます。
図の5段階のうち、まだ1段目の「提出を表明した」段階です。RFE/RLは、議会は数週間先まで採決の予定が無く、今の議会の任期は1月に終わること、上院の承認とホワイトハウスの反対という壁もあることを伝えています。
(編集部分析)法案がすぐに通る見込みは低いとみられます。それでも与党の議員が自らの大統領の政策に法案で歯止めをかけようとしていることは、立法府が行政を監視するという仕組みが働いている表れと評価できます。11月3日の中間選挙を前に、共和党の議員が「ロシアに甘い」と見られることを避けたいという計算も働いているとみられます。
トランプ氏はなぜ軽油の値下げを急いだのか
中間選挙を3週間あまり後に控え、軽油の価格が過去最高の水準にあり、農業州の不満が高まっていたためとみられます。
AP通信によると、全米自動車協会(AAA)の集計で、軽油の全国平均価格は9月22日に1ガロン6.52ドルの過去最高を記録しました。足元の価格は報道によって差があります。
| 項目 | 数字 | 出所 |
|---|---|---|
| 軽油の全国平均(過去最高) | 1ガロン6.52ドル(9月22日) | AAA(AP通信、アルジャジーラ) |
| 軽油の全国平均(合意発表のころ) | 6.28ドル(AP通信)/6.20ドル(アルジャジーラ) | AAA。記事ごとに時点が異なるとみられる |
| 米国の軽油の消費量 | 1日あたり約370万バレル | 元国際エネルギー機関(IEA)のニール・アトキンソン氏(アルジャジーラ) |
| 中間選挙の投票日 | 11月3日 | アルジャジーラ |
表の6.28ドルと6.20ドルは、どちらもAAAの数字を引いた報道で、確認した時点が違うとみられます。アルジャジーラによると、9月の過去最高値は1年前の倍を超える水準でした。
アルジャジーラによると、背景には2月に始まった米国・イスラエルとイランの衝突でホルムズ海峡がほぼ閉ざされたことがあります。ロシアもウクライナの製油所攻撃で燃料が足りなくなり、7月から軽油の輸出を止めていました。アトキンソン氏は、発表された量では米国の価格はあまり動かないとの見方を示しています。時事通信によると、米エネルギー投資会社の投資責任者ダン・ピカリング氏も、合意は「何より政治的意味合いが強い」と指摘しました。
欧州とロシアはどう反応したのか
欧州連合(EU)は圧力を緩めない姿勢を示し、ロシアは軽油の輸出制限を前倒しで解く考えを示しました。
RFE/RLによると、EUのカラス外交安全保障上級代表は「今はロシアへの圧力を緩める時ではなく、欧州は緩めない」と述べ、EU外相は12日に新たな制裁を協議する予定です。AP通信によると、ロシアのノバク副首相は、軽油の輸出制限を「予定より早く直ちに」解き始めると述べました。プーチン氏の側近のウシャコフ大統領補佐官は、米国が何か譲歩したかどうかについて明言を避けました。
欧州が足並みをそろえない限り、ロシア産軽油の買い手は限られます。アルジャジーラは、欧州の政府がロシア産軽油を買うとは考えにくいというアナリストの見方を伝えています。
ロシア産軽油の制裁緩和は日本に何を意味するのか
同盟国の対ロシア政策でさえ、選挙前の燃料価格で動くことがあるという現実を、日本に突きつけています。
日本は先進7か国(G7)の一員としてロシアへの制裁を続けており、ロシアは10月に日本の追加制裁への対抗措置を打ち出しています(「ロシアが日本に対抗措置を表明」)。米国が軽油だけとはいえ制裁を一時的に外したことで、制裁で足並みをそろえる国々の間に温度差が出ました。
(編集部分析)この出来事から日本が学ぶべきなのは、エネルギーの安定供給を他国の判断に預けることの危うさです。米国は自国の農家と運転手の負担を最優先にしました。それは米国の国益として理解できる判断ですが、日本の国益と常に一致するとは限りません。原油の大半を中東に頼る日本にとって、ホルムズ海峡が閉ざされた今の状況は他人事ではありません。原子力の活用や備蓄の積み増し、調達先の分散を通じて、自国のエネルギーを自らの判断で確保する力こそが、主権国家としての誇りを支える土台になると評価できます。
(編集部分析)同時に、米議会で与党の議員が自らの大統領に異を唱えている点は、同盟の先行きを見るうえで重要です。米国の対外政策は大統領ひとりで決まるわけではなく、議会の動きも合わせて見ることで、日本は同盟国の本当の方向をより正確に読み取ることができます。
ロシア産軽油と共和党の反発のよくある質問
読者から寄せられそうな疑問を3つ取り上げます。
Q. 法案が成立しなくても、一般許可135号は撤回できるのですか?
A. 撤回できます。一般許可135号は議会の法律ではなく米財務省OFACが出した行政上の許可で、OFACが修正や取り消しをすることができます。議会の法案が成立することは前提ではありません。
Q. ロシア産軽油は実際にいつ米国へ入るのですか?
A. 到着の時期は10月12日時点で公表されていません。トランプ氏は30万トン超を「直ちに」供給すると投稿し、ロシアのノバク副首相は輸出制限を前倒しで解くと述べていますが、米国の港に着いた量はまだ報じられていません。
Q. 米国はいつからロシア産の石油を輸入していなかったのですか?
A. 2022年からです。ロシアのウクライナ侵攻を受けて当時のバイデン政権が輸入を禁じ、議会も同じ年に輸入停止法を成立させました。米エネルギー情報局によると、それ以降、ロシア産の石油やガスは輸入されていません。
この先は、次の3点を見れば合意の行方が追えます。1つ目は米財務省OFACの「最近の措置(Recent Actions)」のページで、一般許可135号が修正・撤回されるかどうかです。2つ目はフィッツパトリック法案が正式に提出され、審査打ち切りの請願に218人の署名が集まるかどうかです。3つ目は、ロシア産軽油が実際に米国の港へ届いたかどうかの報道です。当サイトでも動きがあれば続報でお伝えします。
参考情報
- 米財務省OFAC「Issuance of Russia-related General License」(2026年10月9日・一般許可135号)
- RFE/RL「House Republicans Move To Block Trump’s Russia Diesel Deal」(2026年10月11日)
- ニューズウィーク「Republicans seek to block Trump’s Putin diesel deal as legal questions grow」(Yahoo!ニュース米国版に転載)
- AP通信「Trump strikes deal with Putin for Russian diesel」(アトランタ・ジャーナル・コンスティテューション掲載)
- アルジャジーラ「Why is US turning to Russia for diesel despite sanctions?」(2026年10月10日)
- FOXニュース「Trump calls for Ukraine to replace Zelenskyy after clash over Russia diesel deal」(2026年10月10日)
- AP通信「Six senators call for Trump administration to ‘immediately reverse course’ on Russian diesel plan」(2026年10月11日・アンカレッジ・デイリー・ニューズ掲載)
- NBCニュース「Trump claims Russia and Ukraine agree to energy ceasefire」(2026年10月11日)
- キーウ・ポスト「Republicans Join Democrats Against Trump’s Putin Diesel Deal」(2026年10月10日)
- 時事通信「米ウクライナ首脳、募る不信 ロシア軽油・制裁緩和で応酬」(2026年10月12日)
