【10/25】君津市長選は16年ぶり無投票|石井宏子氏が3選 同日の市議補選はやまなか茂氏が当選、投票率19.21%に急落

千葉県の君津市長選挙は、10月18日の告示日に現職の石井宏子(いしい・ひろこ)氏(62)=無所属=のほかに立候補の届け出がなく、無投票で石井氏の3選が決まりました。君津市長選の無投票は2010年以来16年ぶりです。

このため、投票日の10月25日に行われたのは、欠員1を争う市議会議員の補欠選挙だけでした。補選は新人のやまなか茂氏が当選しましたが、投票率は19.21%にとどまり、市長選と同じ日に行われた前回2022年の補選から29.71ポイント下がっています。

この記事では、市長選が無投票になった経緯と報道で分かっていること、石井氏の経歴とこれまでの選挙、同じ日の市議補選の結果と投票率、3期目の課題を、君津市の発表と東京新聞などの報道をもとに整理します。

この記事でわかること

  • 市長選:現職の石井宏子氏だけが届け出て、16年ぶりの無投票で3選しました。
  • 10月25日:投票は市議補選だけで、新人のやまなか茂氏が4983票で当選しました。
  • 投票率:補選の投票率は19.21%で、前回2022年の48.92%から大きく下がりました。
目次

君津市長選2026の結果は?石井宏子氏が無投票で3選

君津市長選は、現職の石井宏子氏のほかに立候補の届け出がなく、10月18日の告示日に無投票で3選が決まりました。

君津市選挙管理委員会によると、立候補の受け付けは10月18日午後5時に締め切られ、届け出は石井氏1人でした。市は「届出のあった候補者が1名であったため、無投票となりました」と発表しています。届け出の内容は次のとおりです。

項目 内容
候補者 石井宏子(通称 石井ひろ子)
年齢・性別 62歳・女性
党派・区分 無所属・現職(君津市長)
結果 無投票で当選(3期目)
選挙人名簿登録者数 6万7477人(10月17日時点)

表の候補者の内容は君津市選挙管理委員会の届出状況、名簿登録者数は東京新聞の報道によります。無投票のため開票は行われず、得票数もありません。

東京新聞によると、石井氏は3期目の市政運営で、台風災害からの復旧・復興と、「妊娠・出産から育児、教育までを切れ目なく支える」施策を重点的に進めるとしています。

なぜ無投票になったのか?報道で分かっていること

告示日までに石井氏以外の届け出が1件もなかったためで、対立候補が出なかった理由は報じられていません。

確認できた報道は、いずれも「石井氏のほかに届け出がなかった」という事実を伝えるところまでで、立候補を検討した人がいたかどうかや、見送った理由は示されていません。千葉日報は2026年1月の選挙展望で「今後動き活発化か」との見出しを立てていましたが、結果として告示日まで対立候補は現れませんでした。

読売新聞によると、君津市長選の無投票は2010年以来16年ぶり2回目です。君津市選挙管理委員会の資料でも、2010年10月24日の選挙は市長選が無投票となり、市議補選だけが行われたと記されています。

前回2022年は石井氏が3分の2の票を得ていた

前回2022年の市長選では、石井氏が得票率66.6%で新人に大差をつけて再選しており、現職の地盤の強さは数字にも表れていました。

政治山によると、2022年10月23日の市長選は石井氏と新人で会社員の鈴木荘一氏の一騎打ちで、石井氏が2万2577票(得票率66.6%)を得ました。投票率は48.95%、当日有権者数は6万9770人でした。前回の得票の差が、今回の対立候補の擁立にどう影響したかを示す報道は確認できていません。

石井宏子氏はどんな人物か

石井氏は音楽教諭から市議、県議を経て、2018年に市長に初当選した政治家です。

石井宏子氏の経歴

石井氏は埼玉県出身で、上野学園大学音楽学部を卒業後、音楽教諭として君津市に赴任しました。

政治山によると、石井氏は君津市議を経て、2007年の千葉県議選で初当選し、県議3期目の途中で2018年の市長選に立候補しました。東京新聞も、石井氏の経歴を小中学校の教諭、市議、県議を経て2018年に初当選と伝えています。届け出の住所は君津市外箕輪で、選挙事務所は君津市久保に置かれていました(君津市選挙管理委員会)。

2018年からの3回の市長選の流れ

石井氏は2018年に新人3人の争いを制して初当選し、2022年は大差で再選、2026年は無投票で3選しました。

政治山によると、2018年10月14日の市長選は新人3人の争いで、元県議の石井氏が1万6084票(得票率44.5%)を得て、自民・公明が推薦した元県職員の渡辺吉郎氏らを破りました。3回の選挙を並べると次のようになります。

石井宏子氏の市長選の流れ(政治山・君津市の発表による)

2018年10月 新人3人の争い。石井氏が16,084票(44.5%)で初当選。投票率50.55%、当日有権者数7万2292人
2022年10月 現職と新人の一騎打ち。石井氏が22,577票(66.6%)で再選。投票率48.95%、当日有権者数6万9770人
2026年10月 届け出は石井氏1人。16年ぶりの無投票で3選。補選の当日有権者数6万6769人

この流れのとおり、石井氏は2018年に自民・公明の推薦候補を破って市長になり、2期目で得票を伸ばしました。あわせて、市の有権者は8年で約5500人減っています(2018年の市長選と2026年の補選の当日有権者数から編集部が計算)。

10月25日の市議補選の結果は?やまなか茂氏が当選

10月25日の市議補選は、欠員1に3人が立候補し、新人のやまなか茂氏が4983票で当選しました。

君津市選挙管理委員会が25日午後10時に確定した開票結果は次のとおりです。候補者名は選挙管理委員会の表記(通称)のまま載せています。

候補者 区分 得票 結果
やまなか茂 新人 4,983票 当選
船田けんじ 元職 4,198票 落選
村上洋一郎 新人 2,991票 落選

表の得票は君津市選挙管理委員会の開票結果、新人・元職の区分は千葉日報の報道(新人2人、元職1人)と各候補の届け出によります。当選したやまなか氏と2位の船田氏の差は785票でした(編集部が計算)。

補選の投票率19.21%はなぜ低かったのか

市長選が無投票になり、投票が市議1人を選ぶ補選だけになったことが一因と考えられますが、理由を直接示す調査はありません。

君津市選挙管理委員会によると、補選の当日有権者数は6万6769人、投票者数は1万2823人で、投票率は19.21%でした。このうち期日前投票は5097人です。前回2022年の補選は市長選と同じ日に行われ、投票率は48.92%でした。市長選が無投票で補選だけが行われた2010年の投票率は22.90%で、今回はそれも下回っています。

2010年(市長選は無投票)

補選だけ実施
投票率 22.90%

2022年(市長選と同日)

市長選と補選を実施
投票率 48.92%

2026年(市長選は無投票)

補選だけ実施
投票率 19.21%

図のとおり、市長選が無投票になった年は、補選の投票率が2割前後まで落ちています。3つの数字はいずれも君津市選挙管理委員会の資料によるもので、補選の投票率を市全体で比べた値です。

3期目の課題は?台風25号からの復旧と子育て支援

3期目の最初の課題は、2026年9月の台風25号による被害からの復旧で、石井氏自身も復旧・復興を重点に挙げています。

かずさ水道広域連合企業団によると、台風25号の影響で、君津市の東日笠配水区と大戸見・坂畑・蔵玉配水区で断水が起き、植畑・豊英・坂畑・蔵玉など山あいの30を超える地区が対象になって応急給水が行われました。断水はすでにすべて解消しています。君津市は2019年9月の房総半島台風でも大きな被害を受け、市の2024年度の施政方針は、その再建の途中で新型コロナとの闘いが始まったと振り返っています。

石井氏は台風からの復旧と並んで、妊娠・出産から育児、教育までを切れ目なく支える施策を重点に挙げています(東京新聞)。有権者が8年で約5500人減っているなかで、子育て世帯が住み続けられる街にできるかが問われます。

同じ10月25日のほかの市長選はどうだったか

10月25日に投票があった市長選では現職の勝利が続き、滋賀県の栗東市だけは新人が現職を破りました。

当サイトが同じ日の結果を整理した記事によると、沖縄県の那覇市長選では現職の知念覚氏が再選し、新潟市長選では現職の中原八一氏が3選、沖縄県の豊見城市長選では現職の徳元次人氏が再選しました。滋賀県の栗東市長選では、元県議で新人の九里学氏が、自民・公明が推薦した現職の竹村健氏を破って初当選しています。並べると次のとおりです。

市長選 結果 投票率
君津市(千葉) 現職の石井宏子氏が無投票で3選(告示日の10月18日に確定) (無投票)
那覇市(沖縄) 現職の知念覚氏が再選 35.81%
新潟市(新潟) 現職の中原八一氏が3選 35.61%
豊見城市(沖縄) 現職の徳元次人氏が再選 50.51%
栗東市(滋賀) 新人の九里学氏が現職を破り初当選 38.06%

表の他市の結果と投票率は、各市の記事や選挙ドットコムの確定値によります。この表で投票があった4市のうち3市は、投票率が3割台でした。一方で、選挙そのものが行われなかった君津市では、市民が市長を選ぶ機会が4年先まで来ないことになります。

無投票をどう読むか(編集部分析)

(編集部分析)現職への信任とも、選ぶ機会の喪失とも読めますが、どちらと言い切る材料は報道にありません。

前回2022年に石井氏が3分の2の票を得ていたことからは、対立候補を立てても勝ち目が薄いと各勢力が判断した可能性があります。ただし、立候補を見送った理由を語った人の発言は、今回確認できた報道にはありません。

(編集部分析)はっきりしているのは、市民が4年間の市政を評価し、次の4年の方針を比べて選ぶ機会がなくなったことです。補選の投票率が2割を切ったことは、地域の政治参加を考えるうえで懸念材料です。保守の立場から大切にしたいのは、地域のことを地域の住民が自ら決める自治の力であり、その中心にあるのが選挙です。

(編集部分析)無投票の首長には、選挙で政策を競わなかった分、議会と市民への説明を厚くする責任があると考えます。台風からの復旧の進め方や子育て施策の予算を、市議会の審議や市の発表で具体的に示し続けることが、選挙を経ずに得た3期目を市民の信任に変える条件です。

君津市長選のよくある質問

本文で扱わなかった周辺の疑問を、2つだけ補います。

Q. 石井氏の3期目の任期はいつまでですか?

A. 政治山によると、2期目の任期は2022年11月1日から4年間でした。3期目はその満了に続く4年間で、次の市長選は2030年の秋になる見込みです。正確な任期の始まりは市の発表で確かめられます。

Q. 補選の投票所ごとの投票率はどこで確かめられますか?

A. 君津市選挙管理委員会の投票結果(PDF)に、投票所ごとの有権者数と投票率、期日前投票の内訳が載っています。問い合わせ先は君津市選挙管理委員会事務局(0439-56-1341)です。

確かめる先は3つです。市長選の届け出と無投票の決定は君津市の届出状況のページ、補選の候補者別の確定得票は開票結果(PDF)、地域別の投票状況は投票結果(PDF)で見られます。3期目の台風復旧や子育て施策の中身は、次の市議会での所信表明と予算案で示されます。

参考情報

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