【10/18】可児市長選は冨田成輝氏が5選|医師の平田亮氏との一騎打ち制す・投票率33.98%

10月18日に投開票された岐阜県可児市長選挙で、無所属で現職の冨田成輝氏(73)が5選を果たしました。医師で無所属新人の平田亮氏(70)との一騎打ちで、可児市では8年ぶりの選挙戦でした。可児市選挙管理委員会の確定得票は冨田氏が1万6075票、平田氏が9538票です。投票率は33.98%で、選挙戦になった前回2018年の33.70%をわずかに上回りました。

この記事では、2人の得票と投票率、冨田成輝氏の経歴と5期目の訴え、平田氏の主張、争点、2010年からの市長選との比べ、投票所ごとの投票率、5期目の市政で注目したい点を、市の発表と報道をもとに整理します。

この記事でわかること

  • 結果:冨田成輝氏が1万6075票で5選。平田亮氏は9538票でした。
  • 投票率:33.98%。前回の選挙戦(2018年)の33.70%を0.28ポイント上回りました。
  • 構図:4党推薦の現職と、市政の刷新を訴えた医師の一騎打ち。多選の是非が問われました。
目次

可児市長選の結果は?冨田成輝氏が5選

可児市長選は現職の冨田成輝氏が1万6075票を得て、医師の平田亮氏を6537票差で破り5選を果たしました。

選挙は任期満了に伴うもので、10月11日に告示され、2人がいずれも無所属で立候補しました。中日新聞によると、冨田氏は自民、国民、公明、立民の4党から推薦を受け、4期16年の実績を前面に出しました(中日新聞)。ぎふチャンによると、冨田氏は当選後、「市民の声をしっかり聞き、新しい発想で成し遂げる。今まで以上に一生懸命、可児市政のかじ取りを務めさせていただきます」と述べました(ぎふチャン)。

可児市長選の得票数と得票率

冨田氏が1万6075票(約62.8%)、平田氏が9538票(約37.2%)で、冨田氏が平田氏の約1.7倍の票を集めました。

可児市選挙管理委員会は開票率100%の確定速報を市の公式サイトに載せています(可児市「確定開票速報」)。この確定値をもとに2人の得票を並べます。得票率は2人の得票の合計(2万5613票)を分母にして編集部が計算したものです。

候補者(年齢) 新旧・肩書 得票数 得票率(編集部計算) 結果
冨田成輝(73) 無所属・現職(自民・国民・公明・立民推薦) 1万6075票 約62.8% 当選(5期目)
平田亮(70) 無所属・新人/医師 9538票 約37.2% 落選

市の速報では候補者名が「冨田しげき」「平田りょう」とひらがな交じりで載っています。投票者数は2万5910人で、2人の得票の合計とは297の差があります。この差の内訳は速報には書かれていません。

投票率は33.98%で前回の選挙戦を上回った

投票率は33.98%で、選挙戦になった前回2018年の33.70%を0.28ポイント上回りました。

可児市の最終投票速報によると、当日有権者数は7万6253人、投票者数は2万5910人でした。男性は33.20%、女性は34.73%で、女性の投票率が高くなっています(可児市「最終投票速報」)。岐阜新聞は、2018年の投票率が過去最低だったと伝えています(岐阜新聞)。2022年は無投票だったため、投票そのものがありませんでした。

冨田成輝氏とはどんな人?経歴と5期目の訴え

冨田成輝氏は岐阜県庁の幹部から2010年に初当選した市長で、5期目は公共交通の整備などを掲げました。

県庁の幹部から2010年に初当選

冨田氏は名古屋大学法学部を出て岐阜県庁に入り、総務部長、健康福祉部長、環境生活部長を歴任しました。

選挙ドットコムによると、冨田氏は可児市出身で、2010年の市長選で初当選し、2022年は立候補の届け出がほかに無く無投票で4選しました(選挙ドットコム)。今回の当選で、2010年から数えて5期目に入ります。

5期目に向けて掲げたこと

冨田氏は4期16年の実績を前面に出し、公共交通の整備や体育館のエアコン設置などを5期目の課題に挙げました。

中日新聞によると、冨田氏は告示日の第一声で、2010年7月15日の豪雨災害のあと真っ先に水害対策に取り組んだことや、いじめに特化した条例を制定したことを挙げました。子育て健康プラザ「マーノ」の整備、大学の誘致、無印良品と組んだ図書館「カニミライブ」の開設、新しい工業団地の造成も実績として示し、工業団地は完売して借金も返し終えたと説明しています(中日新聞)。多選への懸念には「チャレンジ精神」で応えると訴えました。選挙戦では、コミュニティーバスの再編や小中学校の体育館へのエアコン設置を強調しました。

ぎふチャンによると、冨田氏は当選後、5期目の課題として、名鉄広見線とバス路線の連携などの公共交通網の整備、小中学校の体育館へのエアコン設置、高齢者の見守りシステムの構築を挙げています。

敗れた平田亮氏は何を訴えたか

平田氏は地域ごとの予算の充実や子育て支援、AIを使った乗り合い交通などを掲げ、市政の刷新を訴えました。

中日新聞によると、平田氏は小児科や内科が専門の「ひまわりファミリークリニック」の院長で、子ども食堂などに関わる子育て支援団体の代表も務めています。9月28日に立候補を表明し、現市政について「安定を求め過ぎている」と述べました(中日新聞)。告示日には、習い事の助成や夏休みの給食、各地区が自ら課題を解く地域予算の導入、医師会と協議した市独自の医療の仕組み、高齢者が家の前から移動できるAIデマンド交通を掲げ、無投票は民主主義に反すると訴えました。得票は現職の6割ほどにとどまりました。

可児市長選の争点は何だったのか

争点は、5期目を目指す現職の市政を続けるか、刷新するかという多選の是非でした。

中日新聞は、今回の選挙戦で現市政の是非が問われたと伝えています。高齢化と少子化が進むなかで、2人はどちらも子育てと高齢者の移動を訴えの柱に置き、違いは「16年の実績の延長」と「地域と子育てへの手厚い配分」のどちらを先に置くかにありました。

表明から新しい任期の始まりまでの主な出来事を順に並べます。

2026年9月28日
平田氏が立候補を表明
10月11日
告示、8年ぶりの選挙戦に
10月18日
投開票、投票率33.98%
11月6日
4期目の任期が満了

表明の日付は中日新聞、投票率は可児市の発表、任期満了の日付は岐阜新聞によります。

過去の可児市長選と比べるとどうか

冨田氏の得票は前回の選挙戦より4497票減り、挑戦者の得票は3906票増えました。

2010年から2018年は選挙ドットコム、2026年は可児市の確定値をもとに並べます。得票率は2人の得票の合計を分母に編集部が計算しました(2018年は選挙ドットコムの発表値)。

投開票 冨田氏の得票 対立候補の得票 冨田氏の得票率 投票率
2010年10月(初当選) 2万1948票 1万6412票 約57.2% 50.52%
2014年10月(2期目) 2万2845票 5839票 約79.6% 37.87%
2018年10月(3期目) 2万572票 5632票 78.5% 33.70%
2022年10月(4期目) 無投票 -
2026年10月(5期目) 1万6075票 9538票 約62.8% 33.98%

2014年と2018年は8割近い得票率でしたが、今回は6割台まで下がりました。投票率は2018年とほぼ同じ水準で、前回の選挙戦と比べて現職の得票が4497票減り、挑戦者の得票が3906票増えました。

(編集部分析)4党の推薦を受けた現職が勝ちましたが、挑戦者が前回の挑戦者の1.7倍近い票を集めた点は軽く見られません。主要政党がそろって同じ候補を推すと、有権者は「選べない選挙」に置かれがちです。4年前は無投票で、市政の評価を示す機会そのものがありませんでした。2人の得票の合計の約37%が市政の刷新を訴えた候補に入ったことは、16年続く市政への問いかけの一つとして受け止めるべきだと評価できます。

投票所ごとの投票率はどうだったか

当日の投票率は緑投票区の29.29%が最も高く、大森南投票区の13.67%が最も低くなりました。

可児市の最終投票速報は、31の投票区ごとに当日の投票率と2018年の投票率を並べています。期日前投票の8857人は投票区に割り振られていないため、投票区ごとの数字は当日に投票所へ行った人だけの割合です。目立つ投票区を抜き出します。

投票区 2026年の当日投票率 2018年の投票率 ひとこと
緑 29.29% 33.61% 当日では最も高い
久々利 26.86% 34.43% 当日では2番目
東帷子 23.65% 20.95% 2018年を上回った唯一の投票区
川合 17.47% 21.92% 低いほうから2番目
大森南 13.67% 18.56% 当日では最も低い

期日前投票の8857人は投票者全体の約34%にあたります。31投票区のうち30で当日の投票率が2018年を下回りました。市全体の投票率は2018年を上回っているので、当日の投票所の数字だけで投票の多い少ないを判断しないよう注意が要ります。

5期目の冨田市政で注目したいこと

注目したいのは、公共交通と学校の体育館の整備を、平田氏に集まった9538票の声も踏まえて進められるかです。

冨田氏が挙げた名鉄広見線とバスの連携、体育館へのエアコン設置、高齢者の見守りシステムには、まとまった財源と、利用する住民との合意づくりが要ります。公約がどう形になるかは、次の3つを見ると追えます。1つ目は来年度予算案に載る体育館の空調や交通の事業費、2つ目は名鉄広見線を残すための市の負担の行方、3つ目は平田氏が訴えた地域予算や子育て支援を、5期目の施策にどこまで取り込むかです。予算案と議案は可児市と可児市議会の公式サイトで公開されるので、新しい任期の所信表明とあわせて確かめてみてください。

(編集部分析)冨田氏は当選後に「新しい発想で成し遂げる」と述べました。5期20年に及ぶ長期の市政は、経験が生きる一方で、職員や地域が首長の顔色をうかがい、新しい声が届きにくくなる恐れもあります。地方の暮らしを支えるのは、目新しい施設よりも、高齢者が移動できる足と、子育て世帯が住み続けられる土台です。限られた税金をそこへどこまで集中できるか、刷新を訴えた候補に集まった票を、刷新を求める声の一部とみて議会と市民がどう生かすかを、市民の目で確かめ続ける必要があると評価できます。

可児市長選についてよくある質問

冨田氏の5期目は11月7日から始まり、平田氏は子育て支援団体「やさしい魔法使い」の代表も務めています。

Q. 冨田氏の5期目の任期はいつからですか?

A. 4期目の任期が11月6日で満了するため、5期目は翌日の11月7日から4年間です。任期満了の日付は岐阜新聞の報道によります。

Q. 平田亮氏は医師のほかにどんな活動をしていますか?

A. 中日新聞によると、子育て支援団体「やさしい魔法使い」の代表を務め、子ども食堂などに関わっています。

同じ18日には、ほかの市長選も投開票されました。兵庫県の川西市長選の結果は「【10/18】川西市長選は越田謙治郎氏が3選|元市議の斯波康晴氏との一騎打ち制す」、滋賀県の草津市長選の結果は「【10/18】草津市長選は駒井千代氏が初当選|自民推薦の白井氏ら3人破り初の女性市長」、埼玉県の草加市長選の結果は「【10/18】草加市長選は山川百合子氏が再選|自民推薦の木下元市長ら2人破る」にまとめています。

ここで取り上げた数字と発言は、次の報道と発表で確かめられます。

参考情報

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次